2012年12月31日月曜日

人にはどれだけ物が必要か

大晦日の毎日新聞の2面・山田孝男の『風知草』は、経済再生とは何か?というテーマで書かれていた。数字しか見ない経済再生を批判し、地球を守る経済再生の必要性について、鈴木孝夫慶大名誉教授(言語社会学)の著作と生きざまをもとに書かれていた。鈴木教授の著作に『人はどれだけの物が必要か』(99年中公新書)があり、次のような民話が紹介されている。

ロシアの田舎にパホームという貧しい小作人がいた。ためていた金で小さな土地を買うと、暮らし向きがよくなった。
近隣との境界争いに嫌気がさして広い土地を買うと、暮らしはさらによくなったが、慣れるとまだ狭いと感じた。
「よく肥えた土地をいくらでも安く変える」という評判を聞いて辺境の地パシキールへ出向くと、村長が言った。「1日歩いた分だけの土地を1000ルーブルで譲りましょう。ただし、日没までに戻れなければダメです。」
パホームは時を忘れて遠くまで歩き、刻限に気づいて半狂乱で帰着するなり、血を吐いて死んだ。下男が穴を掘って彼を埋めた。きっかりその穴の大きさだけの土地が、彼に必要な土地のすべてだったー。

記事には、『(鈴木名誉教授が)モスクワ留学中の88年、トルストイの民話「人にはどれほどの土地がいるか」をロシア語で読みなおし、それに触発されて書いた。』とあるので、トルストイの作か、鈴木名誉教授の作かはよくわからない。だが、この民話、極めて示唆に富んでいると私は思う。

…欲望と節度。2013年は、政治・経済という二軸だけでなく、数字を越えた人文的な第三の軸から物事を見ていかねばという発想が、さらに見直される1年になるような気がするのだ。

2012年12月30日日曜日

マダガスカル産バニラ使用

最近は正月といっても店が開いているし、年末だからといって買いだめする必然性もないのだが、年末=スーパーで買い物というコードは普遍的である。(笑)私の役割は、当然、妻のアッシーであり、荷物持ちだが、気分はそのご褒美として、ときどき気にいった食品をカゴに忍ばせる。(子供かっ!)

今日は、変なポテトチップスを発見。糖尿MAX!という感じの食品。妻の管理下で食することになった。先日は、長ーい魚肉ソーセージを見つけたぞ。実に30cm以上ある。値段は驚きの格安105円。(笑)

そうそう、もうひとつ。『マダガスカル産バニラビーンズ使用』の「ジャンボシュークリーム」を発見。私のように、「マダガスカル産」というコピーに魅かれて買った消費者は少なかろうと思う。これも糖尿MAX系食品故、妻の管理下で半分コする予定。

でも、マダガスカル産のバニラが、こういう形で認知されることは喜ばしいことだ。これからもアフリカ産の様々なブランドが生まれることを期待したい。

今年この1冊 2012

大晦日にエントリーするのは、どうかと思うので、二年連続・30日付で恒例の「今年この1冊」をエントリーしたい。
正直、今年はあまり多くの本を読んでいない。通勤時間に熟睡することが多いからだと思う。と、同時に、私の不勉強・認識不足かもしれないが、今年は開発経済学関係の日本語の書籍に、これといったものを見つけれなかったので、「今年この1冊」と問われた時、うーんと唸る1年だったのだ。やはり、私の「今年この1冊」はアフリカの開発経済学にかかわるものでありたいのだ。

文庫や新書で素晴らしい本には今年も何冊か出会った。「岩倉使節団-誇り高き男たちの物語-」(泉三郎/祥伝社黄金文庫/本年9月10日初版)、「日本近代史」(坂野潤治著/ちくま新書・本年3月10日発行)、『トレイシー 日本兵捕虜秘密尋問所』(中田整一著/講談社文庫/本年7月12日第1刷)、『警察庁長官を撃った男』(鹿島圭介著/新潮文庫7月1日発行)、謎の1セント硬貨-真実は細部に宿る in USA-』(向井万紀男著/文春文庫・本年2月15日発行)などである。

最近、私の中では、アフリカの開発経済学の「学び」が、10年近くになって、ひと段落したような感覚がある。一方、アフリカを見る視点としても世界史や現代政治を見る視点としても重要な近代国家論関係の本も、だいぶ読み漁ってきて、目が肥えてきたように思う。

この近代国家論の解体と未来を指摘し、その先見性に唸ったのが、JICA新理事長の田中明彦氏(当時東大副学長)の著書『新しい中世』である。この本、年頭に読んだのだが、妙にずーと心に残っている。そういう意味では私の「今年この1冊」としてふさわしいのかもしれない。もちろん今年発売された本ではないのだが、今年、JICA新理事長となられた故に読んだのだし、私の超個人的な決定なので、まあいいか、ということで、2012年度の1冊は田中JICA理事長の「新しい中世」としたい。

なお、「イスラエル人とは何か」(ドナ・ローゼンタール著・徳間書店2008年9月第1刷)を、本年度の特別賞としたい。この本、イスラエルの多文化共生を理解するのに絶対必須の名著である。

2012年12月29日土曜日

ピロシキとパルナスの話

昨日、眼鏡を買いに行った後、妻とイタリア料理を楽しんだ。先日、「帰れま10」でピザの特集をやっていたので、美味しいピザが食べたかったのだ。京阪・枚方市駅の近くで初めて入った店だった。前菜もパスタも、そしてビスマルクというソーセージ入りのピザも、なかなか美味しかったのだ。もしカメラをもっていたら絶対写真を撮っていたはずなのだが、まさかそんな展開になると思わなかったので撮っていない。歳をとったのか、妻と突然、外で食事することが増えた。いつもカメラを持参しなければ…。

そもそも、この店に入るきっかけは、ピロシキなのであった。イタリア料理店なのにピロシキを販売しているのだった。私は、子供のころからピロシキ大好き。昔々阿倍野の近鉄の東側に「パルナス」という有名なロシア料理の出店があって、ピロシキを売っていた。ピロシキはロシア風の豚まん(関東風に言えば肉まん)で、めったに食べれない少年時代のごちそうの1つであった。

ところで、このパルナスというロシア料理店というか製菓店は、昔リボンの騎士などのアニメのスポンサーで「じっと目をとじてごらん~」というCMを流していた。YouTubeで検索してみると、そのなつかしいCM映像があった。そうそうこんな感じだった。妙に子供を不安にさせるロシアの存在。時代は冷戦下真っ盛り。我々の年代には、ロシアというかソ連のイメージがこういう感じで脳味噌の中にチンダル現象しているわけだ。ううむ。感激である。
そういえば、ピロシキのCMもあった。パルナスのピロシキなのでパルピロ。うーん安易なネーミング。この2つを合体させた貴重な映像記録である。興味のある方は、是非ご覧いただきたい。
http://www.youtube.com/watch?v=YKw4T_10sfQ

ともかくも、ピロシキは大好物である。妻は、180円のピロシキを手土産として5つ注文したのだった。50歳を過ぎても、食べ物に関して貧乏性(あまり金をかけない)の私は、「おお、贅沢ー。」と思ったのだった。(笑)

2012年12月28日金曜日

離煙の賞金で眼鏡を替える

買った眼鏡(左上)と今の眼鏡(右下)
「離煙できたら賞金を出す。」と妻が言いだした。私が煙草をやめれるなどと信じていなかった妻の軽口だったのだが、私がコツコツと離煙パイプを変えているのを見て、「3万円」という極めて中途半端な賞金額を設定したのだった。(笑)

で、結局毎冬のボーナス闘争は封印されたまま、私はこの賞金を手にしたのだった。私は考えた。この3万円を最も有意義に使う方途。それは、前任校からの転勤前にチェンジした眼鏡の買い替えである。だいぶ目が悪くなったこともあるが、なによりズレルのがつらい。鼻に汗をかく夏など本当に悲惨であった。

今夏、イスラエル行の前に、妻の鞄を捜しに行った時、良い眼鏡を見つけたのだ。今のものと似ているものの、信じられないほど軽いフレーム。なんでも樹脂製らしい。しかもパッドクリングス付き。(要するに鼻に汗をかいても落ちないようになっている。)というわけで2万円。デフレ・スパイラルからの脱却は個人消費から。(笑)

2012年12月27日木曜日

1日早い仕事おさめ

仮想ゲームの貨幣
先日の北海道修学旅行弾丸ツアー(下見)の振休を取らなければならないので、明日は休み。よって、今日が1日早い仕事おさめの日となった。政経の補習、クラスの生徒の三者懇談、来年早々の授業の準備など、コツコツやっていたのだった。

昨日は、ESDのための仮想世界ゲーム(高校生版)の用意をしていた。紙幣の印刷とカットに時間がかかったが、これで万全である。

本校では、クラブも遠征や試合に出ていたりして先生の人口密度が低い。職員室もまばらである。

ところで、離煙というか禁煙というか、ここ2週間ほど喫煙から遠ざかっている。今でも吸いたいのだが、まあ我慢できる。煙草もなんとか、うまくおさめれたようだ。

2012年12月26日水曜日

アフリカの”資源の呪い”

タンタル コンデンサー
先日のセミナーでも、コンゴ民主共和国のレアメタルと難民の関わりの中で「資源の呪い」という語彙をY先生が使っておられた。ポール・コリアー風に言うと「天然資源の罠」ということになる。
Global Voicesの12月4日版に『資源の呪いを越えて』というタイトルで、この資源の呪いについて特集していた。コンゴ民主共和国、ナイジェリア、そしてマダガスカルの話題が載せられている。興味のある方は是非一読いただきたい。
http://jp.globalvoicesonline.org/2012/12/04/17310/

この『資源の呪い』というコトバ、天然資源豊富な地域を長期的な貧困に導くメカニズムを解析する複雑なコンセプトをさすという。しかも、かのスティグリッツが資源の呪いのコンセプトを提示しているらしい。ポールコリアーの最底辺の10億人が出てから、どんどんこういう概念(シニフェ)が一般化し、様々な人に語られ、シニファン(コトバ)が変わっていっているようだ。

ところで、先日の高校生セミナーの際、「武器」について調べている生徒の班があって、JICAのスタッフから、「質問に答えてあげてもらえないか?」と頼まれた。彼らは武器の値段を知りたがっていた。「地雷やカラシニコフなどは、製造元や販売場所で大きく価格差があるよ。」と答えたのだが、一番いい解答を、その後ふと思い出した。『最底辺の10億人』の中に、ゲリラ部隊をつくるのにいくらで済んだという話が出ていたことを思い出したのだ。スタッフに資料室から借りてきてもらい(さすがJICA関西、「最底辺の10億人」を置いている。)、その箇所を見つけて生徒に手渡した。

『1万ドルと衛星電話があれば(一応ゲリラ部隊らしき装備が揃い、反乱をおこし、先進国の企業を脅し収入を得るには)足りる。』という記述が載っていた。天然資源の罠の項だったか、紛争の罠の項だったか忘れたが…。彼らの発表の中で、そのコトが語られていた。ちょっと嬉しかったのだった。

2012年12月25日火曜日

アフリカ系難民 強制退去?

テルアビブのアフリカ系移民 http://keikosato.wordpress.com/
ベンヤミン首相の声明によると、イスラエルに不法滞在する数万人にもおよぶアフリカ系移民が強制的に国外退去になるようである。詳細はよくわからないが、The Voice of RUSSIAというロシアのWEBニュースの報道である。
http://japanese.ruvr.ru/2012_12_25/isuraeru-fuhouimin/

アフリカ系難民が多いのはテレアビブである。ユダヤ教やヘブライ語を知らない血筋だけはユダヤ人だというロシア系ユダヤ人人とともに南部の街で共生している。(イスラエル考現学8月16日付ブログ参照)ロシアのニュースが伝えているのは、そういう関係性からか。

この問題に関連して以下の「中東かわら版」が詳しい。引用することができないのでアドレスだけ紹介しておきたい。
http://www.meij.or.jp/members/kawaraban/20120615111430000000.pdf

この強制退去、私はイスラエルだけを責めない。なぜなら、イスラエルでしか通じない特殊な言語であるヘブライ語を学ぶ機会をもたない非ユダヤ教徒のアフリカ系不法滞在者にとって、決してイスラエルは定住する国としては良いとはいえないからだ。これは日本語という極めて難しいラングを持つ日本と共通する問題である。コトバは大きい。イスラエルが、退去を進めるにあたって、全てを暴力的に進めているわけでないことは上記の「中東かわら版」にも書かれている。

アフリカ系の人々は、自分の人生にとって最も有為な道を選ぶしかない。夢も希望もないような言い方だが、それが現実であり、夢も希望も自分で勝ちとるしかない、私はアフリカ系の人々が大好きだからこそ、そう言いたいのだ。

なんだか、先日のセミナーの「難民問題」への私の十年かけてつかんだ解答だと言ってもいいのかもしれない。テルアビブで実際にアフリカ系難民の人々にも接した。アフリカ三カ国でアフリカ系の人々の生きる力の強さも実感した。だからこそ、こういう結論になるのだと思う。

2012年12月24日月曜日

JICA関西 高校生セミナー報告2

高校生実体験セミナーのことをもう少しエントリーしておきたい。Y先生の難民をテーマにしたワークショップの話をもう少し報告しておきたいと思う。難民問題をシミュレーション的に学ぶことは大変難しい。単に、不幸だ。かわいそうといった感情的な見方に陥る危険もある。その点、Y先生のワークショップは当然ながら素晴らしいものであった。昨日書いたが、10年ほど前、私はこのY先生の難民問題のワークショップを受講したことがある。

今回のY先生のワークショップは、およそ3部構成になっていた。まず、仮想の3人家族をつくる。名前や年齢、父、母などを自分たちで決めさせる。今回は教員チームも参加だったので、私はO大付属H校舎のK先生、府立O高校のY先生と家族になった。お二人とも国際理解教育に踏み込んだばかりなので、少しばかりリードすることになった。で、その仮想家族、真っ暗な中で離ればなれになり、戦車の侵攻の効果音の中、目をつぶって互いの名前を呼び合い再会するのだ。(ちなみに、我が家族は、私がキバキ、K先生がカガメ、Y先生がケニヤッタだった。笑)全員が家族を見つけ出すのにどれくらいかかったか?という問いかけに、生徒は「2分」や「3分」と答える。Y先生の大切なコメント。「実際には1分ほどしかかかっていない。これが現実だったら、もっともっと長く感じるのではないか?」その後、3人家族で難民教材で理解を深める。家を出る時、何を持って出るか?時間的に追いつめられた中で決断を迫られる。(前回はもう少し時間をとったような記憶がある。)何か3つだけもって、難民教材に駒を進める。この教材は10年前と変わってない。(画像参照)この画像は私が10年前にメモし、自宅でエクセルで再現したものである。前任校の校内の研究発表紙に詳細なレポートを書いたし、その後カラー版にしたオリジナルの教材も作ったのだが、結局私は自信がなくて難民問題に手を出さなかった。そうしているうち、Y先生の教材は本になり出版された。(もちろん私は持っている。)その努力は無駄になったように思えるが、初めてのセミナー参加で感激し、この教材を書きうつしたことが、以後の私のオリジナル教材作成のきっかけになったのだ。そういう意味でY先生は私の師的存在である。

今回のワークの第2部にあたるのは、Gさんというベトナム難民の方のお話を実際に聴くことである。サイゴン陥落後、船で逃げ出したGさんたちはギリシア船籍の船に助けられる。それまでの苦難は想像を絶する。陸路の難民も危険だが、海路も凄い。まずその乗船人数である。昨日の画像で紹介したが、前に座っていた生徒が実体験した。これは凄い。多くの乗員が体力を使い果たしてしまったという。私が最も印象に残ったGさんの話。「ギリシア船籍の船はロシアの文字に見えました。漢字の船は中国の船だと思いました。」つまり、社会主義政権から逃げてきたGさんたちは、何より社会主義国の船に拾われることを恐れていたのだ。(たしかにロシアのキリル文字はギリシア文字から派生している。)だから、船に拾われるのもカケだったわけだ。凄い話だと私は思う。(10年前はこういう話はなかったように記憶している。)

第3部は、仮想のベトナム難民の中学3年生を巡って、聞き取り調査をしながら意見をまとめていくワークショップである。これも10年前に経験済みだが、隣に座る若い府立O高校のY先生などを見ていると、新鮮な気分になるのであった。
このワークショップ、仮想の話なのだが、ベトナム難民の人々となんとか仲良くやろうとして失敗する町内会長の話が日本の多文化共生の現実について、極めて示唆的である。町内会長がベトナム大使を祭りに呼んできたり、野球の試合でベトナムの国旗(赤字に黄色い星の北ベトナム国旗)を配ったりして、ベトナム難民を激怒させるのだ。無知は罪である。こんなところにもESDの重要性がある。改めて考えさせられたのだった。

私にとっては、初めて国際理解教育に触れたJICA大阪でのセミナーと同じテーマだったからこそ、何か新たな風を感じたJICA関西でのセミナーだったわけだ。
JICA関西はじめ、Y先生、今年もファシリテーターをしていただいたS先生、そして関係各位に改めてお礼申し上げたい。

2012年12月23日日曜日

JICA関西 高校生セミナー報告

ベトナム難民のGさんの乗った船の狭さを実体験する
JICA関西で行われていた高校生国際協力実体験セミナーから帰宅した。JICA関西は、旧兵庫国際センターである。私はここにケニア研修の報告会の時と、エッセイコンテストの表彰式で来たことがあるが、宿泊するのは初めてである。大阪国際センターより、宿泊施設としても、研修会場のブリーフィングルームもレストランも全体に小振りである。これが第一印象。

さて、今回も優秀な進学校やユネスコスクールが多く参加していた。全12校である。常連校も多かった。府立三島高校や前任校の姿が見えないくらい。前回私は参加していないので、2回目になるそうだが、付き添い教員は生徒の研究発表の付き添い・指導には入らず、教員チームで発表に参加することになった。これは新鮮。今回のセミナーの第二の印象。もちろん、研究発表する生徒の混合6人チームは、近畿圏の超優秀な生徒に支えられ、教員の指導などほとんど必要ない。(笑)

今回のセミナーは「同じ時代を生きる『私たち』の難民問題」について考える」というのがテーマだ。難民問題と言えば、Y学園のY先生である。なつかしい。私が初めてLily君らと参加したセミナーで受講した難民問題である。あのなつかしいすごろく風の難民理解教材も登場した。ベトナム戦争時の難民Gさんの講演などもあり、さらにグレードアップしたワークショップだった。

この10年以上前のY先生の難民問題の時のセミナーに私と同じく参加したH高校のO先生という方がおられて意気投合した。大阪と兵庫のセミナー参加校は、兵庫センターが出来て以来別れ別れとなってしまい、交流が停まっていたのだった。それが今回復活したわけだ。ALL関西のセミナー。これが、今回の第三印象。昔、その語学力と優秀さに驚いた兵庫の私学、K・S学園などもまたこのセミナーに参加してくることになるのだろうと思う。

本校の生徒は、最初超優秀な参加校に、大いにびびっていたのだが、持ち前の明るさと性格の良さでグループに入っていったようだ。時々覗きに行くと仲良く、そして堂々と渡り合っていた。「周りが優秀な下級生で、かなりのプレッシャーでしたが、ものすごく勉強になりました。」そう、本校生は全員が3年生。(ある府立高校が3年生を参加させていたが、全員3年は本校だけだった。)O大付属高校I校舎のK先生が、そんな本校生をべた褒めしてくれた。食堂で、テニス部の本校生2人と私とK先生が食卓を囲んでいたのだが、私とK先生がコーヒーを取りに行って帰ってきたら、すでに我々の食事をすませたトレイが消えていたのだ。本校生がすでに運んでくれていたのだ。(彼女たちにとっては、すこぶる当然の行いであったらしい。)K先生は大感激しておられたのだった。
タンザニア風定食
さて、今回のセミナーでは研修員さんは、初日の夜に帰国の途につくことになっていたようだ。研修員さんとあまり接点がなかったという点では寂しかった、というのが、今回の第四の印象。とはいえ、私の執念か、ちょうど本校生とフロント前にいる時、ウガンダとタンザニアの研修員さんと挨拶することができた。握手して英語とスワヒリ語で挨拶。生徒はかなり興奮していた。(笑)
その帰国する研修員さんたちをバスで関空まで運び、チェックインさせるまでのコーディネイトをしている青年がいた。うん?どこかで見たことがあるよな、と思っていたら、彼が私の名を呼んだ。「久しぶりです。」私が前任校で3年間担任したM嶋君ではないか。びっくりしたのであった。ドエライ低い確率の再会劇だった。

と、いろいろあった高校生セミナーだった。

2012年12月21日金曜日

マリ北部過激派駆逐へ 安保理

AQIMの旗
国連の安保理は、20日、マリ北部の過激派の駆逐を目的とした周辺国の軍派遣を承認したという。この派遣軍、「アフリカ主導国際マリ支援団(AFISMA)」というらしいが、要するに西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の軍を3000人ほど送るらしい。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012122100092

この西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は、ナイジェリア、コートジボワール、セネガル、ガーナといった国々が指導的な地位にある機構で、西アフリカ地域にあるサブサハラ=アフリカ諸国のほとんどが加盟している。アブジャ(ナイジェリア)に本部がある。旧フランス領植民地が多いが、旧イギリス領植民地も一体になっているわけだ。地域内の紛争解決に何度か成功している。私がブルキナのワガの空港近くで見たアパッチ・攻撃ヘリも、このECOWAS関係のものだと思う。ブルキナにアパッチ・ヘリを運用するだけの経済力は、おそらくないだろうと思うのだ。それぞれは小なりといえど、西アフリカのサブ・サハラ=アフリカの軍が集まれば、アパッチ・ヘリを運用できるくらい、それなりに強力であるだろうと思われる。

さて、このマリ北部の過激派とは、トゥアレグの人々の反乱軍。その背後にいると言われ、今や彼らの反乱を乗っ取ったといわれるのは、アルジェリアを中心に活動する「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)」である。AQIMは、タリバン流のイスラム法解釈を強要しているという。
http://news.goo.ne.jp/article/nationalgeographic/world/ecoscience/20121210001-ng.html

世界最貧の地・マリで、サブ・サハラ=アフリカ諸国の軍を使ってのアメリカとイスラム原理主義の代理戦争…そんなふうに捉えると、あまりに悲しすぎるか。
国連に最も資金を拠出しているのは日本である。日本の資金が、今回の軍派遣費用に繋がるというのもありえる話ではある。これも悲しすぎるか。

私は、今回の安保理の決議が間違っているとは思わない。だが、悲しい話であり、地球市民1人ひとりが、自分の問題として捉えるべき話だと思っている。

明日からJICA関西で、1泊2日の高校生のセミナーに参加する。テーマは、平和問題・難民問題である。明日はブログのエントリーはできないと思うが、明後日、詳細な報告をしたいと思う。

2012年12月20日木曜日

3学期に向けメンテナンス

3学期に向け、メンテナンス実施中
2学期の成績が出た。私は、1組は居心地の良いクラスであってほしいし、友人間で勉強を教え合い、共に成長して欲しいと思っている。3学期に向けて、席替えを行い、その配置はくじ引きではなく生徒に考えてもらおうと考えた。誰に理想の座席を考えてもらうか?クラス代表にその責任を全て託すのは少し酷かなと思った。

そこで、あらためて選挙をすることにした。席替えを託す委員(男女2名ずつ)を選んで、自らの自由を移譲するのだ。クラス代表は、その立会人となってもらうことにし、被選挙権を失わせた。今回は選挙管理委員である。(笑)

投票を終えて、私とクラス代表で秘密裏に開票しようかと思ったが、生徒は「オープンで行きましょう。」ということになった。クラス代表が黒板前に立ち、開票。大いに盛り上がる。(笑)我がクラスのリーダー群の人望度は、当然ながら私は掌握している。だが、どういう票が出るのかは微妙だ。ある意味人気投票的な意味合いもある。結局、私の予想は完全に当たった。妥当な選挙結果だった。

我がクラスには生徒会役員で、同時にHR委員として遠足の計画をしてくれたI君という真面目な生徒がいるのだが、関西弁で言う”いじられキャラ”で、信頼があるような、ないようなであるが、皆には「良い奴」だと思われていることは間違いない。結局、彼は席替え委員に選ばれたのだが、「政権交代やあ。」という声がかかって、クラスがどっと沸いた。

「政権交代」というコトバにあまり深い意味はなさそうである。だいだい誰が政権を握っていたのかよくわからない。(笑)

明日の終業式の放課後、委員とクラス代表で、3学期始業式からの座席を決めてもらう。苦手な教科をもつ生徒に教える生徒を配置し、適度に静かになるような座席を組んでもらうのだ。果たしてうまくいくだろうか?少なくとも選挙でえらばれた委員なので文句はでないだろうが…。ちょっと楽しみである。

2012年12月19日水曜日

インド哲学を「行間」から語る

1年生の現代社会は、あいかわらず「倫理」をやっている。3学期の範囲はインド哲学から仏教へと流れていく。仏教を学ぶ上で、その基盤となるインド哲学、なかんづくウパニシャッド哲学を語ることは有為だ。輪廻思想や業思想、梵我一如などである。中でも、「我は梵なり」という宇宙との合一を説く梵我一如は重要である。この発想こそインドだ。ヨーガはその修行法の総称であり、様々なアプローチが行われている。

たとえば柳田聖山の「禅思想」という本には、路上で生き倒れになった死体をひたすら見つめ、生と死を文字どうり体感する修行の話が出てくる。あるいは、何世代にも引き継がれていく「ただただ右手を上に挙げておく」という修行。私の滑らない話シリーズの1つである「人間は空を飛べるか?」という話。自分を獣と同一化するクンダリ二―・ヨーガの修行の話である。私はインド哲学の話が好き。昔々、妻が交通事故にあって、直前で中止になったインド行きだが、その分息子が旅してくれた。もう体力的にインドを旅する力は残っていない。行っていないからこそ、様々な本の行間を語れるということもある。インドにはそういう神秘的な魅力がある。

2012年12月18日火曜日

校内球技大会「人生最良の日」

本校第一体育館にて
校内球技大会である。前期は、ドッジボールとバレーボールで散々な結果だった我が1組。文化祭でのリベンジを果たして、自信をつけたのだろうか。今回は、7人制ミニサッカーとバスケットボールで、なかなか好成績をおさめてくれたのだった。

クラス代表に言わせると、「クジ運が悪い自分たちが引くのが間違っています。」ということになるのだろう。両種目とも1回戦の相手は体育科の7組と8組であった。1回戦に勝つと負けるでは大違い。負けると一気に5位以下に転落である。

で、結局1回戦は両種目とも予定通り敗北したのであった。ところが、その後の試合は全て勝ち、両種目とも5位となったのだ。前期球技大会での屈辱を思えば、実によくやったのである。もし籤運さえ良ければ賞状を貰えたかもしれないとは、クラス代表の言。(笑)
さて今回特に面白かったのは、いつもは大人しく目立たない、K君その1と、K君その2が、それぞれの競技で大活躍をしたのだ。普段は全く関わりのない女子だちに「キャー!K君その1ー。」「行け~!K君その2」と黄色い声援をうけていた。彼らにとって、人生最良の日であったのではないかと私は思っている。(笑)

2012年12月17日月曜日

ナイジェリアのモノポリー

ナイジェリア・ラゴス版のモノポリー
昔々、NYCの五番街にあるFAOシュワルツ(有名なおもちゃ屋さん)を覗いた時、全米各地の都市版モノポリーがあることを知った。NYC版、ボストン版、シカゴ版、サンフランシスコ版…。私はモノポリーが大好き。大学時代の友人とよく遊んだもんだ。麻雀も悪くないが、モノポリーの見た目の健全性と本質のえげつなさに魅かれる。と言うわけで、フツーの版(日本語版)とNYC版(英語版)を私は持っている。

WEB(CNN)ニュースで知ったが、ナイジェリアのラゴス版モノポリーが出来たそうな。いいなあ。首都のアブジャではないところが凄い。(笑)まあ、ナイジェリアは人口も多いし、開発も進んできている。24時間で4000セットが完売したということだが、かなりの数のアフリカ1(高所得層)がラゴスに存在しているということなのだろう。

南アフリカ版とモロッコ版はすでにあるそうだが、アフリカの都市はこのラゴス版が最初だとか。ふーん。私としては、是非ともナイロビ版など作って欲しいな。これは現実味がある。あれば少々無理しても手に入れたいぞ。(笑)
http://www.cnn.co.jp/business/35025800.html

昔、このモノポリーをベースに、牧畜のアクティビティを作ったことがあるが、完全に失敗した。リアルさを追求した結果、趣旨が不明確になってしまったのだった。

モノポリーは、そのタイトルの如く、独占を求め抜くエゴイズムの世界である。アフリカを殺す「民主主義」をテーマにした方が、モノポリーは使えるのかもしれない。モノポリーの各辺にある会社の4つのスペースには、軍・警察といった暴力装置、財務省・外務省という権力装置の役所をおく。そして国内の地域やエスニックグループを次々抑えていく…形は選挙だけど、事実上のガバナンスの独占を目指すというわけだ。これはかなり、リアルすぎるか…。(笑)

2012年12月16日日曜日

コネチカットの銃乱射事件

CT州のカープレート
まだまだ詳しいことがわかっていないのだが、コネチカットの小学校での銃乱射事件について、少しエントリーしておきたい。

まずコネチカット州で起こったということについて。日本ではそんなに衝撃的に伝えられていないが、私は大いに驚いた。コネチカット州と言うのは、実は全米でも有数の豊かな州(おそらく全米No1の所得を誇る)なのだ。古くから産業革命が進んだ工業州で、軍需産業も盛んだ。原子力潜水艦ノーチラスが進水した州でもある。またNYCのすぐ西にあり富裕層が郊外感覚で住む。ワシントンDCからボストンへ飛んだ時、広大な敷地にプールとテニスコートある屋敷(きっと玄関まで車でないといけないぞ。)が延々続いていたのを飛行機の窓から見たことがある。州都ハートフォードは保険会社が集まる保険の首都と呼ばれる街。だから、治安が圧倒的にいいのだ。こういう事件とはほとんど無縁の州だったわけだ。(大阪で言えば、芦屋で殺人事件が起こったというような話である。)

犯人の精神的な問題が少しずつ報道されている。その動機云々はともかく、日本では依然として銃規制についての報道が目立つ。いいかげん、ちゃんとアメリカの銃社会の本質というか、自由と民主主義にかかわるアメリカの基本的な姿勢について語ってもいいのではないか。

民主主義の根幹は、自分の自由を守るためにあり、権力に抵抗するために銃を保持すると言うアメリカ人の姿勢は、日本のマスコミでは、なかなか語られることがない。だからいつまでたっても日本人は、本当のアメリカを理解することができないのではないか。

私もアメリカ社会における銃規制はある程度必要だと思うのだが、同時にこう思う。自由や民主主義という概念は、日本のマスコミが謳いあげるような安っぽいヒューマニズムではない。

坂野潤治先生の「日本近代史」

ずっと書きそびれているエントリーがある。書評である。坂野潤治先生の「日本近代史」(ちくま新書/本年3月10日発行)を読んだのだが、この「膨大なページ数の新書(450Pほどある:フツーの新書2~3冊分)」の書評をどう書くか迷っているうちにだいぶ経ってしまった。

帯には『週刊東洋経済政治書2012年ベスト1のほか、朝日・読売・日経・毎日絶賛』の文字が並んでいる。なるほどという一冊だった。とはいえ先日書評を書いた鄧小平の話といっしょで、この本も幕末・維新史、明治近代史等の知識がなければ到底読めない。幸い、幕末維新史については私の知識は十分だったようで第3章くらいまでは、スラスラ読めるのであった。今日はまずこの部分について書評を書いておくことにしたい。

大学時代、日本資本主義論争という古めかしい議論を学んだ。社会思想史だったと思う。要するに明治維新と言うのは、絶対主義革命か市民革命かという議論である。アナ・ボルの理論など私にとっては、どっちでもいいような話なのだが、この視点自体は面白いと思う。

坂野先生は、西郷のことを非常にかっておられる。島津斉彬の秘書として、各大名を支える人材(特に雄藩の下級武士出身の有能な人材群)のネットワークを構築したことに対してである。たしかに幕末維新期における大名間の葛藤と、それに仕えるというか、大名を動かしていたというかそういう家臣群との二重権力構造的なものが、政治を動かしたという視点がすこぶる面白い。
大政奉還云々の時点(薩土盟約など)では、政治権力のあるべき姿として二院制が語られていたという。有力大名たちの上院、その家臣たちの下院というシステムだが、やがてこの下院構想は、「軍事」、武力討幕とへと昇華することになる。

事実上の権力を臣下が得る為には軍事を握る必要があり、大政奉還という平和的な解決では臣下が実権を握れない。大久保や岩倉が、徳川慶喜の養護に動いた山内容堂をどやしつけたのは、まさに軍事で家臣団が権力を握ることになるかならないかの(市民革命の)天王山でもあったのだ。西郷によって組織された下級武士などを能力次第で重用した有力大名の家臣団を「市民」として捉えるなら、明治維新はまさしく市民革命と呼ぶにふさわしい。同時に天皇は、「玉」として彼らに利用された権力維持装置であるという話になる。

この家臣団がやがて藩閥政府、超然内閣と発展していくのだが、今日はここまで。毎日新聞が「今年この3冊」の特集をしている。私自身の今年の一冊も決めなければならない。うーん。

2012年12月15日土曜日

ESDのための仮想世界ゲーム1

タンザニア国旗
昨日、ESDのための仮想世界ゲームの第一歩を踏み出した。第三回目の仮想世界ゲーム実践は、本校3年生の文Ⅰクラス29名で行う。昨日は、年内最後の授業だったので、アフリカ開発経済学の講義前に、グループ分けを行った。

今回のゲームは、実際の国名で行う。先進国は、日本、アメリカ、ドイツの三カ国。国家の代表者(大統領や首相)と企業主、農場主と一般人の4名体制(1国だけ5名体制)。
途上国は、ブルキナファソ、ボツワナ、ウガンダ、タンザニアのサブ=サハラ・アフリカの4カ国。国家代表と一般人3名、計4名体制。これらの国は、なんとなく私の趣味である。(笑)生徒には、詳しいゲームのルール解説をせず、かなりアバウトな説明だけである。仮想世界ゲームは、実際のところやってみなければわからない。

「ウガンダって、どんな国すかあ?」「ゴリラで有名だ。最近国産の電気自動車をつくったりして頑張っている。」「オレ、ウガンダやります。」(笑)「俺はタンザニアをやります。あいつには負けたくない。」(笑)「タンザニアは今いい。頑張っているよぉ。観光名所も多いし。」「やったー!当たり!」(笑)

文系進学を目指す文Ⅰクラスは、2年生からクラス替えなしである。気心も知れている。だから、クラス代表に「決めて。」という一言で動き出す。

見ていて面白い。男子が先進国の首脳や企業主やアフリカ各国の代表にどんどん立候補していく。そこに女子が参加表明していく。「タンザニアを手伝うわ。」「イェーイ!」(笑)

仮想世界ゲームでは、適度に優秀な人材を配置する必要性がある。今回はゲーム進行の難易度をかなり下げたつもりだが、やはり重要である。幸い、文Ⅰのクラス代表はその辺をうまく配慮してくれたようである。アフリカ諸国もPRSPを十分書けそうだ。うふふ。

2012年12月14日金曜日

AIDSの話を生徒と共に聞く

講堂におかれた様々な種類の近藤さん
本校では毎年この人権週間に近い時期に人権学習を行っている。1年生は、エイズ問題をNPOの方に来てもらい、2時間みっちりと学習することになっている。事実上、性教育みたいな話になるのだが、本校ではだいたい男女同数なので、かなり衝撃的である。

朝から3年生の授業をして、講堂へ行くと我が1組はちゃっちゃと決められた講堂の席についていくところだった。1組はとにかく男女が仲が良いので、こういう話にどう反応するのか?少々興味があった。NPOの方はストレートなのである。表現が。本校生は、かなり真面目にこういう話を聞く。もちろん寝ている者も皆無ではないが、基本的に静かに聞いている。だが、あまりの表現のストレートさに、さすがにざわつく。(笑)

元気な男子連中は、テンションが1オクターブ上がったようだ。(笑)女子は、たいがい苦笑い。あまりにストレートなので、それ以上反応できない。

エイズ感染の予防には、基本的にコンドーム。これが「マナー」なんだそうだ。男女の同等の立場から、そう結論づけられた今日の人権教育。わかりやすい話だった。
まあ、SHRで突っ込んで話すことは避けた。私は日本のエイズ事情には疎いが、アフリカのエイズ事情には多少詳しい。またいつか、改めて話そうと思うのであった。

2012年12月13日木曜日

私は紅白歌合戦は見ないのだが

私は、毎年NHKの紅白歌合戦など見ないのだが、MISIAが、ナミビアから中継で出演するそうである。申し訳ないが、MISIAという歌手の名前も初めて聞いた。彼女は、来年横浜で開かれるアフリカ会議とあるのでTICADⅤのことだろうと思うが、その公式サポーターらしく、紅白という大舞台でアフリカ支援をアピールするのだという。

なかなかいい話ではないか。どんな歌を歌うのか私は知らないのだが、アフリカに関心を持ってもらうこと自体がいい。頑張って、MISIAさん。おそらく私は見ないと思うのだが…。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news2/20121213-OYT8T01074.htm

2012年12月12日水曜日

COP18とガーナの太陽発電

ドーハはやはり「悲劇」をうむ街だ
COP18は大きな成果があげられないままに終わってしまった。もうすでに多くの先進国と途上国の対立が目立ったという論調ばかりが新聞やWEBにあふれていて、私などがどうこう言うこともないのだが、今年は各国で選挙が行われ指導者も入れ替わると、誰もが予測していたところである。COP18で何も決めらられないだろうと誰もが考えていたのではないかと私は理解している。

なにより問題なのは、米国と中国が京都議定書に参加せず、COPは世界中の30%の温室効果ガスを排出するだけのEUと日本中心の、ある意味大きな限界を露呈している国際会議にすぎないことだ。米国は、日本に削減技術で大きな後れを取ったこと、さらにEUに二酸化炭素削減市場形成で大きくリードされたことなどの理由で国益上参加を拒否していると私は考えている。ぶっちゃけた話、コスイぞぉ、米国。あんたならできるはずだ。ごり押しは何より得意技のはず。世界の警察は辞退してもいいが、世界経済の総本山は辞退してもらっては困る。

一方、中国もいつまで自国を開発途上国だといいはるつもりなのだろう。ダブル・スタンダードは、西の横綱・米国と並ぶ東の横綱だが、いつまでもそうはいくまい。この二国が動かない限り、インドが動くとは思えないし、結局のところCOPは、もっと言えば環境問題は何も変わらないのだ。

日本など、愚かな元首相が25%などという現実を無視した数字を唱え、世界中から馬鹿にされている。ここは変に動かず、独自路線を貫くと逃げる一手であろう。官僚はI元都知事が言うような馬鹿ではない。

アフリカなどの開発途上国は、どうせ何も決められなのだから、こんな時こそ先を見据えて要求できることを全て要求すべきだ。私がアフリカの国家首脳なら、絶対そう判断する。その要求のわずかでもゲットできたら、おいしいではないか。

…という、なんとも生産性のないCOPだったわけだが、ガーナでイギリス企業が世界で4番目の出力をもつメガ・ソーラーの建設を行うそうだ。結局は国家の枠組みより、ビジネスが世界を動かすということか。
http://www.africa-news.jp/news_Kcn8j7sL3.html

2012年12月11日火曜日

スティグリッツ入門経済学第4版

昨年、スティグリッツの「入門経済学」を生徒に講義したが、今年もまたすることになった。今年は第4版が出たそうで、私の手元にある第3版と大して変わらないだろうとタカをくくっていたら、かなり違う。およよ。講義をするとしたら、やはり同じ第4版が必要、というわけで進路指導部にお願いして購入してもらうことになった。

詳しくは見てないのだが、イントロ部分も最後のグローバル経済の部分も少し違うようだ。私も自分の「高校生のためのアフリカ開発経済学テキスト」をバージョンアップする際も、まず導入から変えていく。市井の高校教師も天下のスティグリッツ教授もその辺は同じなんだと納得した次第。

3年生の世界史Bは、試験を返したクラスから、V5の簡易版テキストV5.02を配布している。今回はまず、アフリカの大まかな姿を語り、年明けのアクティビティや講義に繋げたいと思っている。

ところで、離煙宣言初日。なんとか24時間離煙中。こんなに煙草を吸わなかったのは、ヨーロッパ航路以来。エールフランスの関空とシャルル・ドゴール空港間以来だと思う。

2012年12月10日月曜日

離煙宣言。

本当は昨日が離煙パイプの最終使用日だったのだが、1mmのマイルドセブンを7本ほど残して今朝を迎えた。酒飲みが酒を最後の一滴まで舐めつくすように、私もヘビースモーカーとして最後の1本まで吸い切りたい、そう思ってたら、なんと今日の夕食後にやっとこさ吸いつくした。これで、永久の別れである。(と言うと妻が爆笑した。)

どうも煙草に関しては全く信用がない。だが、ガムや禁煙パイポなどで、今日一日、十分ごまかせるまでになった。いけそうな気がする。ニコチン中毒に関してはほぼクリアできたと思うのだ。あとは習慣的に口寂しいのをクリアすればいいのだ。いっぺん吸ってしまうと、これまでの苦労が水のアワになってしまう。

離煙宣言。

2012年12月9日日曜日

不可能を辞書に加えて卒業す

実は私は早起きである。ウィークデーは、5時くらいに起きて6時過ぎに家を出る。今日などは日曜日なのでゆっくり寝ればいいのだが、体内時計で結局早く起きてしまう。日曜の朝は、俳句の番組などをやっていて、見るともなく聞くともなく、コンピュータをさわっているのだが、ふと凄い句を耳にし、思わず書き留めてしまった。高校の国語の先生の句らしい。

不可能を 辞書に加えて 卒業す

受験はあきらめの悪い者が勝つ、というのは真理だと思う。現役生には最後まで希望を捨ててもらいたくない。同時に、捨てるべき夢を次々捨てていくのも人生。この2つの真理をうまく止揚した句だと思うのだ。味わいがあるよなあ。

叢裏鳴虫Ⅶ

このところブログにエントリーしにくいと考えている。(昨日はそれで、結局何も書かなかった。)総選挙という「時」に、一般市民として政治に関することをどれくらい書いてもいいものなのだろうか。

…某はツイッターでまたいろいろ物議をかもしている。自分に都合が悪いことは全て改革の対象らしい。今あるルールを破って「民意」という概念で突破するのだろうか。おまけに市営地下鉄の清掃業務の落札業者について、街頭演説で「一流ホテルで掃除している業者に決まった。」と何度も発言していたそうな。内部情報漏れ?ともかくも不適切であることは各新聞が指摘するように間違いない。
…北朝鮮のミサイルで、沖縄の方や航空自衛隊が緊張しているときに、官房長官(遊説で首相不在故に官邸・危機管理の中心)は早く撃って欲しいと発言。確かに選挙では危機なのだろうが、ここは「男は黙ってサッポロビール」(昔のCMの台詞)が美しい。自分の公務に徹する姿こそ美しい。それがわかっていない。まさに今の民主党の「素人さ」が浮き彫りになる。今回の選挙の争点は、まさにここだと私は思う。前回小選挙区制で素人の民主党が勝ったのだから、今度は見事に散ればいい。そういう覚悟がないから、第三極などという逃げ場が生まれ政治をさらに混乱させているのだと思う。これくらいなら、ブログに書いていいと思うのだが…。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121208-OYT1T00546.htm
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121208-OYT1T00428.htm?from=ylist

2012年12月7日金曜日

ユネスコスクール全国大会申込

来年1月26日に奈良教育大学でユネスコスクール全国大会があるという連絡が本校学校長宛に送られてきた。で、結局私に回ってきた。(笑)いよいよ、本校をユネスコスクールにするために動き出そうと思う。そのために愛する前任校を早めに離れたのである。残る教員生活をESDのために有意義に使いたい。幸い、出張扱いOKとのこと。さっそくWEBで申し込みを終了した。
http://www.jp-esd.org/img/2012gaiyou.pdf

本校でどのようにESDを実践し、ユネスコスクール申請をどのように行うか、いよいよ検討し提準備を始めようと思っている。まずは、3年生の世界史Bで、仮想世界ゲームと政治・経済にさらなる第三の視点を加えたアフリカ開発経済学の実践を行おうと思っている。それとともに全校的なESD実践の校長への提言を考えようと思っているところ。

今日ちょうど食堂で、柔道部のW先生と同席した。タンザニアにおられる柔道部OBで、JOCVのOB、京大アフリカ研のMさんとのコンタクトを改めて取りたいという話で盛り上がった。さっそく個人的なメールアドレスを教えていただいた。Mさんには学年のESDの取り組みとしても是非とも来ていただきたいと思っている。

少しずつ前に。着実に。

2012年12月5日水曜日

JICA関西 アフリカ事業セミナー

神戸新聞より
JICA関西で、アフリカでの事業展開を考えるセミナーが開かれたそうだ。JICAとジェトロの共催だそうである。私の不勉強かもしれないが、JICAがこのような民間投資に関係するセミナーを開いたというのは初耳である。JICAは、ODAとそれに連なる公的な国際支援が主だからだ。

地元関西でこのようなセミナーが開かれたことは喜ばしいと私自身は考えている。それだけアフリカへの国際協力における民間投資の重要性が認知されてきたということだからだ。いくら公的資金でインフラを整備しても、民間投資が集まらねばアフリカの経済成長はない。こういう考え方が凄いスピード(ここ2年ほど)でグローバル・スタンダードになったのだと言えるのだ。(2010年)月10日・15日付、12月27日付ブログ参照)

一昨日、日経本社コラムニストの土谷英夫が「成長の限界再び?」と題して、欧米では経済成長への悲観論が展開されていて、喜ばしいことではないと主張していた。「マルサスが聞けば卒倒しそうだが昨年70億を超えた地球の人口は、国連の中位推計で2050年には93億人になるという。増加分のはぼ全てが途上国であり、さらにその半分はサブ・サハラ=アフリカで増えるという。そのサブ・サハラ=アフリカ諸国は世界不況の最中5%前後の堅調な成長を遂げている。世界には豊かさを切実に求める多くの人たちがいるのだ。成長の時代に幕を引くのは早すぎる。」

日経はもちろん経済主体の新聞であるから、アフリカの人々を単純に豊かさを求める経済構造の中のコマだと考えている。私は若干異論はあるものの、この豊かさを求める意志はアフリカの持続可能な開発のために必要だと信じている。(かなり微妙な言い回しになる。)

いずれにせよ、このアフリカの事業展開を考えるセミナー、意義深いと見た。
http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201212/0005575523.shtml

2012年12月4日火曜日

意外な体育科生徒の申し出

今日のエントリーとはあまり関係がない北海道弾丸ツアーでの雪道
期末考査初日である。7時50分頃、4階の我がクラスに顔を出したら、もう10人ほどの生徒が勉強していた。普段はあんまり熱心に勉強するわけでもないのだが、だいぶ追いつめられているようだ。今日は、数学Ⅰ、英語G、物理基礎と3連発。我がクラスの生徒の大半は理数系を苦手としている。余計焦っているようだ。(笑)

私は一時間目の数学Ⅰの試験監督をしたら、後は終わりのSHRだけという日程である。3限終了後、SHRに行こうとしたら、「先生。」と、隣の体育科の7組・8組の生徒が声をかけてきた。「なんやあ?」

…教室棟4階は、手前から2組・1組(普通科)、さらに8組・7組(体育科)と4つの定教室が並んでいる。今日の期末考査初日は、体育科は2限までで終わり、1・2組は3限目まで試験があったわけだ。それも、生徒が最も苦手としている物理基礎。そんな3時間目、体育科の生徒の一部が、普通科が試験だと言うことを知らず大騒ぎしていたらしい。1組の監督に当たっていたK先生がこれに激怒したのだという。で、体育科の担任の先生方も激怒。私の全く知らないところで、普通科の生徒は迷惑を被り、体育科の生徒は大反省を強いられていたということらしい。

で、先ほどの私に声をかけてきた体育科の生徒の発言に繋がる。「明日、朝のSHRの際に、一言普通科のみんなにお詫びをさせてください。騒いだ生徒全員でお詫びに伺います。」

なんとも良い学校ではないか。私は改めてそう思うのである。

2012年12月3日月曜日

日経記事の読み合わせ会

JICA 関西
11月27日のブログでエントリーした日経の新聞記事を、政経で難関私大を受験する2人の男子生徒、世界史で受験するのにわざわざ「私にもこの新聞記事をコピーしてください。」と行ってきたA君、それにこの度指定校推薦でK大S学部に行くことが決定している女生徒の4人で読み合わせ会を放課後開いた。

本校の優秀な生徒が総集合という感じである。ついつい熱が入る。内容はフツーの高校生には歯が立たない内容だが、基礎的な話をしなくていいので面白い。明日から期末考査だというのに、受験勉強というにはあまりにぶっとんだ内容だが、こういう補習を前任校でもやってきた。前任校のOB・OGによると、意外に、こういう応用編の講義が受験に役立ったりするらしい。

終了後、政経組に「明日の期末考査は何の教科や?」と聞くと、「何でしたっけ?」頭の中は受験だけらしい。(笑)いいなあ、そういうパラノな姿勢。

ところで、今回は秘していたのだが、今日JICAから、12月22・23日にJICA関西センター(旧兵庫センター)で1泊2日で行われる高校生セミナー参加の決定通知がきた。昨年、希望がかなえられなかったので、今年はなんとかOKをもらえたようだ。今回も3年生の進路決定組を連れていく手はずになっている。K大S学部に進学する女生徒もその中に入っている。彼女は将来中学で教鞭をとりたいという希望を持っている。ESDに接する意義は大きい。

と、いうわけで、読み合わせ会後は試験を刷ったり、質問に来る生徒も多かったし、今日も結局大忙しだったのだった。

2012年12月2日日曜日

ドゥルーズを「巨人の星」で語る

権力ピラミッドのコードそのものである。
明日は、期末考査の前日である。1年生の現代社会(事実上は倫理)の今回の範囲は、現代哲学(マルクス、生の哲学、実存主義)と構造主義(ソシュール、フロイドを含んでレヴィ=ストロース)、そしてポスト構造主義である。明日は2クラスで最後のポスト構造主義を教える。1年生に倫理を教えるのは初めてなので、『できるだけ平易に』を心がけているのだが、フーコー、ドゥルーズ、デリダと難解な哲学者がラインナップしている。(笑)

1年生だし、この辺になると、どうしてもきちっとした論理より感覚を教えることになる。ドゥルーズは脱コード化を言った哲学者である。前任校ではモダンのコードに登場するメビウスの帯のような「クラインの壺」なんかに強く興味をもってくれた。だが本校の1年生にはかなりつらい。これまでの2クラスでは、軽く流した。それより、パラノ・スキゾという生き方について重点的に語ることにした。

パラノと言えば、私などの年代では「巨人の星」であり「あしたのジョー」なのである。

最近の高校生は「巨人の星」というマンガの存在は知っているが、どんなストーリーだとかは知らない。無理矢理、子供の頃の飛雄馬が壁の穴にボールを投げる話や、大リーグボール1号・2号・3号の話などをする。生徒は「?」という顔をしている。(笑)うーむ。パラノは流行らない。

最近の漫画はあまり知らない。私は「タッチ」などというスキゾな野球漫画は認めない。高校野球をベースにしていることが間違いだ。(笑)思いこんだら試練の道をパラノに歩まねばならない。(笑)生徒は何となく私の熱弁にパラノとスキゾの違いを感覚で解ってくれているようだ。

そういえば、高校生活もスキゾになった。最近の生徒は音楽プレイヤーが好きだ。プレイヤーも安くなったし、性能もよくなったので、それぞれ好きな曲を聞いている。私たちの頃は、ギター1本あれば、みんなで歌ったものだ。レコードを貸しあい、テープに録音して共通の音楽を作っていた。修学旅行では「歌集」が作られ、みんなで歌ったものだ。『岬めぐり』なんて、修学旅行用につくられた曲ではないかと思ったりする。今は、バスにカラオケの設備があり、好きな曲を歌う感じ。(前回のHR合宿では、それでも数人でマイクを回して歌う曲も多かったが…。)全くバラバラではないが、リゾーム化はやはり進んでいると私は思っている。

そんな話をドゥルーズの時にするのである。パラノからスキゾへ。善悪を別にして、時代の流れは確かにそうだ。

2012年12月1日土曜日

タンザニアに格安航空

タンザニアの格安航空便
Africa Business Newsによると、タンザニアで格安航空路線(おそらくダルス~ムワンザ~キリマンジャロ~ダルスという三角路線だと思われる。)が開設され、盛況だそうだ。124席の小型機で、長距離バスの乗客狙いだという。

価格は税別で、日本円換算で1900円。安い。(タンザニアの最新の物価はよくわからないが、おそらく長距離バスより少し高いくらいかと思われる。)これに手荷物代は別という。なるほど、そりゃそうだ。アフリカの長距離バスに乗る人の何%かは、あほほど荷物をかかえている。そういう人は、格安航空からシャットアウトされたようだ。(笑)そういう人々はやっぱり屋根に荷物満載のバスだろうなあと思ってしまう。だが、ビジネスや荷物の少ない人には朗報だろう。

アフリカでは携帯電話といい、格安航空といい、莫大な通信・交通インフラ整備をワープして、どんどん開発を進めているような気もする。それはそれでいいよなあと思ったりするのだ。

南アのプレトリアから、ジンバブエのハラレまで夜行バスに乗った時、国境(深夜3時くらいだった。)で待機していると、急に女性が歌を歌いながらバスに入ってきた。大道芸人らしい。国境のわきには着の身着のままで野宿する人々の姿もあった。私の乗ったバスは外国人でも安心して乗れるバスだったのだが、それなりにイロイロあって楽しかった。バスはバスで捨てがたいもんだ。次にアフリカに行く際には、この格安航空便、どんな感じか乗ってみたい。
http://www.africa-news.jp/news_JG9woNyM8.html?right

2012年11月30日金曜日

パレスチナの記念すべき日に

国連で、パレスチナがオブザーバー国家として認められた。正式な国家ではないが、国連内では投票権はないものの国家扱い(バチカンと同様)となった。反対した9カ国は、イスラエルとアメリカ、カナダ、チェコ、パナマ、それと太平洋の島嶼国(これ以上わからない。)だということだ。イギリスやドイツは棄権したという。

別に、それに合わせたわけではないのだが、今日はパワーポイント教材「イスラエル考現学」をLL教室で使いながら、どどっと4時間(3年生の世界史3クラス+1年現代社会1クラス)授業したのだった。おまけに放課後武道科の生徒で、柔道や弓道の試合のため公欠だった6人の生徒への補講もやったので、1日5回公演…。同じ話を5回もすると、クタクタになったのだった。(笑)

一番盛り上がったのは、我が1年1組であった。キッパ(ユダヤ教徒が頭に載せている)を五厘刈りの野球部にかぶせたりしたら無茶苦茶盛り上がったのだった。こういうやりとりが出来ると一層楽しい授業となるのだった。

パレスチナ自治区の壁アートも、なかなか印象深かったようだ。今夜TVでニュースを見た生徒は、きっと属性を感じたと思うのだ。

2012年11月29日木曜日

離煙 第2ミッションへ

Amebaブログ 落書き部屋さんより
離煙ミッションも、第2段階に入った。1~31までの離煙パイプを使いきったのだ。ここから6mmのマイルドセブンを1mmに落とし、21の離煙パイプから再スタートである。ここまで、順調に、ニコチン依存症を克服してきたようだ。

はっきり言って、1mmの煙草なんて、本当は全く吸った気がしないのだが、まあまあ満足できるのである。と、いうより、朝6mmの煙草が3本残っていた。もったいないので自宅を出る前に全部31のパイプで吸ってしまった。ちょっときつくて、ゲホゲホと言う感じ。モーニングでは1本(1mmを21パイプで)煙草を吸うのがやっとだった。いつも3本くらい吸うのだが…。

なんとなく離煙できそうな気分である。無理してストレスを増やすよりは、ゆっくり地道に時間をかけて…。

2012年11月28日水曜日

「オードリー・若林」のタレント

http://yaplog.jp/t0m0blog2/archive/1777
「世界は言葉でできている」というTV番組、毎回楽しみにしている。騒がしいバラエティー番組が多い中で、有名人のコトバを超える自分のコトバを考える比較的知的な番組だ。バナナマンの設楽とオードリーの若林がだいたい出ている。初めて見た時、設楽に関してはなるほどと思ったが、若林なあ…。と思ったのだ。しかし若林、毎回いいコトバを発するのだ。オードリーという芸人コンビは、相方の春日が強烈なので、若林は全く目立たない。中川家の兄みたいな存在だと思っていた。ところが、ほんと、若林のタレント(才能)には、驚きを隠せない。大したコピーライターである。

春日の方もただの怪人かと思っていたら、スポーツ、特に水泳などの能力はかなりのものである。これまで、芸能人をタレントと呼ぶことには違和感があった。本当に才能があるのか?そう思っていたのだが、なかなか大した才能を見せてくれる。(もちろんタレントと呼ぶにふさわしくない芸人も多いと思うのだが…。)

人間には様々な才能があるはずだ。心理学者がいうように、まるで氷山の如く使われていない能力が眠っているのだろう。教師の仕事は、ソクラテスが言うのように引き出すことである。教育の英語の語源は、この『引き出す』という語だ。

若林の才能を引き出したTV局の人間はたいした教育者だよなあ、などど思うのである。

2012年11月27日火曜日

日経 今回の総選挙の構造

3年生で、政経で難関私大を受験したいといっている生徒が2人いる。冬休みに補習する約束をしているのだが、彼らが言うには、現実の政治経済に即して語って欲しいとのこと。今朝の日経の経済教室は絶好の教材だったので、モーニングで読んだ後、わざわざローソンで買い求め、コピーして手渡した。

タイトルは「総選挙 混迷政治の打破なるか 政権の事後評価で判断を」という平野治学習院大学教授の論文である。平野先生は政治行動論が専門。面白い視点だった。論の要旨は以下の通りである。

まず「有効政党数」という指標である。議席を持つ政党の数と大きさの両方が反映されるもので、ある国がだいたい何党制であるかが判断する際に便利なものである。09年の日本では小選挙区では2を割っている。比例代表では3。全議席では辛うじて2を超える状態である。

さて、今日の日本のような民俗、宗教、階級など社会の中に構造化された利害の亀裂がない社会において二大政党間での政権交代システムを機能させるには、政権に対する「業績評価」に基づく「合意争点型政治」が望ましい。この事後評価に基づく政治は与党が一体として有権者の評価を受ける覚悟が必要である。これがないと説明責任が確保されない。今回民主党議員が選挙前に離党したが、説明責任の観点から認め難い行動であると言わざるを得ない。

離党し新党を旗揚げしても、前述の有効政党数にあるように小政党の生き残りは難しい。新党間で連携や合併が模索されることになる。そこでは生き残りが目標となり政策的なすり合わせは二の次になりやすい。

歴史的な経緯から、日本の場合、都市部の大企業(すなわち市場での強者)と農業や中小自営業(すなわち再配分に依存するセクター)の双方から支持を得た自民党政権が長期化した。前者には政治経済的な体制の維持を保障し、後者には前者から吸収した資源を再配分した。

経済のグローバル化や少子化により、政治的に配分可能な資源が逼迫し、市場強者と再配分依存セクターとの対立が顕在化している。社会保障と税の一体改革、TPPへの参加、原発の是非を含むエネルギー問題などは、いずれも経済・社会的なコストと便益の問題で、政治的対立軸として前面に出てきた。

これらはいずれも限られたパイを奪い合うゼロサム的様相を呈してきているので、明確な政策的立場を打ちだすにはリスクが大きい。こうした改革は重要だが、短期間に成し遂げることがいかに困難かは民主党政権が身をもって示したとおりである。

と、高校生にはなかなか高度な教材だが、まずは読んでみてわからんトコロを質問に来るように言っておいたのだった。おそらく、何がわからないのか、わからないかもしれない。(笑)

2012年11月26日月曜日

シエラレオネの風を捕まえた少年

以前、マラウイの「風をつかまえた少年」について4回エントリーした。(11年1月7日・13日・14日、2月6日)素晴らしい少年の話だった。中学に進学しながら、飢饉のため退学を余儀なくされ、町の図書館に通いエレクトロニクスを勉強し、ガラクタを集めて風力発電を成功させたという少年の実話だ。

WEBニュースに、シオラレオネでも貧困に負けず、廃品の中から集めた金属片や空き瓶などを使ってバッテリーや送信機、発電機などを作った少年が出現したという。ケルビン・ドウ君15歳。彼の天才を認めた同じシオラレオネ出身のMIT(マサチューセッツ工科大学)博士課程の青年が、3カ月のプログラムに客員研究員として参加できるように計らった。MITのメンバーも彼の才能に驚愕したとらしい。

マラウイの青年とよく似た話なのだが、こういう若者がアフリカにまだまだ埋もれているのだろう。素晴らしい話だが、開発には、何よりもアマルティア=センの言うように「潜在能力を発揮できる」環境が必要だ。「貧困」から抜け出すには、教育しかない。改めてそう思うのだ。

家族のために生活設備を整えたいと語る彼は、マラウイのウィリアム君のやったように風力発電の風車を作り、地域に貢献したいと言っているそうだ。アフリカの人々のやさしさと強さ、そしてなにより生きる力を実感させる話ではないか。久々に嬉しいニュースである。

http://rocketnews24.com/2012/11/26/269413/

2012年11月25日日曜日

パパ・ケネディのスタンス

ジョセフ・パトリック・”ジョー”・ケネディ・シニア。要するにケネディ大統領のパパである。第二次世界大戦緒戦、英仏軍がドイツに破れ、ダンケルクの撤退から”バトル・ブリテン”(ドイツ空軍の爆撃を受けながら防空戦を展開していた頃)中の駐英アメリカ大使である。

このババ・ケネディは資産家で、フランクリン・ルーズベルトの古くからの知り合いでもあった。当然自らの将来をかけて大統領選挙を応援し、猟官するわけだ。で、在英の大使にまでなるわけだ。

大森実の『人物現代史』の中で、アイルランド移民としての意地でチャーチル英首相に強くあたる場面が出てくる。こういう民族的な恨みを個人的にはらすというのは、歴史的な面白さであると私は思う。世界史Bの先週の授業で、生徒に清教徒革命やクロムウェル、じゃがいも飢饉の話などを思い出させて、第二次世界大戦の話をしていたのだった。

ところで、パパ・ケネディは、失言で大使の座を棒に振ったことになっている。多分に反ユダヤで、親ナチ的な政治姿勢もその背景にあるらしい。「民主主義はイギリスで死んだ。アメリカにはまだあるかもしれない。」という談話であるという。うーん。「じゃんけんで決めてもいい。」よりはマシだし、失言への批判に「言葉のセンスがない。」などと、さすがパパ・ケネディは居直ったりはしていない。

2012年11月23日金曜日

LEGOが好きなら見てほしい

Amebaピグライフにアクセスしようとしたら、偶然Amebaの情報が目に入った。面白いというか、凄いYouTubeの投稿を紹介した記事である。LEGOで作った金閣寺と東大寺が飛び出す絵本のように飛び出すのだ。私も大のLEGOファンだが、こういう動的な作品は初めて見た。

もし読者の方が、見てみようと思われたら、まず金閣寺、それから東大寺にアクセスして下さい。
その方が楽しめると思います。

http://www.youtube.com/watch?v=uYlA3NV0rFA
http://www.youtube.com/watch?v=K3PXYvuxivg

北海道弾丸ツアー余録

登別のホテルの修学旅行食事モデル
今回の北海道弾丸ツアーでは、登別温泉に宿泊した。温泉をゆっくり楽しむ余裕などなく、翌朝修学旅行時の細かな打ち合わせや部屋や食事場所を視察して、ニセコへ移動したのだった。ところで、この登別から洞爺胡のあたりは、元首相H氏の選挙地盤である。解散した後だったし、選挙ポスターがたくさん貼られているのである。

美しい洞爺湖とは見事なミスマッチの赤を基調としたポスターだった。(笑)地元・北海道の方に聞くと「北海道の恥」と言うコトバが返ってきた。そう言えば、前日の北海道新聞にも、元オリンピックのスピードスケート選手だったH氏が立候補していて苦戦しているという記事が第一面に載せられていた。

で、こりゃH氏は負けるよなあと思っていたら、ニュースでH氏は不出馬ということになったのだ。TPPへの参加の問題などで民主党ともめたあげくの話らしいが、北海道9区を実際に肌で感じてきた私にはきびしい勝負から逃げたという感想をぬぐえない。こんなことになるのなら、ブログ用にポスターの写真を撮っておけばよかったと後悔している。

この北海道9区はH山ファミリーの牧場があり、H山神社などというのもあるらしい。この地の開拓者の子孫で、「殿様」選挙。超金持ちで、母親からこづかいをまだ貰っていた「殿様」もついに、選挙民に見放されたらしい。沖縄の普天間問題、国連総会での発言、首相をやめてからもイランまで行ってイラン事を言ったり、常軌を逸した政治を行い日本を混乱させたのだから、まあ当然の話である。

政治家の資質とは何なのか。H氏には近衛文麿のような先天的な弱さを感じる。頭脳は優秀なのかはしらないが、苦労知らず。先祖の栄光だけでチヤホヤされ神輿にかつがれると、なにか自分の中で誤解をしてしまうのだろう。

こういう政治家の自己誤解は何も先天的な因だけではあるまい。よく妻が「何様のつもりやねん。」とTVに向かって罵っている。(笑)私も同感である。政治家の最も重要な資質は、真面目に物事を考えている人々の声をくむ謙虚さではないかと思うのである。

2012年11月22日木曜日

ケニアの地熱発電

ケニアのオルカリア地熱発電所1号機
ケニアのナイロビで、アフリカに地熱発電を推進する国際会議が21日から開かれているそうだ。ケニアでは、国内の全発電量の10%くらい地熱発電でまかなわれているそうで、日本の技術への期待が高まっていると言う。なかなか良いニュースではないか。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121122/k10013676921000.html

ケニアの地熱発電について調べてみた。ナイバシャ湖のすぐ近くのオルカリアという地域で行われているらしい。グレイトリフトバレー(大地溝帯)にある火山帯で、休火山だが噴気活動は続いているらしい。81年に1号機が稼働して以来、ケニアではこの地熱発電に力を入れていて、日本はODAで送電線なんかも支援しているらしい。

地熱発電は、当然火山帯が必要なのでどこでもできる発電形態ではないが、ケニアからの大地溝帯の延長線上にあるエチオピアも有望であるそうだ。日本にとっても、大きなビジネスチャンスであり、持続可能な開発の最たる試みでもある。
それにしても、あの有名な観光地ナイバシャ湖のすぐ近くに地熱発電所が出来ていたとは驚きである。

2012年11月21日水曜日

ルワンダの話題 ×2

ルワンダ・カガメ大統領
ルワンダがアフリカで最もインターネットのダウンロード速度が早い国家らしい。アフリカでは、こういうITの状況が凄いスピードで改善されている。今年3月の調査では、長年首位だったケニアがガーナに抜かれ、今回はガーナも、リビアやエチオピアに抜かれて4位らしい。それだけ各国政府が頑張っているということだろう。

このルワンダのカガメ大統領、先日アフリカの若者のオンライン投票で「アフリカ平和パーソナリティ賞2012」を受賞したという。
http://www.emeye.jp/disp%2FOAA%2F2012%2F1121%2Fstockname_1121_006%2F0%2F1/

たしかに、カガメ大統領はあの虐殺事件を乗り越え、ルワンダという小国を大いに発展させている。私も長らく評価してきた。(本年4月16日付ブログ参照)だが、その裏の姿もだんだんと見え始めてきた。それはコンゴ内乱にまつわる事である。今日の毎日新聞の記事によると、どうも、ツチ人とフツ人の対立はルワンダ国内では鎮静化してきているのだが、混乱時に隣国コンゴ民主共和国に逃げ出したフツ人に対抗するため、ツチ人の武装勢力がコンゴ人民共和国の政府軍に編入された。この武装勢力が今度はコンゴ人民共和国政府軍から離脱、コンゴ内で反武装勢力M23を結成、20日にゴマ市に侵攻し、6万人にもおよぶ難民が生まれたという。カガメ大統領のルワンダ政府は、この反コンゴ政府武装組織のM23を支援している可能性が高いようだ。そもそも、このあたりは金やダイヤモンド、レアメタルなどの鉱産資源が豊富で、ルワンダとウガンダが紛争に乗じて資源を奪い輸出して大きなレントを得ているというのだ。(本年7月23日付ブログ参照)
http://mainichi.jp/select/news/20121121k0000e030166000c.html

となると、どこが「アフリカ平和パーソナリティ賞2012」なのか、ということになってしまう。真偽のほどはなかなかわかりにくいのだが、もし事実なら残念でならない。

追記:muchさん、39人目の読者登録ありがとうございます。機会があれば、コメントをしていただければ幸いです。

2012年11月20日火曜日

北海道弾丸ツアー報告

ニセコの体験学習の牧場から羊蹄山を望む
昨夜は、結局9時過ぎに帰宅した。宿泊施設や体験学習の視察を中心に回ったのだが、いやあ疲れた。昨夜はとてもエントリーできる状態ではなかったので、2日間お休みさせていただいた次第。で、ちょっとだけ報告編。最も面白かったのは、体験学習の視察であった。ニセコで農業体験や漁業体験を修学旅行に斡旋してくれる団体を、私が企画段階でリサーチしたことから話が始まった。ただ11月というシーズンオフなので、心配していたのだった。実際行ってみると、農業体験は時期が悪いとのこと。そりゃそうだ。だが、酪農体験でMAX200名、漁業体験もMAX200名受け入れ可能ということだった。本校の生徒数は320名。一気に体験が可能になった。

漁業体験は、実際漁船に乗ってクルージングもしてくれるらしい。海が荒れていても内海で必ず乗せてくれるらしい。魚群探知機なんかも見せてくれるし、漁業組合の海産物の選別の仕事やホッケなんかを三枚におろしたりと、なかなか面白そうだ。ツナギや長くつも貸してくれると言う。しかも面白いと思ったのは、木のチップなどを海に撒いて「海の肥料」の実験をしるそうで、「環境問題」を前面に出していることだった。話を聞いていてESDを推進する社会科教師の立場からはかなり嬉しかった。もちろん利益を出すのだろうが、基盤にそういう「理念」をしっかりと持ってくれているのはホント嬉しい。

「ベコ」に飼料をあげる
酪農体験のほうは実際に連れて行ってもらえた。羊蹄山がどどーんと見える牧場だった。最初は乳牛に干し草をあげることから始めるらしい。面白そうだ。干し草だけではなく、豆などの様々な餌を近くまで寄って、手であげたりもするそうだ。もちろん作乳体験や、時には子牛が生まれることもあるらしい。ここでも「食育」を念頭に体験させてくれるそうだ。

ちなみに漁業体験は海鮮バーベキュー、酪農体験はジンギスカンの昼食もつくそうで、なかなかいい。ただ、体験する漁港や農家などはニセコ一帯に散らばっているらしい。観光バス8台を駆使し、班ごとに組み替えた生徒集団を次々と体験場所に降ろしていかねばならない。担当者としては、運営も面白そうだ。

牧場で、担当者のMさんが、熱心に「食育」を語ってくれた。「先生はどんなことを生徒に学ばせたいと思っておられますか?」と聞かれたので、間髪をいれず「地球市民ですね。」と答えたら、ちょっとびっくりしてから大いに喜んでくれたのだった。(笑)

ところで今日も4時間授業だった。クタクタだったが、なんとかやりとおした。何といっても、1年生の現代社会は、私自身が大好きなサルトルの授業だったので…。ふぅー、である。

2012年11月17日土曜日

北海道1泊2日弾丸ツアー

明日から、修学旅行の下見で北海道に出張である。本校は今日は体験入学の日で、出勤日だった。月曜日が代休なので、1泊2日なら授業に穴をあけることもない。と、いうわけで3泊4日の日程を一気に走ることになった。

いくつかの観光地はパスすることになるが、旅行社に完全に任せても大丈夫なところだ。やはり宿泊するホテル等やアクティビティの確認が主である。事前に学年会で、下見すべき項目を全てあげて検討してもらった。面白い指摘。内線電話を全部切ってもらえるかという指摘。テンションが上がって、いたずら電話をする生徒が昔いたらしい。(笑)

ところが、明日から北海道は一気に気温が下がり、場所によっては吹雪になるという。ひぇー。安全第一。体調第一。20:00頃に第2日目の宿泊ホテル着の予定。と、いうわけで明日はエントリーできないだろうと思う。

エレサレムにロケット着弾

エレサレムのチューチュー
(様々な事情により、本文を削除しました。)

あえて、ガザに平和を、などという空虚なコトバを書く気はない。できるだけ傷つく人々の数が少ないことを祈りたい。