2019年12月29日日曜日

週刊ダイヤモンド 拾い読み

28日から30日は、伊方町役場三崎支所・会議室で12:00~18:00まで開塾日である。中日の今日が私の当番の日だった。来たのは、センター入試を控える男子生徒2人だけで、黙々と集中して勉強していた。私といえば、支所の中にある伊予銀行のところにあった週刊ダイヤモンドの合併号を(年末で閉庁していて誰もいないので会議室に持って行って)ずっと読んでいた。なかなか面白い記事があったので、備忘録的・雑文的に記しておこうと思う。PBTの学生・卒業生諸君とシェアしたいと思う。

これからの経営における知財(知的財産)の話。消費がモノからコトに変化している。知財をいかにビジネス化するか(特許や商標に登録する以外にも方法がある)が重要。フロー型とストック型があるそうだ。(注:マクロ経済のフローとストックをイメージするといい。)才能豊かなモーツアルトは、多くの楽曲を買い切りで切り売りしたので貧乏だった(フロー型)が、プッチーニは楽譜を作る会社に所属し、自ら作曲したオペラが上演するたびに権利料を得て金持ちだった(ストック型)。

ハマキャストという会社の「百年外壁」(長寿命外装仕上げ材=人造石)の雑誌広告があった。下部にSDGsの5つのロゴが記され、目標8の持続可能な経済成長、目標9の強靭なインフラ整備、目標11の持続可能な都市、目標12の省エネ・省資源、目標1の7パートナーシップの活性化と、それぞれ書かれていた。(こういう動きに私は感激した。)

池上彰と”Japan as No1”を書いたウォーゲル教授との対談。インディアナ州で大統領選出馬を表明したビート氏(姓が読みづらいので名前で呼ぶらしい。)が同性愛者であることをカミングアウトしたので、今は受け入れられないだろうが、頭がよく人柄もいい37歳なのでやがて米国中枢に出てくるだろうとのこと。サンダース氏はユダヤ系だが、彼がもし大統領になったとしても、(国民は以前に比べて)さほど特別な感じはしないだろう。トランプは、他国の悪口は言っても指導者の悪口は言わない。相手を怒らせたり困惑させ、ちょっとだけ譲歩するのが彼の交渉術。

米国主導の体制が影響力を失う”G0(ゼロ)”の提唱者イアン・ブレマー氏は、世界的な経済サイクルが弱体化していると見る。その理由はサプライチェーン(供給網)の収縮で、中国のテクノロジー開発の方向性と米国を中心とした西洋諸国のデカップリング(分断)によるものと分析。

(上記に関連して)世界経済を読み解くポイントの記事。超テクノロジー社会では、”権威主義国家”が有利である。権威主義国家とは、民主主義国家と全体主義国家の中間的存在で、中国をはじめとして、ロシア、アジア・アフリカ、中東などのの開発独裁の国家を意味する。AIのデータ収集には、民主主義国家の個人情報優先や合議的な物事の決め方が、開発スピードの鈍化を招いているからである。

李登輝氏の手記も興味深かった。1999年の台湾地震で台中の日本人学校が倒壊し、李登輝氏はすぐに手を打ったのだが、後に感謝の意味で招待された。その時にこんなスピーチをしたという。日本の統治時代、児玉源太郎第4代台湾総督の民政長官だった後藤新平は、わずか8年7か月で台湾を1世紀も違うほどに近代的な社会に作り上げた。仕事の出来ない日本人官吏を1080人クビにして、各方面から有能な人材を集めた。新渡戸稲造や台湾では非常に尊敬されているダム技師の八田與一である。スピーチ後、生徒が「(日本が植民地統治をしてきたので迷惑をかけたと)今まで肩身が狭かったけれど、今日から胸を張って歩けます。」と述べたという。
最後に、経済学者や専門家が選んだ2019年の経済本ベスト10が載っていたが、私が興味をもったのは、「資本主義と闘った男~宇沢弘文と経済学の世界」と「FACTFULNESS」であった。機会があれば手に取ってみたいと思う。

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