2018年8月31日金曜日

超個人的独立記念日 考

http://www.tokyo-np.co.
jp/article/national/list/
201808/CK20180
80802000137.html
8月31日はマレーシアの独立記念日で休日である。独立記念式典はKLのムルデカ(独立)広場で行われていたが、今年は新政権になって、首都機能の集まるプトラジャヤ(KLから南に車で40分くらい)に移った。我が住処は、ちょうど式典を飾る軍の航空機の通り道で、昨年は大はしゃぎだった。ところが今年は全然見ることができない。ヘリも戦闘機も…。実に寂しい。式典後、昨日見た輸送機の編隊が帰ってきたのを見たくらいだ。(曇天で撮影にも失敗した。あーあ。)

新政権になって、一気に中国との距離が開いているように思う。これ以上の中国資本、本土からの入国者を制限しようとする動きが目立つ。実は、マレーシアの人々は、前政権の親中国路線を、歓迎していないことは明白だ。マハティール氏が言うように、植民地化が進むと捉えているようだ。特にマレー系の人々にはその思いが強いし、私の知る中華系の人々も同様だ。前政権の腐敗の根源のように考えているようだ。だからこそ、今回の独立記念式典も、新政権誕生を受けて、旧態依然としたKLからプトラジャヤに移したと多くの人は理解している。(個人的意見だが、来年は是非ともKLに戻して欲しい。笑)

マハティール氏は、先日、高速鉄道建設計画だけでなく、シンガポール隣接の海上都市「フォレスト・シティー」の外国人の購入・居住ビザ発給を許さないと発言した。訪中時は、それなりに発言に配慮した氏だが、彼の私心のない目には、中国の植民地化を防ぐことが国益だと映っているのだろう。政権復帰から100日を過ぎても支持率は71%を超えている。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/08/post-10865_1.php

…日本でも、北海道など中国資本の土地購入が進んでいるようだ。マハティール氏のマレーシアは、日本ほど脇が甘くない。

…今日の画像は、先日我がクラスの学生が参加した日本でのリーダー塾でのマハティール首相。(日本の平和憲法にふれ、マレーシアでも改憲を指向したいという講演だったようだ。)赤いTシャツは、リーダー塾のオリジナル。いくつかのグループで色が違っていたらしい。よって、正確に言うと、そのうちの1種類(赤)のTシャツである。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201808/CK2018080802000137.html

2018年8月30日木曜日

PBTの話(60) 運動会’2018

会場となったUPM(マレーシア・プトラ大学)
2年ぶりの運動会である。2年前の運動会の日に妻が来馬したのを思い出す。今年は、MBMRに分校が出来て、学生間のコミュニケーションに物理的な無理もあるので、各団のリーダーはF40だけで本校で決め、当日に競技参加者をミーティングで決め、競技説明もぶっつけ本番という運営方法だった。これは仕方がないと思う。ただし、我がF40Aのリーダーの女子学生2名は、事前に競技者を決めに各教室を走り回っていた。ちょっと嬉しい。
ラジオ体操第一をT先生中心に全員で行う/これも日本文化教育
私は今回も得点係である。やはり教師歴38年で体育祭はその数だけ経験しているわけで、一昨日得点集計のための書類をつくっていた。綱引きは今回8チームのすべてを順位づけするので、3回対戦する。ありがたいことに綱が4本用意されているので、同時に対戦が可能だった。ただし、男女8チーム×2あるので、なかなか審判は疲れるのだった。
障害物競走の二人三脚スタート F40Aのマラッカ三人衆のうち2人が敵味方に分かれて…
競技が終わって、かなり疲れが溜まっていたのだと思う。会場の大学に置いてあった決勝審判台に頭をぶつけてしまった。私は下ばかり見て歩く癖があって、久しぶりにガツーンと言ってしまったのだった。眼鏡も落ちたし、ちょっとびびったが、キャップのお陰で傷もなく、タンコブも出来なかったが、ちょっとショックを受けた。よく考えれば還暦も過ぎた私が、炎天下で運動会で走り回っている。ちょっと無理しすぎているのかと思ったのだ。自分の体力の限界を見た思いだ。

ともあれ、我がF40Aの学生達は、各団に別れ、リーダーを務めたり、副役職的にリーダーを支えたり、司会を務めたり、用具係として私の意を汲んで仕事を進んでやってくれていた。PBTをリードする存在であったと思う。ちょっと誇りに思っている。
蛇足だが、運動会開会前に軍の輸送機が編隊飛行していた。明日はマレーシアの独立記念日である。そのリハーサルであろう。今年は、KLのムルデカ広場ではなく、プトラジャヤで式典が行われるので、我がコンドの窓から去年のような編隊飛行見れるかどうかわからいので、ラッキーであった。

2018年8月29日水曜日

中国の「空巣青年」問題

https://twitter.com/Latvija_the_
two/status/960726207955312640
中国のかかえる大問題についての記事が目に止まった。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56400

中国のGDPは2017年時点で、アメリカの63.2%にまで迫っている。2023年から27年の間に追い越し世界一の経済大国になるらしい。先端技術分野でも、世界知的所有機関によれば国際特許出願件数で、アメリカを猛追しており、中国のHUAWEI、ZTEが1位・2位、3位がインテルとのこと。「先端技術=アメリカ」ではすでにない。(以下、その後の記事要約である。)

1978年から2015年まで続いた「一人っ子政策」のため、農村などでは男子を産む方向に進み、男女比は120対100(国連は107までを正常国家だとしている。)で、2020年には結婚適齢期の3000万人の男性が余る計算になる。彼らは「剰男」と呼ばれ、結婚を諦めた「空巣青年」も急増中。親元を離れ都会で一人暮らし、スマホばかり見て引きこもっている若者を意味するらしい。大卒者も、日本の13倍。経済規模は日本の2.5倍故に、就職先が全く足りない。若年失業者が増すと、反政府運動などのリスクもマスので政府は起業を勧め、年間600万社が創業したと言うが、おそらく死屍累々。

2024年になると、年間600万組が離婚する時代になるだろうと言われている。東京都に近い人数。日本の27.6倍という数字になるのは、「一人っ子」政策の小皇帝と小公主のわがまま夫婦故らしい。2025年には中国は深刻な労働不足となるらしい。生産年齢人口はすでに減少しており、高齢化社会に突入していく。日本に遅れること30年で日本の10倍以上の規模で少子高齢化の波が押し寄せてくるわけだ。かなりヤバイ「老いていく中国」なのである。

…こういう統計資料による社会学的考察は、実に示唆に富んでいる。運命的に捉えるのではなく、これをどう克服していくかが重要であるが、全人類を巻き込むだけの未曾有の政治的・経済的実験になることは間違いないと思う。

2018年8月28日火曜日

TVドラマ「ケンチとすみれ」

http://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009040092_00000#yokatta
F40Aの学生は、昨年のF38Aと大きく異なる点がある。経済学部や経営学部といった中華系の学生が好む進路ではなく、人文系や社会学、教養学・国際関係学や政治学、はたまた美術史・芸術学を志望している学生もいて、あまり金になる学問を志望しない学生がほとんどなのである。大学で何を学ぶか?これは大きな人生の選択である。

私は、実学を否定しないが、結局のトコロ自分の学びたい、興味がある学問をするほうがいいのではないか?と考えている。この私の考えに大きな影響をあたえたTVドラマがある。ウィキで調べたら1967年から翌68年に放送されたとある、NHKの「ケンチとすみれ」である。今はもう画像がほとんど残っていないようだ。(考えれば当然である。当時ビデオシステムをもっていたのは一部の人間で、私の知っているのは堺正章くらいだろう。雑誌で紹介されていて感動した記憶がある。笑)

「ケンチとすみれ」の記憶はさすがに断片的だ。主人公は建築家をめざし、後にオリンピックの国立競技場のイスを設計したはずだ。当時私は小学校の高学年くらい。建築に興味をもっていたので、熱心に見ていたのだと思う。さて、青島幸夫がこのドラマに出ていて、主人公の旧制高校の親友だったと思うのだが、彼は大学でインド哲学を専攻すると言って、ケンチの元を去っていく。

当時、当然ながらインド哲学とは何者か全く知らなかったが、その言霊にはしびれたのだった。金銭的な見返りは何ら期待できない(すなわち実学ではない)学問であることは、小学生の私にもわかった。だが、「かっこええな。」と私は思ったのだ。大学でインド哲学を専攻する…。

その後、中学生になって、工業化学をやろうかとか、ヴィジュアルデザインをやろうかとか、高校生になって高校社会科の教師をやろうかなどと将来の志望は様々に変化するのだが、結局、私は大学で哲学や宗教学を専攻することになった。半ば青島幸夫の道を選んだである。(笑)

幸運にも高校の倫理の教師に採用されたからいいものの、されなかったら、どうなっていたかわからない。(笑)もちろん、私の選択には後悔はない。昨夜、そんなことを考えながら「ケンチとすみれ」のシーンを思い出していたのだった。

2018年8月27日月曜日

府大 社会共生科学課程

社会学をやりたいという学生の希望を受けて、今日、国公立大学を調べていたら、灯台もと暗しで、大阪府立大学の現代システム科学域の環境システム学類・社会共生科学課程にたどり着いた。

大坂府立大学は、あるイベントで高校時代に行ったこともある。
また中学時代の友人が教鞭を取っているし、親友の兄貴も京大を蹴って、航空工学をここで学んでいた。当然ながら教え子にも卒業生がいる。なにかと縁のある大学なのだが、だいぶ様子が変わっていた。府大は理系のイメージが強いのだが、大きな改革をしているようだった。

大阪の教育界の激変にあって、大阪市立大学との統合も両議会通過したようで、ちょっと先行きに不安があるが、文系も強い市大との完全合併が万が一あったとしても社会学をやる学生にとって悪くはない。(市大の文学部にも、人間行動学科に社会学のコースがあるからだ。)

とはいえ、府大の私費留学生入試は遅い。しかも入学手続きは持参だけである。明日にでも、日本に電話して海外からの受験が可能か確認しなくていはならない。相変わらず、ちょっと胃が痛い毎日を送っている。

2018年8月26日日曜日

国際アジア法政策学科

PBTで、私費留学生の進路指導を担当していると、意外な発見がある。先日も某県立大学の経済学部は、(就学ビザをすでに取得している)日本在住の留学生しか受験できないとか、文系であっても理系の学問を学ぶことが可能な私大があるとかを知り、大いに経験値を上げた。

そんななかで、「国際アジア法政策学科」という学科があることを発見した。これまで、日本の教え子が何人か学んでいる大学の学部で、私も評価している学部なのだが、このような学科ができているとは驚いた。

ベーシックな欧米の法を学ぶのは当然だが、「世界には、長い歴史と固有の文化をもった多くの国々があり、そこではグローバル化の進展とともに、それぞれの地域・社会の法の下でかけがえのない生を営んでいる人々がいるからです。」(学部HPより抜粋)とあって、シラバスを見てみると、ドイツ私法、フランス公法、タイ法、ベトナム法、カンボジア法、中国法などの講義がある。

他にもグローバルスタディーズセミナーというカタチで、ロシア語で学ぶ民族問題やオランダ語で学ぶベルギー、アラビア語で学ぶイスラム社会、スペイン語で学ぶ南米ペルー社会などといった国際関係の講義も充実している。実に面白そうだ。できることなら、私が入学したいくらいである。(笑)

マレーシアからの留学生としては、アジア法政策の講義の中に、なぜマレーシア法がないのかと思うのは当然。卒論のテーマと定めて、新しい分野を開拓する楽しみもあるというもの。私は、彼にこの学科の受験を勧めたのだった。

2018年8月25日土曜日

妻のトップアップにつきあう

できれば週末はゆっくりしたいのだが、妻が現金が少なくなったのとトップアップ(スマホの通話を確保するため毎月RM30ほど入金する)のために、ミッドバレーに行こうと言い出した。先日、妻が一人でトップアップしにいったら、改装中でいつもの店が閉まっていたらしい。というわけで、午前中夫婦でミッドバレーに買い物に行ってきたのだった。

まずは、現金を入手する。(上の画像は、メガモールのグランドフロアー:日本で言う1Fにある銀行/ATMはオープン。)私のカードは、一度にRM1000だけおろせる設定になっている。トップアップはいろんなところで出来るのだが、このあたりだと、隣のガーデンズというモールで、来馬直後私は電話番号を入手したので、その店に向かう。そこでは、トップアップ用の自動販売機みたいなマシンがあって、中華系のスタッフが丁寧に教えてくれたのだった。いやあ、驚いた。いつもは、電話番号を書いたカードを渡し、通信して貰うのだが、ここなら「一人で出来た君」である。

途中、いつもは高くて買えない平べったい桃(調べたらバントウというらしい)を発見した。ポーランド・ワルシャワで食べたことがある。なんと8個でRM15という破格の値段だった。イオンでは、パキスタン産のマンゴーを発見。ちょっと試食したが、なかなか美味しいので購入した。

マレーシアは暑いので、こういうモール内をうろうろするのが涼しくて運動になる。とはいっても、リュックには牛乳の2リットル×2、缶ビール×6を背負って帰ってくるのは大変だ。いつものようにタクシーで帰ってきた。(笑)

2018年8月24日金曜日

ついに本人から弾劾という言葉

https://www.facebook.com/i
mpeachmentmarchworldwide/
米国大統領の口からついに「弾劾」という言葉が出てきた。元顧問弁護士が、関係を持った女性2人に口止め料を支払ったことを認めたことに端を発しているが、これの支払いを米連邦選挙委員会に報告していなかった。大統領選挙のイメージを護り勝つためであったと立証できれば、訴追も可能ではないかという話である。現職大統領を訴追できるか否かという議論もあるようだ。
https://www.bbc.com/japanese/45293664

…なんとも低レベルな話ではあるが、現実である。これにロシアの疑惑もかなり信憑性をもってきている。弾劾が行われるとすれば、中間選挙後で、下院の過半数の賛成と、上院の2/3の賛成があれば弾劾できるという。可能性は決して低くない。

本人は、保守系のTVのフォックスニュースで「もし自分が弾劾されれば、株価は暴落する、みんなすごく貧乏になる。」と発言したらしい。いつもどおり、論理性のかけらもない発言だ。

イランやトルコでは、軍事的・金融的な危機をわざわざ起こしている。新興国の通貨にも連動しそうなヤバイ状況下である。米経済もその返り血をあびる可能性もある。弾劾が成立すれば、株価は暴落するのだろうか。例によって、口から出任せであると私は思う。

すでに農業分野では、グローバル経済化の競争下、世界の蚊帳の外におかれているという指摘もある。関税のおかげで、供給側である米農家の、需要側とのこれまでの信用や関係性は破壊されつつあるようだ。
https://jp.reuters.com/article/trump-farm-column-idJPKCN1L90AZ

こういう現実を無視して、「いい仕事をしている」と自負しかできない、また虚勢をはるしかできない男の悲しさだ。一刻も早く弾劾されて、株価が暴落いたしますように。

2018年8月23日木曜日

PBTの話(59) S先生来訪

F40Aの元担任で、日本に帰国されたS先生が昼休みにPBTに来られた。学生達は大喜びで、一人ひとり先生が帰国された後、最も印象に残った話をしてくれた。スピーチコンテストで、クラス全員で合唱をしたこと、EJUの試験で緊張したり、スコアを自分で開けた感激、本を読み出したこと、日本文学に目覚めたこと、20周年記念のパーティーで中央銀行総裁にお会いしたこと、リーダー塾でマハティール首相と写真をとったこと…。

学生の思いをどんどん引き出していかれるS先生に、私も感銘を受けたのだった。ありがたいことに、私が担任になって、社会科で様々な話を聞いて、いろんな知識が増え、それらが繋がってきたことを語ってくれた学生もいた。S先生も安心されたかと思う。「これからも長い付き合いをしていきたい、出来ることがあったら何でもしてあげるね」と言って頂いた。私は、日本在住の保証人を引き受けて頂こうと思っている。(笑)大学によっては、そういう保証人の存在を求めるところもあって、正直閉口している。F40Aに関しては、S先生にお願いできるというわけだ。S先生、申し訳ありませんがよろしくお願いします。
今週は、進路指導がメインで、授業の方は自転車操業状態。仕方がないと言えばそれまでだが、明日から経済の復習に入る。勤務時間をオーバーして教材のプリントをつくっていた次第。

2018年8月22日水曜日

PBTの話(58) 進路指導面談2

ハイリラヤ=ハジで今日は休日である。ほんとは近くのマスジット(モスク)まで出かけて犠牲祭も見たいところだが、ここ連日の進路指導で疲れてそれどころではなかった。朝2時間、昼2時間、計4時間も追加睡眠を取ってしまった。だいぶ疲れているようだ。

PBTでは、日本語の作文の授業で、志望理由書のコンセプトを整理させている。「なぜ日本に留学したいのか?」「なぜその学部・学科を志望したのか?」「なぜこの大学を志望したのか」という3段階で作文を書かせる。我がF40Aでは、この作文の授業は火曜日の5限目・3週間連続で行われる。この作文を書くためには、5限目までに全員の志望大学をほぼ確定しておくほうがよい、というわけだ。
とはいえ、まだまだ大学の私費留学生受験要項を詳細に見て、TOEFLのスコアを直接大学に送るのか、コピーでいいのかとか、受験料や入学金の支払いは国外から可能かなどをチェックせねばならない。特に今年は、TOEFLの受験が進んでいない(現在4人/15人程度)ので、ちょっとイラついていたりする。TOEFLはアメリカからスコアが送られ、サンクスギビングに挟まれると届くのが遅くなるのだ。明日もう一度、呼びかけを行うつもりだ。(このTOEFLは受験料が高く、必要ない大学もあるので自分で再確認させようと思っている。)

全く持って、日本の進路指導とは違う様々な問題が出てくるのである。先日、前任校のOB、S君と話していて、そういえば、彼の受験時は調査書を印刷しただけで、あとは勝手にやれだったよなあと笑っていたのである。まあ、疲れも溜まって当然かと思う。
*今日の画像は、先日前任校のOBが来てくれた時、二手に別れて懇談したときの様子

2018年8月21日火曜日

プラハの春 50周年

https://blog.goo.ne.jp/kumagaya001/e/5c443de549350fa57d9e07f01727769f
AFPによると21日はプラハの春50周年で、チェコではNGOを中心に抗議集会が開かれたらしい。
http://www.afpbb.com/articles/-/3186696?cx_part=top_topstory&cx_position=3

プラハの春は、日本でも大きく報道されたという記憶がある。当時私は小学校5年生で、その意味は良くわかならかったが、TVでソ連の戦車がプラハ市内を走っている映像を見たことは鮮明に覚えている。かなりの衝撃だった。

そうか、あれから50年。チェコは東欧の中では自由を渇望する国であり、冷戦下の東欧旅行記などでは、国境通過時に最も形式的な扱い(パスポートの検査も簡単で消毒液を踏むだけ)をしていたとかと書かれていたように思う。左翼の中での論争はともかく、そういったイメージを暖めてきた。

コメコンの中でも東ドイツとともに、技術力が高く、特にガラス系に強い。大相撲のチェコスロバキア杯も見事なボヘミアングラスだったりした。そんなイメージの元には、プラハの春の時、ソ連が軍事力を用いてもでも掌中に収めておきたかったという事情もあると私は考えてきた。おそらく、そういう直感は間違っていないと思う。

今のチェコは、どんな国になっているのだろう。妻と「チェコに行ってみたいねえ。」などと話しているのだが…。

2018年8月20日月曜日

PBTの話(57) 教え子来校

KLに来ている前任校の教え子2人(S君とT君)が、PBTに来てくれた。事前に校長先生に許可を得ていたが、あまりおおっぴらにも出来ないので、こそっとF40Aの教室に連れて行った。法学部と外国語学部の4回生。意外に、といっては怒られるけど、さすが4回生。コミュニケーション能力が高く、うちの学生達を引きつけて、いろいろな話をしてくれた。

ちょうど、第二回の進路指導の個人票を提出してもらった後で、日本留学への意識がさらに高まったと思う。一期一会の出会いだが、もしかしたらどこかで再会することになるかもしれない。人生は面白いモノだ。

教え子2人によると、PBTの学生の日本語能力の高さに驚いたらしい。ちょっと嬉しい。彼らは、この後、タイに行くそうだ。旅行の無事を祈りたい。

2018年8月19日日曜日

国益と教育の話 雑感

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13723?page=2
教育というのは、国益にとって何が重要かという問いかけの答えでもあると私は感じている。時代によって、国益は変化する。以前、東京で行われた国際理解教育学会で、東大の教育学の権威といわれる教授の講演を聴いた。この時、「ハト・マメ・マス」という語で始まる日本最初の国定教科書は、国民皆兵のための東北弁の発音矯正のためだと聞いた。衝撃であった。戦後の日本の国益は、まずは一億相懺悔で「平和主義」の注入であったと思う。次に「人権」。この最初の世代が私たちである。そして世界一の公害大国故の「環境」…。日本の教育は、勤勉性を旨としながら、こういったアドミッション・ポリシーをもっていたように思う。

現在の韓国の感情にまかせた政治状況も、反日教育によるという意見がある。私も同感だ。学校教育において、やわらかい頭にすり込まれた国益を貴重とした原理・原則的な意識は、そう簡単にくつがえせない。中国の現指導部もまた、幼年期に国益的教育を受けている。そういう視点からの記事を読んで納得した。「イギリスを追い越し、アメリカに追いつく」(実際は追い越されたのは日本だが…。)という当時のスローガンは、習近平の一帯一路政策に繋がるらしい。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13723

マレーシアでの国益は、まずは多民族の共生だったと思われる。マレーシア語を国語として、さらに公用語としての英語は、学校教育で重視されている。
民族の言語たる中国語・タミル語も一般の学校では教えないが、私立や家庭で並立している。マレー系は、ムスリムとしてアラビア語も学ぶ。つまり、マレーシアの学生は、国語としてのマレーシア語、英語は十分読み書きできる。民族ごとに、アラビア語、中国語、タミル語も話すわけで、学生によって、得意不得意はあるけれど3ヶ国語が一応堪能であるわけだ。そのかわりと言ってはなんだが、言語の時間が多い分、他の教科に関しては幾分弱くなっている。PBTで、社会を教えて2年半。初めて聞いたという話が多い。歴史などは、(私立の中華系卒業者以外は)マレーシアの歴史に限定されており、ヨーロッパ史や現代史は全く学んだ経験がない。私は、そういうデメリットがあっても多民族国家マレーシアが存立するために、マレー語・英語を学ぶ意義は大きいと思う。もちろん、これからも改革は必要だろうが…。

昨日、S君と話していて、卒業論文は「日本の英語教育の問題点」について書くと聞いた。面白い論題だが、難しい問題だ。言語をツールとして見るのか、文化として見るのか?マレーシア在住の私は、後者だと思う。いずれにせよ、教育を語ることは、その時代の国家を語ることになるような気がする。

2018年8月18日土曜日

ゾルゲ事件内部文書の話

https://ja.wikipedia.org/wiki/
毎日新聞にゾルゲ事件で新聞統制を行ったという内部資料(司法省刑事局の課長のメモ)が発見され、国立国会図書館に寄贈されたとの報道がされたようだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180818-00000007-mai-soci

ゾルゲとコミンテルン支配下のスパイ網が逮捕されたのは、1941年10月。開戦直前である。言論統制があったことは常識的に理解できる。ところで、ここで、西園寺公望の孫である外務省嘱託であった西園寺公一(きんかず)の肩書きを削除するようにとの事項があった。首相を決める元老で政界の重鎮であり、その前年に死去していた西園寺公望への配慮以上に、外務省の責任・批判への大きな危惧の賜物であろう。

西園寺公一は、オックスフォードでマルクス主義者となったとされる。故に帰国後、宮内省入りを拒否している。脇の甘い近衛文麿は、外務省に入ろうとしたが不合格だった西園寺公一をもったいないと嘱託職員に採用させるが、嘱託という身分に不満があったようで後に辞職している。とはいえ、ヨセミテで行われた民間組織の会議である太平洋問題調査会第6回大会の日本代表団書記となり、尾崎秀実と出会う。その後、尾崎と共に近衛内閣のブレーンの一員となる。再度外務省嘱託となり、松岡洋右と共に、渡米。ヒトラー、スターリン、ムッソリーニとも会っている。西園寺公一は、この頃中国共産党を研究しており、ゾルゲ、尾崎とともに有罪(スパイ罪で死刑)になったが、交渉ルートとしての有用性が認められ、執行猶予がついたのではないかとされている。
西園寺公一 https://twitter.com/catnewsagency/status/965156176538222593
戦争中は警察の監視下に置かれ、1947年参議院議員(無所属)に当選。病気のため欠席が多く、次の選挙では落選。その後中華人民共和国成立後の日本側の民間大使的立場となり、中国本土へ移住。文革期には、反革命的な出自や劉少奇に近いという理由で事実上追放され帰国。帰国後は文革を礼賛。
私は学生時代に西園寺公一の文革礼讃の文章をリアルタイムで読んだ記憶がある。だが、近かった劉少奇を批判したり、華国鋒の四人組裁判時には江青らを批判、言論人としても変節が目立ち、右派からも左派からも批判されたという、極めて異質な貴族である。

ゾルゲ事件は、日本の近現代史の中でも極めて興味深い事件である。ゾルゲ人も、尾崎秀実も、そしてこの西園寺公一の人物像も非常に興味深いし、そういうスパイに囲まれていた近衛文麿も、見事に日本的な脇の甘さをもった貴族である。西園寺公一の変節も変節だが、戦後の近衛の変節も変節で、結局貴族人というのはよくわからないところがある。まあ、維新後、完全なまでに優柔不断だった三条実美よりはマシかと思う次第。(笑)

前任校教え子とKLを歩く。

独立記念日が近いので、中華街の北の広場には国旗が…
前任校の教え子のS君(というよりFちゃん)が、大きく成長してマレーシアに会いに来てくれた。文化祭の時に総責任者として頑張ってくれた教え子である。S大法学部に進んで、すでに4回生。日本と東南アジアを結ぶ商社への就職内定を報告にきてくれたのだった。

聞くと、大学のオープンキャンパスなどの行事を学生が主体的に運営するサークルの部長を務めていたんだとか。大学当局とスタッフの学生の間に立って、様々な苦労をしたらしい。またゼミでも教育現場に通い、学校との折衝もしてきたとか。社会人との折衝経験が豊富。そういう”学生ガクセイ”していないところが、関関同立の学生を相手にして、内定を勝ち取ったのかと思う。教え子の成長こそが教師の宝である。前任校の教え子達が、様々に頑張っていることも聞くことが出来た。とりわけM君(というよりAちゃん)は教職試験突破を目指し他府県にも挑戦を拡げているとか。…嬉しいな。実に嬉しい。
散策の途中に見つけたマレーシア各州の壁画
ところで、KLは朝から珍しく雨が降ってきて、ブランチでナシレマを食してから、ローカルバスで中華街へ向かった。スタバで雨宿りをしてから、チョウキットへ向かった。S君はそこに宿を定めていたからだ。私が案内したい、マスジット・ジャメやマレー系の屋台もそのコースにある。ちょうどよかったのだ。しかも、ローカル色一杯のマーケットやシーク教寺院も見せることが出来た。

正直なところ、かなり疲れたけれど、他の東南アジア諸国とマレーシアの違いのようなトコロを伝えられたと思う。雨のお陰でちょっと蒸し暑い感じだったけれど、カンカン照りでなかったのも幸いした。ただ、マンゴースス(マンゴー+ミルク)は相変わらず美味だったけれど、カラッと晴れて暑いほうがよかったかな。(笑)

2018年8月17日金曜日

続 ちょっと書評 Thanks,OBAMA

オバマ大統領の言葉の好みは、称賛するのに”Good”"Great"といった言葉をさけ、同じような意味でも、少し具体的な語彙だったようだ。
Fantastic(きわめて優秀)
Outstanding(傑出した)
tremendous(壮大)などの語彙である。(P150)

…現大統領とは、まさに雲泥の差だ。「あの犬」などという語彙は決して普段でも使わないだろう。

筆者は、ユダヤ人であるが故に、ユダヤ担当という位置を獲得する。半年ごとにユダヤ教改革派連合の会議でのスピーチを担当したという。(改革派は、ユダヤの律法に対し柔軟に対応する派である。)1週間の時間を掛けて、ラビに聞いた聖書の一節を挿入し、イスラエルに関する外交政策を専門家に補足して貰い、アブラハムやヨシュア、ヘッシェルの言葉、アメリカでのユダヤ移民のサクセスストーリー、イスラエルとの固い同盟関係などを織り込んだ。翌日のイスラエルのハアレツ紙は「オバマはイディッシュ語を話すが、共和党は話さない」という見出しで、このスピーチを絶賛したという。(P156)
*イディッシュ語とは、ドイツなどに住んでいたユダヤ人(アシュケナジ)の言語である。(ちょっと自慢になるが、うちの息子はイディッシュ語が話せる数少ない日本人研究者である。)

…大統領がスピーチするほどの改革派の会議が半年ごとに開催されているということ自体に、在米のユダヤ・ロビーの力の大きさを感じるし、それを専門に担当するスピーチライターが存在すること自体が凄いなと思う。イスラエルの新聞の見出しも、極めて芸術的だと思う。

2018年8月16日木曜日

PBTの話(56) 雨ニモマケズ

http://www.comicbox.co.jp/gallery/hatanaka/work/poem1.html
スピーチライターは「韻を踏む」という話を昨日書いた。私の英語力では、英文における韻は当然わからない。昔、漢詩は中国語で読むと「韻」を踏んでいて美しく聞こえると、前々任校のK老師が言っていた。もちろん、中国語もわかならない。日本語で「韻」を踏んでいるのは何か?ちょっと考えていた。

浮かんだのは、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」である。雨(アメ)はA・E、風(カゼ)もA・E。見事に「韻」を踏んでいる。政治の復習中に、大きな政府の解説をしていて、今ちょうど読んでいるスピーチライターの話から、ふと「韻」の話になった。
で、「雨ニモマケズ」を紹介して、「韻」の説明をしたわけだ。
次に、李白や杜甫と、黒板に書くと、中華系の学生達は中国語読みで”おおっ”と反応した。”彼らの詩は韻を踏んでるか?”と聞くと、みんなそうだという。さすが中国人のDNA。マレーの学生も、マレーの文学にも同様の「韻」を踏むという。名文というのは、世界共通らしい。

http://awa.rgr.jp/wiki.cgi?page
=No349%2F%A3%D7%A3%E
5%A3%E2%C8%C7%2F11
昼休みの後、連続の我がクラスの授業に行ったら、日本文学をやりたいというW君が、さっそく「雨ニモマケズ」をWEBで調べていた。玄米って何ですか?という質問を受けた。(笑)さらに、最後に漢字が並んでいるのは何ですか?と聞かれた。「?」…見てみると、法華経に関係する仏菩薩の名が並んでいる。この宮沢賢治の詩は、法華経に説かれる不軽菩薩への憧れを記しているという説がある。この仏菩薩の名の部分は、遺稿の手帳の見開きに書かれていたモノらしい。で、ちょっとだけ説明した。(説明しだすと長くなる。笑)

W君はもしかしたら、昨年こんな話をしたら絶対同様にリサーチしたであろうI君の後輩になるかもしれぬ。2人を合わせたら、太宰や中原中也の話できっと盛り上がるだろうなあ、そんなことを考えていたのだった。

2018年8月15日水曜日

ちょっと書評 Thanks,OBAMA

久しぶりに書評をエントリーしたい。(まだ全部読んでいないが…。)だいぶ前、PBTの社長から、社会科の教師である私に読んでみたらいいと渡されたのが、「(邦題)24歳の僕がオバマ大統領のスピーチライターに?!(THANKS、OBAMA、My Hepey、Changey White House Years)デビット・リット著/光文社」である。大阪弁風に言うと(もちろん社長は標準語の使い手だ。)「文章がこねくり回されて読みにくいけどね。」と言われて渡されたのだった。(笑)

その意味は、読みだしてすぐわかった。ディテールにかなり凝っている文章なのだ。それもそのはず、彼は民主党のボラティアから、ホワイトハウスの高官の、そしてさらにオバマ大統領のスピーチライターとなったユダヤ人青年であったからだ。

今回のエントリーでは、前半部で私が面白いと思った箇所について記したい。
彼はホワイトハウス入りをする前に、クリントン大統領やゴア副大統領の元スピーチライター4人が設立したスピーチ原稿を執筆する会社の正社員になっている。最高レベルのライターから、頭韻(同じ子韻で始まる単語を続けて用い、音韻的効果をねらう技巧)はあまり目立たないが、タイミングよく使えば効果があること、演説者から一番伝えたいことを聞き出すテクニック、スピーチライターの仕事は芸術であり匠の技で、同じスピーチは2度とないが、流れるような長い文章の間にパンチの効いた短い文章を挟むのが1つのパターンになっていること、さらにユーモア好きの公人にジョークの微妙なバランスなどを学んだと書いている。(P66)

また、こんな話も。スピーチライターにとって重要なのは、聴衆の代理という役割である。スピーチライターと仕事をする人は何かの専門家である。専門家の話はたいていつまらない。ある分野に詳しくなればなるほど、一般人に理解できるように説明するのが難しくなる。スピーチライターが素人を代表して、一般人の集中力が続く短い時間をうまく利用して話を作る。(P146)

時間の制約中で、名文を考える。韻を踏み、ユーモアも交え、わかりやすいスピーチ原稿を仕上げる。なかなか面白い刺激的な仕事だ。現大統領は、極めて稚拙な中学生くらいの英語のスピーチだという記事があった。きっとスピーチライターも各省庁の高官が次々辞めるくらいだから、優秀なスピーチライターが逃げていったのかもしれない。だから、もっぱらツイッター?

2018年8月14日火曜日

ロキソニンな夜

このところ、歯が痛い。最初は右だったが、今度は左。極めて痛いのだ。歯医者にいけばいいのだけれど、私は英語が出来ないし、おまけに糖尿病なので、そのことを念頭に治療して貰わねば、えらいことになるらしい。昨年11月の一時帰国時に歯医者でこう言われた。糖尿病患者は歯を抜くなら1ヶ月は必要だと。うーん。

とにかく薬用歯磨きと痛み止めのロキソニンに頼っている数日間である。このところ、歯が痛くて、あまり足はつらなかったのだが、昨日は夜中に4回もつった。イタタタ。と、いうわけで寝不足で集中力が普段よりはるかに低下している次第。

マレーシアは良いところだが、英語が出来ないと医療はきつい。しかも日本のような保険はない。健康ならこんないいところはないのだが、還暦過ぎのオジイになった身にはちょいとばかし辛いのである。…ロキソニンを飲まねば寝れない夜が怖い。

今日もF38AのOB・OGが4人来てくれたのだが、体調優れず、しかも多忙でゆっくり対応してあげれなかった。申し訳なく思うのである。

2018年8月12日日曜日

北欧の人名的 大阪弁

https://kogusoku.com
/archives/7555
関西の男性トイレの看板
「こぐま速報」の話題を昨日に引き続きエントリーしておきたい。北欧あたりの人名のような大阪弁を集めたタグが面白いということで紹介されている。(もちろん妻に教えて貰った記事である。我が家では、こういう会話が頻繁である。)
https://kogusoku.com/archives/11253

私が特に面白いと思ったものを記しておこうと思う。( )は私が標準語表記に直したものである。

エーモン・ツコテハルワ(いいものを使っておられる)
ナン・ボヤネン(いくらですか?orたいしたことはない)
ヤッパ・スキヤネン(やっぱり好きですよ)
アンタ・ヨーワスレラレヘン(あなたのことを忘れられません)
マックチャウ・マクドヤロ(マクドナルドの呼び名について、マックではなくマクドでしょう)
ワレ・ナンヤネン(怒気をこめて:あなた、なにか私に文句があるのですか?)
キミ・ダレヤネン(あなたは誰ですか?)
ホンマ・ツライネン(本当に辛いです)

欧米では、父親の名前に、英語では~ソンや、ロシア語では~ビッチがついたりする場合が多いが、北欧では、~センやネン、~ソンとなる。たしかに大阪弁風の名前がありそうではある。(笑)

昨日エントリーした観光業を目差すOB・H君への備忘録として追加編である。大阪を添乗したりしたとき、きっとウケると思う。

2018年8月11日土曜日

遠慮のかたまり

https://kogusoku.com/archives/7555
関西の面白いポスター
お客のサイズを知っている店
関西で社会学を学んでいるOBが、「だいぶ社会学的な目を持てるようになりました。」と言っていた。意欲的に勉強しているようで、実に嬉しい。その時話題にしたのが『こぐま速報』と言うWEBニュースの記事の話。こぐまの後がわからなかかったので、その時検索できなかった。ここで、関西弁と関西のウィットに富んだポスターの話をエントリーしておこうと思う。(当然、このこぐま速報を発見したのは妻である。笑)
https://kogusoku.com/archives/11281
https://kogusoku.com/archives/5510

記事では、関東で通じない関西弁ランキングが2種類載っている。
その1:ツレ 押しピン シュッとしている さぶイボ ナイロン袋
その2:遠慮のかたまり 蚊にかまれる ぐねる アテ いがむ

ツレ(連れ)というのは友人を意味する若者語である。使用例:「昨日はツレとカラオケにいってきた。」シュッとしているという語はあまり私は使わない。ニュアンスは格好ええという意味。さぶイボは何かの嫌なことがあると一瞬皮膚にできる症状である。鳥肌。使用例:「(いやな事があって)さぶイボでたわ。」ナイロン袋は、マレーシアではプラスティック・バッグである。

遠慮のかたまりは、遠慮している人を表現した言葉。使用例:「俺、遠慮の固まりやから」蚊にかまれるは、蚊にさされるとは関西では言わないのだ。ぐねるというのは、歩いたり走ったりしている時、足が変な感じでつまずいたようになること。ひどい場合捻挫となる。使用例:「足をぐねってしもた。」「サロンパスはっとききや。」アテとは、酒を飲むときの料理を意味する。使用例:「(妻に)アテあるかあ?」「つけもん(漬け物)くらいしかないで。」いがむというのは、変形するという意味である。標準語ではゆがむかな?使用例:「財務大臣、だんだん顔ゆがんできたなあ。」

さらに、ポスター編も面白かった。上記のポスターは、ある商店街のポスター。かなりやばいコピーだが、全ての客のサイズを知っているいる店という意味。凄い感性。
右の画像は、高速道路の男性トイレ前の看板。関西では、おばちゃんはなかなか強者ぞろいで、高速の休憩所で女性トイレが混んでいると、男性トイレに駆け込むこともある。この時、「今だけ男」と言いながら入ってくる。この事情を知っていれば、一番下の「今だけ男の独自ルール適用もご遠慮下さい」というのが、笑える。

将来観光業を志して、社会学を学んでいるOB・H君に、紹介しておきたかったのは、これだ。(笑)
https://kogusoku.com/archives/7555

2018年8月10日金曜日

PBTの話(55) 進路指導面談

6月のEJUの結果が出て、進路指導を今週から始めている。だいぶ前に上記のような調査票をクラスの学生に配布し、先週のスクールホリデー中にいろいろ調べて熟慮の上、記入して提出してもらった。

水曜日から、いよいよ進路指導が開始。昼休みや放課後に一人ひとり呼んで面談した。日本と違って、学生の多くは大学の偏差値(つまり難しさ)をよくわかっていない。しかも、日本のように何度も模擬テストを受けたりすることもない。彼らの今の資料は、6月のEJUの結果だけだ。これから11月のEJUまでどれくらい伸びるかも未知数。そんな中で、志望校を絞っていかねばならないわけだ。ありがたいことに、日本語の能力については、これまでのPBTの経験則がある。ベテランの先生方にはある程度の予測がつく。

誰しも、国公立大学や難関私大に行きたい。日本語の点数から推測し、ある程度のめどをつけなければならない。志望する学部・学科で、合格できそうな大学を示さなければならない。この調査票をもとに、様々な資料をつけて話し合う。妥当なモノもあれば、こんな大学があるという推薦もする。(面談前にこういう準備が必要で、意外に時間がかかる。笑)

6月のEJUの結果しか使えない大学もあり、11月に希望をつなげることが可能な大学もある。渡日前入試(書類審査だけで日本に行かなくても良い入試)は、早く手を打たなければならない。そういう大学を希望する学生から面談を始めている。今のところ、渡日前入試に挑戦する学生はいないけれど、まだまだこれからである。

今日は、1限目我がクラス、4・5限目がBクラスの授業。しかも(マレー系の男子学生がモスクに礼拝にいく)金曜日なので昼休みが長い。3人の学生と面談した。さらに、嬉しいことにF38AのOBが2人来てくれたので、現況を聞いたり、相談に応じたりしていた。まあ、大車輪の1日だった。これも担任の醍醐味。

2018年8月9日木曜日

国連事務総長 8.8長崎にて

http://news.livedoor.com/article/image_detail/15134495/?img_id=18427171
国連事務総長が、初めて長崎の平和記念式典に参列した。国連で採決された核兵器禁止条約(核保有国やNATO、日本も不参加)に背を向けて、使える核の開発を目差す米国へ向けた強い抗議のメッセージを発信した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180809-00000079-asahi-soci

「核保有国は、核兵器の近代化に巨額の資金をつぎ込んでいる。2017年には1兆7000億ドル以上のお金が武器や軍隊のために使われた。これは冷戦終了後、最高の水準だ。世界中の人道援助に必要な金額のおよそ80倍にあたる。」

危険な米国は、国連にも圧力を抱えている。グレーテス事務総長の大いなる勇気を称えたい。少なくとも彼は、ファウストではないことがはっきりした。

2018年8月8日水曜日

オハイオ州下院補選 接戦考

https://www.pinterest.com/
pin/468937379934649981/
オハイオ州の12区下院議員選挙補選では、共和党の牙城であるはずが、かなりの接戦のようだ。この補選、11月の中間選挙で再度議席を争うことになるのだが、ラストベルト(さび付いた工業地帯)で、保守像野強いところ。1982年以来共和党が議席を守ってきた。もちろん、大統領選も12点男が制した。そんな中で民主党の健闘が光っているというか、12点男への批判票が多かったというか…。
https://www.asahi.com/articles/ASL882RWCL88UHBI005.html

記事では、女性や穏健な保守層が棄権したのではないかと推測している。中国との貿易戦争で、大豆農家が大きな痛手をこうむっているし、輸入品の価格高騰もあると伝えている。

ウォールストリートジャーナルの記事では、2000票差で、まだ勝敗はわかならいとAP電は伝えている。暫定投票・不在者投票などが残っており、などまだ未確定の要素があるという。
https://jp.wsj.com/articles/SB12582428471823144100904584396263997486596

…いずれにせよ、中間選挙に向けて、12点男への批判が強まり、共和党の立場は厳しくなっている。これは歓迎すべき事だと私は思っている。
…またイランを恫喝し、取引しようとしている12点男。世界が、さらなる混乱に巻き込まれることは、危険である。一刻も早い弾劾かレイムダック化が望ましい。

2018年8月6日月曜日

PBTの話(54) 各国地誌この1枚

地理分野の復習で、各国地誌をやっている。来年度のことも考えて、またまたパワーポイントを作成しているのだが、その国を紹介するのに、1枚や2枚の画像では無理がある。せめて4枚から5枚と画像を探してWEBをサーフィンすることになる。ヨーロッパから、北アメリカ・ラテンアメリカを終えて、アジア、アフリカの作成をしている。

アジアには正直なところ、私の「属性」が無く、難しい国もある。意外に難しかったのがタイ。マレーシアの隣国だが、行ったことがないのだ。チェンマイの上座部の僧の行列の姿に私はタイを見た。なかなか綺麗な画像である。
パキスタン。「深夜特急」ファンの私にとっては、カイバル峠とクレージーバスなのだが、フンザを加えることにした。「風の谷のナウシカ」のモデルとされている地である。学生の、「おおおー」というため息を期待して…。

2018年8月5日日曜日

PBTの話(53) 20周年パーティー

会場となったTMビル その横のコンベンションホールで開催された。
PBTの20周年記念パーティーが開催された。マハティール首相が来られるかもしれない、という話だったのだが、ペナンで重要な会議が行われているようだ。残念である。そもそも、PBTの誕生は、マハティール首相の「移転する日本人学校の跡に日本語学校を作って欲しい。」という要望に始まるからだ。

セレモニーは、PBTの代表者のダトゥー(マレーシアの称号である。)、帝京大学グループ理事長、在マレーシア日本大使の3人のスピーチで、意外に早く終わった。(ちなみに全部英語だったので、私には10%くらいしかわからなかった。笑)その後ランチタイム。

ランチタイム後、各関係団体(大使館や日本人会、JASSOや同じ準備教育機関など)に表彰状が渡され、OB・OGの話や質問会になった。
F1、つまり最初のPBTの卒業生は、現在日本でIT関係の会社を起業している社長さんだった。彼の話には大いに感銘を受けた。まるで日本人の経営者そのものだったからだ。ちょうど、ランチタイム前に少し話をした富山大学を出て、3年日本で働き、マレーシアの日系企業に勤めている国費生(したがってマレー系である。)のOBは、いかに日本で勤勉さを学んでも、これを本国で活かすことが難しいか、ということを語ってくれた。日本人の勤勉さは、中華系の金銭的欲求ではなく、会社組織への忠誠であり、マレー系の人々にそれを伝えることは至難なのだと。うーん、よくわかる。

F1の社長さんは現役生に、是非日本で働いてみて、そういう勤勉さを学びマレーシアに活かして欲しいと訴えていた。また日本の中小企業の技を、日本人の後継者がいないのなら、マレーシア人がこれを学び受け継ぐべきだと考えているという。そうすれば、おそらく2世代、3世代先になるだろうがマレーシアが日本に追いつくことも可能ではないか、と自らの志を述べていた。

マレーシアに2年と4ヶ月。彼らOB・OGの言うことは、非常によくわかるようになった。マレーシアの将来設計に、PBTをはじめとした準備教育機関が大きく関わっていることを改めて実感した次第。
じゃんけん大会(10周年記念でもやったらしい。)
今回のパーティーには、F38Aの在馬のOGが2名、F40Aの9名が参加してくれた。スクールホリデー最終日に、いいOBの話が聞けて良かったと思う。

F1のOBがこんなことも話していた。日本語が堪能なマレーシア人にとって、グローバルなビジネス現場で、英語を駆使することも重要な武器となる。日本人は、まだまだ英語が堪能ではないので、なかなか需要があるそうだ。日本の雇用市場も大きく変化しているとのこと。…なるほどと思う。

ところで、F38Aの2人のOGはすこぶる元気そうで安心した。8月にまたF38Aの卒業生が来る予定になっている。またすぐ会おうねと話していた。

F40Aの現役学生は、パーティーの雰囲気を楽しみ、しかも最後のじゃんけん大会でZ君が賞品(変わった傘)をゲットした。(笑)やったね。F38・40のみんなには、是非30周年のパーティーに、元気な姿で参加して欲しいものだ。明日からいよいよ、F40Aでは、進路指導を始める。

2018年8月4日土曜日

LGBT発言と分断社会 考

https://www.huffingtonpost.jp/2017/01/15/eight
この8人の大金持ちが世界人口の半分と同等の資産を持っている
日本では、自民党の杉田水脈議員のLGBTへの発言で、様々な議論がわきおこっているようだ。もし同様のことを公立高校の教員が授業などで発言し、問題化したら、教育委員会から何らかの懲罰を受けるだろうと思う。元人権担当として言えば、生徒に何らかのカタチでこのような発言があっても、人権委員会で指導を対応することになるだろう。

国会議員の発言として問題化しているのは当然であると思う。したがって、この件を云々するつもりはない。問題は、その背景にある社会である。BLOGOSの「杉田水脈議員の発言問題から見えてくる日本の分断と困難な未来」(SeaSkyWind/8月3日)の記事はそんな私の懸念を見事に論じている。
http://blogos.com/article/315586/

実は、日本も米国同様、社会が分断されているのだという推論。政治家の暴言は、本音と不満の表れであるとの指摘。客観的な事実よりも感情に訴える手法。リベラルな発言に反発する空気。グローバル化の中で進む経済格差の加速。

…実に恐ろしい分析であるが、マレーシアにあって、この「グローバル化の中で進む経済格差」という分析を肌で感じることが出来る。こちらでは、それが可視できるからだ。日本でも、同様の格差が、いずれ可視できるようになるのかもしれない。

2018年8月3日金曜日

続ジンバブエの大統領選'18

https://www.bbc.com/japanese/45054371
ジンバブエの大統領選教は、現職のムナングガワが50.8%(過半数をわずかに超えたので決選投票無し)で勝利したと報じられている。野党側は、これに異議を唱え、ハラレでは1日に6人もの死者が出たという。事の真偽は遠くにいる私にはわからないが、限りなくデモクレイジーに近いような気がする。50.8%と言う数字が、プロレス技で言うと、スモールパッケージホールドで一瞬の隙をつき、レフェリーのカウントも早かったような勝ち方だ。
https://www.bbc.com/japanese/45054371

これからも野党の反発が続くのだろうか。国内の混乱は決して失敗国家ジンバブエに何ら益をもたらさない。かつての農業の再生をはかれるような開発を進めなければ明日はない。
海外投資を引きつけるような外交政策を打ち、長期的な開発目標を定めなければ明日はない。現大統領にそのような政策を望むほかない。…今そんなことを考えている。

2018年8月2日木曜日

内田樹 揺らぐ戦後国際秩序

http://megshivers.blogspot.com/
2009/03/faustian-theory-
as-related-to-portrait.html
8月1日の毎日新聞の「論点」を受けて、内田先生がブログに「揺らぐ戦後国際秩序」という一文を掲載している。この「論点」国際政治学者のF・フクヤマ、WTOの元事務局長のP・ラミーが、米国大統領は紊乱(びんらん)者である、"Sauve qui peut"しろ(米国はもう指導力のあるメッセージを発するころができなくなった、各国は自分の才覚で生き延びるしかない)と、そろって指摘していると内田先生は捉えている。
http://blog.tatsuru.com/2018/08/01_1140.html

ここで、日本はしかし、米国に追従するだろう。安倍首相が『米国の代官』として生き延びるのは、それしかないからだと、内田先生は主張する。「日本の国民資源がアメリカの富裕層の資産に付け替えることにこれだけ熱心な政権」とは、内田先生のいつもながらの見事なレトリックである。

…私は、F・フクヤマ氏やP・ラミー氏の主張に同意する。戦後の自由貿易による平和という国際秩序を12点男が紊乱していることは明らかだし、内田先生の自虐的にさえ読めなくない日本の現政権のあり方も、全く同感である。おそらく、この一文にあるような様々な名難題をノーコメントで飲み込んでいくことになるだろう。

…これまで、先進国はWin-Winの関係を構築してきた。途上国にも関税面等で先進国はWin-Winの関係を一応(極めて構造的暴力的だが…)保ってきた。しかし、今の米国は違う。Win-Winの関係を破壊しようとしている。しかも人種差別、民族差別、宗教差別を伴っている。極めて悪魔的であると言わざるを得ない。日本は、この悪魔に、軍事的にも食糧的にも、エネルギー的にも、なんら逆らえないポチである、いやファウストと言うべきか。

2018年8月1日水曜日

セランゴールの博物館に行く。

ブルーモスクに隣接している「スルタン・アラム・シャー博物館」にも行ってきた。ここも無料である。インフォメーション・カウンターでは、入場料の代わりにサインをして入る。セランゴール州の歴史や自然、文化などを展示していいるとのこと。あまり期待していなかったのだが、なかなかいい博物館だった。セキュリティーのスタッフもきっちりと仕事をしている。(要するにちゃんと我々を遠くから監視していた。笑)
 特に興味深かったのは、埋葬の方法の展示。イスラム教徒はメッカの方向を向いて横たわると聞いていたが、レプリカとはいえ展示されていることが凄い。
さらに変な子ども達の写真があった。これは割礼後の写真だと推測する。なかなか貴重な写真だと思う。その他、ジオラマや動植物の自然の展示などもなかなか面白かった。これで入館無料とは…。セランゴール州のスルタンに感謝である。ブルーモスクに行かれる方は、時間的余裕さえあれば、ここも訪れた方がいいと思う。

帰りは、南側の大通りを渡り、メイバンクに裏にあるバスディーポから750番のバスで、KLセントラルまで乗った。1人RM2.5。(パサセニまでなら1人RM3)シートも良くてなかなか早い。ブルーモスクへは、遅いKTMより、パサセニからのバス・750番かタクシーがいいと思う。

ブルーモスクに行ってきた。

8月に突入した。こちらマレーシアは全く季節感がないが、今週はスクールホリデーで、日本のミニ夏休み気分である。昨夜は、落雷が長く続きブログを更新できなかった。と、いうのもPCに高電圧がかかるとかなりヤバイからだ。(前のパナソニックのレッツノートで経験積み。)

と、いうわけで昨日の話をエントリーしたい。妻とブルーモスクに行ってきた。ブルーモスクは、直轄市・KLを取り囲むセランゴール州にある。行きはタクシーで直接向かった。タマンデサからなら、RM30ちょっと。日本人の多いモントキアラと同じくらいである。
このブルーモスク、KLに来てすぐにM先生の車の中から見たことはあるのだが、ドームが工事中で、いつか来ようと思っていたのだった。収容人数で世界4番目の大きなモスクである。ミナレット(尖塔)は世界で2番目に高いとか。もちろん、マレーシア国内のモスクでも指折りの美しさである。
中央の黄色いヒジャブの女性がガイドさん
全くの偶然で知らなかったのだが、火曜日の午前は、日本人の女性(もちろんムスリムである。結婚のために改宗されたとのこと。)がガイドをしてくれる。大阪・枚方出身の方で夫婦共々びっくりした。もちろんツアー客は全員日本人だった。女性陣は、イスラムの男尊女卑的なイメージが完全に覆されるような話(奥さんが病気になったのに会社にくるなと夫が言われたとか…。)を聞いて感激していた。
青布地の列の星と星の間に座るそうだ。なかなか狭い。
礼拝前の清めの方法や礼拝室(ほんの入り口までだが、異教徒も入れてくれる。これは珍しい。)の絨毯の模様の意味など、なかなか面白かったのだ。もちろん、ドーム自体の大きさは世界一で圧倒される。このブルーモスク、KL観光としては、かなりのお勧めである。ちなみに、入場無料。ガイドブックにはお布施云々と書いてあったが、全く何も言われなかった。ここは、日本人に大きく開かれたイスラム教の窓口であるといえよう。