2017年6月29日木曜日

イエメン コレラ渦を憂う

http://parstoday.com/ja/news/middle_east-i30734

以前から、イエメンの情勢が気になっていた。サウジにとっては、隣国にシーア派の政権(フーシ派と呼ばれている)ができることなどありえない故に、かなりヒステリックに空爆を行っていたからだ。おまけにアラブの春の影響を受けて、アルカイダ系の組織の支配地域もできている。これには宿敵であるアメリカが敏感に反応し攻撃を加えている。一方で、元大統領(一時的に大統領を委譲した故に「元大統領」派と称するのが正しいようだ。)政権も統治能力を欠いている。イエメンもまたシリア同様の三つどもえの内戦になっているわけだ。

ポール・コリアーの開発経済学では、経済の疲弊が内戦の起こる確率を拡大する(紛争の罠)と説いている。イエメンもその典型であると私は見ている。宗教的な対立が戦乱を巻き起こすというのは、わかりやすい論理だが、経済格差や不平等な政策の方が、対立軸を作っていく。これは、先日読んだ「イスラムの怒り」の結論の1つでもある。

スンニー派にとって、シーア派というのは、同じイスラム教だが廟をつくって聖人崇拝を行ったりするので、なにかと違和感があるのは事実のようだ。サウジはスンニー派の中でも最も保守的なワッハーブ派であるし、メッカの守護者であるが故に、そう簡単にイエメンのフーシ派と共存などできないということは理解できないことはない。しかし、圧倒的な国富を持つサウジと貧困にあえぐイエメンの経済格差こそが、問題の核心であるような気がする。

そのイエメンでコレラが世界最悪規模で発生、ユニセフの報告では、24日現在で感染者は20万人を越え、1日5000人規模で増え続けているという。すでに1300人以上が死亡し、その25%は子供だという。内戦とサウジによる空爆で、清潔な飲料水の供給や医療設備が崩壊したのと、食糧不足による栄養失調(人口2800万人中700万人が餓死寸前であるといわれている。)が感染に拍車をかけたといえるだろう。

これに対し、サウジ政府は74億円のコレラ対策費をユニセフに寄付したという報道がなされた。うーん。この額が多いのか少ないのか、またこれが善意なのか呵責なのか、はたまた国際社会へのポーズなのか、私には全くわからないが、殴っておいて、やりすぎたかなあと、金持ちが治療費を出しているという変な構図であることは確かだ。

いずれにせよ、イエメンでコレラ渦と戦う方々に、私などは、心からエールを送ることしかできないのである。
https://www.cnn.co.jp/world/35103273.html

白雪姫コンプレックス考 再び。

私が以前読んだのは赤い表紙の旧判
A先生が担当して頑張っている職員室の全教員分のPC設置を手伝おうと、スクールホリデーでも昨日は出勤したのだが、どうもマレーシア的な事情があって、すぐには手伝うこともできないようだった。で、今日は有給休暇をいただいた。

日本では、都議選らしい。小選挙区制故の自民党総裁の権力が強まり、安倍1強などともてはやされていたのも、もはや過去の話。政権が長く続いて、緩みがいたるところで出ているようだ。某防衛大臣の都議選での問題の演説は、国家権力の暴力装置である自衛隊を統括する重責を全くわかっていないし、法に接触すると批判されるのは当然だと思われる。これまでにも、彼女は不適切な発言が多く、資質に欠けると断言してもいいと私も思う。

埼玉のパワハラ某議員も、ここぞとばかりに、各メディアで叩かれているようだ。東大法学部・官僚・議員というエリートを叩くのは、警察や教育関係者などを叩く以上に、庶民からすればウケがいいからだと思う。たしかに、彼女も資質の面からは問題があると私も思う。

しかし、下記の記事を読んで、彼女は白雪姫コンプレックスではないか?と思ったのだ。白雪姫コンプレックスについては、2010年7月29日付ブログで、「白雪姫コンプレックス考」と題してエントリーさせてもらっている。DVは、親から子へ、子から孫へと負のスパイラルで続いて行くとされている。うーん。公僕故にそれでも弁護しかねるのだろうな、と思う。

http://news.livedoor.com/article/detail/13259558/

これら同様、危ないのは、某副総理の発言。女性蔑視発言としかいいようがない。最近の政治家は、考えてコトバを発しているのか?とさえ思ってしまう。教育現場では、おそらく、アウトだと思うが…。

2017年6月28日水曜日

新居から見る夜明け

新しい住処は、東向きであるので、朝日がサンサンおはようサンである。ちょうど、KLの東にある山並みから上ることがわかった。高層階からしか、その事実は確認できない。普段なら、この朝日を見ることなく、私はすでにバス停に向かっている。とはいえ、今週はスクールホリデーなので、ちょっとだけゆっくり出勤したのだった。後談(今日の帰宅時)だが、出勤時の「バス友」の陳さんと同じバスで帰ってきた。「今朝はどうしたのか?」と聞かれたのだった。(笑)
そんなこんなで、今日の夕食のメインは「冷しゃぶ」だった。それにサバの塩焼き、煮物もついて、なかなか豪華である。毎日こういう日本食を食べているわけではないが、妻の手料理はたいしたものある。ちなみに、冷しゃぶをしゃぶしゃぶしたのは私。

食後、ウクレレの練習を予定通り10分だけして、これから、引っ越しの際にその存在を知った私の昔々のNYの旅の記録(当時勤務していた工業高校の年刊誌に掲載したもの)を再読しようと思っている。マレーシアに持ってきているのを完全に忘れていた。(笑)タイトルは「C列車で行こう」である。NYの地下鉄のC列車(普通電車/ジャズで有名なA列車はハーレム行きの快速電車である。)に乗って私は毎日NYを探検していたのであった。

2017年6月27日火曜日

ウクレレのチューニング

ウクレレは、ギター以上に頻繁にチューニングが必要らしい。私は自分の耳でするチューニングが大の苦手である。そこで、スマホのアプリを使うことにした。幸いウクレレのチューニングのアプリもたくさんあって、最も簡単にできるものをインストールすることにした。昔は苦労してチューニングしたものだが、今や科学の進歩は著しい。(笑)

それが、画像にある「Ukulele Tuner」である。スマホの前で弦をつま弾いて、チューニングし、黒いウミガメを合わせてハイビスカスの花を咲かせるとOK。うーん、簡単。さっそくチューニングして、曲を弾いてみた。30分も弾いていると指が慣れて、Cコード(C-AmーEmーFーG7)の曲ならなんとかギター代わりに弾けるようになった。イケる、イケるとちょっとホッとしたのだった。別に人前で弾くつもりもないし、これで十分。楽しみが増えたわけだ。当分、毎日10分くらいずつ、妻の怒りを呼び起こす事のない程度に、練習していこうと思う。

引っ越し完了。

東側の窓/リビングからタマンデサを望む
引っ越しが完了した。生活の改善がかなり進んで、大いにグレードアップした感じである。私にとっては、まず専用の机があることが嬉しい。リビングの部屋の隅においているけれど、今までダイニングテーブルを机代わりにしていた。食事の際に毎回PCを片付けていたのとは大違いだ。

なにより、天井扇があるのがありがたい。クーラーなんぞつけなくてもかなり涼しい。(我が家は基本的にクーラーをつけない。)窓も東側・南側全て開放できるので、さらに風が通るし、快適である。(前の部屋は北側の窓は分け合って開かずの窓だった。)しかも、リビングは、東側に面している。大都会・KLというシーンだった大通りから、住宅地・タマンデサの中心部を見下ろす形になったので、静かだし排気ガスも少なそうだ。
南側の窓/タマンデサを望む
妻にとっては冷蔵庫が一気に大きくなったし、キッチンの洗い場に照明がついていることも嬉しいらしい。収納の空間も大いに増えた。妻はあまりモノが見えているのが好きではない。だから前の部屋はあくまで仮の住まい感覚で我慢していたらしい。新しい部屋では、ほぼ全てのモノが収納された。めでたしめでたしである。

もちろん、シャワーの勢いが弱いとか、ベッドは前の部屋の方がよかったとか、妻にとってはイロイロあるらしいけど、私はまあ十二分だと思っている。やっぱり、心情は「武士は食わねど…。」なのである。(笑)さて、スクールホリデー中だが、明日は学校に行く予定だ。

2017年6月26日月曜日

ウクレレを手に入れる。

引っ越しも大方終わって、様々な小物(吸盤付きのタオルをかけるためバーや、台所を整理するための用品など)を、買いにミッドバレーに出かけた。今日は曇っているし、下の大通りまで歩こうか、とテクテク歩いていたら、650番のバスが来た。結局、そのバスに乗ったのだが、タマンデサの一番大きいショップロット(5月14日付ブログ参照)のバス停で、いきなりエンジンが停止。以後動かなくなったので、乗客はどんどんとバスを見捨てて歩き出した。(笑)

「ラマダン中は、ちゃんと点検してへんのんとちゃうか?」とは妻の言。とりあえず、ショップロットのちょっと有名な飲茶屋さんでお粥を食べることにした。バス停に戻ってみると、先ほどの運転手がひとり悲しげにスマホをいじっていた。で、結局タクシーでミッドバレーに向かったわけだ。まあ、こういう経験も悪くはない。お粥も美味だったし…。

ところで、私はこのところ、フォークギターが欲しくてたまらなかった。もちろん安いのでいいのだ。家でPCばかりしていたら老化が進みそうだ。(笑)しかし妻が言うに、うるさいし、近所迷惑だと頑として拒否していたのだった。しかし、今回の引っ越しを機に、「ウクレレなら…。」と言ってくれた。ウクレレなら大きな音は出せまいというわけだ。ウクレレは4弦だし、ギターとはコードも違う。私はハワイアン音楽の趣味もない。でも、買っても良いと言われた以上、ウクレレをギター代わりに使いこなそうと思ったのだ。

と、いうわけでミッドバレーの専門店で、ウクレレを買ったのだった。小さいけれどウクレレ専門店があるということが凄い。ブキッビンタンにも専門店があった。フェンダー製のウクレレが売っていたので強烈に印象に残っている。誰が買うのだろう。(笑)というわけで、マレーシアは意外にウクレレが盛んなのだった。帰宅してさっそくコードを調べて奏でてみた。すぐとは行かないまでも、少しずつ手に覚えさせようと思う。チューニングはちょっと難しそうだけれど…。

2017年6月25日日曜日

ラマダン明けだ。引っ越しだ。

我がコンド。あまりに空が美しかったので…。(昨日撮影)
ラマダンが明けた。今年も花火がバンバン上がったのだけれど、昨年みたいに窓から見れたわけではない。音だけしか聞いていない。こっちも引っ越しで忙しかったのである。同じコンドの同じ棟の一階下に引っ越しすることになったのだが、一度に引っ越ししなくてもいい分、断続的に細々と動いたので決して楽というわけではなかった。(笑)今日でおよそ90%以上済んだけれど、妻が来て以来、生活が改善した分、食にまつわるモノが増えていることがよくわかった。

最大の難関だった本棚の組み立てと浄水器の設置も終わって一安心である。私自身の荷物はあまり増えていないけれど、それでもTシャツや書籍は着実に増えている。久しぶりに指ピアノ(ジンバブエのムビラ)と再開した。今は私の机の上に大事に置いてある。時々弾いて楽しもうと思う。

2017年6月24日土曜日

IKEA Cherasに行く。

朝早くなのでまだ人出は少ないそうだ。
A先生に誘われて、初めてIKEAに行ってきた。引っ越しに伴って、本棚だけは必要になったからである。車のない私にとっては大いに助かる。大感謝である。

IKEAは、家具が主だが、極めて洗練されたホームセンターである。展示場でその商品が置かれている位置が示されていて、最後にその倉庫のようなメイン売り場で商品を探すという仕組みである。紙製のメジャーがあったり、メモ用の無料の鉛筆があったりとなかなか面白いシステムである。
メインの倉庫群
我が家としては、いつか帰国する時を念頭においているので、あまり荷物を増やしたくない。だから、本棚も安ければ良いという感覚である。RM69で格安の本棚を見つけた。妻が希望していたイスも同じくらいの格安でGETした。というわけで、予算をはるかに下回ったのだった。IKEA、恐るべしである。
今日は予定があって来れなかった妻とまた来たいと思う次第。

2017年6月23日金曜日

マレーシアの中進国度の話

http://nakanopropertymalaysia.com/blog/
我が住処のインターネットはTMというマレーシアの会社である。昨日帰宅すると、インターネットが接続していなかった。と、いうのも、本日新しい住処に設置し直すからだと思う。うーん、こういう細かな説明なしで、物事が進むのは日本人としては想定外である。マレーシアには、そういう事例が多い。日本なら間違いなくクレーム続出間違いなし。

昨日、一昨日は朝のバスが来なくて、45分くらい待つはめになった。おそらくラマダンなので、運転手が時間に来れなかったのではないか?というのがもっぱらの噂。要するに1台分の運行がぶっとんだと思われる。(笑)
一方、日本人会近くで、新しいコンドの工事が始まって、突然歩道がつぶれてしまった。なんとかこっちに渡れるようにはなったものの、極めて危険である。日本なら交通整理のオジサン登場というシーンだが、そんな配慮は全くない。

このあたりは、マレーシアがまだまだ中進国であることを実感する次第。と、いうより日本が配慮しすぎるのかもしれない。

勤務時間前にあわててエントリー。現地時間8:26。勤務時間は8:30からである。

2017年6月20日火曜日

サブプライムの悪夢再び?

http://www.davegranlund.com/cartoons/2017/02/03/wall-street-regs-rollback/
今、公民分野は金融政策について講じている。学生にとっては少し難しい「信用創造」で通貨が増えること、政策金利の上下によって、マネーストックが増減すること、これを利用して、インフレ・デフレ対策が行われていることなどを教えているわけだ。

ところでFRB(アメリカの連邦中央銀行に当たる)が政策金利を引き上げたようだ。これを見るとアメリカ経済は好況だと見ることができる。ところが、好況の影に大きな問題があるらしい。家計の借金残高がかなり高いとのこと。それもあのリーマショックの時と同じくらいだというから驚きだ。今回は、自動車のサブプライムローンが懸念されている。自動車ローンの31%が低所得層と言われている。アメリカでは新車の販売台数が7年連続で伸びていて、自動車販売会社は奨励金をディーラーにばらまき、金融子会社がローンを担当して業績を伸ばしてきた。ここに商業銀行も参入。この自動車ローンの90日以上の延滞率は、リーマンショック時に迫る3.82%だという。サブプライムの悪夢が再びよみがえるような話だ。ここにFRBの金利引き上げが来る。おそらく不良債権が増大し、消費は一気に冷え込む恐れがある。

一方、アメリカの上場企業は銀行から借金して自社株を買い、株価をつり上げているらしい。この行為は資金繰りを圧迫していく。株価の下落の恐れも十分にあるわけだ。日本でも株の信用取引の売り残り(空売り)が9年ぶりに1兆円を超えているという。株価の下落を見込んでのことだ。アメリカ経済の危機を読んでのことだと思われる。
http://diamond.jp/articles/-/132091

…あのリーマンショッック、再びという感じだ。アメリカ資本主義の「懲りない面々」が、またそぞろ、ごまかしと詐欺まがいの利潤を求めてうごめいている。「資本主義の終焉」(投資先がないことを意味する。)が近いのかもしれない。政治面でも経済面でもバクス=アメリカーナの時代は完全に終わるのかも…。

2017年6月19日月曜日

地中海を渡る難民とMSF

「シリア難民」の書評エントリーの3回目である。我々日本人ががシリアを中心としたの難民問題に注目しだしたのは、トルコからエーゲ海を渡るルートでの悲劇からだったと思う。それ以前に、リビア、あるいはエジプトから難民が地中海を渡り、多くの難民が溺死している。密航業者の難民への扱いは、たしかに極めて非人道的である。

密航船(そのまま救助を求めて放置するので、オンボロ船やゴムボートでないといけない。)を用意し、その船に乗るまで、様々な隠れ家に押し込められる。その間に虐待やレイプもあることも多い。難民は立場が圧倒的に弱いので、悲惨である。バスで毎夜のように連れ出され、密航船に乗れる者もあれば、(密航業者を取り締まっているというポーズを取りたい)地元の警察に捕まる者もある。艱難辛苦を乗り越えて、船に乗れても転覆することも多い。少しでも移動すると転覆するような船なのだ。ぎゅうぎゅうに押し込まれ、地獄のような責め苦を味わうことになる。
イタリアの領海近くまでたどり着けば、そこで救難連絡を入れる。イタリアの沿岸警備隊は、まだかなり人道的で、様々なルートから救助の情報を集め、航行中の船に連絡してくれる。
「国境なき医師団」(MSF)もそういう救助船(借り上げた商船)をイタリア沖に派遣していている。著者はこの船に乗り込み、取材している。このルポが実に興味深い。熟練船員はウクライナ人、下級船員はフィリピン人だった。MSFは柔軟性と平等性を重んじるが、船乗りたちは上下関係にこだわる。しかもMSFがゲストと呼ぶ疲労困憊した難民を運んだ経験がなかった。彼らは「ゲスト」から病気をもらうのではないかとガスマスクをつけていたという。それが何度も難民を救うにつれ、難民がイタリア上陸時に番号を与えられることに腹を立てるようにまでなる。「彼らは人間だ。番号じゃない。」なかなか感動的なルポが続く。
エリトリア人で同じ道をたどってきた元難民のアマニ氏もこの活動に通訳として参加している。彼はパニックを起こさせずに、「落ち着いて」と母国語のティグリニャ語で呼びかけながら、一人ひとり船に縄ばしごを救出していく。その彼の身に奇跡が起こる。大学時代の同級生のリンゴとの再会である。彼は白いヒゲにシワだらけの顔でとても同じ歳(35歳)に見えなかった。2002年に学生デモに参加して逮捕され同じ地下牢に入れられた仲だ。あれから13年、地中海の真ん中で再会したのである。アマニは「年齢よりずっと年老いて見えた。」とつぶやいた。リンゴは「エリトリアのせいだ。」アマニも変わったとリンゴは言う。「少し太った。」アマニは笑いながらこう答える。「ヨーロッパの料理のせいでさ。」

今日の画像は、全て国境なき医師団のイタリアからのニュース記事のものである。一応、国境なき医師団のサポーターの一人である私としても、こういう素晴らしい難民救援をしてくれていることに誇りを感じる次第。
http://www.msf.or.jp/news/detail/headline_3353.html

2017年6月18日日曜日

IBTの話(102) 第一回EJU '17

本年度の試験会場 ワンウタマにあるKDU
本年度第一回目のEJU(日本留学試験)の日である。昨年度実施校だったチャイナタウンの中学校が改築工事のため、ワンウタマにあるKDUという大学で実施された。昨年は、全くの初体験で、見るもの、聞くもの全てが新鮮であったが、今年はさすがに経験値が上がっている。この6月のEJUは、ほとんどの学生にとって腕試し、11月の第二回EJUへの練習といってよい。だが我がクラスには、W大志望の学生もいて、彼女にとっては真剣勝負である。

総合科目、特に私が教えている公民分野は、日本語能力がないと理解ができない。学生の日本語力向上を待っていた関係でスタートが遅く、6月の時点ではシラバスの半分くらいしか学習していない。そこで、今回が勝負の学生には、特別に何度も先々の学習内容の補習を重ねてきた。

ところが、先日の金曜日、何人かの学生がまだ学んでいない所を少しでも教えて欲しいと言ってきた。「6月は腕試しやし、点数が悪くてもいいぞぉ。」と私が言っていたのに、どうしたのか?と聞いてみた。聞くと、点数がいいと予約奨学金がもらえるらしい。この話は、うっすらと聞いた記憶がある。彼らにとっては、少しでも親に負担をかけないで済むように、この6月のEJUでその権利を得たいらしい。教師としては、こういう話に弱い。

で、金曜日の昼休みはムスリムの生徒は礼拝があって、少し長目なので急遽補習をすることにした。EJUに良く出る箇所(地歴も公民も)を紹介すると共に、WWⅡ以後の現代史を全力疾走で教えたのだった。もちろん、公平をきすため、全員に、補習を急遽やるぞぉということをLINEで流してもらった。連絡がつかなかった学生には放課後同様の補習をしたのだった。

社会科のパートナーのT先生とも、6月までに一応の範囲を終えるべきか話し合った。だが、やはり日本語力の問題が立ちはだかる。今なら我がクラスの学生は十分理解できるが、国費生(特に今年の国費生は私費生との日本語力の差が大きい。)は厳しい。無理して進めると、総合科目はただの暗記科目になってしまう。私は、なによりそれを避けたい。社会科は面白い。だから勉強しようというのが王道だ。まずは、社会科の面白さを植え付けたい。6月のEJUを利用する大学を志望する者、奨学金のために高得点を狙う者も大事にしてあげたいが、やはりこのポリシーを最重要にしたい。
この奥の講堂がが試験会場 日本語の試験開始直前
幸い、学生たちは、”できるだけのことはしてあげたい”という私の気持ちをよく理解してくれている。そういう信頼関係が十分根付いているようだ。私とハイタッチしながら我がクラスの学生は試験会場へ向かっていった。そんなこんなで、第1回EJUの試験は終わったのだった。

2017年6月17日土曜日

エリトリア難民

https://kotobank.jp/word/%E3%82%A8%E3%83%
AA%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2-37613
「シリア難民」を読んでいて、最初に衝撃を受けるのが、エリトリアの話である。エリトリアは、エチオピアから独立した紅海沿岸の国である。昔、旅行人が発行していた「アフリカ大陸37ヶ国ガイド」(99年発行)では、エリトリアは治安も良く、かなり良いイメージで書かれていたのだが、今やどんでもない独裁国家になっているようだ。

エチオピアをはじめとした隣国との紛争の歴史から、再び戦争になると誇張され、憲法不存在、司法制度の崩壊、そして無期限のナショナルサービスを正当化している。このナショナルサービスというのは、男女を問わず16歳~17歳以上の国民の全人生を政府が管理するエリトリア特有の制度で、人々が国を逃げ出す最大の原因になっている。兵役は、学校の最終年から一生続く。著者がインタビューしたアダム君は14歳で家族の中での最年長男性となったため、学校をやめ家族の土地を耕していた。学校をやめた者は外出許可証を失う。ある日彼は外出先で逮捕され、軍に送られた。暴力をふるわれ奴隷のように働かされた。半年後逃げ帰ったが、再び逮捕され裁判なしで三ヶ月拘留、再び兵役に就かされた。16歳でイタリアにたどり着くまで、2度刑務所に送られ3度少年兵となった。

「(エリトリア)国民はまるで政府の奴隷だ。」と24歳の男性は言った。彼もまた徴集兵で、「国全体が大きな刑務所のようなものだ。だから逃げるんだ。」徴集兵には、おおむね日本円に直すと3600円から5490円ほどの給料が支払われるが、少なすぎて収入とは呼べないし、これと引き替えに一切の選択の自由を奪われる。

「ナショナルサービスは、独立当初新しい国を防衛すること、戦争で疲弊したインフラと経済を再建するための労働力の確保が目的で、軍事的側面、社会的側面、文化的側面があった。しかしそれが(当初1.5年だったのが)無期限となり、制度が乱用された。」(元エリトリア自由戦士で元中央銀行総裁・EU大使・エリトリア唯一の大学総長などを歴任したウェルデ・ギオルギス氏/2006年亡命のインタビュー)
http://polandball.blog.fc2.com/blog-entry-1743.html
徴集兵たちは、石の切り出し、木材の切り出し、道路掃除など政府の仕事で奴隷のように使われる。試験の結果が良く文民業務につけても夜は軍事作業に従事しなければならない。22歳の教師だったメハリ氏は、「学校も無法地帯だった。経験豊かな教師は国から逃げ出し、徴集兵の教師に学生は敬意を払わなかった、彼らの目的は(前述の)外出許可証だけで、卒業しても徴兵されるわけで誰も勉強したがらなかった。」という。…これでは国作りは全く進まない。

…エリトリアでは、想像だにできない人権侵害が行われている。国連も調査を行い、北朝鮮を抜いて、世界最低の人権状況だと報告している。だが、その報告は活かされていない。国際社会も旧宗主国イタリアも何もしていない。この本の冒頭から、タイトルに付記された「人類に突きつけられた21世紀最悪の難問」を、文字通り突きつけられたと感じるのである。上のポーランドボールの画像は「エリトリアはまじでイカれている」という作品。ちなみにイカれているのは独裁政権を意味する。エリトリア難民がイカれているのではない。まともだから逃げ出すのである。誤解の無きよう。
http://polandball.blog.fc2.com/blog-entry-1743.html

「シリア難民」を読む。

久しぶりにハードカバーの本を読んでいる。「シリア難民」(パトリック・キングズレー著/ダイヤモンド社 2016年11月発行)である。この本は、妻が読みたいと2月に帰国した時に持って帰ってきたのもの。経済分野が終われば、国際関係の講義をするので、いよいよ読み始めた。私の読書は、こういうふうに授業に合わせて読むことも多い。

著者は2015年初頭(つまりまだ移民問題が欧州ではそれほど大きな問題になっていなかった時期にあたる。)、英国・ガーディアン紙初のの移民担当記者となった若手ジャーナリストである。それ以前にも数々のジャーナリストの受賞歴をもつ人物である。内容も十分に信用できる。

だいたいにおいて、こういう外国のノンフィクションの翻訳本は読みにくさが付きまとうものだが、翻訳者(藤原朝子氏)が流れるような日本語に翻訳してくれているので、実に読みやすい。まだ完読したわけではないが、超お勧めの一冊である。

2017年6月16日金曜日

やはり米政権は異常だ。

http://polandball.blog.fc2.com/blog-entry-1834.html
13日、米国政府の初閣議の様子が報道された。自分を褒め讃える恥知らずな大統領に続き、閣僚が次々と大統領を褒めちぎる。それがTV放映されたのだという。

謙虚を美徳とする日本人からすれば、全く考えられない世界だが、これは低俗なバラエティー番組の風刺劇でも何でもない。つい最近まで世界で最も影響力を持っていた国の事実である。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/06/post-7793.php

ところで、サウジなどのカタール断交を後押ししていたはずの米政権は、F15 戦闘機をカタールに大量に売却するそうだ。昨年11月に商談がまとまっていたとのことだが、私はわけがわからない。商人外交?そんなコトバで表現して、それでいいのだろうか?

そもそもカタールにある米軍基地が重要なら、サウジなどのカタールの断交に待ったをかけるべきだし、サウジをあれだけ持ち上げておいて簡単に裏切りに等しい行為を行うというのは、まさに「信義」という面で、アメリカは全く信用できない国だと言うことになる。
アメリカは、今までも多くの間違いを犯してきたが、次元が違うと私は思う。万一、カタールとサウジで戦争が起これば、アラブ人パイロットによるアメリカ製のピカピカのF15同志が戦うことになる。アメリカはどちらの味方するのか?札束を握りしめて高みの見物?
”まとも”な人間のやることではない。
https://jp.reuters.com/article/gulf-qatar-boeing-idJPKBN1960AH

2017年6月15日木曜日

「イスラムの怒り」を読む。

「イスラムの怒り」(内藤正典著/集英社新書・2009年5月発行)、これも日本人会の無人古本コーナーで手に入れた新書で、バス通勤の合間に少しずつ読んできた。内藤氏は同志社大学のグローバルスタディーズ研究科長の社会学者である。よって、宗教学の本と言うより、欧米とイスラム圏との社会学的関わりの中で、イスラム教を理解するというスタンスの本である。卑近な表現で申し訳ないけれど昔あった「私プロレスの味方です。」という本になぞられえると「私ムスリムの味方です。」といった感じの本である。
私はプロレスの味方であるとともに、在マレーシアでムスリムの学生を教えている教師であり、異文化理解の面からもムスリムの味方である。(笑)

最初に、W杯イタリアとの決勝戦でのジダンの話が出てくる。導入としては申し分のない話だ。ジダンはフランス国籍だが、アルジェリア出身の移民である。彼がイタリアの選手の差別的発言に頭突きを食らわしたのは何故か?という話である。ムスリムの教え子たちに、ジダンが怒った理由は、ムスリムとして同感かどうか教えてもらった。彼らは当然だといった。その怒った理由はあえて伏せるが、なるほどなあと思う。欧米のキリスト教徒との差というか、キリスト教徒側の無理解は大きい。私たちブディストがムスリムのことについて無知であることと、経典の民であるキリスト教が無理解であることは、かなり違う。全編、こういうポリシーで書かれている本である。いずれ、その詳細を何かに関連づけてエントリーする事もあろうかと思う。なかなかお勧めの本だと思う次第。

2017年6月13日火曜日

IBTの話(101) 定期テスト

ちなみに我がクラスは中国系が22名。マレー系・インド系が1人ずつ在籍している。
F38生の第4回定期テストが今日から始まった。日本語の漢字(読みと書きがある。)と文法、そして文系数学の3コマが午前中行われ、午後からは日本語のインタビュー・テストである。昔、英語科の担任をしているとき、ALTによるイングリッシュ・コミュニケーションというインタビューテストがあったが、その日本語版である。今日の私は、そのインタビュー・テストの廊下監督にあたっていた。我がクラスは24名。これが2つのグループに分かれていて、別室でテストをするのだが、簡単に言ってしまえば呼び出し係である。(笑)事前に全員のスマホを預かり、名前を記入させるのも担任の仕事である。テストが終わるまで、問題の漏れを防ぐために預かるシステムをIBTはとっている。

一人ひとり呼び出すのだが、みんな何故かすごく緊張していた。その辺が面白い。中級の最終局面なので、質問もかなり高度である。日本語の先生方の質問に的確に答えるには、かなりの集中力が必要なんだろうと思う。終わった後は全員ホッとしていた。「ありがとうございました。」と深々と礼をして去っていく。この辺のIBTのしつけ(ほとんどが初級の段階で行われている。)も改めてたいしたものだと思うのだ。

さて、私の「公民」のテストは明日である。
♪Am-Em-Am  Am-Em-Am  G-Am-Em-Am ♪ガンバレ、みんなガンバレ。

2017年6月12日月曜日

セネガル 俺のブルース

https://www.senejapon.com/
コーラン啓示の日で、今日は休日である。チュニジア産のデーツ(なつめやし)などを頂きながらちょっと蒸し暑い日中を過ごしている。

ところで我が住処にはTVはあるが、チャンネルを合わせてあるNHKの国際放送もほとんど英語なので疲れる。最近は食事の時にはYouTubeでジャズなどを聴くことが増えてきた。
ふと、上田正樹が聞きたくなって検索していたら、上田正樹のドキュメンタリーを発見した。「セネガル 俺のブルース」という2001年NHK制作の番組である。

これがなかなか良かったのだ。食事後も妻と二人で最後まで「注視」していた。(PCの画面なので小さいし、音源も小さい。笑)

そう言えば、一昨年の暮れに上田正樹のコンサートに行った時、アフリカでコンサート云々と”キー坊”(上田正樹の愛称)が言っていた。アフリカとの関わりは、このドキュメンタリーからのようだ。セネガルのダカールで、奴隷の館を見、ローカルのミュージシャンとふれあい、カフェで歌い、そしてこの旅で得たものを歌にしている。実にキー坊らしい内容だった。調べてみると、キー坊は、コンサートでの言通り、2016年4月ににセネガルで、ローカルのミュージシャンと共に日本大使館後援(凄い)のコンサートをしていた。ドキュメンタリーから15年。じっと思いを暖めてきたんだろうと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=WSwALJOH84Q

2017年6月11日日曜日

PB「愛とは死を看取ること」

http://blog.livedoor.jp/pacco303/archives/71285963.html
ポーランド・ボールのサイトにほぼ毎日かよっている。「万国旗」というサイトが中心だが、様々なポーランドボールの元を日本語訳していただいて感謝である。ほとんどが世界中の作家によるものなので、あまりにローカル的な話題過ぎたり、細かい歴史を知らないと、その内容の意味がよくわからかったりするものもあるのだが、ホント面白い。

先日紹介された作品「Love is watching someday die」は、そんな中でも特に素晴らしい作品だった。あえて、何も解説せず、私のブログの読者に見て頂きたいと思うのである。ちなみに作者はマレーシア人らしい。
http://blog.livedoor.jp/pacco303/archives/71285963.html

それともう一人、このポーランド・ボールを見せたい人物がいる。FBI長官をクビにした男である。

2017年6月10日土曜日

ジャラン・ジャラン

マレーシア語で「ジャラン・ジャラン」は、散歩の意味である。ちなみに「ジャラン」は、「通り」の意味である。2つ重ねるとぶらぶら散歩することになるわけだ。マレーシア語って面白いと思う。

来週の月曜日は、休日(クルアーン啓示の日)であるので、今日は三連休の初日である。朝、ひと雨あって比較的すずしい。しかも曇天なので妻と散歩に出かけた。来月から引っ越しするにあたって、籐のイスを見に行こうということになったのだ。
妻がバスから見つけたその店は、ミッドバレーと我が住処を結ぶ大通りにある。グーグルマップを見てみたら、なんと我がコンドの横の道を降りていくと大通りに出れることを発見した。途中、細い道になっているのが不安だが、ジャラン・ジャランしてみた。すると、それは、ジャングルの中をバイクや自転車がやっと通れる道だった。もちろん徒歩もOKである。
ジャングル道を抜けるとそこはいつもの大通り。もの凄いショートカットである。1年以上住んでいるが、こんな道があるとは…大発見である。しかも日本料理屋を発見。(笑)
日本料理店 日本海
肝心の籐のイスは、値段交渉でRM110まで落ちたけれど、もう少し検討してから。買うとしても次回にした。ところで、コンドのセキュリティー・スタッフに「ジャラン・ジャランしてきた。」と言ったら、大ウケしたのだった。

2017年6月9日金曜日

バッタを倒しにアフリカへ

ダイヤモンド・オンラインというWEBページで、「バッタを倒しにアフリカへ」という本の紹介をしている。うーん。今すぐ読みたいと思うような本である。このタイトルにあるバッタとは、すぐにサバクトビバッタだとピーンときた。西アフリカを中心に破壊的な被害をもたらすバッタの話である。ここでいうアフリカはモーリタニアらしい。

WEBでは、著者の歩んだけったいな「人生イロイロ」を紹介しているが、あまり詳細な紹介はよくない。ここまで書かれたら、普通なら、私など、もう読まなくていいかぁと思うのだが、一応最後の最後は伏せてある。うーん、やっぱり読みたいと思うのだ。
日本への帰国の予定はまだまだ先だが、すでに何冊かリストを作っている。この本もそのリストに書き込むしかない。(笑)

2017年6月8日木曜日

ハワイ州の良識を讃える。

https://thomasnastcartoons.com/tag/donald-trump/
ハワイ州が、州としてパリ協定の温室効果ガス排出削減目標を州政府として独自に維持する法案に知事が署名したというニュースが流れた。連邦政府に公然と反旗を翻したわけだ。この動きは、ニューヨーク州など他の州にも広がる見通しだそうで、アメリカの良識は死なずといったところだ。この辺の州の独立性こそアメリカ民主主義の原点である。大きな拍手を送りたい。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017060800551&g=int

一方、アメリカの国連大使は苦しい釈明を強いられている。「大統領は気候変動が起きており、汚染物質がその一因だと信じている。」当の本人は、「温暖化は米国製造業の弱体化をねらう中国のでっちあげ」と公言しており、フツーに考えたら、地球温暖化の意味さえわかっていないことは明白である。ホワイトハウスの弁明はかなり苦しい。これからも多くの批判が出てくるだろうし、50州すべてがハワイ州のように反旗を翻してもらいたいものだ。
https://this.kiji.is/244199475728123386?c=77275965827384821

ちなみに、カタールの国交断絶の件でも、大統領は軽薄にもすぐにサウジ側に立ちカタールを批判した。そのうえで、両者の調停に絶つとも表明している。なんという軽薄さだろうか。おそらく、カタールに中東最大の米軍基地があることを「米国三軍の長」は知らなかったのではないかと思うのだ。

2017年6月7日水曜日

米国大統領の精神状態

http://blog.livedoor.jp
/pacco303/archives/
2017-06-06.html
NewsWeeKのWEB版によると、米国大頭領の精神状態を危ぶむ声があるらしい。そもそも、大統領がツイッターで軽薄な発言を繰り返していることに、ホワイトハウスの側近もほとほと難儀しているらしい。まあ、日本では考えられないことだ。いや、世界中ほとんどの国でも考えられないといってよい。

ロンドンのテロに対する市長への攻撃。カタール断交への安易な発言。これまでのツイッターも含めて共和党内でも精神状態が不安定なのではないか、との危惧がささやかれているらしい。まあ、同然ですな。パリ協定の離脱など正気の沙汰とは思えない。世論調査でもこの離脱声明への支持は少数派だ。司法長官も辞任するみたいだし、未だ政府の高官も決まっていない。この異常事態をこれ以上放置していいのだろうか。

私は、実はアメリカという国が好きだ。これまで、6回渡米している。もちろん抱えている問題も様々だし、嫌いな面もある。だが、やはりアメリカは面白いし、偉大な国だと思っている。それにしても、不似合いな、お粗末な大統領だと思うのだが…。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/06/post-7762_1.php

2017年6月6日火曜日

武士は食わねど…続編

Cコンドのある部屋からプールを望む
IBTの社会科のパートナーのT先生と、今年はF38の文系学生の地歴・公民を分担して教えている。近々定期テストがあるのだが、地歴の方は時間が足りないそうで、本日の私の公民の時間を差し上げる約束をしていた。よって、今日のゼロ授業の日を利用して、新しい住処探しに使うことにした。要するに有給休暇をとったわけだ。

近くのCというコンドを見たかった。IBTの先生方も3人住んでおられるし、比較的新しいからである。3つの物件を見せてもらった。KLCCを望む部屋もあって、いいなあと思ったのだが、結局今のコンドのひとつ下の階の部屋に決めた。Cコンドより、ひとつひとつの部屋が広くて開放感があることと、車を持たない私にとって、駐車場から必ず出入りするということに抵抗感が大きかったのだ。
すぐ下の階の新しい引っ越し先
車なしで、つつましく生活するには、我がコンドが最も適しているようだ。悲しいかな、KLは車中心の都会である。車を持つ・持たないは、行動の自由度に関わってくる。経済的には車を所有できるだろうし、維持費も日本より安い。だが、歩いてマーケットに買い物にいくことが健康維持にも重要だと思っているし、バスに乗るのもローカルの人とふれあいがあるので悪くないと思っている。どうしても必要ならタクシーでいい。こんな生活スタイルを我が夫婦は今のところよしと考えているのだった。

今まで西向きだったのが東向きに変わる。明るくて風通しが良くて、開放感があること、決して豪華ではないが使いやすそうな台所や、収納の調度も十分なことが妻のお気に召したようだ。(笑)すぐ下の階なので、6月末のスクールホリデー中に少しずつ引っ越しすることになった。

2017年6月5日月曜日

カタールを語ーる。

衝撃的なニュースだった。今夕、サウジ・エジプト・UAE・バーレーンの4国ならびに、イエメンとリビア東部の世俗派政権が、カタールと断交を発表した。「テロ支援」している、との理由らしいが、おいおいその背景などの解説がなされ、サウジなどの思惑もわかるだろうと思う。ロイター電のWEB記事も刻一刻と変化している。
http://jp.reuters.com/article/quatar-gulf-tie-idJPKBN18W0D7

カタールと言えば、アルジャジーラである。カタールは首長国ながら民主主義を導入、いち早く女性に参政権を与えたリベラルさで有名である。王家に対する批判以外は報道も極めて自由である。アルジャジーラの事実上のオーナーは王家のサーニー家であるらしい。

石油と天然ガスの埋蔵量は共に世界第3位。世界シェアは13.4%。2012年のフォーブス誌の世界で最も裕福な国ランキング1位である。所得税なし。電気代・水道代・医療費もすべて無料。さらに大学を卒業すれば日本円で3000万円弱を無利子で借りることが出来、40×30mの土地が貸与され、10年後には自分のものになるという。

カタールと言えば、日本サッカー界の最大の屈辱ともいえるドーハの悲劇(W杯出場を逃した一件)だが、2022年のW杯開催国でもある。(これにはかなりの金額が使われたのではないかという疑義が出されていて開催が危ぶまれている。)

一方、他の湾岸諸国同様、外国人労働者が入国しているが、過労死する人が続出しているという。…「ニュースではわからないイスラム57ヶ国の実像」(河出夢文庫/2014年)を再読して、今カタールについて語れるのはこれくらいだと思う。

2017年6月4日日曜日

武士は食わねど…の真実

https://www.youtube.com/watch?v=oLpg4jqCGVM
経済学という学問は、常に利潤を求めて損得で動く人間(=経済人)が市場を形成していると規定している。そのことを、総合科目で経済分野を開始するときに、学生に何度も確認している。いわば、需要曲線や供給曲線のグラフなどは、そのモデルであって、原則である。実際全ての経済活動がそのように動くわけではないが、一応そうなる可能性が高い、というわけだ。社会科学は自然科学のように答えが1つではない。

そんなことを常々話しているわけだが、私などは、「経済人」というカテゴリーから、はみ出しているところがある。損得で動くのは私の美学に反するのである。お金などは、まあたくさんあった方がいいが、金銭面でとやかく言うことは美しくないと思っている。損得だけで考えるなら、マレーシアに来ていないわけで、なんか「武士は食わねど…」の精神世界に生きているのである。(笑)

とはいえ、あまりに金銭的に損をしていて、笑っているわけにもいかないこともある。先日、住処にシロアリが大量に出た事件があった。妻は「蟻戦争」では「アリメツ」という新兵器で一応勝利を収めていた(5月28日付ブログ参照)が、この新しい蟻戦争にはかなり閉口したようで、「引っ越しする!」と言い出した。

この1年、他の先生方から、KL・タマンデサの様々なコンドの調度や家賃などの情報を得た。どうも私は価値の割に高額な家賃を払っているということがわかってきた。そもそも、来馬2日目、4月2日だったか、ホテルからエージェントに連れてこられ、何部屋か見たけれども、明日から入室できる、ということが今の住処の最大の価値だった。(笑)だから、あまり他の部屋と比べていないし、家具も電化製品もそんなになかったけれど、そういうものなのだろうと思っていたのだった。今思えば、それは間違っていたのだった。引っ越しを現実的に考えて、先日同じコンド内の部屋を回ったが、今空室になっている部屋の調度は、今の部屋と比較にならないほど良い。しかも家賃は同じか安価なのである。うーん。武士はかなり損をしていたわけだ。(笑)

もう少し、違うコンドの部屋も見てから、決定することになった。今のコンドは、なによりスタッフがいいので大好きだし、通勤にも食事にも買い物にも便利なので気に入っている。さてさて、それを超える物件があるかどうか、ちょっと楽しみである。

2017年6月3日土曜日

ゲーム理論「幸せトランプ」

http://haru.shiriagari.com/kansou/bunrui
/SONOTA/kobetu_doraemon/264_2.html
現在のミクロ経済学では、「ゲーム理論」が重要な要素になっている。もちろん、高校の経済ではあまり出てこないし、私自身が数学がかなり苦手な完全文系型人間なので、これまで触れることもなかったのだが、このところ妙に気になっている。ゲーム理論の基礎をそのうち勉強したいな、と思っていたわけだ。先日、そんな私に格好のHPを見つけた。「3日で学ぶ交渉術・ゲーム理論入門」である。(http://gametheory.jp/)

第2章でドラえもんの「しあわせトランプの恐怖」の話が出てくる。これがなかなか面白い。
ジョーカーを含めた53枚のトランプがあって、持っている人間の望みをかなえてくれるトランプである。ただし、1つ望みをかなえると1枚消えてしまう。最後にジョーカーが残るのだが、このジョーカーがそれまでの幸福の代償を全て払わせるほどの不幸をもたらすというもの。そのトランプを手に入れ、他者に残りを渡すことも可能である。あなたは、これを受け取るか否か?という問いかけである。
その詳細は、http://gametheory.jp/page.php?id=23で確認願うとして、「しあわせトランプ」という発想をした藤本弘(藤子不二雄F)氏は凄いなと思ったのだ。ゲーム理論・後方帰納法を元に発想されたかもしれない。

とんでもない新米国大統領が誕生してしまった今となっては、この「しあわせトランプの恐怖」というネーミングが極めて意味深で凄い。(笑)もちろん藤本弘氏はすでに他界されており全くの偶然だとは思うが…。

アメリカ・ファーストというスローガンは、ゲーム理論で言うと極めて「ゼロサムゲーム」(ゲームの参加者の得点と失点の総和がゼロになるようなゲーム)的である。彼の政策は、アメリカだけが勝ち、総取りすることを求めている。イスラム教徒の入国禁止の大統領令やパリ協定離脱などに顕著であるし、今回の北朝鮮危機に対するスタンスもその延長線上にある。まさに「しあわせトランプの恐怖」である。

異形とはいえ、まがりなりにも大学出の経営者だった男が、後方帰納法というゲーム理論を知らないはずはない、と思いたいところだが、彼の交渉術は、この「しあわせトランプ」の最後のジョーカーを自分なら他国に渡せることができると思い込んで、次々にカード(大統領令など自己の権限の大きさを実感することだけに幸福感を得ているように私には見えるが…)をきっているような気がする。

最後に残るジョーカーは結局誰も引き受けない。それが、この「しあわせトランプ」の結論なのである。まだカードが残っているうちに、「しあわせトランプ」はNYの五番街の金庫にでも思い出として閉じ込めておいてもらいたい。(ドラえもんのストーリーでは最後に金庫が登場するらしい。笑)こんな大統領を生んでしまったアメリカだけが、ジョーカーを引くのはまだしも、世界中にジョーカーをまき散らすはめにならないことを祈りたい。いや、先日のパリ協定離脱は、土地の低い珊瑚礁の島嶼国やネパール・バングラディシュなどヒマラヤの氷河が溶けた場合大災害となる国々に、ジョーカーを押しつけたのに等しいか。

2017年6月2日金曜日

パリ協定離脱で米国は…。

https://www.youtube.com/watch?v=CjUM1fHwaJE
私は、A財務相が人間的にどうも好きになれない。いつも威張っていて、自己顕示欲の強い人だと感じている。その財務相が、米国のパリ協定離脱を「その程度の国だということ。」と苦言を呈したという。まあ、この財務相にそう言われたら、離脱を表明した男も、さらにそれ以下だということを証明したようなものだ。日本だけでなく世界中から非難が寄せられているが、本人は自分の力の大きさだけに満足しているにちがいない。ホント、その程度の男だと私も思う。

条約締結は大統領が行い、上院の承認を得て批准されるのが米国のシステムである。おそらくのその反対のベクトルで大統領が離脱を表明したのだろうが、パリ協定を批准した上院はどう動くのだろうか?民主党は大反対キャンペーンを行うだろうし、米国内でも様々なところから反対運動が起こっている。当然至極だ。このパリ協定離脱を表明しても3年間は有効だから、早いところ、この男を引きずりおろして次の大統領が撤回をすべきだ。その程度の国だ言われて黙っている国だと、私は思っていない。

しかし、米国の威信は、いくら経済力があろうと、軍事力があろうと地に落ちたのは間違いない。その程度の男が使う「アメリカファースト」という言霊は、世界を敵に回す事と同義語となっている。

ところで、どこかの国の首都の選挙で、「都民ファースト」という名の政党ができたそうだ。このネーミングのセンスの悪さに、私は「安いセルロイドの人形」のような「ポピュリズム」を感じる。

「安いセルロイドの人形のような」というレトリックは、浅田彰の懐かしの哲学書「構造と力」に出てくるエディプスの三角形の崩壊の話の中で、母親の子供への愛情の欠如や形骸化を揶揄したものだ。三十年以上前に読んだが、いまだに印象深く残っているレトリックである。それくらいこの「都民ファースト」という党名、安っぽくて、浮ついた印象をもつ。世界の努力を無にするような愚かな男の言を猿真似をする政党のポピュリズムに踊らされるようでは、アメリカのWVやOHのプワーホワイトのように、世界認識も何もなく、自己本位で無教養な「その程度の都民」ということにならないか。(私は、この政党の主張するところの政策を全く意識していない。ただただ党名の話である。だが、党名が全てを物語っているように思えてならない。)

ドゥルーズや浅田彰が指摘したように、時代がますますスキゾになっていく。これまでの「コード」がリゾーム化していく。おそらくこれまでの世界史の中で、最も世界各国が、苦心してパラノに積み上げてきた環境問題への合意であるパリ協定。これをつぶしていいわけがない。

国際理解教育学会 in 筑波大学

筑波大学 教育学部
今週の土日に、日本国際理解教育学会の研究発表大会が筑波大学で行われるようである。私は日本を離れているので、当然参加することはかなわないが、せめてという思いで、HP上のプログラムを拝見した。

今回の研究発表大会、現場の実践者の研究発表が少ないのではないかと感じた。国際理解教育学会の研究発表大会の良さは、現場の実践者は大学研究者の理論を、大学の研究者は実践者の実践報告をたがいに研鑽しあうところにあると私などは思っている。以前より、実践者の報告が少ないのは大いに気になるところである。

もし、時間的にも経済的にも参加がゆるされるのであれば、私はマレーシアの多文化共生について報告したいところだ。この1年間のブログで、様々な知見をエントリーしてきた。日本で多文化共生を考えるのとは、全くスタンスの異なる報告になっただろうと思う。

私の本来のライフワークは国際理解教育であり、ESDである。気分も新たに自分自身で再確認しておきたいと思う。

2017年5月31日水曜日

IBTの話(100) マグロ経済学

今年の総合科目の公民分野は、政治から入った。学生の日本語力の向上に合わせて学習の進度を考えているわけである。今は、需要供給曲線を終えて、マクロ経済に突入したところである。

ここで、マレーシアの経済状況はどうかという質問をぶつける。多くの学生は、あまりよくないのではないかという感覚を持っている。KLは相変わらずの建設ラッシュで、こんなに工事ばかりしていて大丈夫なのか?という素朴な不安を抱いているようである。先日の日経に、マレーシアの輸出がシンガポールと並んで好調であること、またパナソニックがマレーシアに液晶TVの工場を建設するといった記事が載っていた。マレーシアの代表的な銀行であるメイバンクの収益も好調らしい。こんな最新情報を伝えることにしている。学生の中には、そういったマレーシアの経済ニュースに目を通している者もいたりする。実によろしい。用語が難解で、自分の頭の中でシミュレーションしなくては理解しづらい経済学である。できるだけマレーシアの情報をいれることで属性を刺激したいと思うのである。リンギ安が輸出に有利であるとか、有効需要としてのマラッカ・ゲートウェイ、さらにマレーシアと日本の雇用問題などに触れ、マクロ経済の導入とした。

経済はマグロである。常に前に進んでいないと死んでしまう。ということを説明して、マグロ、いやマクロ経済に入っていく。(笑)

ストックとフローの話の後、GDP、GNPの相違、NIの三面等価の法則…。こういう話は、ある程度日本語能力が中級の後半くらいにならないと学生も苦しいと思われる。私費生も国費生もちゃんとついてきてくれている。

こうして考えると、昨年はかなり日本語能力と学習内容に断層があったように思う。4月の段階で、アジア通貨危機についてやったのだ。昨年の学生は大変だっただろうなあと、今更ながらに思うのだ。

2017年5月30日火曜日

在韓米軍の不思議な動き

http://polandball.blog.fc2.com/img/20151208092950e1c.jpg/
WEB記事によると、在韓米軍(陸軍)が一部装備(戦車や自走砲、弾薬、燃料など)を撤収する動きに出ているようだ。陸軍の参謀総長が、上院の聴聞会で、歩兵旅団を機甲旅団に再編するためだと述べているらしい。http://www.recordchina.co.jp/b179707-s0-c10.html

この動きをどう読むか?韓国の新政権へのゆさぶり=在韓米軍への支出拡大を要求するブラフと見るか?いや、私は、危機がさらに強まった故の戦略的な撤退と見る。おそらく、北朝鮮との武力衝突となれば、空軍や海軍の巡航ミサイルも含めた空爆がまず行われるだろう。これは間違いない。もし、陸戦が必要ならば沖縄や岩国の海兵隊を使うだろう。(失礼な言い方になるが、陸軍より海兵隊のほうがはるかに強い。)陸軍の出番があったとしても、その後になると思われる。ソマリアPKO以来、アメリカは陸軍を使った地上戦を嫌う。最も多く人的被害が出て、アメリカのママたちを怒らせるからだ。

在韓のアメリカ人の保護のために最小限度の陸軍は必要だろう。しかし必要以上の陸軍を置く必要がないということではないだろうか。まして、最悪の事態になり、北朝鮮軍が韓国に侵入した場合、燃料や弾薬を奪われでもしたら…。あるいは、秘密裏に在韓アメリカ人を陸軍の輸送機を使って徐々に韓国から対比させるためのカモフラージュとして利用するのかもしれない。

この、一部装備の撤収、極めてプラグマティックな動きではないだろうか?軍事は、最も周到に準備されるマネジメントであるといえる。今日のエントリーのタイトルは「不思議な」と記したけれど、これは、一般論的にであって、実は私自身は不思議でも何でもないと思っている。

追記:他のWEB記事によると、中国政府は、米軍によるピンポイントでの攻撃は許容するようだ。ただし、米軍が陸戦の上朝鮮統一をはかることはゆるさないというスタンスらしい。この「不思議」な行動は、中国へのシグナルであるとも見ることができる。(6月1日早朝)

2017年5月29日月曜日

2年目のラマダン始まる。

住処から見た今日の夕日。もうすぐマグレブのアザーンが聞こえる。
マレーシアでは、先週の土曜日にラマダンが始まった。昨年度は、初日に学生主催のパーティーがあったので、その開始が極めて印象深かったのだが、今回は土曜・日曜をはさんで、すでに3日目になっている。IBTでも、ラマダン中は放課後の補習はやらないことになっている。大きな変化と言えば、それくらいなのだが、私などは、やはりマレー系の学生にはついつい気を遣ってしまう。

考えてみれば、マレーシアの多文化共生においては、他の宗教のことには、全く干渉しないということが徹底されている。中華系の学生は、モスクに行ったこともないし、マレー系の学生もヒンドゥー寺院はもちろん、道教や仏教の寺院に行くことはない。すぐ横で共存しながらも、全くの無関心なのである。

ラマダンをマレー系の人々が行っていても、中華系の人々はほぼ無関心である。もちろん、他の宗教行事で休日になるとラッキーだ、くらいであって、それぞれが独立独歩である。第三者の在マレーシア日本人としては、こういう間合いが実に興味深い。よく、異文化理解とか多文化共生とかを国際理解教育で学んだけれど、マレーシアにおいては、その共存は、シビアなバランスの上に成立しているといえる。以前、国際理解教育学会で、イスラエルに於ける(家庭内別居のような)多文化共生について研究発表したけれど、マレーシアのそれも、また微妙に異なるわけで、日本という土俵から見ているだけでは理解しがたい各地域の状況があるんだよなあ、と実感せずにはおれない。

ともかくも、2回目のラマダンが始まった。マン・ウォッチングが趣味だといっていい私は、様々な場所で観察を続けていくつもりだ。

2017年5月28日日曜日

韓国の「徳政令」考

https://www.youtube.com/watch?v=UPO72O-GvNg
妻が突然「徳政令って何?」と聞いてきた。「借金の棒引き政策」と私は答えたのだが、なぜ妻がそんなことを聞いたのか不思議だった。その謎はまもなく解けた。韓国の新政権が、10年以上100万円以下の借金をしている約44万人に「徳政令」を行うらしいというWEB記事だった。
http://news.livedoor.com/article/detail/13124243/

これまでにも、韓国では、内需が少ない故か、可処分所得の家計負担率が高く(要するにOECDの中でも飛び抜けて、家計の借金が多い国らしい。)、そういう人々のための基金をつくってきたらしいが、さすがに「徳政令」はしていない。しかし新大統領は、今回これを公約にして選挙に勝ったらしい。はっきり言って、信じられない政策だ。まだ貨幣経済が浸透していない中世の政策である。当然、その資金は税金でまかなわれるわけで、リーマンショックの時の(破綻した金融機関の不良債権を政府が肩代わりした)アメリカ以上に、おそらく中間層から異議が申し立てられるだろう。しかも、WEB記事によると、現在の韓国の青年層の失業率が韓国は異常なほど高率である。実質的に23.6%だという。青年失業者層からの徳政令への批判を念頭に、新たに彼らを雇用する81万人の公務員採用も検討しているとか。

新大統領と新閣僚は、少なくとも日本の高校程度の政治経済の教科書でよいから、もういちど学び直した方がいい。「徳政令」と「81万人の公務員採用」。そんな政策をうったら、どうなるか、日本の高校生ならわかるはずだ。

韓国はギリシアにあこがれているのだろうか。幸い、ギリシアには地政学的優位が少しばかりあって、EUの枠組みを守るためドイツが助けてくれたけれど、おそらく日本も中国もそこまで韓国の地政学的優位を認めないだろうし、こういう政策をうてば、政治も感情主体なら、経済も感情主体だと見放す可能性の方が大きい。

私は韓国をアジアの中でも優秀な国のひとつと見ていたが、認識を改める必要があるのかもしれない。またひとつ、POST TRUTHの政権が世界に登場したというしかない。

妻の「蟻」戦争

言うまでもなく、マレーシアは赤道直下の南国である。フルーツが豊かで美味しい。鳥も多くて、なかなか趣がある。(バードウォッチャーにとっては天国らしい。)米や野菜を始め、農産物も豊かである。これらが、私の感じるメリット。
デメリットとしては、暑すぎることやスコール・雷なんてのもあるが、最大のデメリットは、虫が多いことだと思う。朝のバス停で待っている間に蚊に刺されることもしばしばである。まあ、仕方がないとあきらめている。デング熱は、かなりやばいので勘弁願いたいが、週一回くらいの割合で、コンドでも、近隣でも日本人会でも殺虫剤散布が行われている。

ところで、妻が8月に来て初めて認識したのだが、我が住処に蟻がいる。我が住処はかなり高層にあるのだが、それでも蟻がいるというのが凄い。それも、よーく見ないと(もっと言えば、見つけようとしないと)わからないくらい小さな蟻である。妻は最初、掃除で対応した。床に食べかすなどが落ちていないか、目をサラのようにして掃除していた。それでも蟻はそこら中を這い回っていた。そこで、妻は「蟻の巣コロリ」という、小さな固形物を蟻が巣に運んで巣ごとやっつけるという薬品を手に入れて試してみたのだ。だが、小さな蟻には、この固形物は大きすぎたようで、あまり効果がなかった。

そこで、最終兵器の登場である。マレーシアの日本人間で読まれているフリーペーパー(何種類かある。)に宣伝が載っていた「アリメツ」である。知人宅で、先日、試供品を手に入れてきたのだ。これは、液体状なので、マレーシアの極小の蟻にも効果てきめんだという。昨夜、蟻の集まりそうな床に数滴ずつたらしてみたところ、どこにこれだけ蟻がいたのか、というくらい集まってきた。朝見ると、そこには蟻の姿がもう見えない。まさにジェノサイドである。数回繰り返すといいらしい。つまりまた巣の卵から新手がやってくるので、数世代にわたってジェノサイドを繰り返すシステムらしい。

よく考えるとえげつない話である。「ゴキブリホイホイ」のような自己責任でやっつける(変な言い方だが、ご理解願いたい。)のと違い、他の蟻もその液体の毒で、まきぞえにして根絶やしにするわけだ。とはいえ、住処の中に蟻が多いといろいろ大変だ。殺生は好まないが、仕方がない。妻の蟻戦争、ちょっと一息というところか。

2017年5月27日土曜日

日経 マレーシア国産車の転機

http://www.malaysia-magazine.com/immigrate/lifeinfo
マレーシアには、国産車メーカーが2社ある。「プロトン」と「プロドゥア」である。「プロトン」は、1983年、マハティール元首相の主導で設立され、三菱自動車が出資・技術提携を行った会社で、一時期国内シェア55%にまで成長したのだが、2016年には12%にまで落ち込んでいる。一方の「プルドゥア」は、追いかける立場で設立。ダイハツの合弁企業であり、消費者ニーズを摑んで、2016年・シェア36%の首位を獲得している。要するに、政府肝いりの「プロトン」は民間の活力に押されて低迷しているわけだ。

その「プロトン」の株式を、中国の吉利という自動車企業が49.9%取得することになったらしい。(日経5月25日付11面)この吉利という自動車会社は、冷蔵庫の部品メーカーからたたき上げの創業者の力で民営の自動車会社に変身したらしい。中国国内でこそ76万台を販売しているが、対外的にはほとんど無名(輸出は2万台ほど)。今回の出資でプロトンの所有するイギリスの「ロータス」の株式51%も取得するらしい。これも株式取得の大きな背景とも言われている。吉利が東南アジアとヨーロッパへの市場拡大をめざしていることは間違いない。この吉利、スウェーデンのボルボの技術も手に入れているらしく、「プロトン」の親方・政府という体質を変えて立て直しを図れるか?というところに注目が集まるわけだ。

私は、マレーシアに来て国産車があるというのさえ知らなかった。マハティールの慧眼はたいしたものだと思う。しかし肝いりの「プロトン」が半分中国企業化したわけで、ここでも「マハティールの涙」ということか。F1のマレーシア開催も今年で終わるそうで、高齢の元首相にとっては、ダブル・ショックだろうと思う。

ただ、日経の記事中にもあったけれど、マレーシアには技術力のある部品の下請け企業が少ないそうだ。自動車産業はまさに技術と生産性の集積がものを言う世界である。頑張っているもうひとつの国産自動車会社「プルドゥア」も同じような悩みをかかえているのかもしれない。マレーシアの開発には、国産自動車会社の発展も大きく関わっている。

2017年5月25日木曜日

「反社会学講座」を読む。

だいぶ前のことになるが、日本人会の無人古書コーナーで、パオロ・マッツァリーノという謎の人物が著者の「反社会学講座」という本をRM2(約50円)で手に入れた。と、いうのもタイトルに惹かれたのと、少しだけつまみ読みして、かなり面白い内容であることが決め手になったのである。長い間、職員室の机の中に入れてあったのだが、進路指導で「社会学」とはなんぞや?などという話もしなければならないので、じっくりと読んでみることにした。

学生時代、R大学の社会学を学ぶ友人たちは、極めて広範囲な学問領域の森に佇んでいた。卒論も歴史を論じる者もあれば、経済学的な論をはる者もいたし、それって人文学ではないかというような者もいて、要するに「人間集団としての社会」に関係すれば、なんでもありなのだという解説を受けた記憶がある。だから、これまでも、やりたい学問がまだ決めかねているという学生には、社会学を勧めてきたのだった。

おいおい、内容についてエントリーするつもりであるが、この本について調べてみるとなかなか謎だらけである。著者は、実はM大学の社会学者であるという指摘もあって、その人物も調べてみた。正直なところ、私は日本人が外国人風のペンネームを使うことは、少しうさんくさく感じてしまう。だが、この学者の著作を読んだことがないのでその正否はわからない。かなり文脈からみても類似しているらしい。当然、毀誉褒貶もあって、正統派?の社会学者にボロクソに書かれていたりする。素人目には内容も、文章自体も落語のように面白いので、絶賛する声もある。

まあ、進路指導にはあまり役立ちそうにはない本であることだけはわかった。(笑)

2017年5月23日火曜日

米大統領は辞任するかも。

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アメリカでは、ロシアとの問題から、FBI長官解任にからんで、大統領弾劾の動きが強まっている。共和党がどこまで支持するかは不明だが、このままでは中間選挙で痛い目に合うのは必至の状況だ。大統領が任命すべき行政の高官人事もまだまだ決まっていないところが多く、行政にも重大な支障をきたしている。ホワイトハウスから流れる情報も指示も支離滅裂である。

おまけに、大統領本人が「(大統領職は)もっと簡単だと思った。」という始末。もし、これが日本で首相が、「(内閣総理大臣という職務は)もっと簡単だと思っていた。」などと言えば、ほぼ間違いなく内閣不信任もしくは自ら辞任することになるだろうと思う。

これは日本の精神風土による散り際の美学にあるように私は思う。辞める時は潔く。大きな失言をしたり、失政をして、責任を全うできないときは、見事に散ってみせるのが権力者の美学だ。徳川慶喜があまりよく思われていないのは、鳥羽伏見の戦いで敵前逃亡したからである。歴史的大局から見て悪くはない判断だったと思われるが、散る美学からは、かけ離れている。

アメリカには、当然そういった長い歴史に培われた美学はないように思われる。今回の中東訪問の詳細を見ても、全くパッとしない。中東和平など歴代の大統領がいくら動き回ってもできなかったことを、イスラエル寄りを明確にしている彼ができるわけがない。しかも、これまで同様の毒舌すら吐けない。お決まりの外交辞令しか吐けない。彼に「平和を!」などと言われても真実味が全くない。なにか、大統領という鎧を纏って世界旅行をしている感じだ。

とはいえ、我々の想定を超えたところにいる大統領なので、気まぐれに「もうやめだ。」という可能性はある。気まぐれに「核のボタン」を押したり、きまぐれに北朝鮮に先制攻撃し多くの人的被害を呼び寄せるくらいなら、理由はどうあれ、辞めてくれたほうが、よっぽど世界のためだといえる。あまり歴史に名を残してほしくはない人物だ。

だいぶ弱っているのではないか。…そんな感覚を私は今抱いている。

2017年5月22日月曜日

IBTの話(99) 宿題

1週間のスクールホリデーが終わり、授業再開である。6月中旬の定期試験、そしてEJUへと邁進しなかればならない初日だ。このホリデー中、国費生などは故郷に帰っているはずだ。日本語抜きの日々が続くと、それまでの学習が水泡に帰す。先日書評を書き終わったラザク先生の伝記でも、学生が土日ごとに学んだ内容を忘れて困られたという記述があった。ましてスクールホリデーは1週間である。当然、各教科とも中身の濃い宿題を出すことになる。私の「公民分野」の宿題はA4版両面刷2枚である。これまでの政治分野と経済の前半部の総まとめになっている。テキストと私の補足プリントを読み直せばできる内容にしてある。(画像参照)とはいえ、そう簡単ではない。おそらく優秀な学生でも3時間くらいはかかるだろうと思う。

今朝提出された宿題をチェックした。間違いに赤ペンを入れるのだが、国費生の宿題の出来がかなり悪い。明らかに手を抜いていた。たとえば、高等裁判所のある都市名で、”さっぽろ”とひらがな書きされていたりする。日本語を学ぶ学生が漢字を避けていくと壁にぶち当たる。労働三法なども、団体交渉権を交渉権などと略してある。難しそうだと最初から空白の部分も多かった。こういう手抜きを今見逃すとEJUでは勝てない。きっちりと何時間かかろうとやり抜くことが、結局のところ、大学に行ってからもその学習姿勢が生きてくるのは間違いない。国費生は、国立大学に留学する。入った後、いいかげんな姿勢だと地獄を見ることになる。特に文系は、新書などの資料を読み、レポートを書くことが多いからだ。

そんなことを今日は、50分の短い3時間目だったこともあって、解答をしながら説教をしていたのだった。私はあまり説教をするタイプの教師ではない。だが、今日は私の五感の全てが、説教すべしと言っていたのだ。今年の国費生、心配である。マハティール首相の涙の話やラザク先生の話も入れて、マレーシアのこれからのために半年耐えて、なにがなんでも力をつけるように諭したつもりである。

その後、昼からは私費生の私のクラスの学生の宿題をチェックした。入学が一ヶ月早いだけだが、出来が全然違う。中華系で漢字に強いこともあるが、読解能力が違う。手抜きもない。ちょっとだけ救われた気がしたのだった。明日、返却するが説教をする必要はなさそうである。

2017年5月21日日曜日

第4次産業革命に備えを。

日本の若手官僚の日本の将来を憂いた資料の話を昨日エントリーしたが、マレーシアではナジブ首相が、先のメーデー(5月1日)の集会で「第4次産業革命に備えを」と訴えている。(地元の日本語フリーペーパー・南国新聞/5月11日号)
昨年のダボス会議で開かれた世界経済フォーラムの年次総会が「第4次産業革命」をテーマに掲げ、仕事の未来について報告したことを受け「失われる職種もあるが新たに生まれる雇用もある。(レポートでは710万人が失職し、200万人の新たな雇用が生まれるとされている。)マレーシア人もそのような変化に直面していることに留意し、準備を怠らないようにしよう。」と呼びかけたということだ。
この第4次産業革命とは、水や蒸気機関による第一次産業革命、電気による大量生産が可能になった第二次産業革命、コンピュータ制御による生産性の向上が図られた第三次産業革命に続くもの。現在ドイツの官民が一体となって進めているもので、単に大量生産するのではなく、インターネットやビッグデータを活用しながら個々の需要に機械も人も対応する客業生産体制を意味する。「スマートファクトリー」(自ら考える工場)を志向するものだ。
http://thedevelopmentadvisor.com/malaysia-kaj-melaka-gateway/
一方で、中国の「一帯一路」プロジェクトの一環として建設が開始される「マラッカ・ゲートウェイ」について、マラッカで州政府主催の公務員の集会でも首相はスピーチしている。マラッカの沿岸に3つの人工島を埋め立て、新たな大港湾施設を建設する他、観光施設、商業施設、住宅などを含む複合開発プロジェクトで、2025年の完成後は250万人の観光客、45000人の雇用を生むとされる。

…現在のマレーシアはASEANの中では経済発展については十分に優等生だが、世界的には人口の少ない中進国であるといえる。この中進国の罠を抜け出るためには、インフラの整備をはじめ、さらなる投資をして「飛翔」する必要があると開発経済学は説いている。マレーシアの政権の中枢部は、そのあたりについては十分把握しているようで、大筋間違っていないと私は、いつも学生に説いている。(学生の多くは、インフラの工事やコンドの新築工事などがガンガン行われている今の状況に、不安を抱いている者が多い。)
ところで、このマラッカ・ゲートウェイには、マハティール元首相が大陸の中国系の人々の移住を促進するものではないか、マレーシアの人口バランスを崩すと国是が揺らぐと警鐘を鳴らしていて、賛否両論があるようだ。いずれにせよ、世界的な大きな経済変動さえなければ、いいのだが…。