2020年2月5日水曜日

未咲輝ロードギャラリー(2)

続いて、個性的な作品を紹介したい。エントリー5:「覧古考新」「雲蒼外天」という四字熟語で決意を表した作品。この2つは同じ生徒によるもの。覧古考新とは、”古きを覧み、新しきを考える”(古い事柄を顧みて、新しい問題を考察する事)、雲蒼外天とは、”雲外に蒼天あり”(雲は様々な試練を意味しており、試練を乗り越えて、努力すれば、快い青空が望める)というそれぞれ意味である。なかなか渋い。高校生らしく、かなり調べたのではないかと思う。覧古考新の風景画も、雲蒼外天の風景画もレトリックに良くマッチしている。素晴らしい。

エントリー6:「BORN TO BE WILD」私の大好きなステッペンウルフのイージーライダーのテーマ曲である。直訳すれば「野生児」かな。まさに正統派の真逆を行く作品。バックのデザインもロゴと色彩的にもうまくマッチしていると思う。
エントリー7:「直進」佐田岬半島に多い害獣である「イノシシ」をモチーフにした作品。ヘタウマな画風が十分に魅力的な作品だ。ただただ真っすぐに進むという思いが伝わってくる。ところで、イノシシの口からもれている青い液体は何なのだろう。
エントリー8:「昨日よりも今日、今日よりも明日」このコピーとなにかの漫画風のイラストがマッチしている。イラストの背中の記号が何を意味しているのかは分からないけれど、妙に気になる作品に仕上がっている。私はこういうのも好きである。
エントリー9:「粋」この作品は、美術系の大学志望の塾生の作品。歌川国芳の「相馬の古内裏」の骸骨を挿入している。家紋や不気味な妖怪のような木などもモチーフに、江戸風に仕上げている。これくらいの作品になるとほぼジュールリアリズム的な芸術作品の習作といったところ。
エントリー10:「Complete」効果的にドラえもんを使った作品。シンプルだが、印象に強く残る作品。3年生の作品なので、高校生活を”仕上げる”とか”完成させる”という意味であろうと思う。未咲輝ロードでも、最も存在感のある作品だと思う。
個性的な作品群については、私個人の嗜好では、四字熟語の作品には努力賞、「粋」に芸術賞、そして最後の「Complete」に存在感賞というところか。

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