2020年8月31日月曜日

安倍首相退陣に想う

http://illust-ibi.blogspot.
com/2019/04/2_26.html
一昨日の安倍首相退陣についてすこしエントリーしておこうと思う。何度も書いているように、私は右でも左でもない。安倍内閣に対しても同様に是々非々のスタンスである。安倍政権は佐藤政権を抜いて、最も長期政権化した。ここから始めたい。

長期政権化した最大の理由は、小選挙区制にある。党が小選挙区の推薦候補を握っている故に、よほど選挙に強い議員以外はモノを言えなくなる。実は私は小選挙区制には批判的だ。中選挙区でいい。金権選挙云々の批判があったが、中選挙区で揉まれ、族議員が生まれ、派閥で総裁選挙を争う。それが政治に活力を与えていたと思う。政治家が党幹部の顔色をうかがうような小物ばかりになるよりは、はるかに良いと思っている。

長期政権化したことのメリットは、外交力であろう。G7等で安倍首相は古参になり発言力を増したからだ。あの問題児の大統領閣下をして最大の友と言わしめたことは賞賛に値すると私は思う。タカ派であり憲法改正を念頭に置いていたことで、ネトウヨさんには評判が良いが、これだけネットで中韓の実情が露わになったことで、私も存在感があったと認めざるを得ない。ずぶずぶの親中派、親韓派議員には私も批判的だ。嫌中・嫌韓世論はすでに構築されているように思う。

安倍政権の経済政策についても、様々な意見がある。金融緩和策でリフレ政策を強行した割に結果はたいしたこととはなかった。ただ失業率は下がり、名目GDPはアップした。アベノミクスは成功とはいかないが、それなりの成果もあったというべきか。

安倍内閣最大の失敗は、各省庁の人事を内閣が握ったことだ。「忖度」という語が普通に使われるようになったのは、この一点に集約される。様々なスキャンダルが起こったが、各省庁が首相に忖度するような風土を作り上げた功罪は大きい。優秀な日本の官僚のやる気を削いだことは最大のデメリットだ。

政治家の評価は難しい。私など評価するのはおこがましいのだが、本人が言うように、いずれ歴史が裁くことになるだろう。とはいえ、体調不良による判断ミスで国益を損なわないため、というのは武士道に繋がる。散り方は実に見事である。

2020年8月30日日曜日

はなはな漁業体験クルーズ

同じ伊方町地域おこし協力隊のT隊員(漁業関係)が、三崎の「はなはな」で漁船を使った漁業体験クルーズの運営スタッフをしておられる。Facebookでも毎日のように更新されていて、これは、行かねばと今日妻と「はなはな」に行ってきた。駐車場は満車状態。30分前に行ったのに、クルーズは13:00の分はすでに満員になっており、14:30の予約をしたのだった。
参加者に地図を使って案内するT隊員
クルーズは、三崎港を出て、佐田岬の方ではなく名取の方を目指した。途中ゴリラのような岩があったり、今にも滑り落ちそうな斜めの海岸壁があったり、さらには岩の中に穴が開いている岩(私は勝手に佐田岬アーチーズと名付けた。)もあったりで、佐田岬半島の意外な一面を見ることができて実に面白かった。
ゴリラ岩
佐田岬アーチーズ
最後に、ブイのあるところで昨日仕掛けた網を引き揚げてくれた。小さな鯛はすぐリリース。メバル2匹とカワハギ1匹が残った。参加したのは3組の夫婦だったのでじゃんけんでもらうことになった。我が家はメバルを貰ってきた。(妻はさっそく煮つけにするようだ。)これで、参加費1人1500円は安い。(笑)読者の方で、もし機会があったら是非。10月まで土日開催でやっているそうだ。

2020年8月29日土曜日

あいテレビの取材の話

三崎高校は、意外にテレビの取材が多い。最大のテレビ取材は、昨年12月のローラが来た時だが、地元のテレビ局や新聞も結構取材に来る。だが、塾にまで取材に来ることは、めったにない。

今回の取材は塾にも来た。私はこういう時、あまり前に出ない。塾の責任者ではあるが、写りたくないし、コメントもしたくない。面白かったのは、塾生にインタヴューしたいという要望があったことだ。こういうことは初めてである。私が指名したのは、1年生のNさん、3年生のS君。すると、1年生のYさんが「私もインタヴューされたいです。」というので、いいよ、と言うと、クルーのところに走って行って、結局一番尺が長かった。(笑)ずっと付きそっていただいたT先生が「凄いパワフルやな。」と表現されていた。こういう人材が1年生にいることを新ためて実感されていたようだ。

今年の1年生は数も多いし、他府県からの者も含めて、いろんな人材がいる。その60%以上を掌握している塾としても大いに期待しているところだ。

2020年8月28日金曜日

「坊ちゃん」読書感想文 考

道後温泉の土産物屋にて
K県出身の1年生の塾生が「坊っちゃん」の読書感想文を書いていた。夏目漱石の代表作とはいえ、読書感想文は書きにくいと思うのが、「せっかく愛媛に来たのだから。」と選んだらしい。もし今、私が「坊っちゃん」の読書感想文を書くとしたら、こんな感じになる。

「坊っちゃん」は数ある夏目漱石の作品の中でも特に親しまれている作品である。故にその影響力も大きいと推察する。特に坊ちゃんがつけるあだ名で、校長はたぬき、教頭は赤シャツという言霊の影響が大きいような気がする。校長=たぬきと言うのは、なにかとごまかし、言質を取られれないようにけむにまく存在というイメージを持ち、また教頭=赤シャツと言うのは、嫌な奴で出世の事ばかり考えている存在というイメージを持つのではないだろうか。教師生活が長い私はこれまでに多くの校長、教頭に仕えてきた。今は、後輩が校長や教頭になっている。この、たぬき・赤シャツというイメージは果たして正しいのか?

校長=たぬき説は、大いにあてはまる場合が多い。と、いうより校長と言う立場はたぬきであったほうがいいともいえる。言いたいことをあまり言えない、またそれを言わないことが校長と言う立場の美徳ともいえるのである。また教師集団は校長と接する機会がそう多くないので、余計たぬき感・たぬき度が増すのかもしれない。だが、全くといってよいほど、たぬき度が低い校長も何人か知っている。その「人徳」がたぬき度を必要としない校長だ。

教頭=赤シャツ説も、大いにあてはまる場合が多い。これは出世のためにそれなりの対応をするという意味である。教頭と言う立場は難しい。校長を立て、面倒な仕事を引き受ける必要がある。校長は勤務時間と共に下校するが、教頭はそうはいかない。何かあれば教頭が責任を負う。特に入試など対外的な仕事は教頭の役目だ。教頭は、一般教師の勤務評定をするが、教頭の勤務評定は校長の役目だ。教育委員会にも目配せが必要だ。教頭は嫌われる場合が多い。よく「中之島(大阪市役所/大阪市教育委員会)を向いて仕事してるんとちゃうか。」と皆で罵詈雑言をしていたものだ。好かれる教頭はあまり出世しない場合が多い。私は何人か校長になれないまま退職した先輩を知っているが、ほとんどが好かれる教頭だった。赤シャツ度が高いほど出世するというのが世の習いか。

というわけで、校長=たぬき説、教頭=赤シャツ説は、ほぼだ正しいと大阪市で長い教員生活を送ってきた私は実感している。ただし、愛媛県に来て、ちょっと違うと思ってきた。「えひめ真面目」なこちらでは、三崎高校はもとより、伊方町内の中学校も回らせてもらって、校長・教頭とも、お一人おひとりの人格で勝負されている感じがする。私は、赤シャツやたぬきになるくらいなら「山嵐」でいいと思ってきたが、もし愛媛県の教師であったなら管理職になっていたかもしれないと思うのだ。

…ところで、今日は事務長がお休みで、18:30発の八幡浜行きの学校のバス発車前に学校長が確認に来られていた。私も20:30の塾のバスの関係もあって行っていたのだが、こんな学校長は初めてである。まさに、たぬき的校長のアンチテーゼである。こういう方の元で仕事をさせていただいていることを実に嬉しく思う次第。

2020年8月27日木曜日

体育祭応援団の話

時任三郎今昔
三崎高校は、9月5日に予定されている体育祭の準備で盛り上がっている。小規模校なので、2団に分かれてダンスなどの練習をしている。高校の体育祭と言うとこういう団全員で行うパフォーマンスが主流である。H高校など凄い気合が入っていた。(笑)

ところが、三崎高校では団の応援団もあるらしい。太鼓の音が響いたので見に行ってみた。思わず、自分の高校時代を思い出した。私は、高校3年間、ひとつも運動種目に出なかった。ひたすら図案科の応援団をしていたのだった。1年生の時、3年生の出す図太い声にびびったものだ。大阪市立工芸高校では6つの科があるが、それぞれの科に伝わる団旗と応援団の演目があって、三三七拍子でも科によって違う。それを叩きこまれ、2年生・3年生になると1年生に大声を叩き込むことになる。基本となるのは、休め・気をつけを意味する「ダン、ゼーッイ ダンカッ」である。体育祭シーズンになると”出来る”大声である。
3年では、Nが団長をやりたいと言ったので、副団長になった。私が、I工業高校(後に教師として勤務することになる。笑)から長ラン(丈が足元まである学ラン)を借りてきた。二人とも長髪で、あまり似合っていなかったと思う。隣の木材工芸科には、後に俳優になった時任三郎がいて、木材科の「カッパ・カッパ・へのカッパ」を披露してくれた。これは後に「笑っていいとも」でタモリに披露したらしい。(彼は生徒会副会長、私は文化祭実行委員長で、生徒会室に籠っていたりして、仲が良かったのだった。)

こうして、太鼓の音を聞いていると、昨日のことのようによみがえるのは何だろうか。高校時代は人生の中でも最も輝く濃い3年間なのかもしれない。だから、その手助けをする高校教師は、かけがえのない仕事なのだと思うのだ。

2020年8月26日水曜日

「怒りの葡萄」逆走現象

懐かしのサンディエゴのハードロックカフェ https://4travel.jp/travelogue/10229887
カリフォルニア州は、怒りの葡萄ではないが、人口流入する州であるというのが常識だ。明るい陽射し、リベラルな雰囲気。確かにロスからサンディエゴに向かうアムトラックから見るビーチはそんな雰囲気を醸し出していた。

ところが、最近カリフォルニアから脱出し、他州に移住する人々が増えているらしい。最大の原因はコロナ禍である。罹患数は全国トップ(人口もトップなので当然かもしれない)で、66万人強。特にロスでは1日平均2000~3000人が罹患している。学校は閉鎖されたままで、子供の教育に不安をもつ人々や、仕事を失い生活費の高いカリフォルニアから離れる人も多いそうだ。またコロナ対策に不満を持つ富裕層も流出が増えている。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20581

上記のURLの記事には、全米の都市の平均賃貸の価格が載っている。これは面白い。1位はサンフランシスコで$3500。2位はNYで$3000、次にボストン$2590、オークランド(サンフランシスコ郊外)が$2500、サンノゼ(サンフランシスコの南、シリコンバレーの中心地)が$2450、ロスアンゼルスが$2260、同額でワシントンD.C.$2260、8位がシアトル$1890、カリフォルニアの南端海軍基地のあるサンディエゴが第9位$1790、第10位がマイアミで$1800であった。カリフォルニア州内の都市が5つもランクインしている。

以前読んだアメリカ本で、アメリカ人が最も行きたい都市はサンフランシスコだった。今でも人気なわけだ。これにサンノゼを中心とするシリコンバレーが発達し、オークランドなども人気の住宅地となったようである。この三都市はすこぶる近い。ちなみに、シリコンバレーは最先端の地であるから、すでにリモートワークが進み、通勤圏でなくともよくなり、真っ先に関係者が去り始めたという。カリフォルニアの住宅価格は大きく下がる可能性があるらしい。

…私はカリフォルニアを何度も訪れているが、このような流出記事を読んで少なからずショックを受けた。何事にも最先端な地域であり、人が増えこそすれ減っていくというイメージが無かったのだ。ただ、もし私が英語と仕事が出来て、アメリカでどこに住んでもいいよと言われたら、カリフォルニアではなく、オレゴンとか、ノースカロライナとか、ウィスコンシンとかを選ぶ気がする。(そうそう、カリフォルニアでもサンディエゴはいい街で、かなり印象が良いので例外としたい。)

…全米で最も開放的なカリフォルニア。ここにはマスク姿は似合わない。人口も多いし、ロスなども低所得者層の街も多い(空港からダウンタウンまで、地下鉄に乗って実体験した。)ので罹患数が多くなるに違いない。コロナ禍はまさに多くの変化を及ぼしているわけだ。

2020年8月24日月曜日

書評 最後の秘境東京藝大

https://cenecio.hatenablog.com/entry/2016/09/04/083118
伊方町地域おこし協力隊の活動報告会が昨日あった。13:00からだったが、9:00集合だったので、かなり時間に余裕が生まれた。単行本を持って行って大正解だった。「最後の秘境 東京藝大」(二宮敦人著/新潮文庫)を読み終えることができたのだった。

新刊本といってよいので、あまり内容を漏らすのは悪趣味だと思うのだが、ここに登場する藝大生は一人ひとり極めてオリジナルで面白い。
私は大阪市立工芸高等学校出身なので、その美術学部の雰囲気は、少なからず理解可能だ。美術といっても、様々な材料を使うし工場の様な雰囲気が描写されているが、わかる気がする。音楽学部については、完全に未知の領域だけれど、古楽(バロック音楽や邦楽)が考古学であることや、指揮科の学びには大いに興味をそそられた。

さて、最も印象に残ったのは藝祭の話だ。声楽と建築、日本画と邦楽といった美術学部と音楽学部の1年生がチームを組み、神輿をつくってパレードするらしい。何から何まで手作りでつくられたクオリティーは極めて高い。さすがは東京藝大である。(画像参照)いつか、是非上野に見に行ってみたいと思ったのだ。

2020年8月22日土曜日

三崎高校1日体験入学の日

ゴジラがウロウロ 三崎高校1日体験入学(拡大できます)
三崎高校1日体験入学の日。昨年、マレーシアで三崎高校のHPを見て驚いた記憶がある。鎧を着ての日本史の授業やゴジラが屋上に現れて、三角関数でその高さを計る授業…。体験入学に力を入れる学校も多いがずば抜けている。凄い学校だと思った。

さて、1年後の今日、やはりゴジラは現れた。本当はペットボトルロケットでゴジラを倒せと言う数学・理科の模擬授業があったのだが、ゴジラの絵を倒すことになったそうだ。で、関係ないところでウロウロしていた。(笑)あと美術、未咲輝学の模擬授業もあって、なかなか面白い企画が満載だった。その後2班に分かれ、観光バスで「はなはな」を見学に行くコースと校内散策コースの時間を過ごし、入れ替わる。この校内散策の時、未咲輝塾に来てくれるわけだ。今日は、最も若いW先生に託した。「好きなようにやって、後は私がまとめるから。」と言ったら、W先生は一気にパワーポイントで塾紹介を作りあげた。大したものだ。4回ほどプレゼンテーションをしてくれた。ありがたい。

オープニングもよかったが、エンディングのビデオは今日の内容を編集したビデオ。凄い編集の速さだ。みさこう体操を中学生にもやってもらったり、その中をゴジラが行ったり来たり。(笑)最後は記念撮影で、みさこう、さいこう、さあ行こう!と三崎高校お決まりのポーズで撮影した。この半ば強要の体験は右脳にじっかり刻み込まれるような気がする。

なにより、中学生には、1年生を中心にしたスタッフの生徒のいきいきとした姿が印象的だったのではないかと思う。1年生はどんどん”みさこう生”になっていく。私もイベントで人づくりをしてきたが、小規模校故の仕事の多さからくるのだろうか、見る見る成長していくように思う。体育祭、そして文化祭でさらに”みさこう生”化していくのだろう。楽しみだ。

2020年8月21日金曜日

大山先生の活動紹介 YouTube

https://www.youtube.com/watch?v=zf3pdkvG_dY

京都大学のアフリカ地域研究資料センターの大山先生のニジェールでの都市ゴミによる砂漠緑化の活動を紹介するYouTubeがあった。偶然の発見だが、大山先生の取り組みが紹介されえていることは実に嬉しい。https://www.youtube.com/watch?v=zf3pdkvG_dY

大山先生の取り組みについては、これまで、2011年6月18日付・2012年4月14日・15日付・2018年3月4日付のブログで取り上げてきた。
https://africaryu-kon-roku.blogspot.com/2011/06/blog-post_18.html
https://africaryu-kon-roku.blogspot.com/2012/04/12.html
https://africaryu-kon-roku.blogspot.com/2012/04/blog-post_15.html
https://africaryu-kon-roku.blogspot.com/2018/03/blog-post_41.html
もし、興味のある方は、上記のブログ、特に2012年4月14日・15日付のエントリーを参照いただきたい。

ところで、この大山先生の取り組みを紹介したYouTube、大きなミスを犯している。ニジェールの貧困状況を最初に紹介しているのだが、HDI(人間開発指数)を出している組織をWHOとしている。これはUNDP(国連開発計画)が正しい。こういうしょうもないミスは、このYouTubeのクオリティーを一気に下げてしまうと私は思う。社会科の授業で使える内容なので、是非訂正してもらいたいと思う次第。

2020年8月20日木曜日

中国は正気か?北戴河会議

https://minkara.carview.co.jp/u
serid/2427836/blog/44293855/
アメリカは本気で中国との戦争準備をしていることを昨日エントリーした。空母打撃群が2つ。それだけでも十分だと思うが、B2のスタンバイは凄い。そのうち、F22(現時点で最強と言われるステルス戦闘機)もグアムや沖縄に配備されるかもしれない。(…もうしているかも。)中国本土におけるアメリカ企業ならびに西欧豪や日本企業などの人的退避行動が行われたら、開戦となる可能性が高い。

ところで、澳洲新報という中国の新聞記事には、とんでもない内容が載っていたらしい。北戴河会議の結果についての報道だ。
https://www.youtube.com/watch?v=kNmjguoLqRE

北戴河会議の大方の予想では、習近平が長老につるし上げられるというのが多かったが、この中国紙の報道によると、アメリカと完全に縁を切ることが決定したらしい。
中国本土の新聞は、当然中国共産党の検閲を受けているはずで、共産党のプロパガンダに不利になるようなフェイクはないはず。ならば、これは開戦の予告になる。

中国共産党「北戴河会議」で抗米方針第8条が決定した。1.在中米企業のうちサービス産業、飲食業が今でも中国に残っているが、9月、10月までにこれらの企業を全面的に整理する。2.これから中国は米国に使う新型核兵器を開発する。3.全面的に国防費をさらに増やす。GDPの4%くらい増やす。4.親中国の国々(中東アフリカ諸国、北朝鮮、イラン)が協力して米国と戦う。5.中国は自分たちの力で科学技術、兵器を開発する。米国の同盟国とも縁を切る。中国の友好国とは米ドルではなく人民元で決済する。人民元の経済圏を作っていく。6.米国の包囲網を破る。必ず台湾を武力で侵略する。南シナ海では戦争はしたくない。米国の選挙後に台湾を攻撃する。7.全中国人は米国との戦争の準備をする。食料備蓄、エネルギー備蓄、水備蓄。8.米国と徹底的に断絶する準備をする。14億人に対して呼びかける。(これは在外の中国国民に対し戦争準備をせよという意味になる。アメリカや日本でのゲリラ活動の可能性も含んでいる。)

…この記事は当然アメリカも知っているはず(大使館や領事館にはそのような地元メディアの記事を翻訳する専門家がいる。)で、この8条を見て、開戦を急ぐのではないか。ただし、笑止なものも多い。2の核兵器開発や4の新中国の国々との同盟との第三次世界大戦は夢物語の様な気がする。5の米国の同盟国とも縁を切るのも凄い。日本も当然含まれるだろう。韓国はどうするのだろうか。人民元決済・人民元経済圏は不可能である。通貨は、信用によって成立するからだ。中国共産党信用を失い孤立する中、このようなプロパガンダができること自体信じられない。6は、不可解である。この文脈をアメリカはどうみるのだろうか。米国選挙後に台湾進攻すると断言するならば、トランプはその前に先制攻撃と考えるだろう。この挑発は極めて危険だ。7・8は本土だけでなく、世界に散らばる中国国民への戦争準備のメッセージである。これも極めて危険な挑発である。

…この正気の沙汰とは思えない澳洲新報という中国の新聞記事について、親中派の日本のマスコミは一切触れないだろう。だが、重要な記事だと私は思う。拡散してもいいと思うのでエントリーした。

最後に確認しておきたいのは、私は右派でも左派でもない。ただ、今の中国共産党は、ただの利益集団による独裁政権であり、正義はそこにはないと考えている一人である。また戦争を是としているわけではない。ただ軍事的な衝突があった場合、日本人はもとより、全ての国の人々の犠牲者ができるだけ少なくて済むことをただただ祈っていることである。

2020年8月19日水曜日

アメリカは本気だ。

http://m3i.nobody.jp/military/b-2menu.html
ネットの情報は早い。インド洋のディエゴガルシア島(英領/モルジブ諸島のさらに南に位置する。アメリカに貸与されており、インド洋の最大の軍事拠点)に、B2爆撃機(ステルス性能が極めて高い爆撃機)が3機到着したとのこと。南シナ海へは、アメリカ本土からなら10時間だが5時間で到達でき、時間短縮になる。なにより、B2を動かすぞと言うのは凄い圧力になりうる。情報源は国防長官で、Washington Examinerの記事である。
https://www.youtube.com/watch?v=37GajjBdy20&t=10s

昨晩、B1B爆撃機(超低空を音速で飛び、爆弾掲載量もB52同等以上)が、グアムから尖閣諸島のすぐそばまで直進し引き返したという報道もあった。(この記事も探してみたけれど見つからない。削除されたのかもしれない)もし、尖閣に上陸する者があれば、B1Bによって、ただちに排除されるだろう。なにしろ地球は丸いので、超低空で、しかもステルス機能があるB1Bを補足することはかなり難しいからだ。

中国は明らかに怯えているようだ。これに加えて金融制裁が党幹部を追い詰めている。

2020年8月18日火曜日

欧米石炭火力発電減少 考

https://jp.wsj.com/articles/SB12580682065743184470104583075980765577130
先日、別子銅山に行った時、閉山の理由は簡単で、コスト高になり格安な輸入の銅鉱石に負けたということだった。地理で鉱業については、特に市場原理を教えることになる。

さて、WEB記事で石炭火力発電について書かれたものを読んだ。なかなか面白かった。秋田大学の国際資源学科にPBTの学生を何人か送っているし、ちょっとこの記事を整理していこうと思う。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20510

OECD諸国では、この1~3月期、4%ほど石炭火力発電量が減り、再生可能エネルギー(太陽光や風力など)に変わったという。これだけ見れば、地球温暖化に先進国が対応しているように見える。ところが、実際のところ、もう少し複雑である。

確認事項その1:電力は需要と供給が一致しなければならない。供給過多でも停電する。原子力発電のメリットは計算できる一定量の電力を常に供給できること。水力発電などを含めた再生可能エネルギーは供給量がかなり変化する。したがって、火力発電がその供給量を調整する役割がある。

確認事項その2:石油はほぼ世界的に同一価格だが、石炭の価格は地域差がある。たとえば、露天掘りの石炭は低コストだが、立坑で深いところから掘る石炭は高コストになる。

OESD諸国、特にアメリカや欧州では、要するに天然ガスの火力発電に移行せざるを得なくなっているわけだ。アメリカは、地理でよく語るのだが鉄道輸送網が発達している。ただし旅客輸送はごく少数でほとんどが貨物輸送である。石炭も鉄道で運ばれる。当然産地と発電所の距離にコストは比例する。発電所到着価格では、パイプラインで運ばれる天然ガスの価格の7割でないと勝てないそうだ。しかも石炭火力発電所の老朽化も進んでいる。

イギリスも経済的な理由で石炭火力発電は衰退している。産業革命を支えてきた炭鉱の閉山、発電所の老朽化で発電量が減少している。アメリカ同様、北海の天然ガスを利用した方が安くつく。

ドイツは、大規模な褐炭炭田を抱えるので、雇用、エネルギーの安全保障(ドイツはロシアからの石油・天然ガスにかなり依存している。)などの理由から簡単に閉鎖できない。2038年まで石炭火力発電を続けるらしい。徐々に脱石炭化を進めているわけだ。

したがって、各国とも、環境問題の視点から石炭火力発電を減少させているわけではなく市場原理、エネルギーの安全保障など様々な条件から思慮しているわけだ。

とはいえ、各国ともSDGsの意識を持っていることは間違いない。少なくとも先進国は、経済性を意識しながらも再生エネルギーの拡大には熱心に取り組んでいるのだが、確認事項1のように、電力の需要供給一致のためには、(石炭か石油か天然ガスかはともかく)火力発電は最低限必要であることも知る必要がある。火力発電はCO2を出すからダメという簡単な論理は通用しないのだ。

2020年8月17日月曜日

イスラエルとUAE国交樹立

これまで、イスラエルと国交のあるアラブの国は、エジプトとヨルダンだかだったが、米大統領の仲介でUAEとも国交を結ぶこととなった。4度の戦火を交えたアラブの大義は、アラブの春以来揺らいでいる。これは実に大きなニュースだと私は思う。マレーシアにいた時、ムスリムの学生たちは、声をそろえてイスラエルには批判的であった。(もちろんマレーシアは国交を結んでいない。)だが、一般人の意識はともかく、国家間政治の世界ではパレスチナ人を巡る大義は、これで大きく変化していくと思う。湾岸諸国が後に続く可能性が高いのだ。

イスラエルの話となれば、オリーブ山通信が最も詳しい。UAEにとっては、ユダヤ教国家のイスラエルより、ペルシャ湾を挟んだシーア派のイランの方が危険だと見ているようだ。これは、アメリカとイスラエルにとって大きな橋頭堡を得たことにになる。
https://mtolive.net/

ところで、この国交樹立の条件としてUAEが掲げたのは、イスラエル右派が進めるヨルダン川西岸への入植地(地域の30%を占める)をイスラエル主権下に置くこと、残り70%をパレスチナの主権下(要するに独立を認める)というネタニヤフが主唱してきた「合併案」の「棚上げ」である。

当然、この合併案にはパレスチナ自治政府はNOが1000回というくらい否定している。またイスラエル国内の右派はパレスチナの独立を認めたくないし、左派は一方的な合併に否定的で、ネタニヤフ首相としては、今回のUAEの棚上げ提案は、「渡りに船」だったようだ。UAEと国交樹立の裏には、このような話があったようだ。あくまでこの合併案は棚上げされたわけで、消えてなくたったわけではない。実に玉虫色である。

いつか記したが、エゼキエル書(旧約聖書の三大預言書の1つ)38章には、ゴグ=北(ロシア・イラン・トルコなど)から、そしてマゴグ=南(北アフリカ方面)からイスラエルへの攻撃があると記されている。シェバ・デタンという参戦しない地域は、エジプト、ヨルダン、今回のUAEを含むアラビア半島を意味しているようだ。預言書のままに歴史は動いているという事か。

ところで、シリアはエゼキエル書のゴクにあたると思われるが、UAEはシリアとも外交関係を修復し、復興事業にも参入していたのだが、2019年12月に発動されたシーザー法(シリアのアサド大統領など39の個人・団体への制裁を定めたもの)で、アメリカの制裁を受けるかもしれないという窮地に立った。今回のイスラエルとの国交樹立が(シーザー法の)免罪符になるのかもしれないという報道もある。UAEにはUAEの裏事情もあったわけだ。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/08/uae-6_1.php

中東の政治は様々な要素が絡み合っている。これが国際政治というものだ。単純にUAEがアメリカの対中国・イラン包囲網に組み入れらたと見るのは、ちょっと違うわけだ。

2020年8月16日日曜日

歴史上の幸運不運な人物は誰か

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「歴史上最高の人物は!?世界史オリンピック」の番外編(幸運な人物・不運な人物)は難しい。第三者から見て、幸運・不運を決めれるものかどうかも危うい。一応、社会科教師から見た幸運・不運の人物を3人ずつ選んで投票した。

幸運な人物のNo1は、「朕は国家なり」のルイ14世。72年もの在位を誇る絶対王政時代のフランス王である。まあ、およそ全ての欲望をかなえられる立場にあった。他にも絶対王政の王はいるけれど、その代表として選んだ。
No2は、J・P・モルガン。はっきり言って悪党である。南北戦争で詐欺まがいの武器売買で得た資金を金に投機、北軍の海軍をたrしこんで大儲けして、次は鉄道に投資、さらに儲けて、線路に電線を引き通信を抑え、インサイダー取引で株で大儲け、金融資本化して、アメリカの産業界を支配した。やることなすことが上手くいった。
No3は、ジョン・ロックフェラー。石油精製で、モルガンと共謀して自社の輸送費を下げ他社をつぶしトラスト化。スタンダード石油はアメリカの石油を独占支配した。現在は、分散化したものの巨大な石油資本である。もちろん金融資本化している。

不運な人物のNo1には、私はカール・マルクスを推した。とにかくマルクスの貧困度は凄い。子供も医者に連れて行くカネもなく死亡させている。資本論も結局途中で絶筆しているし、彼を敬愛する左派勢力は多いけれど、結局のところプロレタリア独裁政権はうまくいっていない。スターリニズムのような陰険な独裁化、中国共産党のような利権集団化など、イデオロギーでは人間の煩悩を抑えることができないわけだ。(キューバのみちょっと成功している。)自らも不運、彼に従った人々も不運に見舞われた故にNo1とした。
不運な人物No2は、ギロチンにかかったルイ16世。ルイ14世とはまさに正反対。鍵づくりが趣味の小人物だった。王ではなく一般人だったほうが幸せだったに違いない。
不運な人物、最後は乃木希典。西南戦争時に軍旗(連隊旗)を奪われ、それを一生負い目に生きた。日露戦争でも息子を亡くしている。戦後学習院院長になり、明治天皇に殉死。

だいぶ考えたが、以上が私の考えた幸運・不運な人物群である。不運には、トロツキーなども入れていいかなとも思ったのだが…。

歴史上最強の軍人は誰か?

先程のエントリーの続きである。軍事部門、最強の軍人というか軍略家は誰か?という命題である。

やはりナポレオンがNo1ではないかと思う。国民皆兵制度をうまく使い、他国民も自由の輸出を歓迎し、百戦百勝のカリスマとなった。砲兵出身であることも幸いした。ただ、ロシア遠征以後は天が見放した感がある。とはいえ、最大の軍略家であることは間違いない。

No1でもよかったのがアレクサンドロス大王。こちらも百戦百勝と言っていいカリスマである。軍略家としては、諸葛亮。言わずと知れた中国最高の軍師である。さらに、私は日本から児玉源太郎を選ぶ。西南戦争の時に熊本城天守閣をこそっと焼き払ったのが凄い。日露戦争でも快刀乱麻の活躍を見せた。長州閥だが支藩出身故に首相になれなかったが、才能・人物共に明治中期の最高の傑物だと思うのだ。

これは架空の人物だが、沈黙の艦隊の海江田四郎。米太平洋艦隊、露太平洋艦隊を翻弄し、北極海の戦いを経て大西洋艦隊をもぶっ飛ばし、ニューヨークへ入る。まさに天才。チンギスハーンと息子たちも候補だったが、当時の軍事面では騎馬民族優位だっただけの様な気がするので選にもれた次第。

さて、民間部門は、文化人・思想家・活動家として歴史に与えた影響から投票する。ここは、宗教家が並んでしまう。まずはゴーダマ・シッダルダ(釈迦)ブティストとしては当然No1に推す。そして、世界史への影響から、イエス、パウロのキリスト者。次に宗教改革のカルヴァン。予定説を唱え、ルターなどよりはるかに世界史に影響を与えたと思う。最後に、忘れてはならないのがムハンマド。イスラム教の影響は大きい。5人選ぶとしたら以上かな。マルクスの影響も大きいと思うが、この5人には遠く及ばない。

歴史上最強の政治家は誰か?

昨夜、妻が騎馬中継の様な音声をタブレットから流していた。よく聞くと世界史の王朝の変化のようである。面白そうなので、私も見てみた。世界史が大好きな塾生もいるので紹介しようと思ったのだ。歴史ch「セカイスポーツ」というYouTubeである。
https://www.youtube.com/watch?v=lPHqvmc3fco

すると、「歴史上最高の人物は!?世界史オリンピック」というのがあって、1人5人まで投票して選ぶという企画だった。政治部門、軍事部門、民間部門、番外編(幸運な人物・不運な人物)に分類されていた。これは面白い。さっそく投票してみた。

まず政治部門である。偉大な政治家を選ぶわけだ。まずは、ビスマルクである。ドイツの統一、外交戦略、内政では保護貿易、社会主義者へのアメとムチの政策で、ドイツ発展の基礎を作り上げた。彼が失脚してからドイツは第一次世界大戦への道を進む。文句なしにNo1の宰相だと思う。

続いて、アメリカの第三代大統領・ジェファーソン。彼の作り上げたアメリカの三権分立の政治システムは、権力者を信用しないという視点で貫かれている。素晴らしい発想だと思う。

そして周恩来。毛沢東と言うとんでもない男をたてながら、人望で中国共産党を引っ張ってきた。周恩来の死後、一気に中国共産党はおかしくなる。

日本では、大久保利通。岩倉具視と「錦の御旗」を偽造し、明治維新を成し遂げた策謀家である。その後殖産興業の道筋、天皇主権の憲法の道筋などを建て、日本の近代化に貢献した。暗殺されてしまったのは惜しい。幕末維新最強の政治家である。

その他にも、政権基盤もないのに意外に20年も頑張ったナポレオン3世、台湾の民主化に貢献した李登輝なども上げたいところだった。
…つづく。

2020年8月15日土曜日

黙祷のサイレンと花火

このところ、雲ひとつない青空の日々である。
8月15日である。伊方町では、先日から正午に黙祷のためのサイレンを流すこと、夜8時に花火を伊方・瀬戸・三崎で、それぞれ打ち上げることが放送されていた。

大阪をはじめ今まで住んだ所では、このような黙祷のサイレンが鳴ったことはついぞ記憶にない。せいぜい甲子園の高校野球を見ていて一緒に黙祷するくらいだった。実に真面目愛媛である。三崎には、たしかにいろんなところに戦争の犠牲になった方々の慰霊碑がある。大都市圏のように人の異動が激しいところではないので、慰霊する意味も大きいのだろうと思う。右とか左とかの問題ではなく、自然な先人への畏敬の念を感じる。
前の畑に咲くユリ。実に美しい。
ここ3日ほどは、雲ひとつない青空の日が続いている。まさにお盆の空。さて、先ほどちょうど花火が上がった。玄関から見せてもらった。久しぶりに下から花火を見せてもらった。(マレーシアでは年がら年中花火が上がっていたし、15階からは見下ろすカタチであることが多かったのだった。)なかなか見事な花火であった。やはり日本の花火は美しい。放送では、悪霊退散・景気回復の願いを込めてと言っていた。そのあたりは、マレーシアと同じである。何より、伊方町にコロナ禍が来ませんように…。

2020年8月13日木曜日

鬼北町の鬼を訪ねる。

広見森の三角ぼうしの鬼
鬼北町は、市町村名としては日本で唯一「鬼」を含む地名である。鬼北とは、”鬼ケ城山の北にある”という意味で、旧広見町と旧日吉村、松野町、三間町を指すらしい。結局、旧広見町と旧日吉村のみが合併して鬼北町となったという。せんたんミーティングに来てくれた北宇和高校は旧広見町に、先ほどエントリーした武左衛門記念館は旧日吉村にある。
日吉夢産地の鬼
この旧広見町にも、旧日吉村にも道の駅がある。「広見森の三角ぼうし」と「日吉夢産地」である。それぞれにユニークな「鬼」のモニュメントがある。(笑)また武左衛門記念館と隣接していた歴史民俗資料館では、ちょうど「第5回鬼の造形大賞作品展」が行われていた。と、いうわけで、今日は鬼北町でいろんな鬼を見てきたわけだ。(笑)
意外に面白かったのは、歴史民俗資料館の「第5回鬼の造形大賞作品展」である。いろんな作品があって大いに楽しんだ。一番笑ったのは、以下の画像で示した相撲の作品。
向かって左は、文字通り土俵の鬼と言われた初代若乃花。右は、本物の鬼・播磨灘である。これは漫画「ああ播磨灘」を見ていないとわからない。たしかに「鬼」なのだ。私は会場で大笑いしてしまった。

鬼北町の一揆記念館を訪ねる。

昨年9月、三崎高校せんたん部主催のせんたんミーティングで、鬼北町の生徒が頑張っていた。彼らに再会する前に、鬼北町に行っておきたかった。と、いっても失礼ながら大した観光地もなさそうだったのだが、ふと「武佐衛門一揆記念館」というのが目にとまった。農民一揆の記念館とは珍しい。天気もいいので、急遽行くことにした。大洲から、肱川の道の駅へ。197号線をさらに進み、旧日吉村の中心街に歴史民俗資料館と隣接して、その記念館はあった。
昨日の愛南町の紫電改展示館同様、小規模だったけれど、実に素晴らしい展示だった。
1793年、宇和島藩の支藩である吉田藩(八幡浜の旧保内町も吉田藩の飛び地であったことがわかった。現在の西予市から鬼北町の地域)で、小藩故に厳しい年貢の取り立てと和紙の専売制が行われ、農民が窮乏。武佐衛門という農民が、一揆を企てるため芸人に扮装し、各村を回り仲間を集める。吉田藩に要求書を提出、家老の進歩派・安藤義太夫は理解を示したが、保守派に押し切られ具体的な解答が出来なかった。激怒した農民が実力行使に移り、次々と参加者が増え吉田藩ではなく宇和島藩領へと進撃した。ここで、安藤義太夫が切腹することで収めようとする。この切腹が転機となり、宇和島藩の指示もあって、吉田藩は農民の要求をすべて受け入れ、一揆の首謀者はじめ全ての農民に罪を問わないとの約束だったが、後これらは破られ、武佐衛門は首を切られさらされる。とはいえ、江戸期の農民一揆の成功率はかなり低いにもかかわらず、これは成功例だといえる。というような展示内容だった。

この記念館、内容も展示の方法もなかなか素晴らしいもので、大いに感激したのだった。あまり予備知識もなく、また期待も大きくなかったので、余計そう感じたのかもしれない。鬼北町は林業や農業が盛んな美しいところで、今日もまた素晴らしい1日になったのだった。

2020年8月12日水曜日

愛南町のドラゴンフルーツ

愛南町・紫電改資料館から海を望む
愛南町を妻が非常に気に入っている。紫電改展示館もそうなのだが、その途中に寄った道の駅でドラゴンフルーツを見つけたからである。KLに3年半もいたので、パパイア、マンゴー、そしてドラゴンフルーツのどれかが、朝食のメニューに入っている毎日を送ってきた。昨日も、妻は「ドラゴンフルーツが食べたいなあ。」と言っていたところだったのだ。ただし、ドラゴンフルーツは、赤と白がある。我が家が好むのは、絶対的に「赤」である。
さて、見つけたドラゴンフルーツは、赤か白か?極めて重要な問題であった。店の人に聞くと「わからないので切ってみます。」との返事。「赤でした。」とのことで、妻は6つも購入したのだった。1個300~400円だった。普段は、聡明な買い物をする妻なのだが、ここは大人買い。「冷蔵庫がもっと大きければ全部買ってもよかった。」と言っていた。妻は、愛南町=ドラゴンフルーツという認識になったようだ。(笑)冷やして1個だけ食してみたが、マレーシアと同じくらい美味しかったのだった。We Love 愛南町である。

愛南・紫電改を見に行ってきた

愛媛県の最南端に愛南町というところがある。ここに、紫電改展示館がある。愛南町沖の海底にあった機体を引き上げ修復したものである。1945年7月24日豊後水道上空で3倍」の米軍機と交戦し、10分たらずで16機を撃墜したが、6機が未帰還、そのうちの1機だという。そもそも紫電改は、今の松山空港を基地として、源田実が精鋭を集め海軍343部隊(剣部隊)をつくったことに始まる。(後に長崎・大村に移動)この辺は、愛読していたちばてつやの漫画「紫電改のタカ」にも出てくる。局地迎撃用の戦闘機として、活躍期間は短かったが、ゼロ戦より強いし(20㎜機関砲と自動空戦フラップで旋回性能が良いことが最大の原因)、何より旧日本軍機の中で最も美しい機体だと私は思う。
343部隊の展示 菅野大尉は「紫電改のタカ」にも登場したと記憶する(拡大できます)
と、いうわけで、今日宇和島経由で愛南町まで行ってきた。展示館自体は決して大きなものでないが、素晴らしい。この日本唯一の紫電改は、海中にあり、フジツボだらけであったものが修復されており、往年の塗装もされて機体自体の美しさはよくわかる。だが、プロペラは曲がっている。あえてその辺はそのままにされている。戦争の悲惨さ、平和への想いが伝わる。前述の未帰還の6名のプロフィール、遺族のコメントなども展示されており、お一人おひとりの短き人生をも顧みることができる。終戦記念日も近いが、こういう先人の存在を侵略戦争というゼロ記号で無視することは間違っているように思う。

なお、紫電改は日本ではここ愛南町のみにある。ただ無事に生き残った紫電改は、アメリカに接収され、3機だけ残存しているそうだ。まずメリーランド州のスミソニアン航空宇宙博物館/別館(ワシントンD.C.のスミソニアン航空宇宙博物館に入りきれない機体を保存しているところ)、オハイオ州デイトンの空軍博物館、フロリダ州・ペンサコーラの海軍航空博物館にあるという。そうか。ワシントンD.C.のスミソニアン航空宇宙博物館(本館)は3回行ったが、ゼロ戦の展示はされていても紫電改はなかった。もう、歳だけれど、コロナ禍が去ったら、これらの博物館を回りたいなと思う。一時期、デイトン行きのプランニングをしたこともあるのだけれど、そのままになっている。今回の愛南町行・紫電改との出会いは昔の夢を思い起こしてくれたのだった。

ともあれ、今日はいい1日だった。蛇足になるが、ミュージアムショップ(というか
コーナー)で、343(部隊)とSHIDEN=KAIの文字が胸に描かれたポロシャツを購入した。これを着て、いつかデイトンやペンサコーラに行きたいな。

2020年8月11日火曜日

コロナ禍後の社会考

コロナ禍後の社会というテーマは、今年の入試の小論文対策のコアの様な気がする。格好の資料を見つけた。「コロナ禍後の社会変化と期待されるイノベーション像」である。
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/kenkyu_innovation/pdf/019_02_00.pdf

ところで、私は教育関係者なので、やはり教育分野に目が行く。そこで語られるのは、知育の分野のみであることに気づく。教育は、知育・徳育・体育が三本柱である。知育のデジタル化は様々な問題があるとしても十分可能だと思うが、徳育、特にイベントなどで様々な役割を分担していくような「人づくり」は可能なのだろうか?と昭和の生き残りは感じてしまうのである。おいおい、この資料についてはエントリーしていこうと思う。

2020年8月10日月曜日

中共高官のスイス資産

https://polandball.fandom.com/wiki/Switzerlandball
ネット上で、中国共産党の海外資産の凍結について様々な情報が出ている。アメリカはもちろんの事、かの顧客の秘密を守ることで有名だったスイス銀行も凍結を示唆しているようだ。
江沢民などの資産の額は凄い。中国共産党と言う政権は、人民から絞り上げるだけ絞り上げ、それを行政サービスには使わず、一帯一路やインフラ整備という名の利権に使い、企業からの付け届けを享受してきたことは、もはや白日の下にさらされてしまった。

マルクスがこの事実を知ったら何と言うだろう。プロレタリア独裁ではなく、単なる利権集団独裁である。アメリカが、この独裁体制を破壊しようとしている理由は、アメリカの国益、西側の共通利益が主だろうが、搾取され続けてきた中国人民の立場からも、これは正義であるとしか私には思えない。日本の左翼政党(だけではなくあらゆる政治家)は、親中路線の転換をすべきだと思うのだが…。

2020年8月9日日曜日

新居浜・別子銅山に行ってきた

東平/貯鉱庫跡
新居浜は、四国でESDが最も盛んな所である。県内唯一のユネスコスクール高校である新居浜南高校があり、小中学校もユネスコスクールが多い。その理由は、別子銅山の歴史と深く関わっている。特に明治期以後、近代化されたが、鉱山の精錬所を新居浜市内から20㎞離れた四阪島に移動、公害をいちはやく意識したわけだ。(ただし、瀬戸内海地方に影響を与えたことも事実)また、閉山にあたっては植林を進め、現在は自然豊かな景観を保持している。すなわち、住友は持続可能な開発を進めていたというわけだ。

先日記したが、コロナ禍の県外へ立ち入らないとのお達しから四国カルスト行を諦め、県内移動のみの別子銅山行にシフトし、今日行ってきた。百聞は一見にしかずである。
今日になった理由は、少し長くなる。別子銅山は、高いところから堀進め、東洋のマチュピチュと呼ばれるほど高い位置にある東平(とうなる)エリアと、その下にある端出場(はでば)エリアに分かれている。この端出場エリアは現在マイントピア別子と呼ばれるテーマパークになっていて、鉱山鉄道や体験ゾーンなどがある。まあ、北海道・夕張の石炭の歴史村のようなものである。やはり東平がメインであるが、道が狭くガイドさん付きのバスを予約するほうが賢明だ。週間天気予報を見て、第一希望だった今日をすんなりと予約できたから、というわけだ。
端出場ゾーン/鉱山鉄道で往復・体験ゾーンを楽しんだ
東平/鉄道が走っていたあたりを望む
ESDの観点から、今日の東平での説明で興味深かったのは、鉱山から出る水を鉱区外に流さず溜め浄化してから流したという話。足尾銅山との大きな違いである。四阪島や植林事業より目立たないが極めて重要だと私は思う。
それと、東平の鉱山町には5000人もの人が住んでいて、病院や小学校、劇場などもあったらしい。なんだか、ロバート・オーウェンのニュー・ラナークを想起するが、こちらの労働者のハーモニカと呼ばれた社宅は6畳一間で共同炊事・共同トイレである。
ガイドさんの話を聞いていて、面白いことはたくさんあった。日本初の山岳鉄道(5.5km)はここにあったとか、よくもまあこんな険しい山地に作ったものだと感心する。見学ツアーは階段を下りたり登ったりであったが、1学期に学校の階段で鍛えていたので、意外に大丈夫だった。
蛇足になるが、マイントピアのレストランで、”大人のお子様ランチ”をいただいた。なかなか美味であった。

2020年8月8日土曜日

F40 ZOOM 同窓会Ⅱ

在りし日の F40 
F40の男子学生4人(L君・JS君・Z君・JT君)とZOOMで2時間半ほど語り合った。現在のところ、無理をすればマレーシア出国・日本入国は可能だそうだ。ただ検査を受けて、陰性であること、それを日本大使館で書類化する事、入国後下宿まで、電車・バスなどを使わずに移動する事、その後2週間自宅待機する事が必要らしい。うーん、かなりハードルが高い。F42 の国費生は、9月入学しなければならないので、無理やりでもこのハードルを乗り越えるよう手筈できそうだが、私費生には費用がかかりすぎる。慌てず待つしかないようだ。

国際情勢やマレーシアの情勢、日本の情勢など様々な話をした。もちろん、皆の現況報告もしてもらった。レポート三昧だったようで、それだけでは大学生活は面白くはない。ホント、早く日本に来れるよう祈りたい。

2020年8月7日金曜日

がんばれMベアーズ

これまでの勤務校ではそれぞれ野球部があった。商業高校は軟式で、元気はあったが、あまり強くなかった。工業高校では、硬式で強かった。ベスト16くらいまで残ったこともある。進学校でも硬式だったが、無茶苦茶弱かった。男子が少ないし、グランドも狭いので強くなれと言う方が無理。大阪大会第二位の記録的大差で負けたこともある。最後の体育系普通科も硬式で、部員120人、公立(高校)の雄といっていいほどの強豪校だった。春の近畿大会にも出てOT高校に負けたこともある。なんと投手は阪神の藤波だった。私は、よく応援に行ったものだ。野球部の強さは男子の数と比例するわけだ。

さて、三崎高校は軟式野球部である。三崎高校は小規模校なので、進学校同様部員数が少ない。しかも、部員には(帰省している)寮生も多いので夏休みの練習もままならない。一昨日は、広いグランドに塾生の2年生T君一人だった。教頭先生(専門は体育である)とキャッチボールをしていた。昨日は1年生のK君(彼も塾生だ)と2人。T君がピッチャー、K君がキャッチャーで投球練習をしていた。彼らは同じ伊方町内の中学出身の先輩後輩だが中学には野球部が無く、完全高校デビューである。

私などの年代は、小学生時代の遊びは野球しかなかった。毎日野球。ちょっとした空き地を見つけては三角ベースの野球。野球の上手い奴は尊敬されていた。私は勉強はそこそこできたので、学校ではそれなりの尊敬(?)を受けていたが、野球は実力本位の弱肉強食。同学年のチーム(別に大人の指導者がいたわけではない)に入った時、ユニフォームに当時好きだった阪神の辻佳紀と同じ背番号29をつけていたが、外野だった。キャッチャーミットも買ってもらっていたが、ついに試合で使う場面はなかった。(笑)それもそのはず、ヒットを打った記憶がない。

月曜日は、T君とキャッチボールをしたりもした。昨日今日とバッターボックスに立つくらいはできるので協力した。今日は、塾の講師陣に、「ちょっと手伝ってやって。」と言ったら、皆喜んで行ってくれた。帰ってきたら、みんな凄い汗をかいていた。(笑)

「がんばれベアーズ」という米映画が昔あった。とんでもなく弱い少年野球チームが強くなるコメディ映画だが、三崎高校の野球部は、今はまだ初期のベアーズ状態のようだ。がんばれ”みさこう”ベアーズ。

2020年8月6日木曜日

四国カルスト行を諦める。

https://www.iyokannet.jp/feature/karusuto/drive
コロナ禍の第二波の影響を受けて、昨夜、町教委から町の対策書類が送られてきた。県外への旅行は厳禁というか、出れば2週間の観察期間(有休措置)が取られるようだ。私を含めた塾の講師陣もこれで帰省の道が閉ざされた。(笑)伊方町は年配の方が多いし、厳戒態勢で臨むことは十二分に理解できる。

では、県内の旅で休暇を有効に使いたい。第一候補はなんといっても、四国カルストである。高原で涼しそうだし、妻と楽しみにしていたのだった。しかし、よく調べてみると、三崎からの最短ルートは、先日から何度か行っている大洲・肱川から入るルートである、しかし問題があった。高知県を通るのだ。では…と、内子から久万高原町経由で遠回りするルートも考えてみた。だが、四国カルストに向かうには長いトンネルを抜け、やはり高知県から登ることになっていた。うーん。この時点でアウトである。

四国カルストは、愛媛県側にあるが、高知県境にあるので、ややこしくなる。結局今夏は諦めた。さて、ではどうするか、今はまだ思案中である。

7月28日 北京 30℃で雪

https://www.visiontimesjp.com/?p=7044
去る7月28日、午後3時ごろ北京・東城区で、5~6分間雪が降ったそうだ。気温が30℃と高温であったにもにも関わらずである。
https://www.visiontimesjp.com/?p=7044

この異常気象、「(旧暦の)6月の雪」、中国では無実の罪(冤罪)の例えとして使われるそうだ。また同じ頃北京・通県では30分間真っ暗になったそうだ。

まさに天変地異、易姓革命の実相か。中国の人々の不安と不満は臨界点に達している気配がする。

2020年8月5日水曜日

中国の近未来 考

http://omura-highschool.net/2018/01/20/38347/
どうやら、習近平はかなり追い詰められているようだ。中国共産党内部での権力闘争は激しさを増している。李克強が勝ったとしても、アメリカは、中国共産党の解体を目指している。私の以前からの危惧が現実味を帯びてきたのだが、私は、今さらにその先が気になっている。こういう情報はまだ何も出ていない。

そんなことを考えていて、社会学者・橋爪大二郎氏の小論「アメリカがどうしても中国共産党を破滅に追い込みたいワケ」にたどり着いた。なかなか面白いので、教え子諸君は是非一読してほしい。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65446?imp=0

話を戻したい。アメリカが南沙諸島あるいは台湾、尖閣などで軍事行動を取り、打撃をあた上で、あるいは無人機による斬首作戦で党上層部に大打撃を与えた上で、民衆蜂起を促す可能性が最も現実的だと私は考えている。そうなれば中国はどうなるのだろうか?
https://www.freezilx2g.com/
2017/07/blog-post_7.html
建国直後の大地主層への訴苦や、文化大革命時の走資派ならぬ今度は共産党員に赤帽子をかぶせ自己批判することになるのだろうか?訴苦の世代は、かなりの老齢だが、文革世代は残っている。彼らの脳裏にその時の記憶が蘇るかもしれない。四人組裁判の様な政治的裁判が各地で起こるかもしれない。(ただ中国の司法も共産党員が握っているので、人民裁判になる可能性が高い。)共産党員に好き放題されてきた人民の恨みは深い。とんでもない大混乱が予想される。まして、南部は大洪水で食糧不足も十分予想されるわけで、ソ連崩壊以上の大混乱になるだろう。

台湾の国民党こそが歴史的に中国の国権を握る資格があるという論議もあるが、アメリカは、そんな単純な施策はとるまい。中国共産党が破滅した後の中国のプランをいくつか用意しているはずだ。アメリカと言う国はそういう国である。少なくとも民主主義化はその基軸になるだろう。ただ、軍事的に空と海を抑えても、中国本土に侵攻し泥沼の戦いをするとは考えにくい。(しかしウィグルには乗り込む可能性は高いだろう。香港もイギリスが乗り込む算段をしているかもしれない。インドのチベットへの侵攻もあり得る)したがって、共産党を民衆蜂起によって破滅させる手助けをしても、その後は中国人民の自然な再構築を期待している可能性が高い。

そもそも、中国を1つの国として見ること自体に無理があると私は思っている。華北、華中、華南、東北部、西域(おそらくウィグル、チベット、内モンゴルに分化する可能性が大きい)に分けて、民主的政府をそれぞれ樹立するように持っていくのではないか。ただ、各地の人民解放軍のスタンスが大きな問題になる。彼らが、WWⅡ以前のように軍閥化する可能性がある。空と海を抑え、幹部を斬首作戦で一掃したとしても、中国を無条件降伏、武装解除させることは難しい。そうなれば、中国史に度々起こった群雄割拠になってしまう。

だが、いくら戦後処理が難しかろうと、中国で大混乱が発生しようと、アメリカは中国共産党を破滅させるだろう。これは、橋爪氏が言うように、(アメリカが)「かつてナチズムと戦い、軍国日本と戦い、ソ連と冷戦を戦ったのと同様、総力を挙げての価値観の激突であるから」だ。

最後に私は願いたい。出来る限り犠牲者が少なくて済むことを…。

スキゾ・キッズ考

1984年頃といえば、私は36才、工業高校で教師をしていた頃だ。この年に浅田彰の「逃走論~スキゾ・キッズの冒険」が書かれ、私も読んだ。浅田彰は、ドゥルーズ=ガタリの思想を日本に紹介したわけだが、当時はまだまだ違和感が強かった。社会におけるコードはそれなりにきちっとしていたわけだ。それが、この頃から業界用語の登校拒否という語が不登校という語に変化した。小事だが、コードのベクトルの角度が大きく変化したように思う。

同じ年に、立花隆の「文明の逆説」も出た。この本の方が私には衝撃的だった。文明が進めば進むほど実は滅亡に向かっていることを記している名著だ。親の子殺し、子の親殺しという近親間で傷つけあう事件の続発を指摘し、他の動物には見られない。あるとすれば動物園の折に閉じ込められている動物のみ、といったショッキングな話もある。それまでの、文明は進歩するものといったヘーゲル的な進歩史観の常識が完全に覆される話でいっぱいだった。

2020年の今、振り返ってみると、両著は、奇妙な一致を見せている。私が教師として出発した1980年頃は、ドゥルーズ的に言えば、それなりのコードがあったが、それが徐々にリゾーム化していった。神・王・父といった円錐型のコードが資本主義的なクラインの壺化しても、大きな変化はなかった。社会におけるコードは徐々に、ちょっとした言葉の変化などでわかる程度に変化してきた。立花隆は、文明の逆説の中で、最も弱いところから文明の破綻が始まる旨を説いていた。それは子供である。それまでのエディプスの三角形が大きく崩れ、子供へのと献身と無上の愛を降り注ぐ母親は、自分の欲求を満足させたいプラスチック製のママになり、社会常識を伝える役割は父親は母親化して自分の使命を果たそうとしない。この記述は逃走論にあったと思う。私は、子供の運動会の姿をビデオに録るために早朝から陣取り合戦をする父親の報道を見て、社会コードの変化を感じ取った。こうして、怒られずに育った(=パラノな生き方を教わらなかった)スキゾ・キッズはそれまでの社会コードを無意識に破壊してきたように思う。

この流れを後押ししたのは、間違いなくグローバル化による、格差社会である。動物園にいる動物のように、ストレスに苛まれたスキゾ・キッズが拡大しているように思う。

この感覚は、私が三崎高校・公営塾で働いているから生まれた思索ではないことを明記しておく。ともかくも、この両著の予言は当たっている。30年以上前の本だが、今こそ、読む価値があるだろうと思う。

2020年8月3日月曜日

風雲急 4日まであと1日

https://worldball-plushies.com/countryball-36-views-of-mt-f
uji-with-ball-japan-by-hydroxideminus-polandball-countryball-hokusai-ukiyoe-polandball/
隣国の徴用工と彼らが呼んでいる問題で、現金化が明日4日からOKになる。現金化すれば、日本との関係は完全に崩壊するだろう。傷ついたコギトの集団であるがゆえに、日本の制裁をも曲解してしか受け入れないだろう。これは仕方がないと私は思う。どういう政策になるのか、今の時点では何とも言えないが、もはや、やらざるを得ないだろう。

一方、中国共産党が尖閣諸島にリーチをかけようとしている。これだけ国際的に孤立する中、強硬策をとる理由が分からないが、ある評論に寄れば習近平の権力保持のためらしい。極めてばかげているが、南シナ海の南沙諸島ではなく、こちらで米中の衝突が起こるかもしれない。南沙諸島なら集団的自衛権で日本の存続が危機に堕ちるという論理は弱い(とはいえ、マラッカ海峡から南シナ海は日本のシーライン=生命線だが…。)が、尖閣となると俄然話は変わってくる。

東アジアは狂っている。日本と台湾のみが真っ当な道を歩んでいるのだが、アメリカ兄さんの出方次第で戦火に巻き込まれる可能性は高い。台湾はそれを覚悟しているだろうが、日本は完全なる平和ボケで、多くの日本人は無関心なままだ。私は改憲論者ではないし、護憲論者でもない。だが、危機感を持っている日本人のひとりである。これから歴史はどう動くのだろうか?

2020年8月2日日曜日

照ノ富士の優勝を寿ぐ。

https://www.sankei.com/sports/news/200802/spo2008020023-n1.html
5年前、大関だった照ノ富士が膝の故障をおして優勝したのを覚えている。まだ大阪にいたころだ。間違いなく横綱候補だった。しかしこの無理がたたって、この日をピークに堕ちるだけ堕ちていく。序二段で相撲を取っていると知って驚いた。元大関が序二段。前代未聞の事態だ。それがやがて十両になり、関取に戻る。天と地の差を克服したわけだ。で、今場所幕尻で13勝2敗の優勝。横綱が2人とも休場と言うこともあるが、素晴らしい復活劇だ。とはいえ、膝の怪我と糖尿病を抱えている。

日本人には判官びいきという特質がある。ハンデを背負い、あるいは勝負の際に絶対的な弱者を応援することが多い。照ノ富士は、大関時代はふてぶてしい強さがあった。言わばヒール的な要素があったのだが、今や判官びいきされていい立場である。これをうまく中和して、ここからはじっくりと構えて、無理せず上位をキープしてほしいものだ。