2017年10月23日月曜日

「排除」は今年の流行語大賞?

http://itdoc.hitachi.co.jp/manuals/3021/3021317000/NEMM0043.HTM
衆議院の総選挙が終わった。そもそも解散の意味が問われるような選挙で、自民党は間違いなく議席を減らすはずだったが、都知事の乱入で大パニックとなった。さらに民進党の解党的な合流騒ぎ。希望の党は自党の首相候補を定めないまま、リベラル派を「排除」した。この「排除」という言霊、かなりのパワーを持っていて、結局排除された側の立憲民主党に錦の御旗を与えてしまった。おそらく、今年の流行語大賞になるのではないかと私は思う。

日本人の源義経以来の判官贔屓はまさに、その民族的DNAに染みついているようだ。かの元I東京都知事までも、枝野氏を絶賛した。たしかに日本的美学の要素が強い。

自民党が大勝したのは、あくまでも敵失によるものである。これでまた増長されては困る。国難的な北朝鮮危機(本当はトランプ危機と言ったほうが正確だと私は思うが…。)にあたって、ここは慎重の上にも慎重に、できるだけ関わらないように舵取りをお願いしたいところだ。

2017年10月22日日曜日

ムガベがWHO親善大使?

http://polandball.blog.
fc2.com/blog-entry-117.html
ジンバブエのムガベ大統領が、WHOの親善大使に指名され、大きな批判を浴び、再考すると表明したらしい。WHOの事務局長はエチオピア出身。アフリカから選出するのは良いとしても、ムガベというのは、ありえないと私も思う。ムガベは、気候よし・人よし・治安よしのジンバブエを世界有数の失敗国家にして、それでもなおかつ独裁政権を維持しているデモクレイジーの代表的人物である。信じられない。とんでもない。速やかに再考すべきだと思う。
https://www.cnn.co.jp/world/35109155.html

一方、日本の衆議院選が行われている。鳴り物入りで結成したK党だが、後半ではかなり失速気味らしい。党の代表は都知事としてパリにあるそうだ。TVの開票速報などで矢面に立つのはなんと、代表代行のT氏らしい。彼は大阪の地元(正確には隣の選挙区である)でよく知っている。日本新党以来の風見鶏的政界生き残り戦略屋として、代表のお友達なんだそうだ。地元の人間として、とんでもない人事だと感じるのは私だけではないはずだ。ムガベとそう変わらない。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22552310R21C17A0EA3000/

ところで、韓国が、竹島(韓国では独島)に海兵隊を常駐させる計画を発表したらしい。私はこの外交戦略が理解できない。これだけ北朝鮮危機が叫ばれている中で、日本を無駄に挑発・不快感を与えるだけのことだ。日本でもさすがに嫌韓感はかなり強まっているようで、外相が猛反発している。韓国には同盟国としての意識はないのだろうか。万が一の時、日本の自衛隊はアメリカを助けるのだろうが、背後も気をつけなければならくなる。韓国の人々の「恨」を理解するのは不可能に近い。とんでもない話だと私は思う。
http://www.sankei.com/smp/politics/news/171019/plt1710190069-s1.html

信じられない、とんでもない、と思う話の三連発。

2017年10月21日土曜日

IBTの話(135) 国債という視点

https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-31425420080421
EJU直前の土曜日補習、第二週目である。今年は地歴をパートナーのT先生に任せた関係で、全4回の補習のうち前半2回を私が、後半2回をT先生がやることになった。というわけで、直前補習としては最終回となる。前回は、ドイツという視点から、地理・歴史・政治・経済を復習した。今回は、「国債」という視点から復習をしてみた。

10月7日付ブログで紹介した「国債の歴史」という大著を元に教材を作った。この大著、ありがたいことに、総論と、各章の冒頭にも総論的な内容が書かれていて、全巻読破しなくてもおよその論旨を学ぶことが出来る。もちろん、各章の詳細も面白いのでつまみ読みしながら教材を作ったわけだ。

前回のエントリーで紹介したように、民主主義を最も早く完成させたイギリスで国債が発達する。当時は、夜警国家であるから、戦費を賄うためである。(これも重要な復習事項である。)恒久的な新税を議会が設定して、それを担保に国債を発行する。この例が、アメリカ独立戦争のボストン茶器事件の茶税や後の印紙税である。(これも当然復習事項である。)こういう大局から見ると、細かな事項が繋がっていく。単なる復習ではなく、これが社会科学の面白いところだということをマレーシアの学生諸君に伝えたいと私は思う。

フランスはまだ絶対主義で、デフォルトを繰り返していた関係で、国債はイギリスのようにうまくいかない。なんと金利80%である。革命を経て、ナポレオンが金利を下げるのに苦労したことを伝える。このあたりで、国債のリスクプレミアムについて語り、日本の国債デビュー時は、金利が9%。それが、日露戦争前は4%にまで下がる。その理由も重要だ。日清戦争後に日本も参加した金本位制は、国債を有利に集めるための手段でもあったわけだ。(当然これも復習事項。)学生諸君は、興味深く聞いてくれた。

WWⅠの総力戦での戦費の増大、国民国家が国債の限度を遙かに超えてしまったことも述べる。社会構造が夜警国家から福祉国家に移らざるをえなくなったことも論じると、みんな納得である。そして、最後はアベノミクスの解説である。政策金利を低く抑え、量的緩和を行うことなど、経済の復習を行う。インフレによる国債の実質的な価値の低下、円安による同じく価値の低下なども語り、フィニッシュ。

みんな、一応に喜んでくれたのだった。まあ、高校レベルの社会科をちょっと越えたかもしれない。

2017年10月20日金曜日

眠れない夜

昨年のディパバリの時は、前日にちょっと花火が上がったくらいだったのだが、今年はまるで中華系の旧正月並みに花火が上がっている。ちょうどベッドに入る10時くらいに、監視カメラでも付けて見ているんではないかというくらいのバッドタイミングで花火が上がる。ホント騒音公害である。私はマレーシアが大好きだが、(マレー・中華・インド系を問わず)深夜の花火だけは嫌いだ。

しかも、ここ数日は夜でも暑い。日中34℃の日が3日ほど続いている。スコールもあったけど、あまり涼しくならない。我が家は、クーラーが苦手なので扇風機に頼っているのだが、とにかく暑い。日本で言う熱帯夜である。まあ、マレーシアは熱帯なので、至極当然すぎるほど当然のことだが…。(笑)

眠れない夜。風が窓もたたかない。ここ(マレーシア)は熱帯無風帯。

2017年10月19日木曜日

IBTの話(134) 日経「春秋」

なんと、明日大阪の実家近くで巡業があるらしい。
K大の小論文指導が続いている。今日は日経の「春秋」から問題を作ってみた。少し古い12日の「春秋」である。

先日、関東地方の某県であった大相撲の巡業をのぞいた。朝8時の開始である。寄せ太鼓が響き、会場にはファンが続々詰めかけた。土俵ではすでに力士らが稽古で激しくぶつかり合っている。やがて大関や横綱が現れ、四股を踏むと場内に期待と緊張の空気が漂った。
禁じ手などを面白おかしく説く「初切」や相撲甚句の披露、横綱の土俵入りや白熱の取り組みなど進行はアナウンスと拍子木で滞りない。どよめきと歓声の渦の中、午後3時弓取り式を見て会場を後にすると、はや力士達はバスに乗り、次の巡業先へと向かうところだった。手を振りながら、鮮やかな段取りに舌を巻く。
今夏、東京・お台場での巡業を仕切ったフジテレビのプロデューサーが、インタビューで当時の驚きを語っていた。力士280人、客三千人異常の興業が析(き)の音とマイク2本で済んでしまう。スタッフが無線で出番を合図する必要もない。AKB48の何倍もの集団が粛々と動いていく。まさに250年の歴史である、と。
長年、蓄積された効率化のノウハウなのだろう。力士らが状況に応じて自らの準備するモチベーションも見逃せない。観客を飽きさせないサービス精神も見事だ。築いたチームワークのたまものと思える。一見、古めかしい世界に見える角界だが、業務の遂行や組織運営のヒントは土俵のそこそこに埋まっていそうな気配だ。

問題は、この文章に書かれている「日本の強さ」について、あなたの考えを述べなさい。である。かなり難しいとは思うのだが…。

2017年10月18日水曜日

IBTの話(133) 印鑑

https://ameblo.jp/aya-nakata/
entry-12318799156.html
今年のどこかのモールのマレーシアの
飾りらしいです。私のカメラが故障中
なのでお借りしました。
インド系の人々にとって、今日が新年(ディパバリ)なので休日である。このところ、EJUに向けて、月月火水木金金と受験指導が続く学生にとっても、我々にとってもちょっと一息という感じ。といいつつ、宿題を昨日はどどどっと出しておいた。(笑)

さて、IBTでは、卒業式の日に印鑑を記念品として渡すのだが、もちろん日本の銀行印として使用する実用品でもある。我がクラスはほとんど中華系の学生なので、漢字1字になる。とはいえ、マレーシアでは、アルファベット表記が普通である。彼らは、漢字の名前、アルファベットの名前を持っている。ところで、IBTではカタカナの愛称を使用している。入学時に、申請することになっているらしい。アルファベット名をカタカナに読み替えて使う学生が多い。これだと、なんとなく欧米風に聞こえる名前もある。入学順に申請するので、同じ名前の学生がいた場合、全く本名とは異なるカタカナの名前を申請する場合もある。

普段私は、そのカタカナ名を使っているわけだが、進学の書類・EJUの受験票などは、パスポート記載のアルファベットの本名になる。「ん?これは誰?」という場面があるわけだ。

今回の印鑑は、さらに漢字の本名が登場した。もちろん、普段カタカナ名で呼んでいるだけに、私にとっては新鮮である。劉という名字がダブっていたり、張とか李とか、普段のイメージとは全然違うからだ。なかなか面白い。ところで、唯一のインド系の学生は、印鑑をどうするかというと、カタカナである。5文字まではOKなんだそうだ。
…マレー系の国費生のクラスでは、ムハンマドという印鑑が大量に注文されることになると思う。

2017年10月17日火曜日

「美しい日本の私」から49年

川端康成がノーベル文学賞を受けたのは、1968年の10月17日だそうである。WEBを何となく見ていて、時事通信社の「今日は何の日」に載っていた。川端康成のノーベル賞受賞講演「美しい日本の私」は有名である。

このタイトル、”美しい日本「の」私”が深い。「と」ではなく、「の」であるところが重要である。幾度となく、小論文指導などで語ってきた。残念ながらマレーシアには、この講談社現代新書を持参してはいない。ウィキで調べてみたら、意外なことが書いてあった。この講演については、川端康成がスウェーデン到着後もずっと書き続け3日も徹夜したそうだ。さらにこの翻訳に関しては、コペンハーゲン大学の仏教学者・藤吉慈海氏が関わって事なきを得たとある。

この藤吉慈海という仏教学者を私は知っている。久松真一門下であり、禅と念仏の共通性を探ろうとしていた人だ。自力本願の禅と他力本願の念仏。同じ仏教でありながら、修行方法については、極めて二律背反しているわけで、不思議な研究をしている人だと思っていた。その藤吉慈海氏が「美しい日本の私」の翻訳を影でささえていたわけだ。確かに、多くの仏教用語が在中している。どう翻訳すべきかは、専門的な知識抜きではありえない。

…意外な発見をしたのだった。

2017年10月16日月曜日

IBTの話(132) 空仮中の三諦

四門出遊 http://www.shop700.com/news/shuhua/zixun2060.html
このところ、EJUの模擬問題をやっている。ある問題で、上座仏教が云々という解答があって、学生から質問が出た。「小乗仏教ではありませんか?」さすが、ブディストが多い中華系の我がクラスである。意外に詳しい。ムスリムが大勢のB組でも、仏教に興味があるようなので、仏教の基本テーゼ、仏陀とは人間であるから説いて、30分くらい脱線してしまったので、普通でも遅れている我がクラスでは、ここはさらっと流そうと思っていたのだが…。

結局、みんなの知識を試してしまった。四苦八苦を知っているようだ。私が八苦を怨憎会苦からどどどっと漢字で書いたので、「おおおおっ」という歓声が起こった。四門出遊の説話もしっているようだった。日本人の生徒よりはるかに知っている。さすがに、アーラダ・カーラマの「無処有処」やウドラカ・ラーマプトラの「非想非非想処」は知らなかったが、「菩提樹」を知っていた。調子に乗って、結局「空・仮・中の三諦」まで説き、ついでにインド哲学や様々なヨーガなども説いてしまったのだった。EJU前の貴重な時間だったのだが、学生は大いに喜んでくれて普段以上に盛り上がった授業になった。

仏教に関して全くの白紙で一神教徒であるムスリムのマレー系の学生と、ブティストが多い中華系の学生では、仏教を語るにしても教授法には大きな差異がある。これまで、学んできた宗教学の知識を総動員して対応するのは、実に面白い。彼らも隣人の宗教には大いに興味があるようで、マレーシアに来て実によかったなあと思う次第。

2017年10月15日日曜日

インフレが起こらない原因考

アマゾンの集配ロボット http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1612/06/news107.html
ロイターのWEB版に、田巻一彦氏の「物価上昇を阻む構造変化、背景にグローバル化と技術革新」というコラムが載っていた。先日も指摘した日銀の黒田総裁が微妙な言い方をしていた「景気は悪くないが、2%のインフレターゲットになかなか届かない現象」に対しての考察である。田巻氏は、リフレ派のFRBが一時的だと言うのに対し、根底に大きな構造変化があると見る。以下、私なりの要約。

まず賃金の安い途上国から輸入される製品が影響しているのではないかという点。いわゆる日用品の分野の価格に影響を及ぼしている。このことが、国内製造業の賃金抑制を誘発しているし、非正規雇用を増やし総労働コストを下げる方向に圧力をかけているというわけである。

もう一つは技術革新の問題である。ロボットなどの普及で単純労働的な労働者雇用の必要性が低下、またATの活用が荷物の集配での荷さばきなどの労働の雇用を劇的に奪っている。(今日の画像はアマゾンの集配ロボットである。)

こうした現象はさらに加速する可能性が強い。特に、デフレ感が強く、しかも少子高齢化社会の日本では、AIによる雇用のカットもあまり重視されない故に、欧米の先進国以上に物価押し下げ圧力は強いことを視野に入れるべきである。
http://jp.reuters.com/article/column-price-tamaki-idJPKBN1CK04N

…なるほど。昨日もエントリーしたが、こういう構造的な社会変化に逆らって、インフレターゲットを定め、インフレ=好況、デフレ=不況というドグマにとらわれるべきではない。なにも国債を買いオペして量的緩和などする必要はないと私は思う。それより財政の健全化を図るべきだ。そうでないと2~3年後には取り返しの付かない国難がやってくる気配だ。経済の素人である私などが論ずるまでもないが、理性的な政治判断を請う次第。

2017年10月14日土曜日

世阿弥の「初心」

http://diamond.jp/articles/-/145714
ダイヤモンド・オンラインのWEB記事で、「能」の話が載っていた。普段なら読まないところだが、先日生まれて初めて「能」を見に行った。それもマレーシアで…。(9月27日付ブログ参照)そんなこともあって、かなり現実感を持って記事を読めたのだった。まさに百聞は一見にしかずである。
http://diamond.jp/articles/-/145714

記事自体、かなり面白い。観客は能の舞台を想像して楽しむ。太鼓や鼓、笛などの音響も当日の天候をも含んだバランス感覚に富んでいるとの指摘も面白い。だが、私が最も感じ入ったのは、650年の歴史を持つ「能」を支えてきた世阿弥のコードと呼ぶにふさわしい言葉である。

それは「初心忘るるべからず。」である。この言葉は、基本的に始めたときの初々しい気持ちを忘れるな、という戒めとして一般には受け止められているが、世阿弥の言うところは違うとのこと。初心の初という漢字は、衣編とつくりは刀から出来ている。これは、まっさらな衣(生地)に刀(ハサミ)を入れることを表している。折ある事に古い自己を裁ち切り、新たな自己として生まれ変わらなければならないという意味だそうだ。実際、「能」はこれまでに4度の「初」を経験しているらしい。派手好きな秀吉時代に重要量感のある現在のような装束になり、江戸時代初期には急に「能」のスピードがゆっくりになった。それ以前は2~3倍ものスピードで、ラップ&ヒップホップダンスの如きものだったらしい。さらに、明治、戦後とさらなる進化を遂げ現在に至る、とのこと。

こういう話は、教養という意味でも、日本文化の特質としても実に面白い。授業のネタに使おうかなと思う。とにかく今日は、F君のW大合格の報に私のテンションが異常に高いのだった。(笑)

財政再建を誰も言わない。

http://core-net.jp/world-
situation/prophecy-of-
failure-of-avenomics/
東洋経済のWEB記事「日本の破綻は、もはや杞憂とは言い切れない」(経済ジャーナリスト/岩崎博允氏)で、日本の国債の行く末の危うさを説いている。要するに、リフレ派の経済政策で、インフレターゲットを設定し、デフレから脱却しようとしているアベノミクスを、今回の選挙では誰も批判していないという主張である。
http://toyokeizai.net/articles/-/192635

おりしも、今日、G20の財務相会議が閉幕したが、例の失言の多い蔵相は総選挙のために欠席。日銀法の改正で政府が自由にクビを切れるようになった独立性のない黒田日銀総裁が出席した。総裁は、世界経済が上向く中で、各国が財政再建を進める中、日本だけが2020年までの基礎的財政収支の黒字化目標を先送りしたことを説明し、(各国からは)強い異論はなかったと言っている。

おそらく、総裁はWEB記事にあるような危惧を当然知っているはずである。”我が身かわいさ”は、元民進党で今は希望の党になった政治家とあまり変わらない。「強い異論はなかった。」という言質から、日銀の金融政策方向性に絶対の自信があるとは感じ得ないのは私だけではないだろう。反対に、「思ったより間違いを責められなかったので(自分としては体面を保持できたので)よかった。」というふうに受け止められる。

日本の国債を量的緩和策で日銀がどんどん買いオペしている。2%のインフレターゲットに届かないうちに(そもそもインフレって素つり出すことが出来るのだろうか?)、全ての市中の国債を日銀が買い上げるようなことになりそうだ。日本の財政は異常事態であることは間違いがない。しかも、消費税のUPは、そもそも財政再建のハズだったのが、首相はさらに最低所得保障制度に使うといいだした。選挙で票を稼ぐための策だと思われるが、これでいいのか。日本が破綻したとき、誰が責任を取るのだろうか。おそらく、日本の資産を狙って欧米の投資家は舌なめずりし円安を画策ているように私は思う。

IBTの話(131) W大合格の報

朝から、EJU直前の土曜日補習だった。歴史を基軸に政治・経済の総まとめと言うことで、ドイツのWWⅠからWWⅡにかけての「ドイツの31年戦争」を講じていた。全権委任法が三権分立を破壊し、ワイマールの基本的人権を破壊し、法の支配から人の支配へと移る様を90分で描いて見せたのだった。これまでの学習の総復習といった感じだ。

さて、一昨日が我がクラスのW大受験生F君の発表日だった。珍しく封書のみで発表されるとのことで、日本からマレーシアまでの郵便の所用時間を考えると、「この土日かなあ。」などと話していたのだった。ついさっきまで、補習を受けていたF君から電話があって、お母さんからのメールでわかったらしく、合格の報を受けた。いやあ、嬉しい。超難関私大・W大である。

そういえば、今まで、W大を受験した私の教え子は、F君を入れて3名。実は全員合格してくれている。私とは妙に相性がいいのである。「二度あることは三度ある。」などという日本のことわざを教えたりして励ましてきたのだった。
…いやあ、嬉しい。今週の疲れが全部ふっとんだのだった。

2017年10月13日金曜日

IBTの話(130) 進路指導の話3

今回願書を送ったS大学 https://manabi.benesse.ne.jp/daigaku/school/1290/index.html
今週は、極めて多忙な週だった。国立大学で出願の早い大学もあって、出願の書類の件で走り回っていた。いくら日本語検定で1級や2級を取っていても、大学の出願にまつわる様々な日本語は難しい。学生諸君も懸命に募集要項を見てもわからないことも多い。まして、今回はエージェントが変更になっての初回なので早めに日本に送付することになった。エージェントの住所の最後に「~様方」と書くことや、封筒の宛名の宛の字を消して「御中」と書くこと、縦書きに封筒に住所を書く際の棒線は縦か横か?など、考えてみれば日本人が普通にやっていることが難しかったりする。

とにもかくにも3通の入学願書を一気に仕上げて、日本に送る段取りをしたのだった。

一方で、小論文指導も続いている。志望動機などは日本語のK先生にお願いしているが、社会科学的な小論文の指導は私だ。様々な仕事がどどどっと押し寄せている。いよいよEJUまであと1ヶ月を切った。

2017年10月11日水曜日

近隣でハヌマーン発見

バトゥ洞窟のハヌマーン像 http://gait-of-my-earth.blogspot.my/2015/04/2.html
多忙な一日を終えて、650番のバスに乗って帰ってきた。今日はS先生とご一緒だったのだが、S先生が、タマンデサの病院(私も2度ほどお世話になっている)の二階部分に、しっぽの長い野生の猿を発見されて、私もしっかりと見た。

我が街・タマンデサは、KLの中心部から少し外れているとはいえ、十分都会である。いくらなんでも野生の猿がいるとは驚きである。妻に、このことを話すと、病院の裏は川辺で森になっているし、いておかしくないと言う。…なるほど。そもそも、このKLには、まだまだ自然が残っていて、熱帯雨林があちこちにある。いつだったか、友人の車に乗っているとき、1m近いトカゲが道に出てきてびっくりしたこともある。

妻が、「ハヌマーンやな。」と言った。ハヌマーンは、ヒンドゥー教の猿の神様である。そういえば、タイプーサムの祭りの時に行ったバトゥ洞窟には野生の猿がいっぱいいる。祭りの時はあまりの人出におびえたのか、姿を見せなかったけれど…。

2017年10月10日火曜日

都道府県魅力度ランキング

https://www.traicy.com/20171010-brand
マレーシアにあって、私費生・国費生の進学指導しているわけだが、縁故のある学生を除いて、多くの学生はまったく白紙で大学を選んでいく。特に、国立大学をめざす学生にとっては、どの都道府県に行きたいかは案外重要だ。マレーシアが南国故に、雪が降る地方がいいとか、生活費が安い地方が良いとか、その趣向は様々である。

WEBのニュースを見ていたら、ブランド総合研究所というところが、魅力のある都道府県ランキングを発表していたので覗いてみた。1位は北海道。2位は京都府。3位は東京都で、沖縄県、神奈川県、奈良県、大阪府と続く。なんとなく、観光地のランキングのような気がするのは、統計に参加した人々が普通の人々で、結局のところ行ったことがある都道府県のうち気に入った場所を選んだからではないだろうか。

そういう私も59年生きてきて、まだ足を踏み入れてない県がある。一応、ジャラン・ジャラン(散策)したことがあるという線引きをしたとして、行っていない県は、北から山形県、福島県、千葉県、山梨県、島根県、高知県、沖縄県と7県もある。当然、私がこの統計に参加したとしても、映像などで情報は持っていても、行った事のない県に投票は出来ない。そういう意味で、観光地の少ない県は絶対的に不利であるといえる。

私が学生に推薦する場合は、基本的に大学で学べる内容が中心になるが、やはりその地域性も大きな話題になる。私が推すとしたら、やはり九州なら長崎県、中国地方なら岡山県、中部なら長野県、静岡県、石川県。東北なら秋田県、そしてやはり北海道になる。近畿圏はどこでもいいと思うし、関東圏はどうも大阪人としては妙なライバル心があって推しにくい。(笑)

現在の我がクラスの学生の志望校は、やはり私の指向にそっているようだ。無意識下の指導の方向性とでも言うべきだろうか。
http://tiiki.jp/news/wp-content/uploads/2017/10/2017_pref_ranking.pdf

2017年10月9日月曜日

カタルーニャの独立は「?」

https://www.newstandard.jp.net/
news/world/why-are-good-
companies-withdrawing-one-
after-another-from-spain-
catalunya/1590
東洋経済のWEB記事によると、カタルーニャは、独立できないと市場は見ているようだ。今私が勉強しているスペインの「国債」の利回りはたしかに上昇している。これは、スペイン経済のリスクを懸念して、と見るのが正しいだろう。但し10年もので1.7%への上昇だから、以前の8%といったような危機ラインではない。多くの投資家はカタルーニャの独立はないと見ていると言えるらしい。

その最大の問題はEUである。スペインはユーロ圏ゆえに、もしカタルーニャが独立するとしてもユーロ圏でありたいと願うはずだ。EUの加盟審査(EUの法制の適合性)は問題ないが、新規加盟手続きにおいて、既存の全ての加盟国の承認が必要らしい。スペインは当然反対するだろうし、他にも独立を思考する地方を持つベルギーやドイツも反対する可能性が高い。と、なれば、カタルーニャは独立したとしてもEUに加盟できないまま、ユーロも使えないことになる。いくらスペインのGDPの20%を占めるといっても、金融機関が極めて厳しい状況(ヨーロッパ中央銀行との関係が切れ、信用が落ちる)におかれては、お手上げになるだろう。
http://toyokeizai.net/articles/-/192234

…なるほど。経済的豊かさを求めての独立運動も、反対に貧困化を招く恐れが強いわけである。こういう理性的な判断がだんだん世界から失われているように見えるのは、私だけだろうか。

2017年10月8日日曜日

IBTの話(129) 進路指導の話2

10月に入って、進路指導の方も忙しくなってきた。日本の進路指導と比べると様々な相違がある。我がIBTは、文部科学省が認定する準備教育機関としては唯一海外にあるという存在である。言い換えると、日本の大学に留学したい外国人学生は、日本の日本語学校に通っているのが一般的、いや、ほとんどであるということである。

彼らは、日本語学校に通うための就学ビザをすでに持っている。大学に合格した後は、それを書き換えるという感じらしい。
よって、留学生を受け入れてくれる大学は多いのだが、日本で就学ビザを取得済みということを前提にしている大学がある。つまり、海外からは受験不可という大学もあるわけだ。今回、進路指導の中でそういう私立大学にも出くわした。そうなれば指導も一からやりなおしである。
さらに、就学ビザの世話をしてくれない大学もある。合格証だけ出して、あとは自分で…というわけだ。実はこれはマレーシアからの留学生にとっては大きな経済的負担になる。一度観光ビザで入国後、入国管理局に申請して、再入国する必要がある場合もあるのである。当然ながら、役所での日本語も、なかなか大変である。

また、国立大学でも、普通、6月のEJU(日本留学試験)と11月のEJUの結果を見比べて良い方をとってくれるのだが、11月の結果がわかるのが、マレーシアでは郵便の関係でどうしても遅くなる。日本国内だと問題はないのだが、入試が早い大学では、間に合わないケースがある。先日も二校に電話で問い合わせたが、結局6月の結果しか見てもらえそうにない。普通、11月の方が進度も進み、結果がよいはずだし、6月の結果ではまだまだ合格に届かない場合が多い。そうなるとあきらめざるをえなくなるわけだ。

そんなこんなで、私立大学の入試が、まずはどどどっと押し寄せてくる。気合いをいれていかねば…。

2017年10月7日土曜日

続 混迷の日本の政情を憂う。

http://polandball.blog.fc2.com/blog-entry-1865.html
10日に衆議院公示である。日本の政治の混迷はさらに勢いを増していると思う。私は政治的に、あくまで中立的な立場で所感を述べたい。与党では、首相の演説をステルス化しているらしい。例の「こんな人たちに…」発言以来のトラウマらしいが、首相が行った解散である。このような逃げの姿勢でいいのか。

希望の党は、はっきり言って信用できない。私は都政については、全く興味がなかったが、美麗美句を並べて、築地市場の跡地を残すことにしたらしい。それまでの知事は土地の売却益を念頭に計画していた。しかし彼女は借地にして再開発して残すという。これが極めて杜撰な計画らしい。東京の一等地扱いのありえない価格で貸し出し、50年たてば収支がなんとか合う計算。全く持ってありえない失政だとの評価が主流だ。こんな政策しかできないというのは笑止千万。

しかもその都政を投げ出して国政に党首が出れば、無責任のそしりは免れない。都民ファーストも素人議員集団。人材がいないようで、政党の丁をなしていない。2名の脱退者の言を聞いていると、まさに大阪同様だ。希望の党の方の公認候補選定にいたっては、かなりの情実と不合理がまかりとっているようだ。まあ、こちらも素人集団と安保法案で騒いだことを忘れてしまった人々で、結局、都民ファーストも、希望の党も所属議員は彼女にとっては、所詮道具でしかないようだ。

私は、それ以上にこの希望の党、議院内閣制を理解していないと思う。衆議院の総選挙は政権の争奪戦だ。首相指名は衆議院の重要な責務であるのに、未だ首相候補を決めていないとのこと。党首は100%出ないと言っている。ならば、誰に投票するのか?こんな重要な大前提がないまま、選挙に臨むのは無責任甚だしい。反安倍なら、それを明確にすべきだ。反安倍と言いながら首相に投票するかもしれないとのこと。あるいは自民党の候補を首相指名するかも、などという憶測が流れていること自体、不見識である。これはまさにポピュリズム以下である。

こんな不完全な党に流れてきた野党の面々を信じて投票すること自体ありえない。まさに現在の日本の政治の混迷は世界の笑われモノだと私は思う。世界に蔓延する「真実が見えない」政治状況に日本も同化するのだろうか。

「国債の歴史」を読み始める。

総合科目の授業のほうは、EJU対策の範囲を既に終えて、過去問題や模擬問題を学生に配布して、その解答をずっとやっている。今年は公民分野のみを受け持ったわけだが、教師というのはいくら歳を重ねても進化していくべきものだと思う。高校の政治経済分野もこれまで何度も担当した。ベーシックな経済の教科指導はもちろんできるけれども、自分の学びというか、興味をそそられる分野もこっちにきて新たに生まれてきた。それが、「国債」である。当然ながら、私は「国債」を購入したことなどないし、教科書上の理解しかなかった。しかし、日本はGDPの2倍以上の国債を発行しており、世界一の借金を抱えていること、現在のアベノミクスが国債の価値を一気に下げる可能性があり、日本が破綻する危険があることなどを知るにつけ、「国債」についてはもっと学ぶべきだと考えていたのだ。

昨日、またまた日本人会の無人古本コーナーに、新しい書籍が入っていた。「国債の歴史~金利に凝縮された過去と未来」(富田俊基著/東洋経済新報社・2006年6月発行)である。2006年度の日経・経済図書文化賞受賞と帯に書かれていた。定価はなんと6000円。これが、RM10(=270円くらい)で売られていた。(RM1が古本コーナーの基本原則なので、ここでも特別扱いである。)

冒頭にある「はじめに」を立ち読みしたのだが、すぐに引き込まれてしまった。

国債の歴史は議会とともに誕生したこと。絶対王政の時代は国王の借金は、元本も金利もきちっと支払われなかったし、国王の寿命が尽きた後後継者は借金を踏み倒すこともできた。しかし議会は恒久的な機関で、その決定から国民は逃れることは出来ない。故に信用力が高く、国王よりも低い金利で借金ができた。イギリスでは、名誉革命で国債が誕生した。国王は国債の発行の際は議会の承認が必要になったし、利子を生み出す恒久的な税を設定するよう議会が要求した。これによって確実な利払いが保障され、最も安全な資産という地位を確立した。

…なるほど。目次を見ると近現代の世界史にそった内容になっている。これは、私の学びにうってつけの本だと思ったのだった。おそらく他の本と併読することになると思うので、次の書評をエントリーするのはいつになるかわからない。だが、今日のところは、読み始めた、ということで…。

2017年10月6日金曜日

中東系ユダヤ人とその音楽世界

息子が東京で明日・明後日とコンサートと講演会を開くとのLINEが妻から届いた。うーん。親ばかではあるが、我がブログでも紹介したい。タイトルは、「中東系ユダヤ人とその音楽世界」であるそうだ。
https://twitter.com/eventbar_eden

10月7日(土)SSY外国語教室 
18:30~20:00 
10月8日(日)イベントバー・エデン 14:00~15:30

会場がどこにあるのかもしれないけれど、首都圏在住の読者のみなさんにお知らせしておきたい。曲目は、上記のアドレスに詳しく書かれているけれど、当然私はどんな曲かもしらない。極めていいかげんな紹介だが、とにかく親ばかということで…。もし、興味のある方がおられましたら…。

2017年10月5日木曜日

書評 イスラム化するヨーロッパ

今日は、「イスラム化するヨーロッパ」(新潮新書/三井美奈著・2015年12月発行)の書評をエントリーしたい。これも、日本人会の無人古本コーナーで手に入れた新書である。題名の通り、ヨーロッパに於けるムスリム移民について書かれたもので、イスラム復古主義に共鳴しホームグロウン・テロリストとなった二世・三世の境遇と、それを取り巻く社会について書かれたものだ。その取材の中心地は、フランスである。

およそ内容については想像しうる内容であったのだが、私が特に感じたことについて書きたい。私はフランスという国は、ヨーロッパの中華思想を体現した文化大国であると思っている。その矜恃たるや尋常ではない。イギリスにはイギリスの世界帝国であったという矜恃はあるが、ローマ帝国以来のヨーロッパの辺境・田舎という認識は抜けない。宗教的な心情では反カトリックではあるものの、フランスほど強烈ではない。フランスの政教分離への執念は極めて強い。カトリックでありながら、それを強要される事への忌避は、歴史的にもかなり古い。一方で、同じ一神教であるイスラムへの嫌悪の情が強い。これは、フランス文化への自信と愛着の裏返しのようである。この二国を比較すると、イギリスの方が比較的移民に寛容であるように見える。

お騒がせなB級新聞社だったシャルリー社が、その風刺画のためにテロに襲われた事件の後、フランスの新聞は一部を除き一斉にこの風刺画を載せ、表現の自由・政教分離を大々的に主張した。イギリスでもタイムズからガーディアンまでが掲載した。ドイツでは、大衆紙が掲載したが、フランクフルターアルゲマイネは、シャルリー紙を広げる読者のカット写真にとどめた。アメリカでは、ニューヨークタイムズ紙が「宗教的感情を故意に害する表現は一般的に掲載しない」と表明、AP通信やCNNも報道を見送った。アメリカは、英仏に比べ歴史的に宗教心は強い故だろうと思われる。一方、ワシントンポストは、「(NYTと同様の見解を載せた上で)今回はそうではない。」として掲載、唯一の全国紙USAトゥディも「通常は掲載しないが、今回は報道に値する。」とした。日本はと言うと、主要全国紙が全て掲載を見送った。自粛という日本的な感情である。

この辺の対応の相違、実に興味深いと私は思う。表現の自由と宗教の尊厳。実に難しいテーマだが、フランスの政教分離の伝統も十分念頭に入れたうえで、私は暴力行為はさておき、フランスのこれまでの植民地政策・差別政策・移民との格差といった構造的な暴力を顧みない点を、やはり問題だと思う。多文化共生を拝する率直な感情も理解しないではないが、他者の不幸の上に自己の幸福を築いてきたという、過去から続く(植民地支配の歴史を背負う人々の)痛みにあまりに鈍感なのではないだろうか。これは、フランスだけではなく、欧米の先進国全てに言えることだと思う。日本もまたアジアの中で欧米側に立っている事は間違いない。

2017年10月4日水曜日

IBTの話(128) 中秋と月餅

http://klmom.blog120.fc2.com/blog-entry-618.html
日本では、9月24日が中秋の名月であったようだが、ここマレーシアでは本日・10月4日が「中秋」となっていて、中華系の人々が「月餅」を頂いて祝うようだ。先月から、スーパーでは月餅コーナーが出来ていて、様々な月餅が並んでいた。(きっと明日からは残り物の値引きセールになると思う。まあ、12月25日以降のクリスマスケーキみたいな感じである。)

我がクラスの学生のお母さんが、IBTの先生方にと、手作りの月餅をつくっていただいた。IBTでは現役の学生からのプレゼントは、本来的に受け取らない決まりになっているのだが、元校長のK先生が特別に許可して頂いたおかげで、多くの先生方も月餅をおいしく味わった次第。残念ながら、妻はこの月餅が好きではないので、持ち帰ることをひかえた。まあ、糖尿病の正規軍である私にとっては、完全なる「毒」である。ひとかけらだけ頂いた。極めて美味であった。(もっと食べたい。)

秋の来ない夏・夏・夏・ココナッツのマレーシアの「中秋」。残念ながら今晩は曇天で、月を拝むことはできない。(現地時間9時前/おぼろ月になっている。)ちょっと残念である。しかし…。

中華系ばかりの我がクラスの学生は、「今晩はきっと花火が上がると思います。」と言っていた。うーん、それだけはご勘弁頂きたいところだ。また睡眠不足になるのは間違いない。

追記(10月5日):日本でも10月4日が中秋の名月であったらしい。花火は、9:30くらいに1カ所だけ上がっただった。

2017年10月3日火曜日

混迷の日本の政情を憂う。

マレーシアにあって、WEB記事で日本の政情を知るしかないのだが、どうも納得できないことが多い。政治とは権力争いであるし、党利党略で解散することは常道ではある。しかし、北朝鮮情勢が危うい中で、某2つの学校問題を丁寧に説明するといいながら、結局はその禊ぎのために解散したような感じを受けてしまう。ちょうど、野党・民進党が浮ついた時期を狙っての解散であったが、ここで「希望」という名のポピュリスト政党がスポットライトを浴び、その勢いに救いを求めるべく民進党は解党してしまった。はっきり言って、全く美しくない。自らの政治信条はどうなっているのだろうか。まだ、立憲民主党という「希望」から排除され結成されたリベラル派のほうがマトモに見える。

こんな中で、ダイヤモンドオンラインの保守派の論客・西部氏のインタビューを読んだ。我々の年代からすれば、微妙な立場の人物だが、その言わんとすることはなんとなく理解できる。少なくとも、政治屋家業に執着しているヒトビトの言を追っかけるよりは、充実した時間となった次第。
http://diamond.jp/articles/-/144344

せっかくウクレレを買ったし、少しは弾けるようになったので、「あ~あ、やんなっちゃった。あ~あ~驚いた。」と嘆いてみようかな。

2017年10月2日月曜日

クルドとカタルーニャ

http://polandball.blog.fc2.com/blog-entry-1932.html
イラク北部のクルド自治政府が、独立の賛否を問い、90%近い賛成票を得た。一方、スペインのカタルーニャ州政府も独立の住民投票を行い、投票率は40%と低かったものの圧倒的多数の賛成票を得た。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/09/post-8532.php
http://www.bbc.com/japanese/41464293

イラクの政府もスペインの政府も不安定である故の行動であると思われる。この動きは、さらにスペインのバスクやスコットランド、さらにベルギーのフランドル、イタリアのベネチアやドイツのバイエルンにまで影響を及ぼしそうだ。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171002/k10011164741000.html

…クルディスタンの独立に関しては、極めて根が深い。トルコやイランもからんで独立に向かうのは極めて困難であるだろうと思う。新たな中東での紛争が起こりえる危険をはらんでいる。今や、アメリカが世界の警察として、その意志も力も完全に喪失しており、英仏も過去の栄光はない。それどころか、先進国では、投資先を失い資本主義の終焉のような低インフレとデフレが進み、金融市場だけが肥大し経済格差をさらに拡大している。政治的にはポピュリズム化が進み、中国やロシアは、近代領域国家の逆走をして、領土拡大をはかろうとしている。

…まさに、脱コード化、スキゾでリゾームな時代に突入しているという実感が湧く。ドゥルーズの予測は、かなり当たっているのではないかと思うのだ。これから世界はどう動くのだろう。この2つの独立運動はその分水嶺のような気がしてならない。

2017年10月1日日曜日

アフリカに万里の緑の壁

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51217
BBCニュースJAPANに、BBCの番組「アフリカに巨大な緑の壁 地元経済再生へ」というビデオが掲載されている。アフリカに興味を持っている方は是非見て頂きたいと思う。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51217

セネガルから紅海まで、いわゆるサハラ砂漠の南縁のサヘル地帯に8000km、幅15km、11ヶ国にまたがる巨大な植樹計画である。現在のところセネガルではうまく進んでいるとのこと。枯れた井戸に水が戻り、樹木による影の影響で農地に必要な水の量も減り、砂漠化の進行によって故郷を捨てざるを得なかった人々も戻ってきて、地元経済の再生に役立っているという。

2007年に始まり、総工費$80億。世銀や国連、AU、英国王立植物園は寄付を約束しているそうだ。

…サヘルに対して、このような大規模なプロジェクトが進展することは、極めて重要であると私は思う。深刻な砂漠化に対しては、このような大規模な施策でないと追いつかないからだ。ただ様々な懸念がある。最大の問題はこの地に住む遊牧民とその生業の保障である。彼らの説得にはかなりの時間と経験を要するだろうと思う。また、太陽エネルギーなどの利用で、エネルギー需要を賄い、樹木の消費を減らす事前の準備も必要だと思う。このビデオでは、セネガルの農耕民の様子が中心だったが、遊牧民への理解と説得なしにはこのプロジェクトは進まないのではないか。繰り返すが、遊牧民は誇り高い。彼らの価値観は我々とは大きく違う。開発の名の下に正義を振りかざすことは絶対に避けて欲しいと思う。

こういう想いは京都大学のアフリカ地域センターでのセミナーで遊牧民の生活を学んだ故のことである。文化人類学と持続可能な開発を今こそ融合していく時代に入ったということだろうか。

2017年9月30日土曜日

日経 上がらない物価の謎

http://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa16-02/s2_16_1_1.html
少し古いが、9月24日付けの日経の3面に、「上がらない物価・世界を覆う謎」という記事が載っていた。以下は、その要約である。

米国のFRBが10月から量的引き締めに入ることを決めた。雇用が堅調故だが、肝心の物価は停滞したままだ。景気は底堅いのに低インフレが続く謎の減少は世界的に広がっている。

経済学界ではその原因を探る論争が盛り上がっている。新興国からの安いモノやサービスが流入していることや、労働者らの発言力低下で失業率が下がっても賃金や物価が上昇しづらい構造になっていることが原因とは、ニューヨーク大学のルービニ教授の説。
国際決済銀行(BIS)のまとめでは、6月の物価上昇率が1%に満たない国は15ヶ国。アイルランドなどはマイナスであった。(サウジ・イスラエル・タイも同様)成長著しいインドでも1.5%という8年ぶりの低水準である。(日本も失業率は20年ぶりの低さで、物価上昇率は0.5%)

低インフレの原因の理由として考えられるのは、原油安。WTIは現在1バレル$50ほどで推移している。マクロ経済の通説なら景気回復でこれだけ雇用が引き締まればインフレ圧力が高まってくるはずである。しかし日本をはじめとした先進国の賃金は上がらない。「グローバル化で企業はより安い労働力や資材にアクセスできるようになった影響が大きい」(BISのチーフエコノミスト)と分析している。国際分業が急テンポで進み、アジアでは単純労働がどんどん機械に置き換えられている。台湾のホンハイ精密工業などでは高度な組み立て作業も機械化され、コストダウンが進み生産価格が押し下げられている。供給力の問題の問題もある。世界の工場・中国だけでなく、新興国の成長率は鈍化しており、結果として大きな供給力に見合うだけの需要がなく供給過剰になっている。また、急速な電子商取引(eコマース)の拡大も物価低迷の原因と見る向きもある。同じ製品でも実店舗より安いネット通販に顧客が流れる傾向がデフレ圧力を強めている。

この低インフレ現象をどう見るか。今なら金融・通貨政策の選択肢は広い。欧米では長期緩和政策から正常化へと舵を切る動きも出ている。ただ、物価は「経済の体温」を示すものなので、拙速な判断は慎むべきだろう。

…職員室の机上に溜まった日経を自宅に持って帰って、たまたま発見した記事だが、極めて重要な示唆がある。先日エントリーした「リフレはヤバい」(小幡績著)の指摘通り、また米国のシェールガス・オイル産業の発展後の経済を予測した「シェール革命後の世界勢力図」(中原圭介著)の予測通りの展開と成っているからだ。これまでのマクロ経済の定説では理解できない現代世界の経済のダイナミズムがそこにあるような気がする。

アベノミクスは、インフレを起こし、賃金を上げ、消費を拡大、景気を回復するという。これって、もう完全に行き詰まっているような気もする次第。

2017年9月29日金曜日

IBTの話(127) 電子レンジと蟻

マレーシアは熱帯であるから、当然のように昆虫が多い。蚊が最も厄介だが、蟻もまたやっかいである。ちなみに、ゴキブリもいるが、日本と比べて断然動きが遅い。(笑)今日は蟻についてのエントリー。大きいものから微少なものまで蟻も実に多種類である。

IBTの職員室にはちょっとしたキッチン・コーナーがある。冷蔵庫・電子レンジもあって、流しには、ありがたいことに、よくお菓子やフルーツなどが置かれている。当然だが、蟻がたかる。小さな蟻だ。先日、その蟻が電子レンジ内に侵入したという事件があった。不思議なことに、蟻は死なかったので、みんなびっくりしたのだった。

ちょうど日本人会の無人古本コーナーで手に入れた「安野光雅の異端審問」(朝日文庫)をバスの中で読んでいたら、「蟻は乾電池で感電死するだろうか」という一節があって、実際に実験したら全く異常がなかったらしい。上野動物園水族館館長の話によれば「蟻は外骨格といって、人間でいう骨が全部よろいかぶとのように覆っているので感電しないでしょう。」とあった。殺生しないで済んだ、とは作者の結びの言葉である。

…なるほど。電子レンジで生き延びたのは、そういうことか、と思ったのだが、WEBでさらに調べると、蟻は水分が少ないとか、マイクロ波にうまく当たらなかったとか、さらに、いろいろ理由があるようだ。まあ、まさにどうでもいい話だが…。
http://www.narinari.com/Nd/20090611758.html

この「安野光雅の異端審問」(朝日文庫)は、そんなどうでもいいような疑問を提示して解答が書いてある変な本だが、案外こういうハナシは授業のネタになるので買ってみたわけだ。もちろんRM1である。

2017年9月28日木曜日

アベノミクスは正しいのか?

IBTの学生に経済学を教えるに当たって、社会科学は法則性を追求するけれど、いろんな視点があり、これが正解だというものはない、これとこれが正しそうだ、というくらいである。自然科学のような絶対的正解というものはない。ましてや、経済学の基盤には、損得だけで動く「経済人」がいかに行動するかというモデルケースが語られるにすぎないことを、まず教えることにしている。

もちろん、EJUで出題される経済の問題は、現在の経済学的常識の基礎である。したがって、コレに対する異説を教えるには早すぎる。せめてEJUが終わってからかな、と思う。このところ、そういう経済学の本を2冊読んだ。私は、文学部の出身で、エコノミストではないし、その是非の判断はつかないが、アベノミクス(批判する側からはアホノミクスと呼ばれている)を牽引するリフレ派の経済学は、たしかに少しヤバそうな気がする。

そのうちの1冊は、小幡績氏の「リフレはやばい」という本(ディスカヴァー携書/15年1月)である。日本人会の無人古本コーナーで見つけて先日完読した。要するに、アベノミクスのめざすところ「インフレを起こす」ということ事態が無理な話である。「円安」より「円高」の方がよい。デフレは=不況ではない。日銀の独立性を政府は日銀法の改正で支配下に置いてしまった。このまま行くと国債の価値が下がり、日本経済は破綻する。というのが、主な主張である。

かなり新鮮であった。前述のように、経済学の正義というものは一筋縄ではない。こういう考え方があるというのを知っておくことは大事だと思う。

今日、衆議院が解散した。様々な憶測が流れているが、こういうアベノミクスの是非を真正面から取り上げる気は政治家にはないようだ。それ以前に民進党は保身に走った。捨て身の合流・野党再編と見る向きもあるが、ポピュリズム的にしか私には見えないのだが…。

2017年9月27日水曜日

ヘイズと妻の咳き込み

ヘイズの時のペトロナスタワー https://asia-tropicallife.blogspot.my/2015/09/
インドネシアの焼き畑農業による煙害をヘイズと呼び、マレーシアではスモッグのような状態になり、一気にノドがやられたりする。日本で言えば黄砂のようなものだ。だいぶ前のことになるが、引っ越ししてから、ヘイズの日が数日あった。

新しい部屋は風通しが実に良いので、妻は非常に喜んでいた。ところが、このヘイズ以来、おそらくはクアラルンプールの車の排気ガスなどの影響も加わって、部屋の空気が実に悪くなったようだ。風通しは良いが故に、そういう呼吸器に良くないものもだいぶ入ってきたらしい。妻は、これにやられてしまったようで、ひどい咳き込みをするようになった。妻に聞くと、こういうKLの空気の悪さに呼吸器をやられた友人が多いのだという。友人は、いざというときのための気道を広くする薬を持っているとのこと。一度シュッシュと吸い込むと楽になるらしい。

そういう前提を示したうえで今日の話になる。今日はIBTの定期試験の最終日で、比較的余裕があったので3時すぎから帰らせて頂き、妻とモントキアラの日本語の通じるクリニックへ、その薬をもらいに行ってきたのだった。意外に交通費(タクシー代)も治療費も安く済んだし、何より妻が(薬を手に入れたことで)安心したので、私もホッとしたのだった。

中進国マレーシア。公害の先進国であった昔の日本をちょっと彷彿とさせる話である。

KLCCで「能」を観る。

日本の能舞台での船弁慶 https://www.jfkl.org.my/events/noh-performanc
日馬国交60周年の記念行事で、KLCCまで「能」を見に行ってきた。いつものようにM先生ご夫妻と同伴させていただいた。日本でも観たことがない「能」をマレーシアで観れるとは実に想定外である。そのチケット代も考えられないほど安い。RM50である。日本なら1万円以上するところである。

演目は、船弁慶。もちろん初めてであるが、WEBで下調べしたら、源義経と静御前の別れの舞と船出してからの平家の亡霊との戦いというストーリーである。今回は、最初にマレーシアの人々に解るように、丁寧な説明が日本語と英語であって、それが実に分かりやすかった。行われた場所はKLCCのクラシックコンサートが行われる場所で、必要最小限の能舞台を設定したに過ぎないが、重厚な会場で、しかも観客のイマジネーションが能では重要だと言うことで、全く問題はないし、違和感もなかった。
会場となったペトロナス・フィル・ハーモニック・ホール
https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298570-d804145-Reviews-Dewan_Filharmonik_Petronas-Kuala_Lumpur_Wilayah_Persekutuan.html
私が強い印象を持ったのは、舞台で行われている演技の関係しない時のキャスト、笛・太鼓、あるいは地謡と呼ばれるコーラス、さらには小道具のスタッフが、全くの沈黙とストップモーションを辛抱強くしていることである。これが凄い。静と動。このコントラストが能の最も大きな魅力ではないか、と感じた次第。

事前の丁寧な解説のお陰で、実に楽しめた。船が出てくるのだが、かなりの想定外のモノだったし、解説通り「皆さんびっくりされますよ。」だった。見所が満載で、意外といっては失礼だが、全く退屈などしなかったのだ。
この「能」に誘って頂いたM先生に、今回も夫婦揃って大感謝である。

2017年9月25日月曜日

NFL選手の抗議に賛同する

http://www.afpbb.com/articles/-/3144109?pid=19406290
政治家というのはプラトン以来、理性を備えた哲人が行うべきものだというのが欧米の伝統的思考だと私は感じている。米大統領の北朝鮮や韓国・中国の指導者への侮蔑的な発言は、アジアの礼を重んじる儒教的な背景を全く理解していない。日本の政治家なら、政治家の資質なしとの烙印を押されるはずだ。実際秘書への暴言・暴行で追い込まれた女性議員もマスコミを賑わせている。

大統領の思慮に欠ける黒人やヒスパニック、ムスリムへの差別的発言は、益々国内を分裂に導いている。ついに、NFLの選手達が立ち上がったようだ。国歌斉唱・国旗掲揚時に膝を突いて、その意思を示しているらしい。過去のオリンピックの表彰時に拳を突き上げた黒人選手は有名だが、アメリカで最も(野球以上に)人気のNFLの各チームで行われているところが凄い。おそらく、そのうちNBAにも伝播するだろうと思う。

アメリカでは、国歌・国旗は合衆国国民としてのアイデンティティそのものである。日本は単一民族で、しかも戦前の戦争でのイメージもあり、国歌・国旗については微妙な問題がある。これは単一民族故に国家統合の必要性がない故の、ある意味贅沢な論争であって、アメリカのような多民族国家では、”国民になるため”の必須の条件であると私は理解している。今回NFLの選手達の行動は、あたかも大統領選直後にカナダへの移住申請の膨大な問い合わせがあったのとほぼ同じであるといえよう。かの大統領の下で、アメリカ国民であることに逡巡している姿だと私には見える。

私は、彼らを「クソ野郎(直訳はあばずれの息子)」と呼ぶような非理性的で非哲人的な人物に、北朝鮮問題で日本が生殺与奪を握られていると思うと、悔しくてならないのだが…。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51160

2017年9月24日日曜日

幼稚園児のケンカにつき合うな

http://polandball.blog.fc2.com/blog-entry-4219.html
先日から始まった国連総会の演説で、米の大統領の発言に端を発して、北朝鮮が猛反発している。たしかに、国連という場にふさわしくない米の大統領の演説であった。(というより彼自体が国連という場にふさわしくないと私は思うのだが…。)とはいえ、私の印象はいつもの馬鹿げたツィートよりは、はるかにマシな表現であったと思っている。

これに対しての北朝鮮の反応はこれを宣戦布告と捉えてのものだ。しかもこの後声明が出て、米大統領を呼び捨てにしてののしったものであった。かたや、ロケットマンと揶揄したり、およそ、両方とも国家元首の言としてはあまりに幼稚だ。

ロシアの外相は、同じ国連総会でこれを「幼稚園児のケンカのようだ。」と指摘したが、私もそう思う。このような彼らに自国だけでなく、日本や韓国の関係国の国民の生命を託しているのかと思うと不愉快極まりない。日本のポチ度は、国連でもさらに上がって、対話の時ではないときた。完全に米と一蓮托生である。私は彼にも日本を託したいとは思わない。

おそらく米の先制攻撃は、すぐにはない。いくら幼稚園児でも周囲は大人のハズである。とはいえ、この不安定な状況下、日本は、平和を求め、ひたすら巻き込まれないようにするしかない。それが、大人の道だ。理性的判断を失わせないようにしなければならない。北朝鮮はまだその理性(かなり道具的理性だが…)が残っていると思われるが、米大統領への不信感はすでにMAXだ。
http://www.afpbb.com/articles/-/3143978?cx_part=latest_article

日馬 Friendship Concert 2017

先ほど日本とマレーシアのFriendship Concert 2017から帰ってきた。(現地時間23日のPM11:20)
SUNWAY Lagoon Surf Beachというテーマパークの野外ステージで行われたものだ。知人の娘さんがこのイベントの関係者で、正直なところ義理で行ったようなものだった。
日本のアーティストも名前も知らない人ばかりだったし、マレーシアのアーティストはなおさらである。ところがこれが非常に良かったのだ。

マレーシアは、意外かもしれないがこういう舞台イベントが非常に盛んで、演出や照明も実に凝っている。しかし良かった最大の原因は、何と言っても、出演者のパフォーマンスの質の高さであった。

私が特に気に入ったのは、マレーシアのロックバンドのBUNKFACE。かなり完成度の高いバンドだ。
http://www.theaureview.com/asia/interviews
/singapore/bunkface-malaysia-talks-about-music-matters
それと、開演前のプロモーションビデオで強烈な印象を植え付けられ、実際の演奏を聴いておののいたのが、Charisma.comという日本人女性2人組ののラップである。うーん、日本の音楽シーンは、私が知らないうちにかなり進化していると思ったのだ。

最後は土屋アンナがトリをつとめて、素晴らしい歌とマレーシアと日本をつなぐような曲をわざわざマレー語で歌い上げてくれた。コンサートのポリシーが、そのまま最後まで貫かれた素晴らしいコンサートだったと思う。

2017年9月22日金曜日

パパイアの値段

http://papaya-univ.com
/sociology/agri/race
朝から晴天のイスラムの元旦である。晴天というといいように聞こえるが、ストロングな太陽光線の下、歩いてDマートに買い物に行くのには難儀である。曇ってくるのを待っていた。ちょうど良い具合になったので、出かけたのだ。

私は、あまり運動をしない。コンドのプールにも長いこと行っていないし、ジムにも行っていない。この買い物くらいが運動である。帰路は坂道なので、ちょっとばかり汗をかく。

マレーシアのスーパーは、パックに入った野菜や果物以外は、プラスチック・バック(ビニール袋)に入れて重さで決まる値段のシールを貼って貰うシステムである。パパイヤやドラゴンフルーツなどその日の値段が1kg何リンギというふうに書いてある。今日はパパイヤが特に安かった。熟れ具合を見てこれぞというパパイヤを選ぶ。最近はローカルの人並みに品定めができるようになった。

さて、買い物を終えてレジに行ったら、レジ係のミャンマーの青年がパパイヤを見てなにやら他の店員に言っている。「?」後で解ったのだが、パパイヤにRM33もの値段が付いていて、彼が不審に思ったのだ。もう一度値札をつけ直してRM2.2。(笑)店のミスとは言え、彼の機転に感謝である。タマンデサのDマーケットは、完全にジャパニーズ・スタイルである。なんだか、嬉しくなってくる。

2017年9月21日木曜日

明日はAwal Muharam

マレーシアを代表するモスクの1つ。シャーアラムのブルーモスクである。
https://www.easyparcel.my/blog/announcement/holiday-
notice-awal-muharram-coming/
明日は、マレーシア国内はイスラム歴(ヒジュラ歴)の1月1日なので休日である。どういうわけか、昨年度の休日予定から変更が生じて、今日から明日に変更になった。多くの先生方は3連休だが、私は土曜日に補習があるので、明日はとりあえずの休息日である。

国連総会での米大統領の演説は、政権のナショナリズムを基調に、北朝鮮への強烈な対抗姿勢を明確にした。とはいえ、まだまだ問題解決には余裕を持たせている。片手に戦術核、片手に対話歓迎といった感じだ。ドイツのメルケル首相は、ガツンとアメリカの非対話姿勢を批判した。日本の首相はポチとして飼い主と共に吠えて見せた。韓国はこのタイミングで北朝鮮への人道支援を行うと発表した。先日までB1Bと韓国のF15が爆撃訓練をしていたというのに、である。中国は、唐突に日本への観光客規制を表明。うーん、まったくのリゾーム状態である。それぞれが勝手な方向にベクトルを向けているような、なんとも非コード的な国際情勢である。

これまで、ISを中心としたシリア・イラク情勢がクローズアップされてきたが、一気に北朝鮮へ。さらにロヒンギャの問題へとシフトしている。マスコミの光のあて方にもよるのだろうが、日々刻々変化していく。まさに情報リテラシーが重要だと思う。

ともあれ、明日は休息をとるつもりだ。

2017年9月20日水曜日

IBTの話(126) マレーシア語

日本人会の無人古本コーナーに、「ニューエキスプレス・マレー語」(白水社)というマレー語を学ぶためのテキストがあった。CD付きで、本来の価格は2700円である。これをRM5で買った。妻が、以前から興味を持っていたので買ったのだ。日本人会のサークルにもマレー語講座があって、妻は日本人会に入るとしたら、この講座に参加したいと以前言っていたのだが、日本人会に入ることに躊躇して1年たつ。と、いうわけで私は買って帰ったのだ。

言うまでもなくマレー語は、マレー系の人々の言語であり、マレーシアの「国語」である。よって、わがクラスの中華系の学生も当然習得している。しかしクラス内は中国語(と、いっても広東語や客家語、潮州語などの違いを止揚したマレーシア独特のの中国語らしい。)が飛び交うのみで、マレー語をほとんど聞くことはない。

授業で、ちょっとシーク教の話が出てきて(確か日本国憲法の信教の自由についてのEJUの問題を解説していたときだと思う。)、「グル」について語っていたら、「それ、マレー語では先生という意味です。」と教えてくれた。「○○先生」という時ではなく、「私の職業はグルです。」というふうに使うのだそうだ。なかなか面白い。マレー語にはインド系の語彙も入っているようだ。普段使わないので意外に感じたが、彼らは当然マレー語も堪能なのだ。

ところで、このマレー語という表現は正しくない。普通に使われているのだが、私が尊敬する日本留学の先駆者であり、マレーシアの日本語教育の先駆者でもあるラザク先生は、「マレーシア語です。」と主張されている。マレー系の人たちの言語ではなく、マレーシアの国語であり他の民族にとっても国語であるから、という意味合いが含まれているのだ。したがって、私は今回あえてマレー語という表現をしたが、本来はマレーシア語と書くべきなのだ。

そのラザク先生(お亡くなりになってからはご子息)は、我がIBTの株主でもある。おそらくIBTからお願いして株主になっていただいたに違いない。ラザク先生のご一家は、その配当を全て本校の奨学金として毎年使われる。これがラザク奨学金である。今日、その募集要項の発表があった。私費生で、経済的に奨学金が必要な優秀な学生にRM5000が、大学入学前の物いりな時期に贈与される。今現在で日本円にすると13万円以上になる。校内選考の後、ご子息との面接もある。日本語での出願理由書とマレーシア語もしくは英語の翻訳が必要である。我がクラスからも是非、この名誉ある奨学金を受けて欲しいと思っている。

2017年9月19日火曜日

IBTの話(125) 再テスト AR

リトルロック高校事件の時のTIME 誌
https://ja.wikipedia.org/wiki/
総合科目の授業では、テキストにある練習問題を解答している。地理、歴史、経済の分野を終え政治分野に突入した。アメリカの政治体制については、毎回のようにEJUで出題されているのだが、州の独立と連邦政府との関わりの問題があって、いつものように脱線してしまった。

アーカンソー州のリトルロックの高校に黒人生徒が入学するハナシである。州知事がぞれを認めず、州軍と連邦軍がにらみ合ったという事実を語ったのだった。公民権運動についてもすでに語っているので、なるほどというわけだ。私などは、「そんなことをしたら、あーかんぞう。と言って連邦軍が来た。」などと関西弁の混じったシャレを言ったのだが、大爆笑になった。それだけ、日本語能力が高まっていると言うことである。

ところで、わがIBTでは、日本語の授業で多くの宿題やテストがあって、学生は毎日ヒイヒイ言っている。小テストやまとめテストで正解率80%を割ると再テストになる。昼休みなどに職員室で合格するまで受け続けなければならない。語学を学ぶというのはこういう地道な努力の積み重ねで、極めてパラノな戦いなのだ。その再テスト、K先生がずいぶん溜まっている学生がいるという。昼休みにそのリストを見せて頂いた。

今日の補習は社会だったので、再テストを受けてない学生は、まず再テストを受けるよう指導した。日本語の力の上に総合科目はあるからである。結局、7時まで私は残ったのだが、K先生の指導はさらに続いたのだと推測される。熱心なご指導に頭が下がる思いである。かなり後ろ髪が引かれたが、明日のこともあるので帰宅の途についたのだった。

再テストを貯めたら、あーかんぞう(アーカンソー:州コードはAR)。

2017年9月18日月曜日

朝の650番バスの風景

住処から見たタマンデサ中心部の風景
私の住むタマンデサには、650番のバスが走っている。時刻表などないし、極めて不安定なスケジュールで走っている。だいたい7時15分頃にバス停に立つ。今日などはすぐにバスが来たが、誰も乗っていない。摩訶不思議である。推測だが、タマンデサの最初のバス停が始点なのだと思う。私の乗るバス停は2つ目だからさもありなん。無人のバスに乗り込むのはなんとなく不安である。(笑)

普段は、陳さんという同じコンドに住む中華系の壮年や、インド系の壮年(2人いる)と同じバスに乗る。インド系の人はコンドの前でバスが来るのを待ってくれていて、来たらバス停に向かってくる。「coming Soon!」と合図してくれる。1ヶ月前くらいから中華系の若い女性も朝のバス友の仲間入りをした。いつも携帯を見ているので挨拶程度だけど。

バス停で待っていると、少し背の低いバングラディシュ人かインドネシア人の清掃スタッフが姿勢良く歩いてくる。なんとなく挨拶をするようになって1年以上になる。同じく、2人組の青年も来る。彼らと会うのはバスがかなり遅れている証拠だ。(笑)最近二人とも自転車に乗ってくる。給料を貯めて買ったんだと思う。いつも笑顔で挨拶する仲だ。

バスに乗っている人々も顔なじみだ。どこで乗り、どこで降りるのかもだいたい知っている。(笑)先日、新しい愛想の良い運転手が、道を間違えるという事件があった。乗っている乗客は大騒ぎ。みんなで左へ迂回すべきだとワイワイ言っていた。普段はみんな大人しいのだけれど、緊急の場合はそうでもない。結局、Dマーケット前のバス停には寄らず、2人ほどの待ち人は見捨てられてしまったのだった。日本では考えられないハナシだ。

IBTの国費生の寮になっているコンド前のバス停からも多くの人々が乗ってくる。その次のバス停は、インド系の人が多い。満員状態になる。ここで、時々目の不自由な中華系のご婦人が乗ってくる。民族を問わず、必ず優先席に座らせる。タマンデサをぐるりと一周して、いよいよミッドバレーへ向かう。バイクがバスと車の間をすり抜け走り去っていく。日本であんな運転をするとえらいことになるが、みんな平気だ。私がこっちで車を持たない最大の理由である。ローカルバスはいろいろあるけれど、やっぱり好きなんだなあ。

2017年9月17日日曜日

アメリカの先制攻撃ナシ論

アントニオ猪木が帰国してから、北朝鮮がまたまたミサイルを撃って、正距方位図法で見ると、グアムに十分な距離まで飛ばして見せた。今回も日本は迎撃しなかった。それでいいと思う。ここに来て、WEB上では、アメリカは先制攻撃など出来ないという論調が強くなってきた。

たとえば、これまでのアメリカの戦略で、空母の数が少なすぎるという軍事的な見方がある。リビア空爆時は3隻、湾岸戦争時は6隻。アフガン攻撃時は4隻、イラク戦争も6隻。北朝鮮の航空戦力はたいしたことはないが、イラン製のレーダーとロシア製のコピーの地対空ミサイルを配置している。西太平洋にある空母の現状はロナルド・レーガン1隻。他は中東に展開中だったり、訓練中だったり、ドッグで整備中。口でいくら過激な発言をしようと、本気でファイティングポースすら取っていないことは確かだ。
http://bunshun.jp/articles/-/4065?page=2

空母なしで、先制攻撃するとはちょっと考えにくい。グアムや在日米軍基地からの限定的な攻撃で片が付くとは思えない。まして、ハリケーン被害も重なってアメリカの内政がここにきて大きな危機を迎えている。まあ、完全に北朝鮮にその辺を見透かされている。

今日、衆議院の年内解散という話が出てきた。と、いうことは益々アメリカの先制攻撃なしという推論が正しくなる。国家の非常時に衆議院解散はありえないからだ。おそらく、官邸はアメリカから先制攻撃なしという言質を得たのではないかと私は思う。北朝鮮が自ら先制攻撃をすることは自殺行為に等しい。よって、いくら過激な発言をしてもないといえそうだ。危ないのはアメリカの方である。予防戦争などと言う理由で日本や韓国が被害を受けることは徹底して避けるべきだ。衆議院の解散云々はともかく、戦争回避できるならそれでいい。

2017年9月16日土曜日

マレーシア・デーに想う

https://www.askideas.com/16-september-malaysia-day-malaysian-flag-facebook-cover-picture/
マレーシア・デーである。休日なのだが、KLでは先日の独立記念日とは盛り上がりが全く違い、静かだ。今日は、ボルネオ島のサバ州・サラワク州がマレーシアに国民投票で連邦に参加が決定した日なのである。(シンガポールは後にマレーシア連邦から離れた。)

サラワク州は大幅な自治が与えられていて、KLから旅行するにはパスポートを持っていかねばならない。しかも日本人なら3ヶ月入国可能だが、半島部のマレーシアのパスポートなら2週間に限定される。これは、サラワクの民族構成・宗教構成が半島と異なり、マレー系はガバナーでありながら少数派であるためだ。イバンの人々など先住少数民族がマジョリティで、アニミズム信仰も多いし、キリスト教徒も多い。実際、IBTにも、サラワク出身でキリスト教徒のマレー系の国費生も学んでいる。要するに半島部とはかなりの違いがあり、経済的な格差も大きい。10年遅れていると言われ、政府も開発に力を入れている。先日紹介した「マレーシア新時代(三木敏夫著)」にも、このあたりの事情が書かれていて、気になるところである。

私はもちろんボルネオ島には、行ったことがないので大言壮語するつもりはないが、マレーシアを理解する上でもかなり重要な地域であると思っている。

IBTの話(124) OB・OGの来校

http://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/about/index.html
日本の大学は今夏休みで、IBTのOB・OGが毎日のように来校してくれている。先陣をきって来校してくれたのはマレー系の国費生男子学生で10人くらいで来てくれた。彼らは2年間寮生活をしてきているので、文系・理系もなく団結が強い。みんなで富士山に登ったとのこと。久しぶりに顔を見て実に嬉しかった。私のよく知る文系の学生諸君は、さらに日本語も流暢になって成長を印象づけてくれた。実に面白かったのは、彼らがマレーシアに帰ってきて最初に食べたものは、ケンタッキー・フライドチキン。これは例年のことらしい。(笑)何故かというと、日本のKFCはハラル(イスラム教の食事規定)のものではないため、食べたくても食べれない。だから故国に帰って何よりも先に食べるのだそうだ。

次に国費生のOG達も帰ってきた。同じ大学の学生を連れて来るOGも多い。日本の友人にマレーシアを案内しているとのこと。マラッカにも行ったらしい。日本の友人はさすがにピカチュー(本年4月2日付ブログ参照)には乗らなかったとのこと。(笑)KLセントラルの近くの安宿に泊まっているらしい。さすが学生。それでいいのだ。

昨日は私費生(中華系)のOGが来てくれた。岡山大学と長崎大学。実は、この両大学の受験を考えている学生もいて、大学の様子を伝えてもらった。ちょうど金曜日で、イスラムの男子学生がモスクに礼拝に行く日なので昼の休憩が長い。ミッドバレーのモールで食事を取りながらいろいろと伝授してくれたらしい。ありがたいことである。私と話していて、面白かったのは長崎の話。長崎は食べ物が実においしいのだが、こちらの学生にはかなり甘いらしい。おそらく、日本全国甘めに感じるだろうと思う。日本のマクドナルドにはチリソースがないのが不思議(本年3月11日付ブログ参照)だったそうだ。(笑)

おおむね、みんななんとか授業について行っているようだ。日本人学生や他の留学生の友人も出来、サークルにも入って学生生活を満喫しているようで、実に嬉しい。

2017年9月14日木曜日

IBTの話(123) 進路指導の話

9月に入って、正規の授業以外の仕事、すなわちクラスの私費学生の進路指導の仕事が多忙を極めてきた。我がクラスには、現在23名の学生がいるが、進路については、およその4パターンがある。私立大学への進路を考えている者。国公立大学を第一志望としている者、専門学校への進学を考えている者。日本留学はせず、日系企業への就職や家業につく者。このうち、最も早くから進路指導を行ったのは、専門学校への進学者である。N2(日本語能力試験2級)もしくはEJUで日本語の点数が200点を超えると、専門学校への道が開ける。(反対にないと開けない。)6月のEJU、さらにはN2の結果を受けてすぐに動き出した。次に私大であるが、難関私大を受験する者と、比較的入りやすい大学を受験する者に別れる。我がクラスでは、難関私大志望者は2名。すでに、願書を日本に送付済みである。
一番大変なのが、国公立大学を第一志望にしている者である。IBTでは、国公立大学に合格したら入学金を返還してくれる設置者の帝京大学があるので、ここと併願する者が多い。マレーシア在住の学生にとって、日本の大学の難関度など全く解っていない。最初、「一橋大学を志望しています。」などと宣った学生がいて、後ろにこけたこともある。(笑)まずは、大学の難易度を示すところから始まった。

現在のところ、一応の志望校は固まりつつある。参考にする資料は、私費留学生の受験データである。日本の予備校の万歳システムのようなもので、我がIBTもこの資料作りに参加している。その最新データが今日、IBTに届いた。意外に一昨年度に比べてかなり難関になっている大学もあった。

一方、難関私大に挑戦する学生の小論文指導なども行おうと、過去問をネットでゲットしたら、内田樹先生の文章がでてきたりしてびっくりした。レヴィナスの話が出てきたので、間違いない。これは、なかなか難しい小論文問題だ。

なんやかんやで超多忙な担任生活を送っている。きっと日本の進路指導よりはるかに大変であると思う。雑談でも、日本各地に散らばる国立大学への航空便のハブ空港の話になったりするのである。まず羽田にKLから飛んで、その後、こうして、次に中部国際から乗り継いで…。まるで旅行会社のような担任業務もある。(笑)

2017年9月13日水曜日

正義のヒポポタマス(?)

http://karapaia.com/archives/52245643.html
北朝鮮への石油禁輸をはじめとした安保理決議は、ロシア・中国とアメリカの妥協によって、全会一致の比較的ユルイものとなった。私は、これでいいと思っている。日本が戦争に引きずり込まれるよりははるかに良い。アントニオ猪木も国連事務総長も、プーチン大統領も、米大統領のまともな側近の軍人も、よく頑張ってくれたと思うのだ。正義はどこにあるのか?不幸になる人間が最少限であることが、今回の正義ではないか。予防戦争なんて迷惑の極みである。

ところで妻は、WEBで面白い記事を見つけるのが趣味になっているようだ。先日も変な記事を見つけてきた。南アのクルーガー国立公園で、ワニに襲われたヌーを2頭のカバが救ったという記事だ。うーん、凄いな。正義のヒポポタマス。
http://karapaia.com/archives/52245643.html

私はケニアで、ピーター・オルワ氏に「カバが一番恐ろしい。」と習った。ピーター・オルワ氏は、実は日本の動物の専門学校の非常勤講師でもあり野生動物観察のプロでもあった。記事もあるが、おそらくこれはカバが縄張りを主張した行動であろうと思う。だが、実際には、ヌーを救ったように見えるのは間違いがない。弱肉強食の野生動物の世界では、正義など当然存在しないのだろう。

ところで、今回の北朝鮮の制裁に関しては、2頭のカバの役目をロシアと中国がしたような感覚が私にはある。もちろん、カバはカバなりの立場と利益があってこその行動だと思う。ちなみに救われたヌーは北朝鮮ではなく、日本と韓国、あるいは世界経済そのものである。
ではワニは…?

2017年9月12日火曜日

ラザク先生 名誉博士号の記録

https://www.hiroshima-u.ac.jp/ialumni/news/8928
クアラルンプールで、近々、ラザク先生のご子息が平和について講演をされるらしい。
何度かエントリーしたが、故ラザク先生は南方特別留学生として、東京空襲と広島での被爆を経験しながらも、帰国後マレーシアで日本語教育に携わった先駆的な教育者である。ご子息もまたマレーシア教育界で重要な地位を占めておられる。我がIBTにも、ラザク先生のお孫さんが先の国費生の卒業式に来られたし、ラザク奨学金というものもある。関わりは極めて深い。

ラザク先生の「わが心のヒロシマ」がもう一度読みたくなって、社長室に借りに行ったら、広島大学が出版した「被爆した南方特別留学生への名誉博士号授与の記録」が、その横に置かれているのを発見した。(両方とも3冊くらい本棚に並んでいた。)実に貴重な記録である。さっそくこれも借りて一読してみた。式典での、ご本人や親族、大学関係者、日本大使館の挨拶なども丁寧に記録されており、しかも関係者の寄稿として、広島大学の校庭でラザク先生たち異国の留学生と一週間野宿し、彼らに励まされたという思い出をお餅の栗原明子さんの文章は、普通のご婦人が書かれたもので、決して上手い文章ではないが、実に胸にせまるものがあった。京都で原爆症が悪化し没したオマール氏(ラザク先生と共にマラヤから派遣されていた。)の様子について書かれたラザク先生の栗原さん宛の葉書も記録として残されている。この葉書の内容は、オマール氏の死を伝えながらも、栗原さんをすこしでも悲しませないように、明るい調子で書かれている。ラザク先生の御人柄を偲ばせるものである。

以前エントリーした兵庫県立大学の宇高先生も寄稿されているし、1997年に発行された南方特別留学生招聘事業の研究(江上芳郎)から、抜粋された被爆の詳細な記録も載っていた。なかなか凄い記録なのであった。

こういう蔵書をもつIBTを、改めて誇らしくと思うのであった。

2017年9月10日日曜日

中国の若者の「喪の文化」

http://img1.gooread.com/images/20170503/361e8a21f5a758d7b3c2ad8d02eb7bce.jpg
ロイターのWEBページに「焦点:中国のミレニアル世代に蔓延する自虐的喪の文化」という記事があった。社会学的な視点から、ミレニアル世代(18歳~35歳くらい/3億8000万人)の悲哀を綴っている。
http://jp.reuters.com/article/china-congress-millennials-idJPKCN1BJ0S0

北京に「喪茶」というチェーン店があるそうだ。「何も達成できないブラックティー」「元彼(女)の方がいい生活をしているフルーツティー」などの冗談半分の名の付いたお茶がメニューらしい。ミレニアル世代にとって、今後のキャリアや結婚の見通しは暗い。希望を失った彼らは、ソーシャルメディア上で「喪」という態度を示しているとの事。皮肉に満ちた敗北主義を楽しむのが「喪」の文化だという。「喪」の文化を代表するネット著名人のある日の投稿。「今日は社会主義のために戦いたいと思っていたけれど、あまりに寒いのでベッドに寝転がって携帯電話をいじっている。」

この背景にあるのは世代の格差である。この上の世代は、(資本主義化の波が到来したために)思いもよらない機会に恵まれたが、この世代にはそのような希望がない。大学卒や留学生の希少価値は下がりつつあり、それが初任給に如実に現れている。住宅価格の高騰や晩婚化なども大きなストレスになっている。彼らの不満がネットに沈滞するわけだ。当然、政府はこのような動きを座視するわけがない。人民日報にも、これへの批判記事が載ったそうだ。

…現代中国の抱える社会的な病巣のひとつだといえそうな「喪」の文化。だがこれは、先進国と共通するものであるだろうと思う。そうか、言論や表現の自由度が低い中国でも、押さえがたいペシミズムを若者は共有し発信しているのかというのが私の感想だ。私自身は、教育者として、ペシミズムの対蹠点にある存在である。だが、若者は本来的にそういうペシミズムを抱え込んでいるものだ。それが、「喪」という漢字で表現される中国の凄みを感じるが、決して新しい動きではないと私は思うのである。

2017年9月9日土曜日

エチオピア 観光開発の失敗

国立公園内で行われる放牧 https://synodos.jp/international/20205/2
エチオピアのネチザル国立公園の保護・管理・保全・をオランダのアフリカンパーク財団に委託させ失敗に終わったという福島大学の西崎信子教授(行政政策学)の論文が掲載されていた。

エチオピアは、他の東アフリカ諸国のような私有地化が進んでおらず、社会主義政権時代以来国土全体が国有地でり、野生動物の保護地域が拡大されたのはよいけれど財政的には厳しい状況で、管理保全を政府が行う余裕はなかった。そこで、先進国の環境保全に積極的なNGO(前述の財団)に民間委託された。
観光業は、うまくいけばかなりの経済効果が見込めるし、雇用も促進する。エチオピアも、2004年に財団に委託した頃から経済成長も順調になったので、インフラやホテルなど観光産業も開発し、エコツーリズムのかけ声よろしく観光客も順調に伸びたらしい。

しかしながら、この開発は挫折してしまう。国立公園内の保護区に、コレやグジといった人々が1万人ほど半農半牧の営みをしていたことが判明し、財団は違法な在住であるとして、排除する計画を事前に立てていた。これに国際人権NGOが人権侵害だと非難することになる。この財団は他の国立公園でも同様の住民とのトラブルに巻き込まれることになり、結局この開発計画から撤退してしまったのだ。

そこに生きる彼からからすれば、環境保全の重要度に対する意識は低いし、観光業の開発による雇用などは信用できないものだったのだ。グジの人々は、社会主義政権下で強制移住をさせられ、混乱期に戻ってきたという、まるでチェチェン人のような過去を持っている。今回の環境保全の動きは、単に強制移住の繰り返しだと思ったわけだ。したがって、これらの住民との摩擦は、ある意味当然であって、先進国の机上で策定されるエコツーリズム・プランという美句で簡単に片づけられるハナシではなかったわけだ。
https://synodos.jp/international/20205/2

観光だけにとどまらず、開発政策には多面的な住民との様々な軋轢がつきものである。

今日も、EJUのための国費生対象の補習が午前中あって、その後進路の相談を受けたのだが、政策学をやろうと考えている学生には、こんなハナシもしてあげたほうがいいなあと思ったのだ。

2017年9月8日金曜日

メキシコ地震の報に接して

http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/08/mexico-earthquake_a_23201173/
メキシコで、M8.1の地震があったそうだ。早くも大惨事の情報が出ている。メキシコは、元亀山社中で坂本龍馬の盟友であった陸奥宗光以来の親日国でもある。朝のニュースでは、北朝鮮の在墨大使を国外退去の処置にしている。今、メキシコはアメリカ政府と緊張関係にある。どちらかというと日本との友好関係の中でそういう政治的処置を執り、国際世論をリードしようとしたのかもしれない。いずれにせよ、メキシコは、日本の大切なアミーゴである。こういう複雑な情勢ではあるが、日本政府には緊急災害支援を出来る限り大規模に行うよう希望したい。

私事になるが、メキシコには私の大切な教え子が嫁いでいる。チワワ在住である。メキシコシティーも大揺れであったらしい。大丈夫だろうか。非常に心配しているところである。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM08H51_Y7A900C1FF8000/

2017年9月7日木曜日

アントニオ猪木と山岡鉄舟

http://boku-pro.com
/news/view/11825
アントニオ猪木というか、猪木寛至参議院議員(無所属)が北朝鮮に旅立った。この訪問に対して批判が強いが、私は応援したい。まあ、プロレスラー・アントニオ猪木としては、かなりうさんくさい部分も若干あるが、私は新日本プロレス派だったので、当然猪木ファンである。

今回の訪朝は33回目になるそうだ。師匠である力道山が北朝鮮出身であることから、訪問が始まり、師匠と共に記念切手にまでなったという。今でもかの地では絶大な人気がある。韓国も対北米支援を猪木氏に託したこともあるそうだ。

他にもキューバでカストロ首相と西側の人物として8年ぶりに会ったりして世界的ニュースになり、以来親交を続け、昭和天皇崩御の際キューバは1週間半旗を掲げてくれたという。また湾岸戦争時、一人でイラクに乗り込み、フセイン大統領と交渉して人質になっていた日本人46人を救出した実績もある。これは、イスラム世界の英雄、パキスタンの国民的格闘家をセメントマッチ(本気の戦い)で破った人物として尊敬されているからで、もちろん、世界的なボクサー・モハメド・アリと戦い、以後互いに友情を暖めてきたという面もある。パキスタンでは「猪木記念日」までつくられたという。
http://diamond.jp/articles/-/141325

http://asanogawa.exblog.jp/tags/
私は、ふと幕末の三舟の一人、山岡鉄舟を連想した。勝海舟の依頼を受けて、江戸攻撃の準備に忙しい西郷を一人訪ねていった豪傑である。禅と剣の達人でもあり、後の明治天皇の侍従を務め、死の際には皇居に向かって結跏趺坐のまま息絶えたという人物である。プロレスという格闘技は、スポットライトに照らされるようになるまで、恐ろしいほどの鍛錬が必要である。長年格闘技の世界に生きてきた猪木もまた、山岡鉄舟とは違ったカタチの達人であることは間違いない。

そんな無所属の参議院議員の猪木寛至が北朝鮮に行ってどうなるのかは、わからない。おそらく猪木の頭の中には、平和を望むという極めて単純なポリシーしかないのではないか。事を動かすというのは、そういう悟りに似た信念が必要であるような気がする。批判することは誰にでも出来る。だが、単身乗り込んでいくというのは誰にでも出来ることではない。私は、猪木の行動に拍手を送りたい。

中国が奇襲攻撃に備えて演習し、ロシアのプーチン大統領は再度警告を発した。アメリカは国連安保理に原油禁輸の決議案を提出した。韓国は9日にもICBMの発射があると予告した。猪木にとって、時、来たれり、ということか。猪木に現代の山岡鉄舟になって欲しいと私は思う。