2019年12月31日火曜日

胡蝶の夢 2019回想

「過疎地域の戦略」とともに司馬遼太郎の「胡蝶の夢」という小説も昨日届いた。この小説は先日八幡浜の本屋でその存在を初めて知った。明治維新を描いた司馬遼はほぼ完読していたと自負していたのだが、大阪の本屋でついぞ見た記憶がない。見逃していたのかもしれない。結局アマゾンで古本を注文したのだった。

この「胡蝶の夢」というのは、荘子の有名な言葉である。荘子が蝶になる夢を見たが、荘子が現実なのか?蝶が現実で、荘子であることが夢なのか?といった話だ。西洋哲学的にはフッサールの現象学の発想に近い。

今年2019年は、まさにそういう「胡蝶の夢」的なる1年だった。昨年12月の自分のブログを読んでいて、まさか日本に帰国し、それも愛媛県の佐田岬半島に来るなどとは思ってもみなないことがよくわかる。今が現実なのか?夢なのか?ふと、わからなくなるような1年であった。多分にこういう人生の転機はあると思うのだが、その差が激しいのである。
昨年末KLに来たT先生は、日本語教師の資格を得、夢を実現した。今、ベトナム・ハノイにいて美味いフォーを楽しんでいる。一昨年末KLに来れなかったT先生は、今、定時制高校の教頭として、様々な取り組みをして頑張っている。

類は類を呼ぶのか、私の周囲にはそういう知人が多いのであるが、人生は先が見えないからこそ面白いのではないかと思ったりする。一応、1月はこうなるだろう、4月からはこうなるだろうという見込みはあるが、きっと山あり谷あり。今日のように風の強い時もあれば、一昨日のように満点の星空もあるに違いない。少なくとも、私はまだ「理想に生きることをやめた時青春は終わる」という座右の銘に忠実であるようだ。

教え子諸君、友人知人のみなさん、そして読者のみなさん、よいお年をお迎えください。

2019年12月30日月曜日

「過疎地域の戦略」が来た。

現在、町役場を通じて3冊の地域経済学の本を注文しているのだが、塾に来るのは来年になるらしい。で、我慢できず個人的にアマゾンで1冊手に入れた。鳥取大学過疎化プロジェクトの「過疎地域の戦略ー新たな地域社会づくりの仕組みと技術ー」という本である。(定価2300円の本だが、中古本で3円だった。要するに送料のみ負担したという感じで、申し訳ない気がする。)

「高校生のための地域経済学入門」の執筆は牛歩のごとくだし、「地域創生のためのSDGsゲーム」の製作も同様である。今、私に何より必要なのは、地域経済学の学びである。パラパラと見てみたが、面白そうだ。情報技術を用いた公共交通の利用促進システム、ソーシャルメディアを活用した地域マーケティング…。この辺に大いに興味が沸く。この年末年始、コツコツと呼んでみようと思う。

ところで、今日は雨であったが、明日は風が強いとのことなので、大洲まで妻と最後の買い物に行ってきた。197号線は途中霧が出ていて、ビビったがまあ無事に帰ってこれた。瀬戸内海と宇和海が接近している地域で霧が発生していることがよくわかった。また三崎港のフェリーを利用する車が多く、197号線は普段より段違いで車が多かった。先日乗った時に臨時便のお知らせが出ていることがよく理解できたのだった。

2019年12月29日日曜日

祝 エシカル甲子園「県知事賞」

私の作ったSDGsエシカル甲子園編から
三崎高校が出場したエシカル甲子園2019は、徳島商業高校が最優秀賞(内閣府特命担当大臣賞)を受賞したらしいことは一昨日判明していたのだけれど、以下のブログのおかげで昨日、三崎高校が「徳島県知事賞」を受賞したことがわかった。
http://www.komei.or.jp/km/tanaka-masaru-hiroshima/2019/12/27/215118/

やったね!私も少しこのプロジェクトに関わっただけに、実に嬉しい。I先生はなんとか賞状を持って帰りたいと言われていたけれど、まさに有言実行。上記のブログにはこんなことが書かれていた。

(拡大できます)

この記事を見て、発表したW君らの姿が目に浮かんだのだった。よくがんばった!そしてI先生、オメデトウ!

追記:記事の転載に関しては、ブログの著者の許可を得ています。転載を快く許可頂いた田中様に心より感謝申し上げたいと思います。

週刊ダイヤモンド 拾い読み

28日から30日は、伊方町役場三崎支所・会議室で12:00~18:00まで開塾日である。中日の今日が私の当番の日だった。来たのは、センター入試を控える男子生徒2人だけで、黙々と集中して勉強していた。私といえば、支所の中にある伊予銀行のところにあった週刊ダイヤモンドの合併号を(年末で閉庁していて誰もいないので会議室に持って行って)ずっと読んでいた。なかなか面白い記事があったので、備忘録的・雑文的に記しておこうと思う。PBTの学生・卒業生諸君とシェアしたいと思う。

これからの経営における知財(知的財産)の話。消費がモノからコトに変化している。知財をいかにビジネス化するか(特許や商標に登録する以外にも方法がある)が重要。フロー型とストック型があるそうだ。(注:マクロ経済のフローとストックをイメージするといい。)才能豊かなモーツアルトは、多くの楽曲を買い切りで切り売りしたので貧乏だった(フロー型)が、プッチーニは楽譜を作る会社に所属し、自ら作曲したオペラが上演するたびに権利料を得て金持ちだった(ストック型)。

ハマキャストという会社の「百年外壁」(長寿命外装仕上げ材=人造石)の雑誌広告があった。下部にSDGsの5つのロゴが記され、目標8の持続可能な経済成長、目標9の強靭なインフラ整備、目標11の持続可能な都市、目標12の省エネ・省資源、目標1の7パートナーシップの活性化と、それぞれ書かれていた。(こういう動きに私は感激した。)

池上彰と”Japan as No1”を書いたウォーゲル教授との対談。インディアナ州で大統領選出馬を表明したビート氏(姓が読みづらいので名前で呼ぶらしい。)が同性愛者であることをカミングアウトしたので、今は受け入れられないだろうが、頭がよく人柄もいい37歳なのでやがて米国中枢に出てくるだろうとのこと。サンダース氏はユダヤ系だが、彼がもし大統領になったとしても、(国民は以前に比べて)さほど特別な感じはしないだろう。トランプは、他国の悪口は言っても指導者の悪口は言わない。相手を怒らせたり困惑させ、ちょっとだけ譲歩するのが彼の交渉術。

米国主導の体制が影響力を失う”G0(ゼロ)”の提唱者イアン・ブレマー氏は、世界的な経済サイクルが弱体化していると見る。その理由はサプライチェーン(供給網)の収縮で、中国のテクノロジー開発の方向性と米国を中心とした西洋諸国のデカップリング(分断)によるものと分析。

(上記に関連して)世界経済を読み解くポイントの記事。超テクノロジー社会では、”権威主義国家”が有利である。権威主義国家とは、民主主義国家と全体主義国家の中間的存在で、中国をはじめとして、ロシア、アジア・アフリカ、中東などのの開発独裁の国家を意味する。AIのデータ収集には、民主主義国家の個人情報優先や合議的な物事の決め方が、開発スピードの鈍化を招いているからである。

李登輝氏の手記も興味深かった。1999年の台湾地震で台中の日本人学校が倒壊し、李登輝氏はすぐに手を打ったのだが、後に感謝の意味で招待された。その時にこんなスピーチをしたという。日本の統治時代、児玉源太郎第4代台湾総督の民政長官だった後藤新平は、わずか8年7か月で台湾を1世紀も違うほどに近代的な社会に作り上げた。仕事の出来ない日本人官吏を1080人クビにして、各方面から有能な人材を集めた。新渡戸稲造や台湾では非常に尊敬されているダム技師の八田與一である。スピーチ後、生徒が「(日本が植民地統治をしてきたので迷惑をかけたと)今まで肩身が狭かったけれど、今日から胸を張って歩けます。」と述べたという。
最後に、経済学者や専門家が選んだ2019年の経済本ベスト10が載っていたが、私が興味をもったのは、「資本主義と闘った男~宇沢弘文と経済学の世界」と「FACTFULNESS」であった。機会があれば手に取ってみたいと思う。

今年この1冊 2019

「今年この1冊」を、3月と7月に2回買った枚方市駅の本屋
今年も「この1冊」をエントリーする時期になった。アフリカ留魂録というタイトルのブログなので、知人の荒熊氏の著作「ブルキナファソを喰う!」に決定するのが当然の成り行きだと思う。内容がてんこ盛りで興味深いだけでなく、文化人類学研究者のフィールドワークの内幕まで教えてくれた、超傑作アフリカ本である。
しかしながら、あえて次点としたい。荒熊さんには誠に申し訳ないが、これは極めて私的な理由が絡んでいる。

世間では、本年の最大のニュースは、令和という時代になったことだと思われる。ラグビーW杯での日本の健闘や緒方貞子氏・山口哲氏の死去、イチローの引退、各地での台風災害など、多くの出来事があった。

私自身にとっては、マレーシアを離れ、本帰国し三崎高校公営塾で教師として最後の「志」実現に向かってに走り出したことである。その中で心残りだったのが最後まで面倒を見れなかったF42の諸君のことと、浪人だったL君のことである。

幸い、L君はD大学に合格したが、彼と二人三脚で読んだ本、そう、大澤真幸著の「社会学史」(講談社現代新書/2019年3月)こそが、今年この1冊に最もふさわしい。3月に一度買い、読み切ったうえで、KLの紀伊国屋になかったというL君に贈呈したが、手元に置いておきたかったので、7月にもう一度同じ店で購入したという経過もある。

社会学という学問をL君が志したおかげで、私にとっても極めて刺激的な学びを提供してくれた本だった。内容はほぼ哲学史であるといってよい、この本をL君は、日本語を学んで2年で、良く読破したと思う。彼の人生を決定づけた1冊になるかもしれない。よって、2019年の私のこの1冊は、(荒熊さんに誠に申し訳ないのだが)「社会学史」ということで…。

2019年12月28日土曜日

岡本太郎展で大分に行く。

写真は、フラッシュなしで風景的に採ればOKとの指示だった
妻が前から、三崎港から佐賀関港を結ぶフェリーに「いっぺん乗ってみたい。」と言っていた。私はもうすでに2度往復したけれど、三崎の住人として当然の想いであると思う。と、いうわけで、今日フェリーに乗って大分まで出かけたのだ。目的は大分県立美術館で開催中の「岡本太郎展」である。岡本太郎と言えば、ビッグネームなのであるが、1970年の万博時に中学一年生だった大阪人から見れば、太陽の塔をつくったおっさんである。その画風に特に惹かれるというわけでもないのだが、まあ佐賀関にはあまり観光地はないし、正直なところ、フェリー第一、太郎第二という感じで出かけたのだった。

佐賀関からは、急行バスで大分駅前へ向かった。約1時間強。料金は980円。急行という名がついてるが、かなり路線バス的である。大分駅前は、あか抜けているというか、なかなかモダンである。時間的には、松山に行くのと同じくらいなのでで、つい比較してしまう。
ところで、岡本太郎展はなかなか良かったのだ。岡本太郎の年譜をじっくり見てから、彼の撮った縄文土器や東北、長崎などのモノクロ写真を見て回ったが、これが良かったのだ。彼の画風や造形には、そいう縄文的な要素や民俗学的視点がたっぷり入っていることが良くわかったのである。こういう前提で見ると、渋谷駅前に展示してあった壮大な壁画も、太陽の塔のデッサンも興味深かったのである。やはりただの太陽の塔のおっさんではないわけだ。
また、この大分県立博物館はゆったりとした造りで、なかなかいい。ミュージアムショップも充実していたと思う。以前、ムーミン展をしていて、その時の商品がキャッシャーに置いてあった。実は私はこれを買いたっかたなあと思った次第。
また駅前からバスに乗って佐賀関に帰った。17:00発のフェリーからは、佐田岬灯台の灯が見えて、妻は十分ご満悦だった。普段、私のサポートに回ってくれているわけで、これくらいの妻孝行は当然かなと思ったりするのであった。

2019年12月27日金曜日

ユネスコスクールへの第一歩

仕事納めの日であるが、私にとっては、仕事始めの記念すべき日となった。ユネスコスクールについて、学校長と教頭、教務部長の各先生方にプレゼンテーションをする機会を得たのである。
不可抗力であれ、いずれマレーシアを背負う学生諸君と半ばで別れ、帰国した私にとって、三崎高校のユネスコスクール申請、そしてその実現という志こそが残された教師生活の根幹である。
この3か月間、三崎高校にあって様々な地域創生の取り組みを見てきた。もう少し私の出る幕(ESDの実践)もあるかなと思ったのだが、地域創生の取り組みが素晴らしすぎる。これに国際・国内交流関連を加味すると17も列挙できる。私の知りえていない取り組みもまだまだあるに違いないし、さらに増えていくだろうと思われる。

今日のプレゼンテーションでは、同じように地方創生を中心軸に据えたユネスコスクール2校の取り組みと対比してみた。
すると、三崎高校がいかに凄いかが鮮明になる。私は「せんたんミーティング」だけでも十分だと思うくらいである。また一昨日の学校HPには、ESDの環境教育にふさわしい取り組みが出ていたし、家庭科ではエシカル甲子園の四国代表で出場していたりと、先生方が気づかないままESDの凄い実践をされていたりするので、このままでは私の出番がないくらいだ。塾の方向性として、それらを補いながら進んでいきたいと述べたけれど、補う必要性すらないかもしれないと思う。とはいえ、今年度末に向けて、さらに前進できるように、私も地道に実践していこうと思う。さっそく塾で生徒会長のKさんに乞われて、個人的にSDGsの講義をしたのだった。

2019年12月26日木曜日

J先生との対話

未咲輝塾で 愛媛大のOGと現役受験生のT君との語らい https://www.facebook.com/pg/misakijyuku/posts/?ref=page_internal
未咲輝塾によく来られるのがJ先生である。PBTにおられたF先生と風貌がそっくりなので、最初びっくりした。J先生は、教養豊かな理論派で、先日もずいぶん話し込んだ。ヤゴの群衆の研究をしていたという話も面白かった。生物学が専門であるが、研究の関係か、社会科学にも非常に興味がおありのようで、日本の将来に大きな危機感をお持ちなのだ。

先生は、国際競争力を日本はやがて失うのではないかと問いを投げられてきた。特に入試改革で文科省が迷走中だし、理系の英語教育の強化が必要(大学教育においては、英語で理系の授業を行うべきではないか)というわけだ。私は、理系においては、それもありかなと思っているが、文系における日本語は、たとえガラパゴス化しようとも必要不可欠だと思っている。日本語の極めて複雑な表現は、そのまま日本文化のアイデンティティだからだ。マレーシアの日本語教育の先駆者ラザク先生は、「言語は文化そのもの」と言われている。英語などは、SVOCなので、すぐ動詞が来る。日本語は書いたり話したりしながら、時系列的に様々動詞を変化させることが可能だ。このような玉虫色の表現が日本文化そのものだと私は思う。アメリカを比較的長期間(といっても10日くらいだけれど…)旅をしていると、つけている日記が英語化する。英語で思考するのと、日本語で思考するのでは大きな違いがあると思う。ただ、自然科学は世界標準であるので、英語で思考しても問題ないのではないかと思うのだ。そんなことをJ先生に言ったのだった。

私のこれまでの友人・知人の中で、こういう対話が最も可能なのは、社会科の弟分のU先生である。もちろん彼と意見が異なることも多いが、実に参考になる。三崎に来て、こういう対話ができる方がいるというのは実に素晴らしいことだと思う。

2019年12月25日水曜日

”コーンフレーク”と”最中”

https://www.huffingtonpost.jp/entry/milk-boy_jp_5e017bd9e4b0843d360076e5
今朝、妻が珍しく漫才をYouTubeで見ていた。ニュースを見ていたら”コーンフレーク”がコンビニの店頭から無くなっているそうで、先日行われたM-1で、コーンフレークのネタで優勝した漫才の影響らしい。それで、その漫才を見ていたのだった。

我が家はTVがないし、そもそも漫才といえば、中川家かナイツかサンドイッチマンくらいしか知らないし、非常に珍しいシチュエーションだったのだ。横でパソコンをしながら聞いていると、確かに面白い、というか面白すぎる。さらにファイナルで”最中(もなか)”をネタに同じような漫才があった。これも面白すぎる。で、私はこのミルクなんとかと言う漫才コンビが非常に気に入ったのだった。

私は、コーンフレークより、最中が食べたくなったのだが…。糖尿病の関係で甘いものを極力控えているので、最中の方に惹かれるのだった。

彼らが、これからもいろんな食材を元に新ネタを考えて欲しいな。たとえば…チーズケーキとか、きんつばとか、桜餅とか…。

地域おこし協力隊のX'mas

https://ameblo.jp/gorge0202/entry-11713220316.html
私はブディストなので、クリスマスとは無縁であるのだが、地域おこし協力隊でローストチキンを食べる会がイブの昨夜催されたので、夫婦で行ってきた。会場は、アグリトピアのさらに上にあるログハウス・Oさん宅である。Oさんは先日ご主人が亡くなられたので気になっていた。到着後すぐに、ご遺影に手を合わさせていただいた。

さて、地域おこし協力隊と町役場総務課のY君、Oさんに加えて、ALTでミシガン州デトロイト近郊出身のA君と養蜂家のNっちゃん(茨城県出身)の若い2人も参加して、日が変わるころまで盛り上がっていたのだった。
A君は韓国系だが、白人ご夫婦の養子だそうで、日本語を大学で学び、コミュニケーション力は十分だが、漢字を書くのは苦手だそうである。日本史を研究していて、戦国大名とキリスト教について論文を書いたそうだ。私がデトロイトに行ったことがあることを知って喜んでくれていた。
Nっちゃんは、ミツバチ大好きだそうで、協力隊のKさんとかなり専門的な話をしていて、面白かった。料理もおいしかったが、こういう全く畑違いの人と会うのは実に良い経験である。

こちらに来てちょうど3か月になる。ものすごく濃厚な時間が流れていて、もう2年も3年もここで暮らしているような感覚になっているのだった。

帰り道、夜空の星がとてつもなく綺麗だった。そしてタヌキが1匹、車の前を横切っていったのだった。

2019年12月23日月曜日

三崎の医院に行ってきた。

三崎のK医院 
https://byoinnavi.jp/clinic/96695
だいぶ前の土曜出勤の振り替え休日の日なので、三崎のK医院に行ってきた。最近新築したような新しい医院があることを、何度かの妻との散策で以前から見つけていたのだ。三崎の朝は早くて、6:00にアザーン(音楽が各地域のスピーカーから流れる。マレーシア帰りの我々からするとアザーンのイメージなのでこう呼んでいる。ちなみに正午には「恋は水色」、18:00には「赤とんぼ」のアザーンが流れる。)役場の支所も8:30には始まる。この医院も8:30からなのだが、9:00前に行ったら、すでに数人の高齢者の方が待っておられた。

待つこと、約1時間。診察というより、糖尿病の薬が切れそうなので、貰いに行ったのだが、まずは私と妻の詳しい状況を知るために、身長・体重・血圧・心電図、そしてレントゲンを撮ってくれた。全てがコンピュータ管理されており、なかなか大したものであった。しかも、レントゲンだけでなくCTスキャンの機材まで備えているし、薬局も医院内で手に入れることができた。正直なところ、こんなに凄いとは思わなかった。

というわけで、1か月分の薬を手に入れて帰って来たのだった。その後、またまた八幡浜まで出て、免許証の住所の書き換えに行ってきた。大阪とは勝手が違うことも多々あるけれど、だんだん慣れてきた。後は、歯医者に行くくらいかなと思う。(マレーシアでは、英語に不安があって、ついに行くことはなかったのだった。)

2019年12月22日日曜日

祝 L君のEJU 歴代最高点

L君の快挙を祝って 昨日の伊方町の花火 ドッカーン
地域おこし協力隊のイベントがあって、正直かなり疲労がたまったのだが、今朝L君から嬉しいメールが届いていたのを発見して、疲れがぶっとんだ。
EJUの結果が送られてきて、日本語は昨年同様(かなりの高得点である)。別にPBTで改めて授業を受けたわけではなく、日本人会の図書館でバイトしながら自学自習して勝ち得た点数である。レベルが落ちなかったこと自体が素晴らしい。図書館で過ごした日々が十分生きたわけだし、それを勧めた私としても嬉しい。

そして何より、私が昨年教えた総合科目(社会)である。なんと195点/200点!
これは、今まで私が教えたPBTの学生で歴代最高である。もしかしたら満点なのかもしれない。(EJUでは最初に平均点ありきなので、こういう事がありえる。)やったなあ。昨年もよかったけれど、それに上積みするとは…。実に嬉しいし、誇りに思うのである。

L君はすでにD大学入学が決まっているが、JASSO奨学金をGETできるだろうと思う。余裕をもって学生生活が送れるわけで、実に喜ばしい。京都は生活費、特に住居費が高いからね。L君、おめでとう。

佐田岬ワンダーXmas(2)

三崎高校のW先生撮影
先ほど大洲と八幡浜からの定例の買い出しから帰宅した。昨夜のイベントの話の続きである。KFC(協力隊フライドチキン)の方は、大盛況であった。18:00から仮装大会があって、一時仕事(店のイメージアップ)を中断して舞台の方に、N先生と向かった。N先生は中国製のチキンの被り物(というか履く感じ)のグッズを仕込んでいて、上はサンタクロースといういで立ちである。空気を常に送り込むシステムになっている。(これは小さな子供たちに大うけだった。)エントリーNO9で登場し、ちょっとだけパフォーマンスをした。前回は大人も参加したようだが、可愛い子供には分が悪く、協力隊も2位3位に甘んじたらしい。という状況下、家族参加以外は大人は我々だけであった。協力隊は、執念で昨年のリベンジ(優勝賞品の高級国産牛2万円相当獲得)を目指していたのだった。(笑)
H隊員撮影
さて、結果は、(後に判明したことだが、ダントツで)我々が優勝した。N先生のチキンと、KFC(協力隊フライドチキン)の店自体のイメージが大きく影響したのであろうと思う。謙遜というより、あまり目立ちたくない私としては、TVカメラ(伊方町のケーブルTVの取材)や一眼レフカメラ(伊方町の広報)を向けられたりしたが、内面は苦渋の表情だった。協力隊への理解のために笑顔であったが…。
とにもかくにも、昨年のリベンジと国産牛をゲットしたのだった。なによりKFC(協力隊フライドチキン)の中心的役割を果たしたH隊員とO隊員の力が大きいと思うのだ。

さて、この優勝賞品の高級国産牛は、打ち上げ会のH隊員宅で、ステーキにして存分にいただいた。超美味なサーロインであった。(うちの妻も大いに貢献したのでおすそ分けをいただいて現在我が家の冷凍庫に鎮座されている。)

佐田岬ワンダーXmas(1)

開店準備中
伊方町街おこし協力隊として、イベントを盛り上げるのも仕事のひとつである。昨夜、伊方町役場の駐車場で、華やかなイルミネーションの中で、模擬店を行った。他の団体(三崎高校も入っている)と共に行い、仮装大会にも出場した。

今回の模擬店は、過日、町役場で開かれた協力隊の会議中、私の顔をじっと見て、H隊員が、フライドチキンにすると決断して始まった。(自分で言うのもなんだが、マレーシアで髭を生やして以来カーネル・サンダースにちょっとだけ似てきた。)店の名前はI♡KFC(協力隊フライドチキン)となり、私は料理などできないので、もっぱら仮装して店の前でじっと立つ役になった。妻と大洲や八幡浜で、白い上着と白いズボン、ネクタイがわりの紐、バーレルにする白いゴミ箱、赤いテープなどを購入。さらに新聞紙を丸めてバーレルの上にチキンの盛り合わせをリキテックスで着色した。他の隊員は、かなり労力を費やして頑張っていただいた。毎日LINEに新情報が入り、うーん、「大人の模擬店」は凄いのだと思っていた次第。
バーレル
そんなわけで、店のテント前で立っていると、大人の方々は一応にびっくりしていただけたのだった。小さな子や小学生がじっと見て、不思議な顔をしている。喜んでいいのやら…。つづく

2019年12月20日金曜日

妻の作ったパンの朝食

伊方町・三崎の生活も3か月になる。生業から生まれた蒼い石垣が素晴らしく、数々の渡り鳥が入れ代わり立ち代わり違う鳴き声が聞こえ、里山に住む猪やタヌキが時折姿を見せる環境に、我が夫婦は「良きところ、良きところ」と満足している。交通の便が厳しいことにもずいぶん慣れた。

妻は専業主婦であるので、おそらく退屈なのだと思うが、彼女なりに工夫している。マレーシアではついぞ実現しなかった、自家製のパン作りに最近勤しんでいる。話を聞くとずいぶん手間がかかるようだが、それもまた妙であるらしい。ここ2日ほど、自家製のパンが朝食に出てきた。我が妻は料理人なので、当然美味しい。
ところで、今日は重大なミスを犯した。家を出る際、パソコンをザックに入れることを忘れたのだ。結局、妻に正門まで車で持ってきてもらったのだが、いやいや情けない。全くもって”おじいちゃん”である。老いては、妻に従え…きっと月曜日からは、携帯や財布だけでなく、「パソコン持った?」と確認されることになると思う。(笑)

2019年12月19日木曜日

「どっこいしょ」連発の日々

http://www.worldfolksong.com/kotowaza/dokkoisho.html
最近、何をするにも”どっこいしょ”と言うようになった。全くの無意識的行為である。歳をとってくると、そんなふうになると言われてきたが、次々と連発してしまうのだ。気力はともかく、体力と視力の低下を痛切に感じるのである。

ところで、かの米国大統領閣下の下院での弾劾が可決された。上院は共和党が多いし、過半数ではなく、2/3という高いハードルもある。当の本人は、下院民主党のこの弾劾可決をボロクソに言っているが、どうなるか分からない。ただ米国内のマーケットは冷静に動いているようだが…。一方、韓国の動きも、ニュースを追いかけるのが苦痛なほどになってきた。以前、米国大統領と韓国大統領の弾劾はどちらが先かなどというエントリーをしたけれど、まあ、"どっちもどっち"である。

”どっこいしょ”を連発する私から見て、トランプと文両大統領の弾劾は”どっこいどっこい”…かな。

2019年12月18日水曜日

地方創生 SDGsゲーム2

https://www.mamoru-kun.com/lp/?url_campaign_id=410f14edd31c61656cc8533c32bf6a2&j_keyword=%2B
地方創生SDGsゲームの方も、ボチボチと製作している。今取り組んでいるのは、環境ポイントのカード内容である。
ゲームでは、農業KK(株式会社)、漁業KK、食品産業、IT産業、商業施設の5人(またはチーム)が、ボードでコマを進め資金(経済ポイント)を貯めながら、環境ポイントと社会ポイントを増やすために資金を使うという基本コンセプトなので、環境ポイントをあげるにふさわしい事例をネットで探っているところだ。

農業では、有機栽培を行うというのは環境に優しいのでまず一番にあげた。その他にも、落ち葉の堆肥化といった事例を発見した。漁業では、MSC認証というのがあるそうだ。養殖部門ならASC認証というのがある。やはり事例が多いのは、工業部門で、ISO14001(環境マネジメントシステム)認証、デマンド監視で電気代の節約=CO2削減や、食品工業では、容器包装の小分けや真空パックで賞味期限を増やしたりするのも環境に優しい。食料廃棄物を減らすことになるからだ。商業誌越でも環境NGOのイベントにホールを貸すなど、環境に貢献できるようだ。なかなか勉強になるのである。

なかでも「へーっ」と思ったのが、保護(まもる)君という機密文書の廃棄システムである。シュレッダーで書類を廃棄したら、それらは焼却されるので再生不可能なんだとか。そんなこと全く知らなかった。これを機会に大いに学びを深めたいと思う。 

2019年12月17日火曜日

地域経済学 伊方町の統計2

限界集落という言葉がある。65歳以上の高齢者の人口比が50%を超えている集落を意味する。伊方町全体で見れば、12月1日現在で、人口9129人、高齢者人口は4231人なので、高齢者人口比は46%。まだ限界集落ではない。しかし細長い佐田岬半島には、背骨のような国道197号線(メロディーライン)から海岸線に降りる道がいくつもある。これらの道の先にある集落の多くは、かなり限界集落に近づいている。
この資料は、伊方町の小学校区ごとの人口変化と生産年齢人口の変化を示している。これによると、伊方町役場のある伊方小学校区と我々が住む三崎小学校区だけは、比較的生産年齢人口が多いが、他の校区は限界集落に近づきつつあることがわかる。(数字で定義する限界集落というよりも地域の運営が厳しくなっているという意味において、である。)

先日、そんな集落の1つ、名取に行ったとき、空き家が多く、地元の人に聞くと売りたくても売れないから年に一二度帰ってくるくらいなんだそうだ。人口減少、高齢化にどう取り組めばいいのか、実に悩ましい問題である。
放課後、I先生に、エシカル甲子園のための生徒の練習に呼ばれた。三崎高校の生徒が高齢社会の中で、いざと言うときの防災行動をとるために、いかに地域を大事にしているかがよくわかった。避難所になった際の校内の配置や、車いすの使い方などを練習する姿を見て、改めて、三崎に来てよかったなと思う。

2019年12月16日月曜日

ジンバブエ ブラワヨの名由来

ジンバブエ/ブラワヨ http://daitaka.net/2017/02/04/
妻は、毎日タブレットで様々なニュース記事を見ていて、面白いものがあると私に教えてくれる。今朝も朝食後、面白い記事を見つけたと教えてくれた。英国と南アと日本とジンバブエを結び付けた黒歴史と言っていい。ウィキにもちゃんと記されていたので、詳しい真偽はともかくエントリーしておきたい。

WWⅠの時に、南ア在住のベイリーというダイヤモンド関係の富豪が、英連邦の一員として特殊部隊を派兵した。とんでもない隊員(ゴルゴ13並み)を集め、最強の狙撃銃(38歩兵銃のブリティッシュカスタムモデルで、VIIIZという特殊な弾薬を装填した弾丸)を三井物産に注文、ティベルノの森で3000人ちかくのドイツ軍を狙撃、殺傷いたらしい。戦後、ベイリーは英国騎士団員となる勲章を授かり、彼の特殊部隊はベイリーズ騎士団と呼ばれるようになるのだが、WWⅡではベイリーが死去したため派兵されずだったが、この騎士団の隊長(彼はスコットランド出身である)は、南ローデシア(現ジンバブエ)の鉱山の警備隊長となり、鉱山労働者の暴動が起こった際には機銃掃射で400人以上を殺害して鎮圧、不足した労働者を近隣から人間狩りをして集めたという。ブラワヨ(ジンバブエ第二の都市)は現地語(ンデベレ語)で「虐殺の地」という意味だという。

三井物産はWWⅡ後もベイリー家と関りを持っており、一時期名誉白人とされていたという。一方、この騎士団の隊長家は、ジンバブエの経済発展に寄与したとして名誉黒人の称号をムガベ大統領から認定され、例の白人を追い出した大混乱の際も財産没収の対象から外され、今も大富豪であるらしい。

…ジンバブエは多数派のショナ人と少数派のンデベレ人の国である。私はショナ人としか接していないのだが、ンデベレ人の街、ブラワヨにそのような黒歴史があるとは知らなかった。このベイリーズ騎士団、南アのオランダ系ボーア人といい、スコットランド系の隊長と言い、おそらくは予定説をとっているゴイセンとプレスビテリアンではないかと思う。ルター派やカトリックのドイツ人も、南ローデシアの非キリスト教徒の黒人も予定説からすると、抹殺することに躊躇はないはずだ。
https://tocana.jp/2019/12/post_123004_entry.html

2019年12月15日日曜日

西予・宇和島へ行ってきた。

西予市の県立歴史文化博物館 外観
松山まで昨日行ったばかりだが、今日は昼前から妻と西予市・宇和島市へ行ってきた。特に大きな理由もなく、結局行ったのは、西予市の県立歴史文化博物館と道の駅ある。

さて、西予市というのは私たちが良く行く八幡浜市の南にある市で平成の大合併で3つの町が合併した。ここに新しい公営塾が開かれる予定である。西予市がどんなところなのか見ておきたかったということもある。八幡浜からを南下し、町並みを見てきただけであるが、久しぶりに水田も見た。(笑)そんな中で、歴史博物館の標識を見つけたのだ。

この愛媛県立歴史文化博物館、なんとなく行ったのだが、なかなか素晴らしい博物館だったのだ。時間的に焦っていたので、かなりスピードアップして回ったのだが、これはゆっくりと見る時間を作って、再訪しなければならないと思える博物館であった。館内で写真撮影可の場所にはちゃんと示されているのだが、もっと撮りたいものが多々(特に江戸期から幕末期)あって残念であった。私の大好きな長崎の歴史博物館と比べても全く遜色がない。愛媛県も実に頑張っているのである。
意外に面白かったのが、愛媛の祭りを描いた小学生の絵(入選作品)のロビーの掲示である。こういう地域との関連性が愛媛県の良さだと思う。
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もうひとつ、これは妻の趣味というか、道の駅の大ファンなので、3つほど回ってきた。行った順番で言うと、「道の駅みま」「うわじま まさいや広場」「道の駅どんぶり館」である。良く行く伊方町や八幡浜とは、微妙に品ぞろえが違うし、なかなか楽しい。宇和島では、ひさしぶりにソフトクリームも食べた。すでに血糖値が上がっているようで、手が痒くなってきた。マレーシアにいた時のように、”歩け歩け”でいかなければ…。

2019年12月14日土曜日

愛媛大学へ行ってきた。

11月18日付のブログで紹介した「人口減少社会に挑む!フォーラム2019」に妻と参加してきた。開催地の愛媛大学は当然ながら松山市にあるので、またまた高速道路を使っても片道3時間弱の道のりだ。朝9:00に出発して、帰宅は18:00くらいになった。まさに1日仕事である。

今回のフォーラムは、主催者挨拶から始まった。これからの街づくりは文化を根本にしていくことになるのではないかと、愛媛大学地域共創研究センター長。また人口減少はピンチであるが、チャンスでもあるのではないかと、公営記財団法人えひめ地域政策研究センター長。なかなか、興味深い話で始まったのであった。

基調スピーチは愛媛大学の社会共創学部の笠松先生。人口減少の負のスパイラルを示された後、対応の方向性として、これまでの社会は、人口増と経済成長を基本軸としていたが、その社会コードがそろそろ限界に来ているのではないか、経済性重視から持続可能性重視へ、大規模・集中重視から小規模・分散へ、専門化から多種複合へと働き方の変化へ、個の優先からコミュニティ優先へ、それぞれが変化していくのはどうか、と提案。さらにお金が地域に残らない仕組みについて解説。この対策として、地産地消、エシカル消費、地域立脚企業の活動推進、起業家の育成、小回りの利く保険・保障・金融、チャレンジと失敗が認められる社会、義務教育段階で社会との接点を増やす、などの提案をされたのだった。

活動発表スピーチは、①「人を増やすしくみをつくる」で、伊予市移住サポートセンターの方が、地元の小学校の児童15人を24人に増やした取り組みを面白おかしく報告②「みんなで支える社会をつくる」では、久万高原町の面河地区の地域運営協議会が、福祉・観光・交通の三部門からの取り組みを実直に報告、さらに③「地域資源から生業をつくる」では、愛媛大学社会共創学部の『芭蕉』(南予地域に生えているバナナ科の植物)の茎から、セルロース・ナノ・フィーバーを取り出すことに成功し透明感があり、染色が容易で、水に溶けず、振動板ともなり、引っ張りにも強いという様々な特徴を持つ和紙の原料として開発を進めていることが、いかにも理系研究者という感じで報告された。
そしていよいよ④「人が還るしくみをつくる」で三崎高校のT先生とSさんAさんが登場した。内容は本校の地域創生の取り組みと、この4年間の活動によって、進学や就職で三崎を離れても帰ってきたい、あるいは地元(南予地域)に就職したいと考える生徒の着実な増加について報告があった。

その後、未咲輝塾生である1年生のS君と我が夫婦は「社会・経済・生き方の転換を探る」がテーマの分科会⑤の会場に向かった。私は今研究中のSDGsとかなり関係があると思ってこの分科会を選んだのだ。この分科会を担当されていたのは基調スピーチをされた笠松先生であったので、SDGsとの関係性を問うてみたが、SDGsにとらわれないかなり自由で柔軟な発想を期待されていたようだ。私のように、開発経済学や地域経済学をかじっていると、なかなか自由な発想ができないことを実感させられた。その後の100分間ワークショップでは、県庁の方、愛媛大学の防災研究員さん、長年地域創生に関わってこられた年配の方、そして愛媛大学社会共創学部の女子大生、松山中央高校の男子生徒と語り合った。今までこういう世代を超えたワークショップの機会はなかったので実に新鮮であった。最後の全体討論は、帰りが遅くなるので遠慮し、帰路に就いたのだが、T先生はおそらく5名の生徒とともにもっと遅くなられるだろうと思うと申し訳なかったと思う。

ところで、最も今日印象に残ったシーンは、T先生が、登壇した三崎高校の生徒の紹介を最後にされ、Sさんが愛媛大学の社会共創学部、Aさんが大分大学の経済学部(地域イベントの研究をしたいと彼女は述べた。)と紹介された際の会場の盛り上がりだった。この2人塾生の受験に多少なりとも関わってきた私としても嬉しい瞬間であった。T先生、本当にご苦労様でした。

2019年12月13日金曜日

日本史A特別講義

センター試験を日本史Aで受験したいと申し出てきた生徒がいて、近現代史なら十分教えれるので、手伝ってあげることにした。日本史も当然ながら、大まかにまずはとらえる必要がある。特に日本史Aは、どの学校でも普通、受験科目としないので、内容を精選することが多い。そんなわけで、どういうふうに対応するか考えていたのだが、以前PBTで理系のJPA生のために作ったけれど、なかなかレベルが高すぎて使うのを諦めたパワーポイント教材「日本は何故植民地にならなかったか?」があったのを思い出した。

幕末から維新までを概説したもので、生徒は事前にだいぶ教科書を読みこんでくれていたようで、理解もかなり進み大いに喜んでもらえたのだった。この教材の中心になるのは、幕末から戊辰戦争あたりまで4段階で雄藩等の勢力(薩摩・徴収・土佐・会津・幕府中枢・京都朝廷など)のスタンスをグラフ化しているものである。自分で言うのも何だが、なかなか面白い視点で作っていると思う。(だからこそPBTでは難解で使うのを諦めたのだが、今回はこれが分かり易いと感じてくれたようだ。)


失敗作だと思っていた教材も、こうして生き返ることもあるわけだ。まさに人生に無駄なし。来週も激励しながら、この日本史Aセンター特別講義を続けていこうと思う。

2019年12月12日木曜日

SDGs講座 エシカル甲子園編

エシカル甲子園2019全国大会に出場する生徒を対象に、SDGsの講座を開催した。本来は18:00開始の予定だったが、16:30からに早まり、その分ゆっくりと講義ができた。

エシカル消費に関わるSDGsの目標は、5つある。その中でも目標12が最も関連が大きいので、ターゲットを解説しながらエシカル消費について説明をした。三崎高校の取り組みは、このエシカル消費とは、直接関係がなさそうなので、デリダ的な脱構築の手法を使うことを思いつき、私なりにじっくり考えてみた。その是非はともかく、少なくとも、他校の発表を聞く際に十分参考にはなったと思う。

さて、その後、N先生の人生を左右することになった映画の上映会が同じ教室でおこなわれた。今日はみさこうDAYで部活は休みなのだが、生徒はついぞ集まらず、いい映画だっただけに残念だ。みさこうDAYはみんな早く帰りたいらしい。だが、この日以外に塾のイベントを行うのは難しいので、できるだけイベントを組んで習慣化していくしかないと私は考えている。この映画のリベンジも含めて…。ちなみに、同じ愛媛県の公営塾がある弓削高校と同時中継されていて、こちらは生徒が数人集まってくれていたようだ。
この映画「僕たちには世界を変えることができない」は、日々の生活に物足りなさを感じていた医大生がふとしたことから、カンボジアに小学校を建設するため仲間と150万円を集める話なのだが、おそらく鑑賞した一人ひとりで感想が異なると思う。私などは、開発経済学的な視点から見てしまう。映画としてはいい出来だが、実際のところはもっと大変な話だと思うのだった。

2019年12月11日水曜日

地方創生 SDGsゲーム

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このところ、3つのSDGsに関係する仕事をしている。先日から書き始めた「高校生のための地域経済学入門」。明日講演するためのSDGsパワーポイント教材「エシカル甲子園編」。そして、来年度の塾の予算申請のことから急に制作を始めた「地域創生のためのSDGsゲーム」である。今日、とりあえず明日のパワーポイントを仕上げた。その後、頭の中で長い間構想を練っていた「地域創生のためのSDGsゲーム」のボードをとりあえず作ってみた。

愛媛県にはみきゃんというイメージキャラクターとダークみきゃんという悪役キャラがいるので、この悪役キャラをドッキリカードを引く際に使ってみようかと思い立った。今回のゲームは、5人もしくは5組の企業でプレイすることにしている。農業株式会社、漁業株式会社、食品産業、IT産業、商業施設の5つの企業である。それぞれに資金が入るコマを、様々に展開されているみきゃんのイラストを使い作ってみた。豊作・大漁のコマは、農業KK・漁業KKは、当然資金が増えるが、食品産業にも良い影響がある。少しだけ資金が増えるようにした。同様にいくつかの資金が入るコマのパターンを設定した。

そもそもこのゲームは、資金量ではなく、社会ポイントと環境ポイントで勝敗を決したい。右上と左下に、社会・環境について、こうすれば良くなるという自分の意見をコーディネーターに伝えるコマを設定した。高校生のためのゲームなので、これで最高100ポイントを獲得できるようにした。

資金を増やすには、設備投資が欠かせない。ただ設備投資を行うと環境ポイントが下がる設定にしてある。雇用を増やすと社会ポイントが上がる設定にもしてある。社会ポイントと環境ポイントのカードはまだ手付かずであるので、ゲームバランスを考えながら仕上げていくつもりである。
もし、予算申請がうまくいったら、今はやりのSDGsワークショップのように、LEGOを使って振り返りをしたいと思っている。

2019年12月10日火曜日

エシカル甲子園2019

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三崎高校が、またまた頑張っている。エシカル甲子園2019に四国代表として出場することになったのだ。これは家庭科のI先生が中心にやっておられるプロジェクトで、12月末に徳島で開催されるとのこと。ちなみに「エシカル」というのは倫理的という意味で、エシカル消費というのは、例えばフェアトレードとか、児童労働などの搾取している企業の製品を買わないとか、環境に優しい有機農法の食材を買うなどの、持続可能な開発を進めていく消費スタイルと言えはわかりやすいかもしれない。

校内に貼られているポスターを見ていたら、三崎高校のアピール文は、「みさこう最先端エシカル~限界集落から持続可能な地域へ!~」とある。おそらくは、三崎高校が進める地域創生の活動、特に地域の特産物の商品開発や雇用増大のための取り組み=過疎化対策が基盤にあると思われる。他の高校のアピール文を見ても、当然ながらSDGsに関係が深いことがわかる。

そこで、明後日・木曜日は、みさこうDAYで、私服登校であるとともに部活が無い日なので、エシカル甲子園参加生徒を対象にSDGsの講義をやることにした。I先生も喜んでいただいた。本校の発表内容に影響を与えることはできないかもしれないが、少なくとも他校の発表を理解するのには役立つだろうと思う。

今回は前回のパワーポイントを元にエシカル甲子園ヴァージョンに変えてみた。なかなか大変であるが、こういう手間は苦にならない。少しでも生徒諸君の参考になればと思う。

追記:全く今日のエントリーと関係ないのだが、昨夜教職員住宅の前の小道をタヌキがヒョコヒョコ歩いて行った。猪よりは可愛いかな。

2019年12月9日月曜日

地域経済学 伊方町の統計1

愛媛県庁の資料より 市町村別総生産
地域経済学の下調べで、様々な統計サイトを調べている。まずは、伊方町の経済力。総生産額の実数は、H27年度が273億8300万円、28年度は488億3700万円と78.3%増加している。この謎解きは簡単で、伊方原発三号機が再稼働したからである。27年度は県内で下から4番目だったが、28年度は下から6番目である。
所得の方は、27年度が231億0300万円、28年度は234億5700万円。総生産の伸びとほとんど関係がないのは謎解きが正しいことを示している。1人当たり所得は248万5000円となり、県平均を100とすると、93.6となる。これは下から12番目(上から8番目)になる。したがって、県から見ると、平均以下ではあるがそこそこであると言えるわけだ。

さて、さらに伊方町に絞っていくと、役場のHPにある「伊方町人口ビジョン」という資料が面白い。伊方町最大の課題は、過疎化である。人口の推移を実数ではなく、幼年人口、生産年齢人口、老年人口の比率でグラフ化した資料があった。推計値も出ている。これが一番わかりやすい。
これを見ると、高齢化と少子化の波が襲っており、高齢者人口がやがて生産年齢人口を追い越すということがわかる。伊方町の将来が極めて危ういことが明らかである。
この資料は、伊方町の職種別就業者の全国平均との対比である。これを見ると、就業者が比較的多い職種は、農林業と漁業、建設業となる。就業者割合は低いが全国平均以上なのは、電気ガス水道などのインフラ関係(これも伊方原発の関係であると容易に推測できる)くらいで、公務員・教育関係・医療関係は全国平均に近く、商業・製造業は少なめであることがわかる。
…地域経済学入門には、こういう資料をどんどん使って行こうと思う。

2019年12月8日日曜日

愛媛県民手帳 in ローソン

先々週だったか、松山に行ったときに、八幡浜駅前のローソンで愛媛県民手帳というのがあるのを見つけた。私も一応10月から愛媛県民になったことだし買ってみようと思い、昨日の大洲行きの時に購入した。(このローソンは、大洲や松山に行くとき、休憩するのに利用している。)600円ほどなので、手帳としては比較的安いかもしれない。

みきゃんのまじめえひめバージョン
色は当然ながらオレンジ色である。愛媛県のイメージアップキャラクターは「みきゃん」で、県内いたるところで見ることができる。(笑)手帳にも満載である。2011年11月11日が誕生日だそうな。(手帳の資料編に書いてあった。)

当然ながら愛媛県の情報が多いので、利用価値がありそうだ。県内の行政区画はもちろん、主要な統計資料も入っている。ちょうど、「高校生のための地域経済学入門」を書き始めたので、参考になるかもしれない。面白い資料だと思ったのが、「愛媛県の1日(平成30年)」である。
出生:25.8人 死亡:50.0人
転入:113.4人 転出:123.6人
これは、愛媛県全体として、人口減が進んでいることを明確に示しているわけだ。
観光客数:69567人 
JR松山駅乗車人員:6982人 松山空港利用者数:8487人
JR四国頑張れ、飛行機に負けている。自家用車やバスを利用する観光客が多いことがわかる。
交通事故発生:9.6件 交通事故死傷者:11.3人 
犯罪発生:23.6件 火災発生:1.1件 救急出動:188.1件
この統計にコメントは難しい。多いのか、少ないのか…。
最後に水道給水量:425.8000㎥(1人あたり335ℓ)が面白い。
愛媛県が農業県であることが一目瞭然なのである。

別のページには、愛媛県の柑橘類生産が日本一であること、その種類や特徴、旬な食べごろまでカレンダー表示してあった。私は、ミカンは正直苦手なので、その種類の多さと1年中、旬の柑橘類があることに驚いた。ミカン=冬というイメージが強かったのだ。

とまあ、そんなわけでこの手帳を来年愛用していこうと思う。

2019年12月7日土曜日

十数年ぶりにコタツに入る

三崎の教職員住宅は2Kで、もっぱら6畳の寝室で過ごしている。4.5畳の部屋は食事の時にしか使わない。こちらに来た時、和室故にコタツ兼用のテーブルを買ったのだが、12月に入って急に寒さが厳しくなったので、大洲まで車を飛ばしてコタツ布団を購入した。(その他にも大洲で、毛布やユニクロのヒーテックの超極暖、地元の野菜や果物を破格値で購入した。要するにまた買い出しに行ったわけだ。)

コタツに入るのは、十数年ぶりである。京田辺にいた頃はコタツを使っていて、津田に引っ越した当初も使っていたが、DKが洋室なのでストーブ生活に転換した。マレーシアにはそもそも不要だし、とにかく久しぶりの感覚である。なにより妻が喜んでいた。

こちらの住環境は、マレーシアのコンドミニアムとは、比較にならないが、住めば都で慎ましく暮らせればそれでいいと思っている。教職員住宅と言うと、何かみすぼらしそうに聞こえるが、外観はともかく室内は新築同様にリフォームされていて、なかなか快適なのである。バスルームなど完璧に綺麗だ。(笑)

塾長のN先生が最初、「夫婦で来られるのに単身者用の住宅しか空きがなかったので申し訳ない。」と言っていたが、なんのなんの十二分である。
幸せとは何であるか。結局のところ、不満に思うことが少ない、あるいは無いという生き方のような気がする。還暦を過ぎて、いよいよ小欲知足の境地に達してきたかなと思ったりするのである。(笑)