2020年2月29日土曜日

イタリアの誤算

https://twitter.com/Kani9zu_2nd/status/1233616529331064832
ヨーロッパでもっとも新型肺炎の感染者数の多いのがイタリアである。イタリアは中国の一帯一路政策にのって中国との連携を深めた。特に北部で感染者が多いのは、イタリア北部の衣料産業が、そもそも中国企業に下請けを任せたことから始まる。これはグローバリゼーションの中で低賃金雇用が極めて利益率向上に有効だったからだ。やがて、一帯一路政策でイタリア本土に中国企業が進出してくる。ここでも自国の低賃金労働者を引き連れての進出。当然ながら、インフラ整備など中国の投資がお土産だが、まさにアフリカと同様である。アフリカとの相違もある。それはイタリア伝統の衣料産業の地盤沈下である。北部では、衣料関係の中小企業(有名ブランドの下請け生産をしていた工場)の倒産が相次いだという。これだけでも大きな誤算なのだが、今回、これらの中国人労働者が旧正月で帰国、危険なお土産をイタリアに運んできたというわけだ。

中国の人口圧はやはり相当なものだ。海外進出それ自体は悪い事ではない。ただ、中国の場合、Win Winではない。自国経済の発展のみしか眼中にない。持続可能な開発とは真逆の方法論である。インフラ等の享受で表面上Win Winに見えても、時間が立てば、多くの国が一帯一路の真の狙いに気付く。しかも今回の新型肺炎の件で、中国の情報隠蔽体質が露わになった。イタリア政府においては、この一帯一路への参画が大誤算どころか大失態となった格好である。

だから何だと言われると、特に返答することはない。国際情勢の単なる分析である。もう少し加えると、中国経済の失速は確実で、その影響は計り知れない。現に世界的な株価下落に現れている。台湾では、中国企業のデフォルトの嵐を予想している。金融界においてもまさに乱世である。

PBTのOB・OG諸君へ。この乱世にあって、冷静に情報を集め、分析せよ。いつも言うように、社会科学には法則性はあるが、答えはいくつかある。その中で自分が最も重要だと考える答えを持論とせよ。状況が変われば持論が変化してもいい。社会は生き物である。常に変化していくからだ。学びは常である。

2020年2月28日金曜日

同窓会入会式に思う。

「真面目愛媛」である。今日は、卒業式予行の前に、3年生だけの同窓会入会式があった。昨日の突然の首相の休校指示があったので、私は9:00に塾に入った。情報を得るためであるが、愛媛県からの指示はまだで結局空振りだった。しかしながらこの入会式に参加できたことに意味があった気がする。大阪などでは、同窓会入会式などという儀式はなかったが、N先生に聞くと全愛媛で行われるらしい。それくらい同窓意識、地域意識が高いということだと思う。三崎高校にも東京や大阪にも同窓会の支部があるらしい。

式典は、極めて厳粛だった。同窓会長のN氏は、普段は冗談のお好きな方なのだが、今日ばかりは「真面目愛媛」そのものだった。「今回の志願者増はここにいる3年生のおかげだ。本当にありがとう。」と深く感謝の意を表された。たしかにせんたん部をはじめ、彼らの活躍があってこそだ。学校長もローラが来た際の番組の話にふれ、出演された同窓会長の言葉を引用されていた。「三崎は不便だからこそ住みやすい。」という意味のことを言われていたのだが、これは幸福観につながる深い蘊蓄を含んでいると、3年生に訓示されていた。(W学校長の挨拶は、毎回、タイムリーでしかも最もインパクトのある話を選んでおられ、感服することが多い。)

儀式をきびきびと行い、話者を真っすぐに終始見つめるという姿勢。礼儀を大切にする愛媛の教育環境は、実にいい。朝早く来たおかげで、それを再確認したのだった。

2020年2月27日木曜日

現時点でのパンデミック考4

https://www.facebook.com/kangonokotoba/photos/a.7
39835879411497/1181450698583344/?type=1&theater
先ほど、首相が全国の公立の小中高校の休校を指示した。私もすぐこのニュースを教務部長に知らせたが、すでにご存じだった。おそらく明日卒業式予行までに臨時職員会議を開き、県からの指示を受けて、どういう体制で入試に臨むかを検討されると思う。卒業式については、正式な通達を元に感染対策も準備も進んでいるが、問題は1・2年生の学年末考査である。まだ2日間残っている。おそらく全国の高校が同じような混乱の中にあると思う。長い教員生活でも、全国の公立校一斉休校などというのは初めてだ。

四国の西の端にあって、あまり危険は感じないが、伊方町は高齢者が多いゆえに万一感染が広がると危機的状況となり、実に心配である。しかも、三崎にも八幡浜にも大洲にもマスクはない。消毒液も品切れであった。日本の真のガバナンス能力が試されている。
ガンバレ!日本。
そして世界中の今回の感染危機に悩み、立ち向かっている方々、ガンバレ!
(今日の画像は悩みに悩んで、ブルーハーツの「人にやさしく」を選んだ。日本中がこの歌を歌っていく時だ。ラジオなんかでガンガン流して欲しいな。)

2020年2月26日水曜日

三崎高校の出願数62

<拡大できます>
令和2年度の愛媛県立高校の出願が終了した。昨年20名強という出願者数で、三崎高校は分校化の危機にさらされながら、「2019年度地域との協働による高等学校教育改革推進事業校」に指定されたおかげで、分校化が延期された。だが、出願者が少ないとまた分校化の危機が再燃するのである。
私が三崎に来た昨年10月以来でも、地域創生の活動は、これまで様々なエントリーをしてきたが、まさに全力疾走だった。同時に、教務部長のH先生が中心となって、地元の中学校訪問だけではなく、全国へ生徒募集を拡大していた。東京、名古屋、大阪での教育フェアに参加し、オープンスクール、随時の県内・県外からの見学者の来校。こちらも全力疾走だったのだ。まさに先生方の「執念」が実ったと思う。もちろん、伊方町や同窓会の資金的援助も大きい。この伊方町唯一の高校を護り、限界集落化を防ごうという地域の「執念」が、62名という志願者数になったのだと思う。

三崎高校の定員は60名である。このままでは、2人オーバーである。大阪では当たり前だが、愛媛県全体では、競争率は0.88倍とか。定員オーバーの高校は極めて少ない。ここで、面白い話を聞いた。この先、受験生は、”調整できる”ということだ。つまり倍率が高い学校を避け、出願先を変更できるというシステムだ。三崎高校から他校に出願先を変える生徒もいるかもしれないわけだ。愛媛県は私立高校が少なく、私立高校との併願はあまりないようで、このようなシステムになっているのだとか。
出願方法も、生徒が願書を持ってくる場合もあるが、中学校の先生が持ってきたり、郵送の場合も多いらしい。したがって、事務室で全て受付をするらしい。大阪のような出願会場の設定などは必要ないそうだ。ところ変われば…である。

ともかくも、めでたい。塾の生徒たちは「ローラのおかげだ」と喜んでいた。(笑)

2020年2月25日火曜日

パプアニューギニア大教員募集

https://world-diary.jica.go.jp/murasemasanori/activity/post_1.php
JICAのシニア・ボランティアとして、パプアニューギニア大学に赴任しているN先生(ケニアに共に研修旅行に行った仲間である。元大阪府立M高校教諭。)から後任を探しているというメールが先日来た。まずは私に、と感じた。JICAのHPには「留学支援の経験があれば尚良」とある。私がマレーシアで経験した苦労はレアだと思う。
だが以前、同じような国際協力でN先生が行かれていたウズベキスタンよりはるかに厳しそうだ。男性限定で、しかも車が必要(日本から輸入するしかなさそうである。)というのは大変だ。何より私には英語能力がネックになる。(笑)
http://www.jocv-info.jica.go.jp/sv/index.php?m=Info&yID=SL12420C01

私は今の三崎高校公営塾の仕事に満足しているし、全く行く気はないが、このままいくとポートモレスビーのパプアニューギニア大学の日本語講座が中断してしまうらしい。社会の教師で私の知り合いを思い浮かべてみたが、声をかける方が思い浮かばない。というわけで、せめてブログにエントリーしておこうと考えたわけだ。

上記JICAのHPを見て、どなたか挑戦しませんか?もし質問等があれば、コメント欄に連絡先を記してください。(できるだけ早急に削除します。)そのうえでN先生のメールアドレスを送ります。

2020年2月24日月曜日

マハティール氏の辞表提出

マハティール首相が国王に辞表を提出したらしい。ここは、元宗主国イギリスのロイターの報道が最も信用できると思うので、これを中心に読んでみた。そのうえで私の私見もいれておきたい。

まず歴史的前提。マハティール氏の前政権時、副首相だったアンワル氏と対立し、失脚させた歴史がある。失脚どころか刑務所送りにした。凄まじい権力闘争だった。ちょうどアジア通貨危機直後マレーシアの危機存亡の時である。IMFの支援を断り、マハティール氏は自力でマレーシアを立て直した。その後を託したナジブ政権の親中国路線と腐敗に対し、2018年野党をまとめて再度立ち上がる。この時、アンワル氏を後継とすることを明言し、仲間に引き入れたのだ。しかしながら、アンワル氏に禅譲しないまま、ここまで来た。アンワル氏支持派は業を煮やしており、与党内の対立が深まっていた。

次にマハティール派の動き。野党の一部と協議しており、マハティール首相を今一度擁立する可能性があるとのこと。つまり、”アンワル外し”である。

さらにマレーシアの憲法からの解説をすると、首相は国王が(事実上指名)・任命することになっている。マレーシアは議院内閣制の国であるが、行政権は、国王にある(第39条)。一方、第40条(1)には、まさに明治憲法下の如く、内閣の輔弼を受けると言ってよい規定がある。と、同時に(2)には首相の任命・国会の解散については自由判断を与えられている。

<参考:マレーシア憲法>
第39条 連邦の行政権は最高元首に付与され、かつ連邦法、あるいは第2付則の諸規定に従い、最高元首あるいは内閣あるいは内閣のおずれかの閣僚によって行使されるものとする。(後略)
第40条(1)最高元首は(中略)別に規定される場合を除き、内閣あるいは内閣の一般的権限のもとに行動する一大臣の助言に従って行動する。(後略)(2)最高元首(=国王)は次の機能を果たすに際し、自己の自由判断により行動することができる。首相の任命、議会解散の要請に対する同意の保留(後略)

と、いうことで最高元首たる国王が、首相の指名・任命が自由判断できる状況にあるわけだ。国王の立場からすれば、アンワル氏に託すか、マハティール氏に託すか、国会の勢力図を見ながら判断することになるだろう。混迷しているようであれば下院の解散・総選挙という決断もありうるわけだ。

現在、マレーシアは最大の輸出相手国である中国の経済失速・信用失墜を受けて、厳しい経済状況にある。株価も下落し、リンギ安も進んでいる。この状況下で、マハティール氏は与党内のアンワル派を切り、野党から補充し、過半数を維持するという選択をしたのではないかと思う。日経の報道では、アンワル氏との会談後に、国王に辞表を提出したとある。私は、これをマハティール氏がアンワル氏の説得に折れたとか、対立して感情的になったというのではなく、予定された行動であったように思う。

日本の戦後政治史を描いた「小説吉田学校」を昔読んだが、こういう権力闘争は十分にありうることだ。鳩山(一郎)政権をつくった寝業師・三木武吉は「誠心誠意嘘をつく」という名言を残している。政治は結果が全てである。禅譲で政権が譲られた例は少ない。したがって、私はマハティール氏が嘘をついた=悪だという判断はしない。今回の辞表提出は、危機的状況下を自分に有利、アンワル氏に不利と見て、政界再編のチャンスと捉えたと見ているわけだ。さてさて、実際のところはどうなのか、これからも目が離せない。
https://jp.reuters.com/article/malaysia-politics-idJPKCN20I0LP

瀬戸 風の丘パーク

雲一つない快晴で、ポカポカと暖かい。三連休の最終日、家で過ごす予定だったのだが、ちょっとお出かけしてみた。以前から気になっていた瀬戸にある風の丘パークである。風力発電施設が繋がる尾根ぞいの展望台施設。これだけ天気がいい日ならさぞかし見晴らしがいいのではないかというわけだ。天気に合わせていけるというのは、地元民ならではの贅沢である。

そもそも高度のある国道197号線から、さらにワインディングロードをかけ上がる。我が愛車は軽なのでヒイヒイいっていた。夏は厳しいな。(笑)巨大な風車の真下に休憩所がある。太陽の位置の関係で、羽根の影が駐車場をぐるんぐるんと回っている。なかなかの圧倒感である。もう少し歩いて上に行くと展望台である。バイクが3台とファミリーが1組。休日ながら客は少ない。

とはいえ、眺めは最高である。東は、八幡浜から三瓶まで見渡せる。(角度的に宇和島までは見えないけど…。)西には、名取の集落まで見渡せる。佐田岬灯台は別として、この半島の中では最高の展望台だと思う。しかも風車がたくさん見渡せて、珍しい。

ところで、この展望台には桜の木が多い。この桜の木はトヨタの労働組合が飛騨から運んでくれたようで、その記念碑があった。桜の咲くころ、もう一度来たいと妻と話していたのだった。

2020年2月23日日曜日

大洲の「愛たい菜」にて。

またまた妻と共に大洲まで買い出しに出かけた。大洲には「愛たい菜」という地産地消のマーケットがあり、野菜を中心に格安で販売しているのだ。たいがいの野菜がある。これらは、特に比較優位がないので地産地消が地域経済学から見ても正しいと思われる。大洲は半島部の伊方町などと比べたら、農地面積が広いし、これらの野菜は特に比較優位もないので、大都市に搬出するよりいいのだろう。一方、伊方町は、米作地はゼロに近いほど耕地面積が少ない。よって、山間部を果樹園にして比較優位のある柑橘類に特化し、大都市に搬出するカタチの農業を行っているわけだ。しかし、サツマイモなら比較優位のある品種も作れる。それが「紅はるか」だ。(大分県や宮崎県が主産地らしい。)

この「紅はるか」が今、WEBで話題だ。無茶苦茶甘くて美味しいサツマイモなのだが、韓国がいちご同様に「紅はるか」を密輸して栽培し、「蜂蜜サツマイモ」として輸出して儲けているとのこと。現状では、日本は国際機関を通じてでもこれを止めるには、かなり煩雑になるみたいで打つ手がないそうだ。極めて不愉快極まりない。あれだけ反日政策をとりながら、このような行為を平然と行うことが信じられない。はっきり言って、理性的判断や善悪の観念が欠如しているように思われる。
https://snjpn.net/archives/181806

閉話休題。三崎は四国最西端の町である。こうして大洲や八幡浜などに出かけるとなると、朝は東に向かうので朝日がサンサン。夕方戻ろうとすると夕日が迎えてくれる。こう表現すると素敵だが、実際のところ、特に夕日がまぶしくて閉口する。
今回大洲で、車のサンバイザーに取り付けるスモークスクーリンを見つけたので、購入した。サングラス効果があるので、特に夏に向けて極めて有為である。夜間の対向車のヘッドライトにやさしいイエロースクリーンもついてる。妻は、夜間の運転でこの対向車のヘッドライトが特に苦手なのでちょうどいい。で、さっそく取り付けて帰ってきたのだが、重大な問題を忘れていた。大洲から八幡浜、そして三崎の行程は、トンネルが無茶苦茶多いのだ。いちいちスモークスクリーンを下ろしたり上げたりするのが実に面倒なのである。(笑)結局、八幡浜に入ってから三崎まで一切使わなかったのだった。

2020年2月22日土曜日

アフリカで最も知られた日本語

2003年ケニアにて。日本の中古車は大人気 日本語はそのままにしている
妻が、また面白いWEB記事を紹介してくれた。アフリカで最も知られたな日本語は何か?という話である。「そうやな、TOYOTAかなあ。」と言ったら、日本語の”フレーズ”であるらしい。ケニアでも、南アでもTOYOTAとかSONYとかCANON、HONDAと言ったメーカー名は良く知られているという経験は幾度となくしたのだが、フレーズだと言われるとわからない。
正解は、「ETCカードが挿入されていません」だそうだ。アフリカでは日本車、特に中古車がほとんどだ。なるほどと思った。(笑)
昨年9月に購入した私の愛車も中古車であったので、エンジンをかけると、この女性の声が必ず流れた。三崎の車屋さんで電源を切ってもらってやっと消えた。(私は未だに現金派で、ETCを使っていない。)

おそらく、日本の中古車のエンジンをかける度に、この「ETCカードが挿入されていません」を耳にしているのだろう。モンゴルでは、「ETCカードが挿入されていません」と言って握手を求めてきたとか…。(笑)きっと世界的な傾向だ。ロシアでもよく知られているのではないだろうか。昔は「バックします。」だったとか、これも笑える。時代の「進化」を感じるという投稿もあった。…なるほどと思うのだった。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw6428057

かかと落とし

 アンディ=フグの”かかと落とし” http://blog.wadanoriyoshi.com/2017/11/kakatootoshi.html
このところ、車で登校してばかりで運動不足なのか血糖値が高い気がする。昨日の朝、ひさしぶりに計ったら134(日本の数値)くらいだった。無茶苦茶高いわけではないが、先日はメールアドレスで”gamail”と打ってしまい連絡が取れないようなミスをした。(マレーシア時代に続いて2度目である。ちょっと言い訳すると、PCのフェイスブックのメッセージ入力欄は字が小さいので爺には厳しい。)

さて、妻が「ご飯の後に、すぐ”かかと落とし”をすると糖尿病には良いらしいで。」と言い出した。「”かかと落とし”をするなんて絶対無理やで。」と私は答えた。私の頭の中では、昔K1で大活躍して早世したアンディ=フグの”かかと落とし”の勇姿が浮かんでいたのだった。妻の言う”かかと落とし”は、立って、単にかかとを上げ下げすることらしい。極めて簡単な運動だという。YouTubeを見せてくれた。何かにつかまっても、座ったままでも良いらしい。

今朝の朝食後、30回やってみた。意外に全身運動なことがわかった。これなら簡単だし、私でもやれそうだ。
https://tokusengai.com/_ct/17239757

2020年2月21日金曜日

未咲輝塾=「男塾」?

総合的な学習の時間の発表会が終わった昨日の放課後、学年末考査が近い(試験一週間前で部活が基本的にない)こともあって、1・2年生が塾に集まってきた。不思議なことに男子生徒ばかりである。これは非常に珍しい。後で判明したのだが、塾生の女子生徒は吹奏楽部が多いので卒業式のための練習があった故、必然的にそうなってしまったらしい。

男ばかりの塾。「まさに男塾やなあ。」と私が言ったら、講師の2人(20代である。)も含めて、みんなポカーンとしていた。サンドイッチマンが漫才の中でよく口にする「男塾」は、昔少年ジャンプに連載されていた漫画で、正式なタイトルは「魁(さきがけ)!!男塾」ある。少年ジャンプは今や最も人気のある少年漫画雑誌だが、その最大の理由は、友情・努力・勝利という語彙で表される基本ポリシーだと私は思っている。この、漫画も当然全編この友情と努力と勝利の物語である。(北斗の拳やドラゴンボール、ジョジョの奇妙な冒険、ONE PIECEなども同様のポリシーが受け継がれている。)少年ジャンプは少年雑誌としては最も後発組(少年チャンピオンと同じくらい)故に最初は「ハレンチ学園」で売り出したのだが…。やがて、少年サンデーや少年マガジン(一応、少年キングとも入れておこうか。)を追い越していく。
ところで、男塾と言えば、無茶苦茶なしごきで男気を鍛えていく。未咲輝塾には、あまり厳しさはない。(当たり前である。笑)今日も吹奏楽部が終わるまでは男塾。(笑)みんなシーンとして学年末試験の勉強をしていたのだった。

2020年2月20日木曜日

未咲輝せんたん発表会

ツアー班とカフェ班の合同発表
総合的な学習の時間の成果を発表する会が、今日午後から来賓を招いて開催された。三崎高校では、学年を超えて様々な班が構築されている。”みさこう体操”などでイベントを盛り上げたり、高齢者施設を回ったりするイベント班、イベントで”みさこうカフェ”を提供するカフェ班、みっちゃん大福に続く新商品開発を目指す商品開発A班、瀬戸アグリトピアと連携、ツアー企画などを行う商品開発B(ツアー)班、地域資源を活かしたアート作品を作成するアート班、三崎高校の情報発信・PRや防災意識の啓蒙を行う情報・防災班の6つである。これらをトータルにプロデュースするのがせんたん部である。

今回はこれらの各班が、今年の活動を総括し報告するとともに、ショー的な要素も交えて発表した。たとえば、裂き織の紹介のために簡易的な織機を段ボール等を使ってつくり、来賓に体験してもらうとか、カフェ班は前回のせんたん劇場で作った移動式カフェを持ってきて、実際にコーヒーや紅はるか(サツマイモ)を試飲・試食してもらうといった発表である。これらはLIVEで後方のスクリーンに映し出されていた。最後は、イベント班が来賓も含めた全員で”みさこう体操”を行った。
みさこう体操の最後は円陣になる
三崎高校は、2019年度地域との協働による高等学校教育改革推進事業校である。今日の発表会も、その流れの中にあるのだが、まさに全力疾走の1年であったと思われる。(思われると書いたのは、私は9月末のせんたんミーティングからしか見ていないからである。)昨日、今年に入ってからの三崎高校の地方創生の動きを整理する必要があって、HPやフェイスブックを確認してみた。すると、1か月半の間に今日の発表会以外に6つ挙げることができた。(時系列に関係なく、順不同である)
1.せんたん劇場 大久での2日間のイベント
2.えひめ地域づくり・アワード2019「ふるさとの明るい未来を信じて」で、せんたん部が発表、審査員特別賞受賞
3.愛媛の食べ歩きアイデアレシピコンクール入賞
4.「きなはいや!伊方フェア」(大阪)に生徒が参加、みっちゃん大福600個完売
5.愛媛スーパーハイスクールコンソーシアムin南予で事例発表
6.第4回地域教育南予ブロック集会で昨年全国大会で準優勝したエシカル甲子園チームが発表

これを全校生徒80余名、教員数約16名でやっているのだ。よほどのパトスと、チームワークがないと出来ないと思うのだ。あっぱれ!三崎高校である。4月からは、塾としても地域創生の取り組みにどんどん参加していく方向である。私自身は、これ幸いと思っている。

今朝の愛媛新聞「地軸」

ニュースの検索をしていて、愛媛新聞の「地軸」(朝日の天声人語や毎日の余禄に相当)に三崎高校の話が載っていてびっくりした。

ちょうど今日、三崎高校では総合的な学習の時間の報告会があって、開会の挨拶で学校長がこの「地軸」を紹介されていた。実にタイムリーである。
<拡大できます是非。ご覧ください。>
この「地軸」で、強く印象に残るのは2点ある。1点目は、生徒の達成感、自己肯定感のこと。2点目は結びの段落。裂き織を使って地域共働を見事に表現した部分だ。「素朴で丈夫で味わい深い故郷を紡ぐ」という結文もイイネ!である。まさに、三崎高校の取り組みを表現して頂いていると思う。
三崎に来てちょうど5か月。この間に三崎高校は、まさに全力疾走で走ってきた。ちょうど一般入試の出願期間。受験生が何人集まるか、そこに全てが集約されていく。分校化の危機から離脱するにはそれしかないのだ。…つづく。

2020年2月19日水曜日

現時点でのパンデミック考3

https://shinsho.kobunsha
.com/n/nd4c6579ddc38
中国の状況について様々な情報が乱れ飛んでいる。武漢は事実上の軍政下におかれているようだ。習近平政権は政権崩壊を恐れかなり強硬な手段を選ぶかもしれない。中国の政権崩壊という私の危惧は未だ消えていない。

ところで、今日は日本の対策について記しておこうと思う。例の横浜のクルーズ船が、厚生省の官僚によって、無残な状況下にあることが神戸大学の岩田健太郎教授によって暴かれている。卑近な例で申し訳ないが、映画などでは、必ずその問題のプロが呼ばれリーダーシップを執る。今回のパンデミックにおいては、経験豊かな岩田教授の様な方が絶対必要だというのは、当然だと思われる。感染者のいるレッドゾーンと感染者のいないグリーンゾーンを分けることすらされていないということには、私も驚愕した。サーズやエボラ出血熱などと7これまで世界各地で戦ってきたプロである岩田教授自身が感染の恐怖に苛まれたという事実が怖い。

もう少し日本のガバナンスも官僚もマシかと思っていたが、最悪だ。官僚の面子などどうでもいい。厚生省を締め上げて、岩田教授のようなプロにこれからの対策をゆだねるのが絶対的な正義であると私は思う。野党議員は桜のハナシよりもこちらの審議に熱を入れるのが当然だろう。国民不在の政治はうんざりであるし、国民の健康を守れない厚生省官僚もいらない。よって、この岩田教授の勇気あるYouTubeを拡散することにした。是非、見ていただきたいと思う。
https://m-dojo.hatenadiary.com/entry/2020/02/19/020819

2020年2月18日火曜日

マレーシア考現学のPP

今、塾で様々なオリジナル教材を作ろうとしている。なかなか進まないのが「高校生のための地域経済学テキスト」と「地域創生を考えるSDGsゲーム」。年末にはどどどっと進んだのだが、資料が揃わなかったり、役場にお願いしたカードが届かなくてストップしてから、あまり進んでいないのだった。
そのかわり、来年度のために、マレーシアを紹介する国際理解教育のパワーポイント教材の製作は先週かなり進んだ。これも一時期ストップしていたのだが、生徒向けに分かり易いものに作り直してみた。昨日、勉強の合間の3年生の2人に見せてみたが、彼らは十分理解できるが、後輩には、後半のブミプトラ政策の紹介の部分が難しいのでは、との感想をもらった。さらにわかりやすいバージョンを創ろうと思う。

一方、先日サクラガ咲いたT君が、今「国家と対峙するイスラーム」を読んでくれている。私の席に何冊か蔵書を置いてあって、彼が「これを読ませてください。」と言ってきたのだった。難解なことは調べながら読んでいる。せっかくなので、法学部に入る故に、私の「マレーシア憲法」の小論を印刷して渡しておいた。この「国家と対峙するイスラーム」は、神定法たるシャリーアと人定法たるマレーシアの法制度の止揚について書かれている専門書だ。T君は「なかなか面白いです。」と言ってくれている。嬉しいなあ。その後のために、「イスラーム法の存立構造 ハンバリー派フィクフ神事編」を用意している。

2020年2月17日月曜日

能登町まちなか鳳雛塾の取組

能登町まちなか鳳雛塾 https://www.facebook.com/pg/machinakahousu/posts/
石川県の能登高校書道部と、能登町地域おこし協力隊として私と同様、公営塾(まちなか鳳雛塾)講師として頑張っている飯野さんの取り組みについて今日はエントリーしたい。

使われなくなった公民館で同居している書道部と公営塾が、顧問の先生によって結ばれ、3月8日の金沢で行われる東日本大震災被災者支援イベントで書道パフォーマンスを行うにあたってのメッセージをじっくり考えだしたという記事である。公営塾の講師・飯野さんはアイルランド文学を専攻した方で、「言葉を大事にする人」だと顧問の先生は考え、共同制作を呼びかけられたようだ。私の知人が、この飯野さんの友人で、先日まで書道パフォーマンスの指導をしていて、この新聞記事(下記/中日新聞)を紹介してくれた。公営塾の地域創生への取り組みとしても、実に素晴らしい取り組みだと思った。さっそく同じ石川県のT先生にこの記事を紹介したら、3月のイベントに是非参加したいと言ってくれた。T先生もまた、東北大震災の地を歩き、様々な想いを巡らせているからだと思う。

震災の時、今の高校生は小学校低学年。いかに上っ面でない言葉を書くか。かなりの葛藤があったと想像できる。講師の飯野さんは、様々な文学作品や映像を駆使して、生徒と生身で関わったと私は思う。なぜなら、そのメッセージには「言葉の力」が秘められているからだ。

二度とは来ない あの日を想う
今日という日の 儚(はかな)さに気付く
だからあなたに 挨拶をおくろう
こんにちは こんにちは
あなたと今日を お祝いするために
あなたと今日を 思い出すために

このメッセージを読んで、私が感じたことを恐れずに記しておきたい。
「今日という日の儚さ」という無常観と、「こんにちは」という何気ない挨拶の言葉の絶妙なバランスがこのメッセージの根幹をなしているように思う。
ウィトゲンシュタインの言語ゲーム的に言えば、「こんにちは」という挨拶の中に、様々な意味合いが存在しているということだ。このメッセージでは、あなたと今日を、「お祝い」し、「思い出す」という意味合いを持っていることを明らかにしている。なぜお祝いなのか?なぜ思い出すためなのか?
それは、現実に今存在していることの尊さを認識し、それは過去の事となっても未来に輝き続ける尊さであることを意味しているように思う。

人間存在は、ブティストの私から見れば、無常である。無常であるがゆえに儚い。しかしながら、儚いがゆえに一瞬一瞬の現実存在自体が尊い。なぜなら、現実存在の一瞬一瞬の因と縁が、未来の果や報となるからだ。だからこそ祝い、思い出に昇華するのである。「こんにちは」という出会いの挨拶には、それらの縁起(=因縁)の原理が内在している。このメッセージは、震災に会われた方々と出会い、挨拶を送り、未来を共に拓いていこうと呼びかけているのではないだろうか。

https://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2020021002100010.html?fbclid=IwAR1WieaBgdkXVBS-WVnhQ1GExcrAkmrdvbri0qQze9VUSZi9UtwG4DaUztg

2020年2月16日日曜日

せんたん劇場 in 大久 報告3

昨夜から雨になった。私が三崎を出て、大久に着いた頃から再び降り出した。せっかくのアート・大久ラリーの日なのだが残念。ラリーは、大久の様々な場所に置かれた5つのモアイ像(生徒が作ったものだ)を探し出し、写真を撮って帰ってくるというものだった。モアイ像以外にも様々なお寿司などのダミー作品が蒼い石垣にあったりして面白い。ラリーの間に、多くの風景なども撮影し、写真コンテストで表彰するという方法だった。なかなか面白い企画だ。私が着いたときすでに受付テントが設営され、担当の生徒がスタンバイしていた。
昨日撮ったダミーの1つ こういうのがたくさんあった
一般の方が少しずつラリーの集合場所(保育所)に集まっていただけた。実にありがたいことである。晴天ならもう少し多かったと思うが、私は雨でも来ていただいたことに感激である。
最後に公民館で写真コンテストの審査・発表が行われた。第一位の景品は例の「みっちゃん大福16個」いいなあ。来ていただいた方には十分満足していただけたのではないかと思う。私はテントの撤収作業の時も横にいたが、生徒たちのイベントを支える影の作業こそ価値があると思う。イベントは人づくりである。三崎高校の地域創生活動には、その想いがしっかりと根付いている。

2020年2月15日土曜日

せんたん劇場 in 大久 報告2

さて、第二部は、大久を巡るツアー。移動式カフェを先頭に路地を移動しながら、興味深い建築や蒼い石垣を巡っていくのである。意外に大人数での移動となった。かなり歩いたのだが、なかなか面白かった。
最終ゴールは大久の海岸の東端のしゃんしゃん踊りの元となった祠である。ここで、移動式Cafeから暖かいスープがふるまわれた。一般の方も十分楽しんでいただけたのではないかと思う。
映画”せんたんビギンズ”でT君が飛び込む名シーン
第3部は、公民館で、昨年制作された、映画”せんたんビギンズ”の映写会であった。以前、三崎高校のHPからこの映画が見ることができ、私はマレーシアで見たのだが、これは編集されたものであるらしい。今日、初めて70分におよぶ完全版を見ることができた。改めてみると、名取の蒼い石垣が存分に映っていたし、塾生のKさんがヒッチハイクの生徒の役をしていること、地域おこし協力隊のH隊員が何故かKさんのお母さん役を演じていたことなど、驚きがたくさんあって面白かった。映写会の最後に、同じように小規模校であるM高校の生徒が「自分たちの地域の方が都会だと思っていたけれど、今日1日、三崎高校のイベントに参加して、自分たちも負けずに頑張らねばいけないと感じました。」という感想を述べてくれた。M高校にも、今春公営塾が設置される予定だ。私と全く無関係ではない。ちょっと熱いものが込み上げてきたのだった。

せんたん劇場 in 大久 報告1

オープニング前の大久の集荷場 せんたん部の裂き織の旗が出迎えてくれる 
三崎から見ると佐田岬半島の少し根っこの方(東)にある集落が大久である。ここで三崎高校のイベントが行われた。以前紹介した(2月4日付ブログ参照)が、今回のイベントは定点で行われるのではなく、大久を劇場に見立て移動していくというコンセプトである。私は今日のイベントを大変楽しみにしていた。

まずは12:30から、集荷場という倉庫のようなところでオープニングである。司会の生徒が、「大久の方ー」「伊方町以外の方ー」と呼び掛けていたら、ちょっとしたハプニングがあった。松山市から来たというご婦人がいて、実は学校長の奥様だったりして、会場は大いに盛り上がったのだった。(笑)今夕に行われる映画”せんたんビギング”に関わった方々のトークがあり、その後、防災班の紙芝居。これは多くの集落がン十年前の台風時に集落の申し合わせで高台の寺に避難することで犠牲者を出さずに済んだ話を元にしていた。その後、防災かるたを行った。地元の子供達が大喜びだった。
集荷場の中央には焼き芋を焼くスペースもあって生徒が配っている。愛媛新聞、伊方町の広報、JAの広報、八西ケーブルテレビの方も取材に来ていて、中々の人出だったと思う。集荷場の外には移動式のCafeがあって、例のローラの商品も売られていた。
一息ついたところで、イベント班が、みさこう体操そして、大久に伝わる”しゃんしゃん踊り”を地元の方と披露した。なかなか盛り上がったのだった。こういう地域おこしの活動は、大都会大阪から来た私には大いに新鮮であるし、非常に意義深いものだと思う。つづく…。

2020年2月14日金曜日

「仰げば尊し」について

http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/z/SongfortheCloseofSchool.html
三崎高校の清掃は昼休みの後行われる。その時、みさこう体操のLIVE放送が流れ始めるので、塾でも清掃を行うことになっている。さて、ここ1カ月ほどは「仰げば尊し」が流れている。3年生の学年末考査はすでに終わり、登校日は週1回水曜日だけで、1・2年生だけになっても流れている。

私の感覚では、「仰げば尊し」は卒業生が歌うものなのだが…。よく話をする体育のN先生にお聞きすると、1番は3年生、2番は在校生、3番は全員で歌うのだそうだ。仰げば尊しの歌詞をあらためて見てみると、なるほどと思ったのだった。ただ歌詞は昔からの文部省唱歌ゆえに2番には「身を立て・名をあげ・やよはげめよ」などという福沢諭吉的な歌詞があったりする。極めてパラノな内容だ。
<仰げば尊しの歌詞>http://j-lyric.net/artist/a00126c/l008d65.html

ところで、私はこの「仰げば尊し」があまり好きではない。すでに教師人生のほうが長いが、「わが師の恩」と歌われるのが恥ずかしいのである。もちろんこれまでの教師人生は全力で走ってきたし、毎年生徒への関りには一切悔いはないのだが、この歌詞を生徒に強要して歌わせることが恥ずかしいのである。
昔、ある学校で、某先生が3学年主任の時「仰げば尊し」復活を主張したことがある。伝統として存続している限り私はそれでいいと思うが、この時、「やはり我が師の恩と歌ってほしい。」と言われたのには驚いた記憶がある。もちろん若干尊敬に値する方だったのだが、私とは美学が違うと強く感じたのである。

ちなみに私の高校時代は、「今日の日はさよなら」という、幾分左翼的な匂いのする歌を歌った。卒業式の歌にも、その時代の風というものがありそうだ。

最後に今日の画像は、一橋大の桜井名誉教授によって発見された仰げば尊しの原曲の楽譜である。アメリカのものらしい。作曲者、作詞者も判明したが、日本語訳詞の作者は不明だそうだ。興味のある方は以下にアクセスされたい。
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/z/SongfortheCloseofSchool.html

2020年2月13日木曜日

東アフリカのバッタ被害

https://www.cnn.co.jp/world/35148479.html
世界が新型肺炎コロナウィルスの話題で騒然としている中、アフリカではサバクトビバッタの被害が拡大している。サバクトビバッタの被害と言うと、西アフリカが多いのだが、今回は東アフリカで、ケニア、ウガンダ、エチオピア、そして2日に非常事態宣言を出したソマリアが甚大な被害を受けている。

忸怩たる思いを感じながら、私はこう思う。このニュースは、おそらく世界的な関心を呼ばないだろう、と。
この蝗害(こうがい)による飢餓といった人的被害が出るのはもう少し時間がかかるだろうし、その被害の大小をコロナウィルスと比する必要すらないが、これから先どう推移していくかは全く予想できない。世界経済の現状はそんなに良くない。彼らアフリカの蝗害被害者への各国の国際協力がどれくらい行われるかが重要である。新型肺炎への初期対応のまずさが指摘されているが、この東アフリカ蝗害危機に際しても全く同様である。

以前読んだ「バッタを倒しにアフリカへ 」でサバクトビバッタの研究者前野氏は、今アフリカにいるのだろうか。氏のサバクトビバッタ防除技術の研究はすぐに結果がでるような簡単なものではないと推察できる。しかしこのような災害発生は氏にとっては、絶好の観察・実験のチャンスであるはずだ。日本人研究者がアフリカに貢献できる分野として私は氏に大いに注目している。

2020年2月12日水曜日

桜咲く/私を待つ人がいる

PBTを私が去る事になった時、F42の学生諸君に、「日本に帰国し、四国の最西端の高校に行くことになったが、きっと私を待っている生徒がいると思う。」と述べた記憶がある。私はブディストであるから、縁起を基本に物事を考えるのだが、そういう結論になるからである。今夕、三崎高校のT君が、超難関の国立大学に合格した。センター試験の成績が第一次書類審査、面接が第二次試験という推薦入試である。

彼とは10月に赴任して以来、2年次に学習した政治経済の大まかな復習と、3年次に履修しているがまだ学んでいないという倫理の西洋哲学史分野を講義した。超難関校故にセンターの公民分野は「倫理政経」である。もちろん高得点を獲得してくれた。

それだけではなく、一次に合格後、進路部長のJ先生に言われて塾の私の元にやってきた。面接指導と言う名目だが、彼が目指している国際公共政策学科について再確認するのが眼目だ。この学科は、国際関係学にかなり近い。事前にカリキュラムを調べて、いろいろな話をした。アドミッションポリシーには、教養ある国際派で良きガバナンスを実践できる人材育成とある。彼のこれまでのせんたん部部長としての経験、世界ユースサミット参加で知った途上国の現状などから、ここを選んだのだという。かなり深い話をした。
彼は「途上国を豊かにするためには何になるのがいいのでしょうか?」と質問してきた。私は「外交官では無理である。一番いいのは企業だ。」と様々なアフリカの日本企業の事例を挙げた。「あるいは、やはりJICAかな。」と、JICAの現地での役割を説明した。彼は強い興味を示してくれた。さらにジェトロの紹介もした。最後に、私のオリジナル教材である「高校生のためのアフリカ開発経済学テキスト」を印刷して手渡したのだった。

JICAの職員になるのはかなり難関だ。昔、JICA大阪で、新卒のJICA採用者が高校生セミナーを視察に来たことがある。この時、出身大学を聞いたら、北大、東外大、慶応、ICU…。それを聞いていた前々任校の生徒たちは身が引き締まる思いだったに違いない。だが、今回彼が合格した大学も、同じく十分身が引き締まる大学だ。実際、この学科の進路を見てもJICA職員の文字がある。もし、彼がJICA職員になってくれれば、私のほとんど諦めていた夢の1つが叶う。

実に、実に嬉しい。今日の画像は、国道197号線沿いに咲く早咲きの桜で、今日のために撮っておいたもの。三崎高校に、ちょっと早咲きの巨大なサクラ・サク。
T君、おめでとう。彼のこれからが実に楽しみだ。久しぶりに”高石ともやとナターシャ・セブン”の「私を待つ人がいる」を聞いてみようと思ったのだった。

現時点でのパンデミック考2

先月、武漢に起因するパンデミックについて、中国の社会構造が、ヨーロッパとは逆で、自由な個人が下に、不自由な共同体が上に位置するということを指摘した。重要なことは、中国は上からの圧力がないと、各人が自己の利害のみに走り、とんでもないカオスになるということである。
中国の社会学者・費孝通が「(本土の中国人は)個人主義ではなく自我主義である。」と記していることも前回述べた。

大理市が他の市や省のマスクを横取りしたというニュースが流れた。他の市でも同様な横取りが起こっているようである。大理市は現在建設中の観光施設の労働者のために確保したらしい。要するに自市おける最重要課題対策で、経済優先であるとのこと。北京の統制がゆるみ、各地が自我主義に走り、好きなように動き出すと、大変なことになることを示す好例である。

実に危ない状況にあると私は危惧する。このパンデミックで中国が崩壊(群雄割拠)する可能性が高まっている。これまでの中国史を見ると、群雄割拠が常態であるといったほうがいい。1959年の中華人民共和国という枠組みが崩れる可能性があるのだ。

マレーシアの中華系の人々を見ていると、そのような強烈な自我主義を感じないのだが、巨大な人口圧に苛まれる中国本土では、四度の訪中での経験から私自身否定することはできない。彼らが、自我主義をむき出しにした場合、極めて危険である。

北朝鮮で絶対君主の重病説が流れ、それ以上に栄養不足の国民が多い故に、パンデミックが蔓延すれば崩壊する可能性が強い。韓国も経済崩壊とパンデミックが政権を直撃しそうだ。日本でも政府の対応は緩慢に見える。東アジアは、政治的にも経済的にも、今大変な危機的状況にあるような気がする。

とはいえ、四国の最西端にあって、私自身はのどかな日々を過ごしている。名も知らぬ野草が咲き乱れ、渡り鳥らしき”メッサーシュミット”の小鳥が、たくさん飛び回っている。人間社会の喧騒をよそに自然界は予定調和で進んでいるのだった。(今日の画像参照)

2020年2月11日火曜日

仏・少女の「冒涜する権利」考

昨年11月のパリでのイスラム教徒のデモhttps://www.sudouest.fr/2019/11/10/marche-contre-l-
islamophobie-des-milliers-de-manifestants-a-paris-6807058-710.php
フランスは、カトリック国だが、信仰の自由というか信仰しない自由を歴史的にも追及してきた国だ。そのフランスで、16歳の少女のインスタグラムでの、イスラム教への冒涜発言とそれに対する脅迫が問題になっている。
https://www.jiji.com/jc/article?k=20200210039698a&g=afp

問題の少女は、あまり反省の色もなく、「冒涜する権利がある」「自分の言いたいことを言いたかった」と発言している。現在、警察に守られ学校へもいけない状況だそうだ。フランス内相やイスラム関係者、あるいは政治学者の意見なども載っているが、私もSNSにおける言論の自由と自己検問のリスクについて考えてみた。

…まず指摘したいのは、この問題の当事者が16歳の少女であるということである。環境問題でも過激な発言の少女が国際的な関心を集めているようだが、私はあまり重視していない。若いと言うことは良く言えば、純粋であるわけだが、それが絶対善ではない。様々な「学び」をし、経験を重ねて自分の思想を構築し、責任をとれる範囲での言論の自由がある。自由の裏には必ず責任がある。16歳の少女がイスラム教の何たるかを学んだうえでの発言だとは思えないし、自分の思想をすでに構築しているとも思えない。よって、この問題の核心は、彼女の幼稚さにあると思う。

…イスラム教徒が、冒涜に対して敏感に反応するのはこれまでの経過を見ても十分理解できる。16歳の少女が相手であっても、不信心者への厳しい姿勢はシャリーアにあるとおりで、彼らが神の意志で行っている行為故に責めることはできない。ただ、民主主義国家フランスの法上は犯罪行為となるだろう。ここでも、神定法が人定法であるフランスの刑法より上位にくるだろうから、仏ムスリム評議会のある幹部は、「脅迫を招いたのは自業自得である」と言っているわけだ。また違う幹部(議長)は、あえて「殺害脅迫を正当化するものなど何もない。」とイスラム教徒への非難をこれ以上強めることは得策ではないと現実的に判断し、フランスのイスラム教徒ならびに異教徒に対して、あえてこう発言したのだろう。これが分別と言うものである。

…多民族共生は、極めて難しい。フランスは日本と異なり、情や空気を読むという風土ではない。激しい論争を基盤に社会は発展してきたと思っている。マレーシアでは、他民族への干渉(特に宗教に対する批判)はご法度である。シャウィーウィー派は、かなりシャリーアには厳格だが、南国の風土もあって、マレー系の人々は穏やかだ。しかも上(政府)からの圧力で、国是の多文化共生を教育現場で長年徹底されてきたことも大きい。民族が違えば、宗教が違う、それをとやかく言ってはならないという精神が全国民に徹底されている。言論の自由が多少制限されていることは、ヨーロッパから見れば人権侵害かもしれないが、フーコーの言うように、これらは19世紀の近代以降の理性万能主義に由来しているに過ぎない。ヨーロッパの正義が絶対では決してないと私は思う。

…不特定多数の人々に発信するSNSにおいては、日本人として、自己検問するのは当然であると私は思う。それができないのなら発信すべきではない。自由の前に責任ありき。これは年齢には関係ないと思われる。若くても幼稚でない者もいるからだ。残念ながら、今回の少女には記事を読む限りにおいて、この事実をわきまえていないように思えるのだ。

2020年2月10日月曜日

国民不在の政治状況 考

https://theweek.com/articles/875669/gops-best-trump-defense-theyre-serious-trouble
韓国大統領と米国大統領、そして日本の野党について、SNSが教えてくれたことがある。政治の国民不在、私物化である。

韓国の経済成長率がなんとか2%に到達したというニュースが流れた。製造業やサービス業は不振で、政府の財政支出がその2%のうちほとんどを支えたらしい。何のことはない、春の総選挙に向けた政治パフォーマンスである。このツケは赤字国債となって後に帰ってくるのは必然である。韓国経済の先行きは極めて厳しい。誰がこの国債を買うんだろうか。はっきり言って韓国のガバナンスは末期的である。大統領と与党は総選挙に勝てば、それでいいようだ。

米国では、かのニューヨークタイムズが、1月31日、大統領閣下を『史上最も腐敗した大統領』と断罪した。また、USAトゥディ(全米唯一の全国紙)も昨年12月30日に『2019年は米国市場最も腐敗した1年となった』と断じた。脱税行為、公職法違反、セックススキャンダルともみ消し、政権私物化、そしてウクライナ疑惑…。結局弾劾は上院で否決されたものの、これらの新聞に断罪されても仕方あるまい。ところで、今回の新型肺炎騒動では静かだが、腐敗した大統領閣下は、中国の敵失を、ただただほくそ笑んでいるのかもしれない。次の大統領選に勝てば、それでいいようだ。

日本では、「桜の会」の話で野党はひたすら攻めている。新型肺炎という危機の時に何をやっているのかという声がSNS上では大勢だ。私もそれは正しいと思う。桜の会のスキャンダルよりはるかに重要であろう。結局のところ野党は、次の選挙で勝つためだけに国会審議をやっているようだ。何のための国会なのだろうか。野党への不信感はかなり増大したように思う。日本の野党が次の選挙で勝つことはないように思う。(何度も言うが、私は右でも左でもない。一般論として申し上げていることを明記しておく。)

2020年2月9日日曜日

ちょっとだけ黒い「商店街」

この土日も、八幡浜と大洲に買い出しにいってきた。今、八幡浜市では中心部の商店街を「黒い商店街」と称して頑張っていると聞いたので行ってみた。なぜ「黒」なのかというと、近くにある「みなと湯」の温泉の色が黒いからだそうだ。(笑)自動販売機やポストは黒いので珍しいが、シャッターの閉まった店が多く閑散としていて、やたら黒い商店街と言う旗だけが悲しかったのだった。まあ、ちょっとだけ黒い「商店街」というところだ。
とはいえ、八幡浜の高校生も食のイベント(我々が行った時にはすでに閉店準備をしていた。)に頑張っていたようだ。地域おこしへの思いは三崎高校と同じだ。ブルーハーツ風に、”頑張れー。”と叫びたい。

黒い商店街新聞によれば、黒い商店街ブランドの商品開発にも頑張っているらしい。オリジナルのTシャツやエプロンなどもなかなかいいデザインだが、『三色ボールペン・黒・黒・黒』が面白い。このボールペンはみんな黒だが太さは、0.5、0.7、1.0と異なるらしい。これはちょっと欲しいな。

2020年2月8日土曜日

ドイツ人捕虜と松江豊寿

もう一人の地味だけれど凄い会津藩出身の軍人は、松江豊寿である。第一次世界大戦で、青島を守備して敗れたドイツ人捕虜の徳島県坂東収容所の所長である。人道的な立場で捕虜に接し、可能な限り自由な環境を作り上げた。陸軍からは「会津は会津だな」と蔑まれたが、人道的な姿勢を崩さなかった人物である。こういうハーグ条約を守り抜いた軍人が大正期にはいたわけだ。
ベートーベンの第九交響曲(合唱つき)が初演されたのは、この収容所でのことである。知らなかったが、映画にもなっている。(今日の画像:バルトの楽園参照。)
松江豊寿については、以下のYouTubeに詳しい。
https://www.youtube.com/watch?v=5f2DbI4MQ-4
https://www.youtube.com/watch?v=Rg44MMQT3Sc

…ドイツ敗戦の報を聞いたドイツ人たちは茫然自失となり発行している捕虜たちの新聞もかけない状況であった。その時の松江の言。「諸君の気持ちは判るが、どんな苦しみの中でも、人は光を見つけ将来に向かう勇気を持つべきだ。諸君、新聞を出したまえ。そして、そのことを紙上で」呼びかけたまえ。これは私の命令だ。」「松江所長、判りました。命令を感謝します。」

…ドイツ敗戦時の松江のこの言葉は本当に感動的である。何と言われようと会津人でなければ言えないと思う。ベルサイユで講話が行われた後の講話も素晴らしい。こういう会津人ならではの想い、そして他者を敬う武士道がいい。ちなみに松江は少将に昇進した時点ですぐ予備役になっている。その後官選(選挙ではなく政府の意向で)若松市長(3年間)を務めている。軍人から政治家に転身したのか、させられたのかはわからない。

義和団事件の柴五郎

https://blog.goo.ne.jp/ichirakusai3/e/67f658c22e20f674ed0d2a6aacdc7576
地味に凄い会津出身の軍人の一人は、1899年の義和団事件の際、活躍した柴五郎である。義和団事件は、帝国主義列強に対して扶清滅洋のスローガンのもと義和拳の神秘性を信じた結社が蜂起した事件というのが一般的な理解である。どうしても帝国主義=悪という史観が先立つが、それが歴史の流れであった以上、明治の軍人であった柴本人を責める必要はあるまいと思う。

この時、北京の駐在武官だったのが柴五郎である。他の列強11か国とともに北京籠城戦を戦うことになる。柴五郎は、中国通であるとともに、アメリカの米西戦争などの視察も経験した国際派で、英語もフランス語も堪能であった。籠城戦の総指揮をとったマクドナルド英公使から絶賛される働きを部下と共に行った。日本軍の勇敢な戦いと、他国が避けた最も厳しい王府を守り切ったことだけでなく、義和団から狙われていたクリスチャンの中国人を味方につけたこと、さらに事件後も日本の占領地では統率が乱れず、他国と比べ中国人から信頼を受けたことなどが挙げられる。
…彼の軍人としての部下、他国の公使や軍人、中国人からの人望の厚さは、語学力だけでなく、会津藩=逆賊と蔑まれた所から培った「ならぬことはならぬ」という武士道が基盤となっていた故だと思う。

この柴五郎の率いる日本軍将兵の強さと美しさに魅せられたマクドナルド英公使は、ソールズベリー首相にロシアの南下を防ぐために日本との同盟を説く。日英同盟である。柴は日英同盟締結のきっかけを作ったわけだ。詳しくは、以下のYouTube(前編・中編・後編)に詳しい。

https://www.youtube.com/watch?v=gnOMLo5AdMU
https://www.youtube.com/watch?v=vW8MQ_NAJ7U
https://www.youtube.com/watch?v=43f9mOZacmk

…柴五郎の祖母・母・兄嫁・姉妹は会津城籠城戦前に自刃している。幼かった五郎は親戚に預けられ斗南へ移住する。藩校・日新館で会津の什の掟を叩きこまれ、西郷・大久保の死後に陸軍幼年学校を志願、士官学校へと進んでいる。「坂の上の雲」の秋山好古とは同期である。昭和20年敗戦直後の9月に身辺整理を行い自刃するが、高齢(85歳)故に果たせず、その傷がもとで同年死去。この自刃は、元陸軍大将として敗戦の責任の一環を担うべきであるとの思いであり、元会津藩の武士道を貫く故の必然であったように私は思う。

地味に凄い会津出身の軍人考

会津藩校 日新館に残る什の掟 https://nisshinkan.jp/
うちの妻は、暇があるといろんなYouTubeにアクセスしている。私がPCに向かっている横で音声を流しているので、耳に入ってくるのだが、昨日今日と「会津藩」出身の陸軍軍人の話が続いた。妙に気になるのでエントリーしておこうと思う。まずは、会津藩の明治維新時の歴史的背景について考えたい。

会津藩は、実に不運な運命を背負う。尊王思想が高まり、江戸から政治の中心が京に移った際に京都守護職を拝命する。松平容保という人は、養子であるがこそ、幕府を守るという藩是に従う。様々な文献によると、朝廷の貴族は金銭的な恩恵から薩長についたが、孝明天皇個人は薩長より、松平容保を最も信頼していたようだ。

会津藩は薩長、就中長州にとっては、京から彼らを追い出した仇敵であり、多くの志士が倒されたテロ装置・新選組の雇主である。よって、戊申戦争では恭順の意を表したのにもかかわらず、朝敵とされ何が何でも会津城を陥落させ、さらに下北半島斗南に流した。極めて非常な仕打ちをしたわけだ。革命にはスケープゴートが必要なのである。

松平容保の凄いところは、孝明天皇より御宸翰(しんかん:天皇直筆の手紙で、会津藩を最も頼りにしていると書かれている)を1863年八月十八日の政変の際に頂いていたが、生涯これを他者に見せなかったことだろうと思う。天皇の信頼が厚い事を示せば様々な場面での申し開きが可能だったはずだが、徳川慶喜への忠義とこの御宸翰の与える影響の大きさ故に秘していたものと思われる。「ならぬことはならぬ」という什の掟(じゅうのおきて:会津の武士への教育)そのものである。会津武士は、地位に胡坐をかいていた旗本などよりはるかに武士精神を守ってきたわけである。

明治維新後、西南の役で旧会津藩士が活躍したこともあって、朝敵の汚名を少しは晴らしたものの、薩長土肥の新政府では冷遇されていた。とはいえ、実力主義の時代になって、柴五郎や、松江豊寿といった凄い会津出身の軍人が出てくるのだ。つづく。

2020年2月7日金曜日

地域おこし協力隊会議’ 2月

伊方町航空写真 https://www.iju-navi.soumu.go.jp/onl/ehime/ikata/?cd_jichitai=38442
毎月、伊方町の地域おこし協力隊のミーティングが開催される。昨日がその日だった。最近はその面白さを実感している。農業、漁業、自然観察、裂き織などの専門家の隊員の方々との会話が面白いのだ。私などは教育現場しか知らないので、いろいろな学びがある。

先日エントリーした、サインカーブを描いて飛ぶ鳥について、K隊員に聞いてみたら、渡り鳥の中には、そういう省エネ的な飛行をする鳥も多いとのこと。よって、一種類の鳥の特長ではないそうだ。今、バードウォッチングの企画も進めているとのことで、私もそんな機会があれば是非行ってみたいと思う。

漁業のT隊員の話も面白い。魚の燻製を研究中で、燻製加工をすると、グルタミン酸が増えるそうだ。つまりうま味が増すとのこと。グラフて解説してくれたので、分かり易い。また、アワビの養殖について、K隊員が、こんなことを言っていた。稚貝にとって、銅イオンは大敵なので、昔銅鉱山があった佐田岬半島では不利なのではないかとのこと。

地域おこしといっても、地域の風土や歴史を知り、しかも各隊員の専門的な知識を駆使してこそ、新たな一歩を踏み出せるわけだ。公営塾も同じ。こちらの風土、歴史、地域性に立脚しながら、学校のこれまでの歩みを十分理解したうえで、何ができるのかを吟味し提案していかなければならないと思う。

2020年2月6日木曜日

四国の食道楽Ⅱ

四国に来て4か月が過ぎた。食生活で困ることはほぼない。あるとすれば、共に大好物のエースコックのワンタンメン(即席麺)と古漬けが手に入りくい事くらいだろうか。

反対に美味いものを妻がどんどん発見している。今日紹介したいのは、私の大好物である柿のジャムである。こっちに来て以来種類は変化したが、2月なのに未だ柿を楽しんでいる。実に幸せである。しかも安い。その大好きなの柿のジャムが大洲にあったので購入した。これが格別に美味いのである。昨日今日と朝食のパンに塗って食したが、ホント幸せを感じる。

私は決してグルメではないのだが、これからも美味しいものがあれば、このブログで紹介したいと思う。

2020年2月5日水曜日

未咲輝ロードギャラリー(2)

続いて、個性的な作品を紹介したい。エントリー5:「覧古考新」「雲蒼外天」という四字熟語で決意を表した作品。この2つは同じ生徒によるもの。覧古考新とは、”古きを覧み、新しきを考える”(古い事柄を顧みて、新しい問題を考察する事)、雲蒼外天とは、”雲外に蒼天あり”(雲は様々な試練を意味しており、試練を乗り越えて、努力すれば、快い青空が望める)というそれぞれ意味である。なかなか渋い。高校生らしく、かなり調べたのではないかと思う。覧古考新の風景画も、雲蒼外天の風景画もレトリックに良くマッチしている。素晴らしい。

エントリー6:「BORN TO BE WILD」私の大好きなステッペンウルフのイージーライダーのテーマ曲である。直訳すれば「野生児」かな。まさに正統派の真逆を行く作品。バックのデザインもロゴと色彩的にもうまくマッチしていると思う。
エントリー7:「直進」佐田岬半島に多い害獣である「イノシシ」をモチーフにした作品。ヘタウマな画風が十分に魅力的な作品だ。ただただ真っすぐに進むという思いが伝わってくる。ところで、イノシシの口からもれている青い液体は何なのだろう。
エントリー8:「昨日よりも今日、今日よりも明日」このコピーとなにかの漫画風のイラストがマッチしている。イラストの背中の記号が何を意味しているのかは分からないけれど、妙に気になる作品に仕上がっている。私はこういうのも好きである。
エントリー9:「粋」この作品は、美術系の大学志望の塾生の作品。歌川国芳の「相馬の古内裏」の骸骨を挿入している。家紋や不気味な妖怪のような木などもモチーフに、江戸風に仕上げている。これくらいの作品になるとほぼジュールリアリズム的な芸術作品の習作といったところ。
エントリー10:「Complete」効果的にドラえもんを使った作品。シンプルだが、印象に強く残る作品。3年生の作品なので、高校生活を”仕上げる”とか”完成させる”という意味であろうと思う。未咲輝ロードでも、最も存在感のある作品だと思う。
個性的な作品群については、私個人の嗜好では、四字熟語の作品には努力賞、「粋」に芸術賞、そして最後の「Complete」に存在感賞というところか。