2019年4月20日土曜日

「社会学史」を読む。

大澤真幸氏の「社会学史」(講談社現代新書)が無茶苦茶面白い。この本は、社会学の歴史、すなわち社会学とは何かという命題を考える、社会学を社会学している本である。すなわち、社会学というのは、自らの学問の歴史を分析することが学問になりうる存在であるわけだ。

このところ、朝のバスの時間が遅くなったようで、毎日30分ばかり待たされる。その間に読んでいるので、だいぶ読み進むことが出来た。この本の備忘録もつくりたいが、おそらく莫大なエントリーになってしまいそうだ。4月は、マレーシア連邦憲法についてまとめたので、エントリー数が増えすぎた。この反省からスパンを長くしながら、忘れた頃に徐々にエントリーしようと思っている。この本に登場する人物は、かなり多い。

アリストテレスに始まって、グロティウス、パスカル、ホッブズ、ロック、ルソー。サン=シモン、コント、スペンサー、そしてマルクス。フロイド、デュルケーム、ジンメル、そしてマックス・ウェーバー。そして今はパーソンズまで来ている。この後、フーコーも登場する予定である。教え子諸氏には、要するに私の倫理(あるいはEJU後の哲学講座で示した)社会のコンフリクトに関係する哲学者群である。

実はかなり哲学的な思索を必要とする本である。一応社会科教師としての私はの専門は「倫理」のなので十分読むことが出来るが、まだまだPBTのF38・F40の諸君には、日本語としては難しいかもしれない。だが、社会学の専攻者には是非一読して欲しい本だ。最初はわからなくても、何度も読むうちにわかってくる。学生時代に何度か読み直すことになるような一冊だと思う。

この歳になって思うのだが、教師は10教えるのに少なくとも、教える内容を20理解していないと学生にはわかりにくいと思う。歳をとるとともに自分自身の勉強も進んで30,40,50と様々な知識や経験が蓄積され、教えることに自信と喜びがさらに増していく、そんなことを思わせる本だ。おそらく、この本に書かれている逸話は紹介しても難解な内容を授業で説くことはないと思う。それでいい、でも知っていると授業に深みが出る、そんな本なのである。

追記:訳あって、最新のアフリカ開発経済額テキストv7.04を常設ページに載せることにしましたが、ページ数が多く結局、DropBoxに保存、クラウドを利用して見て頂けるようにしました。特別に興味のある方は、メールをいただくとGmailで添付・送付するように努力したいと思います。

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