2018年7月30日月曜日

ジンバブエの大統領選'18

https://www.asahi.com/articles/ASL7M5HWGL7MUHBI01Q.html
ジンバブエで大統領選挙と議会の総選挙が始まっている。
https://www.asahi.com/articles/ASL7M5HWGL7MUHBI01Q.html
https://www.yomiuri.co.jp/world/20180729-OYT1T50024.html

クーデターで退陣したムガベの後をついた元副大統領と野党の40才の候補が、次期大統領をめっぐって一騎打ちだそうだ。現大統領は、元ムガベの片腕。暗い過去もあるし、就任後の成果もあまりない。一方、ムガベは野党候補を支持しているとか。

この戦い、どっちが勝かわからない。支持率はかなり接近しているようだ。どちらにせよ、ジンバブエ国民にとっては、かなり厳しい選択になりそうである。

ジンバブエの人々は、失敗国家になってかなり荒んでいるかもしれないが、人が良いことは間違いない。1本ごとのタバコを売りに来た少年はもう青年になっているだろう。街角で立っていたら、自転車を止め挨拶してくれたオジサンは元気だろうか?笑顔でサザを作ってくれた屋台の青年も今は壮年になり、いまでも元気にサザを売っているのだろうか?そして、行きのバスで世話になった南アとジンバブエを行き来していたオバサンは…。

彼らの前途は、私にとっても大きな関心事である。

2018年7月29日日曜日

台湾と日本のビミョーな関係

昔、アメリカ旅行中(デンバーからサンフランシスコに移動中のユナイテッド航空)に、台湾のグループに出会ったことがある。中華系であることは明白だったが、本土なのか台湾なのかわからかった。結局向こうから話しかけられて、サウスカロライナに短期留学していた教員グループであることがわかり、長く会話を楽しんだ思い出がある。その時、私は、この国(地域)をどう呼べば良いのか、だいぶ悩んだ。台湾?チャイナ?チャイニーズ・タイペイ?
その時、彼らは台湾でいいよ。と言ってくれた。だが、この呼称については、非常に複雑な問題をはらんでいる。

ここ数日、台湾をめぐってのニュースが流れた。台湾への中国の圧力が凄いのだ。まずは、『東アジアユース競技大会』の台湾開催をめぐり、中国が横やりを入れてきた。ここで、台湾開催中止に日本は棄権した。他国は中国に従い、開催中止に賛成したのだった。
http://news.searchina.net/id/1664173?page=1

さらに、中国から突きつけられた航空会社への台湾という表記の変更問題である。多くの航空会社は、中国台湾(Taiwan,china)に変更、アメリカは、国名を記さず、ただ単に、台北や高尾とした。日本のナショナルフラッグ・JALならびにANAは、試行錯誤の上、中国・韓国・台湾をひとくくりにして『東アジア』として、都市名を併記する方法にした。
https://toyokeizai.net/articles/-/231277

うーん、実に日本的な玉虫色の措置だが、ホント、日本らしいと言える。この1つの中国問題は難しい。日本は、重要な親日国・台湾を切り捨てることはできないと思う。これは、心情の問題でもある。

アフリカでも、ブルキナファソが、ついに台湾と断交してしまった。空港で出会った、現地でレストランのオーナーをしていると自己紹介してくれた台湾のオッサンはどうしているのだろうか。現地には、台湾の開発した陸稲栽培の農業実験場もあった。あの農場もどうなっているのだろうか。そんなことを考えてしまう。
https://jp.reuters.com/article/burkina-taiwan-idJPKCN1IQ03I

2018年7月28日土曜日

KLの(大阪)日本橋へ行く。

妻のスマホが、昨朝充電できなくなって大騒ぎになった。結局、昨日昼休みに私がミッドバレーの店に行ったのだが、どうにもならず、今日販売店に教えて貰ったブキッビンタンのサービスセンターに行ってきた。噂には聞いていたKLの秋葉原といわれるパソコンやスマホの店がドドドーンと集まっているところである。私は大阪人なので、タイトルは秋葉原ではなく、大阪の電化街・日本橋にしたけど…。
サービスセンターは、4F(日本で言えば5F)にある。オフィスは小さなカウンター1つだった。すでに多くの人がいて、やれやれと言う感じ。ところが、妻の番になると、驚くほど早く直ったのだ。結局、アンドロイドの問題らしく、真っ黒な画面を中華系のいかにも詳しいですといった感じのスタッフがちょこちょこ触っていたら直ったのだった。まるで魔法だった。
やれやれである。スマホは便利この上ないが、壊れると大変だ。帰りに、せっかくなので、いろんな店を覗いてみた。結局買ったのは、Canonの店で愛機G1Xとパソコンをつなぐケーブル(RM20)だけ。(笑)早速使ってみた。ブログの画像をピックアップするのに、かなり早いし便利である。時代は、私と無関係にどんどん早く進んでいる…。デジタルデバイドのおじさんは、そうつぶやくのだった。

2018年7月27日金曜日

他言語にない5つの日本語

http://waterandcloud.jugem.jp/?eid=169
妻から、昨日紹介された日本語の話。日本語学校に勤務する身としては、なるほどと頷くのである。

1.わびさび
2.もったいない
3.切ない
4.豊富な一人称
5.初心

意外だったのは、『切ない』である。こういう感覚は日本特有のものだったのか、と改めて思う。日本語の一人称はたしかに豊富である。私・僕・俺・あたし・あたい・おいら・あっし・我が輩・小生・朕…どんどんでてくる。コミュニケーションの相手によって使い分ける日本語は、実に奥深いわけだ。ドラゴンボールの孫悟空は、その点まだまだ未熟なのか。
まあ、日本文化の中枢である『わびさび』は当然としても、初心は、世阿弥の言葉だが、外国語に同義語があると思っていた。もったいないは、マータイ女史のお陰で、少し広まったが、初心もアップル社のジョブズ氏によって広まれば素敵だなと思う。
https://www.huffingtonpost.jp/tabipponet/japanese-word_b_8406840.html

2018年7月26日木曜日

PBTの話(52) EJUスコア

6月のEJUのスコアが届いた。3限目、私の授業の始めに、各学生に渡した。各人の結果は、平均値など、いずれ深く洞察しなければならないが、個人情報なので、ブログのエントリーとしてはそぐわないと思う。まあ、今日のタイトルだけで御赦し願おうと思う。こう書くと、ずいぶん悪かったような印象をあたえるが、決してそうではない。

さて、今日は昨日のアイスブレーキングで使ったアンケートをちょっと紹介しようと思う。QとAを適当に紹介したい。
Q1:日本で住みたい街は? 秋葉原。京都。ヨコハマ。北海道。
Q2:あなたの出身地は?イポー。マラッカ。KL。シャーアラム。
Q3:あなたの特技は?ピアノ。ダンス。中指を曲げる。
Q4:あなたの趣味は?ガンプラ。バトミントン。ゲーム。アイドル。
Q5:大好物の料理は?パスタ。ステーキ。スキヤキ。カレーライス。
Q6:好きなスポーツは?水泳。バドミントン。バスケットボール。
Q7:私は…が嫌いです。虫。勉強。キューリ。猫。
Q8:日本以外で行きたい国は?ウガンダ。フランス。USA。
Q9:運転できますか?Y/N ほとんどYES。
Q10:あなたの将来なりたい職業は?学者。小説家。店のボス。
Q11:好きなフルーツは?スイカ。ドリアン。ランプ-タン。
Q12:日本語で好きな言葉は?一生懸命。縁。円安。何でやねん。
Q13:私は…です。宇宙人。あなたのクラスメート。サムライ。
Q14:PBTは…である。地獄。変な人が集まる場所。私の人生。
Q15:あなたの長所は?素直。楽観的。親切。勤勉。

なかなか面白い。真面目に答えていたり、ウィットがあったり…。

ところで、EJUのスコアの話に戻る。自分のスコアを見て回収(コピーをとる為である)した後、授業が始まると、妙にクラスは静まりかえっていた。それでいい。ここからが本格的な受験勉強のスタートである、などと考えていたら、昼休みをはさんだ4限目の授業は、笑いが溢れ、盛り上がったのだった。なんやねん。

ちなみに、今日の画像は、帰宅前に糖尿病の薬(2ヶ月分)をもらいに病院に寄った際、なぜか記念撮影をしていたタマンデサの消防隊である。エントリーの内容とは全く関係がない。(笑)

2018年7月25日水曜日

PBTの話(51) ウーリー'2018

毎年、最後にやるウーリーシンキングを、今年は今日やった。と、いうのも国際基督教大学に9月入学するL君最後の週であるとともに、日本で行われるリーダ塾に参加する3人の学生が、今晩マレーシアを飛び立つので、全員そろって授業を受けるのは今日が最後であるからだ。90分の授業全部を使ってウーリーシンキングは出来ない。その半分くらいで十分である。で、その前にアイスブレーキングをやってみた。

もうすでに、十分クラス内はアイスブレーキングしているが、日本語の能力を考えると、今ぐらいがちょうどいい。エクセルでつくった15コマに、様々な質問を設定し、友達に答えて貰い、サインももらう。質問は全部違う友人でなければならない。今クラスは18人なので、ほとんどの友人に質問し、サインをもらうことになる。最後に、L君に一言という欄があり、自分のサインを入れるというシステムにした。これをコピーして、金曜日にL君に渡そうと思う。(このアイスブレーキングについては、またいずれエントリーしようと思っている。)

さてさて、ウーリーシンキングのお題は、教育・環境・宗教・戦争・経済・マレーシア・日本のサブカルチャー・グローバリゼーション・持続可能な開発の9つ。男子学生7名と女子学生2名(いづれも中華系)に、立って貰い、残りの女子が動き回る体制にした。いつものように、生まれ月日を声を出さずに順番化した。
当然ながらなかなか盛り上がった。わーわー、キャーキャー言いながら毛糸を結びつけていく。論理もなかなかたいしたものだった。いつものように、問題解決と称して毛糸を戻し、あと5分という感じで終了した。最後にL君にスピーチをしてもらい、私の思いどうりに進んだのだった。やるだけやった満足感の残る90分だった。

2018年7月24日火曜日

PBTの話(50) 日本政党史2

日本政党史の講義を、90分+50分みっちりとやった。授業はいつも真剣勝負なのだけれど、今日は特に気合いがはいったのだった。PBTでこれまでやっていない学習内容であること、パワーポイントも凝っていることもあるが、内容がかなり高度であることもその大きな理由である。高度な内容を、いかにくだいて教えるかという教育実践は、実に面白い。
一時期、自民党の研究をしていたことが、今役に立っている。小説吉田学校を全巻読み、大下英治の政治関係の本もほとんど読破した。ちょうど、中曽根政権が、安竹宮の誰に禅譲するかが話題になっていた頃で、生徒に次の総理を予想させて平常点としたこともあった。当然、何故か?を小論文にまとめさせて提出させた。今思えば、かなり高度である。意外にみんな乗ってきて、あーでもない、こーでもないと新聞を読んだり、保護者に意見を聞いたりして考えてくれた。社会科は、興味付けが命であると、今ながらに思う。
ところで、今回の講義、相手はマレーシアの学生である。日本政治のしくみや、日本の戦後経済史は講じてあるので、全くの白紙ではないものの、なかなか難易度が高いと思っていたが、意外に最近のニュースには詳しかったりする。最後の『忖度』についても、意外にみんなモリカケ問題などを知っていて、かなりウケたのだった。政治学を志しているJ君など、今回の講義内容をかなり詳しく知っていた。昨年の我がクラスは、経済に興味をもっている生徒は多かったが、こんなに政治に興味を持っている学生も初めてで、実に嬉しい。A君やL君、J君など何人かの男子生徒もかなり真剣に聞いてくれたと思う。女子学生は、あまり政治には属性がないようだった。(笑)教室で講義形式で行うと、当然そういう属性の差はでる。これは致し方ない。でも、十分満足の90分+50分だったのだ。

2018年7月23日月曜日

PBTの話(49) 日本政党史

EJU対応の総合科目で、日本の政党史がある。私は基本的に留学生にここまで教える必要はないと思うのだが、範囲である以上教えなくてはならない。特に今年は政治学志望の学生もいるので、明日の90分+50分の授業でやろうと思う。問題は、その学習内容の精選である。
明治時代から始まって、自由民権運動、超然内閣、大正デモクラシーに至り、軍部政治へ。さらに戦後の55年体制。と、その前に日本資本主義論争に触れておかねばならない。
吉田・鳩山内閣から、高度経済成長期の池田・佐藤内閣、さらに三角大福中の派閥争いと族議員、ここでやっと中選挙区制の話が可能となる。三木・福田内閣後田中支配とその後の安中宮、最後の宮沢内閣で小沢らの反乱で小選挙区制を目差す細川連合政権になる。その後の自民党の連立時代…。民主党政権時代。ここで、政治主導の美名の元に事務次官等会議が無くなり、官僚の協力をえぬまま大震災を迎える。自民党の復活で、さらに官僚の人事権まで握り、今や忖度時代となってしまった。一方、議員の方も小選挙区制で党に生殺与奪を握られ、自由な発言を封じられている。

これが今回の講義内容である。もちろんパワーポイントをつくったが、無茶苦茶凝ってしまった。留学生に、日本史でもないのに政治家の名前を覚えさせる必要もあるまいと思う。適当に省きながらも、筋は抑えたつもりだ。先週からさきほどまで、ずっとこれにかかっていた。いやあ、久々の自転車操業である。

2018年7月22日日曜日

西鋭夫のCM本を読んでみた。

妻の一時帰国前だったと思う。西鋭夫というスタンフォード大学の教授の『新説・明治維新』という本のCMがWEBであって、かなりうさんくさかったが無料なので、本を大阪の自宅に送ってもらい、妻に持って帰ってきてもらって読んだ。

要するに、薩摩や長州、この両藩を結びつけた坂本龍馬は、グラバーから資金を調達し維新を推進した、というイギリス陰謀説である。新説と高らかに謳っているが、これらの話は、ある程度流布している。薩英戦争もかなり八百長的だし、亀山社中の資金についてもたしかに、グラバーの影がある。これはもう常識だ。新説ではないと思う。

…その後の戊辰戦争については、幕府側がフランスの陸軍による指導を受けてきたこともあり、イギリスはあえてフランスと事を構えずに武器だけ売って手を抜いている。しかもフランスはナポレオン3世の時代で、昔の英仏対立の時代は過ぎ去っている。クリミア戦争などで英仏は協力している。フランスもまた、日本の支配権をめぐってイギリスと戦う覚悟はなかったはずだ。イギリスとしても、日本の教育程度の高さ故に植民地というカタチではなく、新たな市場とする方が有為だと考えていたはずだ。ただし、アヘン戦争以来の狡猾さを捨てたわけではない。不平等条約は、その鎖だ。

…日本の指導者は、意外に情報通であったし、維新後すでにヨーロッパ各国に留学生を送っている。岩倉使節団は、ヨーロッパの留学生に、各国の憲法の翻訳をさせている。各国を見る目も鋭い。イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、アメリカなどの各国に人材を送り、その折衷的な近代化を進めている。イギリスの影響はたしかに大きいが、明治14年の政変で大隈重信のイギリスをモデルとした憲法案は否定されている。

…とはいえ、日清日露戦争時に、日英同盟を結び、順次不平等条約を改定する。イギリスの影響は、この点では大きい。

広田弘毅 
…WWⅠ後の中国大陸進出でアメリカの対立したとき、イギリスが仲裁に立った。しかし、これを日本は蹴る。この時の首相が広田弘毅。死刑になったA級戦犯の中では異質(唯一の文官)だが、このイギリスの仲裁を受け入れていれば歴史は変わったと思われる。この広田内閣時代の日独防共協定締結もあるだろうが、このことの功罪の方が大きいのではないかと私は思う。それ以上の推論はひかえるが、極めて重要な時期の首相であったことは間違いない。

…日本の近現代史を学ぶと、イギリスの影響力の大きさを感じるし、アメリカも含めたアングロサクソンの日本への影響力は極めて大きく、事実上の植民地としての日本も浮かび上がる。そのポチたる日本のルーツは、たしかに明治維新にあることは間違いない。

…よって、西氏の著書や講演云々のメールがどんどん届くが、なんとなく必要性を感じない私なのであった。

2018年7月21日土曜日

前任校・秋商ともに”夏”終わる

https://deskgram.org/explore/tags/
高校野球の予選、前任校はくじ運悪く、大阪を代表する私立の強豪R高校に負けてしまった。8回まで同点だったのだが…。残念である。秋田商業高校野球部も同じく今日、K高校と強豪同士の戦いに敗れた。
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2018/07/21/kiji/20180721s00001002204000c.html
https://www.sakigake.jp/news/article/20180720AK0020/

高校野球はある意味残酷で、3年生はこれで、まさにジ・エンド、新チームが動き出す。これまでの汗も血のにじむような努力もこれで終わる。前任校で最後の試合となった後を何度も見てきたが、胸が詰まる。そしてまた、明日から新たな戦いが始まるわけだ。選抜を目差す秋季大会はそう遠くない。

青春というのは、残酷だ。凄いスピードで時間が流れる。決して後戻りできない、濃い時間が流れてゆく。こういう空間に、教師として40年近く身を置いてきた。私自身の生命的時間も、青春期の学生と過ごしている分、一般の人以上に歳を重ねているような気になる。これも教師の特権かもしれない。

前任校の監督・Dちゃん、秋田商業のO監督、今年の夏もご苦労様でした。今日ぐらいはゆっくりと過ごして下さい。

威張っている扇風機

わが家には4台もクーラーがあるが、あまり使わない。リビングの天井扇、また寝室の扇風機を使っているのみである。おそらく、地震、大雨の後、猛暑となっている日本の実家よりはすごしやすいと思う。

扇風機を最初に買ったのは、マレーシアに来て1ヶ月後だった。近くの電気屋に買いに行き、バスでコンドまで運んだ。RM99。安かった。今日の画像のものである。その後、息子夫婦が短期滞在した時にもう1台買った。(同じ種類の扇風機/RM99)しかし、この扇風機、1年持たずに動かなくなった。で、もう1台違う会社の扇風機を買った(これもRM100前後だったと思う)が、無茶苦茶風が強いので、使いにくい。と、いうわけで我が家には3台の扇風機があるのだが、事実上2台である。

今寝室にある扇風機は臨終正念である。普通に置いておくとガクンとお辞儀したようになる。いつ何時ボキッと折れるかもしれないので、妻が『威張った扇風機』として使用することにしたのだった。まあ、寝ているとき直接風にあたるより、間接的な風の方がいいか、と私は納得している。

今日の画像は、愛機G1Xのちょっと特殊な機能でレトロ風に撮影したものである。

2018年7月20日金曜日

イスラエル基本法 考

イスラエルの国会と国章 https://4travel.jp/travelogue/11070701
イスラエルが、ヘブライ語のみを公用語(以前はアラビア語も公用語)とし、イエルサレムを首都と明記した基本法(日本の憲法にあたる)が国会で議決された。つまるところ、人口の20%を占めるアラブ人は、完全に2級市民化してしまったということになる。これまでは、イスラエルは、ことさらユダヤ人国家であるとは言葉にせず、民主主義国家であることを謳っていた。あえて、言葉にしないことでアラブ人との衝突を避けてきたわけだが、シオニズムにとっては歴史的な変化だと言える。
(オリーブ山便り)http://mtolive.blog.fc2.com/

…既に国内外から批判が出ている。アパルトヘイトの再現だという声もあるようだ。このようなイスラエルの姿勢は、エジプトやサウジといったスンニー派の中東諸国からの反発が、以前のような強いものではなく、ガザのハマスの背後にシーア派のイランが暗躍している故に、最小限のものになるだろうという地政学が働いているように見える。今やサウジの敵はイスラエルではなく、イランなのである。かなり複雑な情勢だが、中東問題の大きな分水嶺になるような気がする。

…だが、やはり私はパレスチナのアラブ人のことを心配している。彼らが、この件で暴力の被害を受けることを避けて欲しいと思う。日本にいると、ピントこなかっただろうが、マレーシアにいると、アラビア語が公用語で無くなったという事実は大きいことが肌で感じられるのだ。マレーシアでは、マレーシア語、英語、中国語、タミル語が使われているが、公用語として法律で決められているのはマレーシア語である。ただ、中華系・インド系は英語を解するので、公的機関などでは英語も事実上の公用語扱いされている。もし、中国語が公用語に法律で定められていて、それがあえて外されり、英語も事実上の公用語から外されたりしたら、中華系の人々はかなり怒るだろうと思う。

…この言語問題はかなり民族的な機微に関わるのだ。このイスラエルの基本法問題については、さらに情報を得て再考してみたいと思う。

2018年7月19日木曜日

PBTの話(48) 中原中也

https://kotobank.jp/word/
ちょうど一週間前に、校内弁論大会があって、中原中也の詩を交えた弁論があった。私はなかなか良いと思ったのだが、入賞できなかった。あとで、激励しておいたけれど…。その時、学生が、中原中也(ちゅうや)と呼んでいた。うーん、”ちゅうや”ではなく”なかや”ではないか?と私は思った。しかし、ウィキなどでは”ちゅうや”になっている。最近は、そう呼ぶんだと思う。この有名な詩人については、ダダイストであるとか、ランボーの翻訳をしたぐらいの知識しかない。かなりデカダンスだと思うので、あまり私の趣味ではない。

ところで、今日、内のクラスのU君から、この中原中也の詩集の内容について質問を受けた。大学受験を控えた学生諸君だが、自分の専攻を決めるために様々な本に目を通すのは決して悪くない。U君は、最初ドイツ文学をやろうかなと言っていたのだが、日本文学にも大きな興味を持ち始めたらしい。しかし、それにしても中原中也とは…。

さすがに、その詩の意味を問われたが、正確には答えられなかった。その詩の背景を知る必要もあるし、まして詩には言霊がある。結局大雑把な解説だけはしておいたが、日本語の先生に改めて聞くように言ったのだった。(笑)今日、参議院の定数6増についての質問をJ君から受けたが、こちらの方がはるかに答えやすい。(笑)我がクラスにおいて、こういうアカデミックな世界を構築できていることに、大いに満足している。日本にいるより、はるかに面白いのである。

肉レンジャー

https://twitter.com/yoshinoyagyudon/
妻から教えて貰ったニュース。吉野屋のボツ企画から始まった外食産業5社のコラボレーション・『肉レンジャー』が面白い。真ん中のオレンジが言い出しっぺの吉野屋。右の赤が1番先に参加したガスト。さらに、その横の白が次に参加表明したKFC。一番左が野菜がウリの緑の3番目に手を挙げたモスバーガー。そして、吉野屋のライバル、黄色の松屋が最後に参加した。

これからこのコラボレーションがどう発展するのかわからないが、すでにネット上では、肉レンジャーの主題歌は誰が歌うのかとか、フィギアを是非景品にして欲しいとか、企画会議のような投稿が相次いでいる。(笑)

見事な脱構築のマーケティングである。これから先の展開が楽しみだ。
https://rocketnews24.com/2018/07/18/1092382/

2018年7月18日水曜日

PBTの話(47) 第一次講義終了

https://matome.naver.jp/odai/2139899857728455801
我がAクラスでは、総合科目の講義をとりあえず一通り終えた。最後の講義はエネルギー問題で、それもアメリカのシェール・ガスの話である。シェールガスの生産は、今やアメリカの天然ガス生産の30%を超えている。中小の開発業者のフロンティア精神は大したもので、一時期サウジが原油価格を下げ、つぶしにかかったが、生産技術の向上で生き残り、国際石油メジャーがこれらの中小の業者の取り込みにかかった。今や原油生産の10%くらいしかシェアを持たない石油メジャーだが、起死回生の経営戦略なのだろう。これでさらに、アメリカのシェール革命は成功に向かっている。シェールガスの価格は、国際価格よりかなり低価であり、このコスト減が、リーマンショック以来、中国沿海部なみの賃金に低下しているアメリカの労働者と融合した場合、アメリカの工業は国際競争力を復活させ、世界の工場・中国を脅かす可能性もあるという話である。

このシェールガスが、輸出に回されることになると、マレーシアは極めて厳しい立場に立たされる。日本は安い天然ガスを輸入するだろうし、マレーシアにとっては大きな痛手だ。遠くない将来、シェール革命が世界経済に風穴をあけるかもしれない。そんな話をしていたのだった。

12点の米国大統領が強気なのも、こういう背景があること、支持者であるプワーホワイトの現状などにもふれてみた。国際関係に興味のある学生にはかなり刺激的な講義だったようだ。

講義の後、これから11月のEJUまでに、どういう内容をしてほしいか、アンケートを実施した。あえて講義しなかった政治分野の選挙制度などは当然やるとして、もう一度復習をかねて第二次講義を行う予定なのだ。まずは、地理の自然(地形や気候)からかなと思って、パワーポイントをすでに用意しているが、この際わかりにくかった内容を書いて貰ったのだった。地理分野と政治分野が比較的多かったように思う。この時点で、自分がわかっていない分野をテキストを再読しながら再確認する作業は、意外に重要だと思う。

2018年7月17日火曜日

日本とEUは自由貿易を守る。

日本とEUがEPAに署名した。米国の敵と12点男に揶揄されたEUが日本と自由貿易を守ろうとしている。米国のポチである日本としては、少しばかり危険な賭をしたわけだが、現政権に多少なりとも批判的な私も、このEPAには賛成である。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018071701041&g=pol

自由貿易の最大のメリットは、平和であると私は思っている。グローバルな自由貿易は、戦争回避に最も有効だ。1929年の世界大恐慌以後保護貿易化して、WWⅡが起こったことへの反省から、戦後の自由貿易体制が作られた。GATTからWHO、さらに各国間のEPAへと続く自由貿易を守る人類の叡智を私は支持したいのだ。よく、第三次世界大戦が起こるなどと言う人がいるが、米国と中国がいかに対立しても、経済的な結びつきがある故に、デメリットの方が絶対的に大きい故に戦争は起こらない。

新自由主義の経済思想の影響下で、世界全体に経済格差が拡大し、様々な軋轢が起こっている。ポピュリズムや偏狭なナショナリズムが台頭しているが、このグローバル化を白紙に戻すことは極めて難しいと思う。

米国の12点男は、保護貿易を推し進めているが、おそらくは中間選挙後にレイムダックとなるだろうと私は見ている。ヘルシンキの米露会談は、米国大統領の資質を問うような大失敗。支持者も含めたあらゆる階層の国民から批判が出ているようで、第三者としても、実に喜ばしい。米朝会談も米露会談も結局たいしたことはなかった。もうすでに、彼のプロレス的ゲーム理論は見透かされているようだ。早く来い来い、中間選挙である。

追記:秋田商業高校野球部は、O監督のもと初戦10-0で勝利。まずはめでたい。

2018年7月15日日曜日

夏の府予選 前任校が初戦突破

前任校は高校野球でも、公立の実力校として知られている。特に今年は、H君というプロのスカウトも注目するエースがいて、マスメディアの扱いも大きい。2回戦から登場した前任校は、私立の強豪のひとつで甲子園出場経験もあるK校に8対4で勝利したようだ。
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2018/07/15/kiji/20180715s00001002172000c.html?feature=related(画像も)

高校野球は、強い方が勝つといったラグビーの試合とは違い、当日の投手の調子や打線の繋がりに大きく左右される。いくら、いい投手がいたとしても絶対ではない。しかも大阪府予選は私立の強豪が目白押しである。大阪にいた頃はヒヤヒヤしたものだ。それもまた高校野球の魅力である。公立の雄として、頑張って欲しい。

一方、秋田商業高校も16日に2回戦が初戦でいよいよ登場するようだ。こちらも、ガンバレ、アキショー。

ドリアンの季節なのだが…

マレーシアはフルーツ天国である。熱帯雨林気候で一年中雨が多いが、ちょっとだけ雨期とか乾期とか言われる時期もある。日本ような四季の変化は全く見られないのだが、フルーツには、それぞれ旬の季節があって、それが季節感みたいなものを運んでくる。

今は、ドリアンの季節で、タマンデサにも屋台のドリアン屋さんが出ている。(今日の画像は、先日撮ったブキッビンタン付近のもの)『猫山王』というのが、最も高級品らしい。だいたいRM30くらい(日本円に直すと900円弱)で1つ買えるみたいだ。

”みたいだ”と書いたのは、買ったことがないからである。マレーシアの先住日本人の皆さんは、一度おいしいモノを食べてみたら、絶対好きになると声を揃えておられるのだが、我が夫婦は、あの匂いが苦手である。鼻のきく妻は、かなり遠くからドリアンの存在を嗅ぎ当てる。(笑)私は、昔香港のコンビニでドリアンを買って食べてみたが、匂いよりモソモソとした食感に違和感があって、せっかくマレーシアにいるのに食べる事を拒んでいる次第。ちなみに同類のドリアン否定派の日本人も若干名おられる。

それより、最近はマンゴーに凝っている。マンゴーには、高いのから安いのまで、店に並んでいる。およその旬があるようで、よく見ると種類が時系列で変化しながら並んでいる。我が家の大好きなマンゴーは、レインボーという種類で値段も手頃で上品な味がする。ススは、あまり甘くないので二度と買わない。(笑)店に並んでいるのはタイからの輸入品が多い。パパイアも大好きだ。食感をもとに極めて日本人的なイメージを覆い被せてしまうと、マンゴーは桃、パパイアは柿と言う感じである。
レインボー・マンゴー https://ameblo.jp/ayaka-s-sg/entry-12273984991.html
マンゴーやパパイヤ以外にも、ドラゴンフルーツやジャックフルーツなどが食卓に上がる。つつましく生活しているが、フルーツに関しては、それなりに贅沢していると思う。

2018年7月14日土曜日

マラッカ・ジレンマ

マハティール首相が、中国の一帯一路戦略のひとつである東海岸鉄道の建設中止を発表した。前政権の親中国路線に楔を打ち込み、大国嫌いの面目躍如といったところである。
この東海岸鉄道は、KLーシンガポール高速鉄道計画と違い、そもそもマレーシアにとって、あまり経済的価値はない。もちろん東海岸の開発は進むかもしれないが、経済効果は薄いとされている。沿線の人口が少なすぎるのだ。

この東海岸鉄道を中国が進めたい真意は、マラッカ・ジレンマと呼ばれる地政学的問題の解決にある。マラッカ海峡は未だ米英の軍事的な支配下にある。
もし、この海峡が封鎖されると、中国の貿易(特に石油の輸入)は大打撃を受ける。そこで、マラッカ海峡に面するKLの外港クランと東海岸のクアンタンを結ぶ鉄道を建設するという計画だ。一時は、クラ運河構想というのもあったらしい。このへんの長期的な発想は中国らしい。

ともあれ、まずは、マハティール首相はこの計画を中止とした。ただ老練な天才的な政治家故に、これから先は、どう動くのかわからない。新首相には私心などなく、マレーシアの国益しか脳裏にはないはずだ。中国同様、中長期的な視野で判断するに違いない。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/13341

2018年7月13日金曜日

世界中にT赤ちゃん風船を

https://mainichi.jp/articles/20180714/k00/00m/030/065000c
イギリスを訪問中の12点男(歴代大統領に対する政治学者の採点で最低の12/100点をたたき出した現米大統領)を歓迎するために、風船が作られた。赤ちゃんに見えるその姿は、まさに思考能力の程度を表しているわけだ。これをロンドン国会議事堂近くに飛ばす計画がなされ、今日実行に移されたらしい。平和的で、実にいいアイデアだ。

イギリスの政治状況も、新自由主義によって顕著になった経済格差故か、大きくポピュリズムに傾いてはいるが、現状を見抜く勢力の存在を改めて示した。自虐気味に風船を飛ばせて見せたように私は思える。

世界中で、同様の風船を飛ばして欲しい。行くところ行くところに風船が上がる光景は、現在の世界をシュールに描いてみせているようで美しいと私は思う。

極めて平和的な抗議だ。ロンドン市長の姿勢には、大いに共感できる。https://www.bbc.com/japanese/44734449

2018年7月12日木曜日

PBTの話(46) 弁論大会'18

今年も校内弁論大会が行われた。我がクラスからはE君とN君の2名が出場した。両名とも内容はかなりいいのだが、弁論として、学生諸君の心を摑んだ他のクラスのメンバーが多くいて、入賞は叶わなかった。残念であるが、我がクラスが、司会でJ君とN君の2名、マイク係でL君とR君の2名、さらにカメラ係としてK君らが、このイベントを支えてくれていた。
しかも、審査が行われている間のパフォーマンスに、クラス全員が参加してくれた。以前MBMRの教室で学んでいたとき、T先生に教えて貰った歌を、パーカッション付きでやったのだ。私の今日の仕事は、学生の投票結果の集計を担当していたので、職員室でT先生と集計し、一気に仕上げて審査の場に渡して、会場に行くと、ちょうど我がクラスのパフォーマンスが始まるところだった。あきらめていたのだが、ちゃんと見れたのだった。めでたしめでたしである。ところで、全員白いTシャツで揃えている。なかなかの団結力である。(笑)

2018年7月11日水曜日

南国新聞の記事から

http://polandball.blog.fc2.com/blog-entry-442.html
マレーシアでは、新政権になってから、中国の過度なマレーシア経済への介入を避ける政策と共に、首相が8月には訪中するというなかなか機微溢れる外交政策をとっているようだ。ところで、マレーシアでも「?」という政策もある。日系のフリーぺーバー『南国新聞』から、紹介したい。

労相は、外国人労働者をなんとかして減らしたいらしい。現在マレーシアには180万人もの外国人労働者が滞在している。そのうち25万人と推定されるレストラン等のサービスセクターの雇用を減らすべく、「来年1月1日から外国人コックの雇用禁止」を打ち出した。調理師は全てローカル(マレーシア人:マレー系・中華系・インド系など国籍を有する者)であること、としたわけだ。しかし、多方面から、人手不足で小さな飲食店はどんどん閉店している、この政策はそれを助長するものだと猛反発が出た。で、さっそく「これは提案であって、すぐさま実施するわけではない。」と言い換えた。さらに、「この調理師は、ローカルフード店を意味し、外国料理店や高級料理店、五つ星ホテルのレストランは適応外である。」と、付け加えた。そそらく様々な業界から、無茶苦茶言われたのだろう。

…私自身は、大阪で教育に関するこういう滑稽な政策実施を何度もちらつかせられて、大きな憤りを感じたことがある。正確な情報収集とシミュレーションを怠り、思いつきで政策を発表されると現場が大混乱する。労相の狙いは理解しないわけではないが、こういう事を繰り返すのは権威の失墜、政治家の無能感に繋がると私は思う。

…このローカル調理師雇用政策は、以前から噂で流れていて、日本料理店の日本人調理師の士気を一時的に萎えさせたという話も聞いている。新規開店している日本料理店も多い。先日もタマンデサで、『じぇじぇじぇ家』という岩手県出身の日本人経営の店ができたばかりだ。変な名前というか、古いぞというか…。でも夢を抱えマレーシアで起業されているわけだし、頑張って欲しいと思うのが人情。こんな政策が噂になるだけで、胃が痛んだのではないかなあと思う。

2018年7月10日火曜日

エリトリアとエルドアン

http://polandball.blog.fc2.com/blog-entry-1743.html
エリトリアとエチオピアが国境紛争を乗り越え、国交を樹立することになった。大きなニュースであると思う。また、トルコでは、エルドアンが大統領となり、一気にイスラムの国家としては最も政教分離が進んでいたトルコが大きく変わろうとしている。今日の国際ニュースは重要であると思う。

日本では、エリトリアのことはあまり知られていないが、かなりの独裁国家で、シリア難民の影にかくれながらも、多くの難民を輩出している。ある意味で、北朝鮮なみの独立国家だといっていい。しかしながら、上手いタイミングで、エチオピアと和解したようだ。エチオピアはエチオピアで、エリトリアが独立してからは内陸国になり、ジブチ経由で紅海から輸出することを強いられてきた。詳しい情報がないので、推測するしかないが、おそらくエリトリアとしても行き詰まったのであろう。エチオピアも内陸国の罠にはまり、外港は欲しかったに違いない。いずれにせよ、多くの死者を乗り越えての和平であり、歓迎すべきだと思う。

一方、トルコのエルドアンの大統領制移行は、開発独裁の危険性だけでなく、スンニ-派内の新たなイスラム国家の成立を思わせるものがある。シリアの内戦はまだまだ続きそうだし、シーア派のイランは中東では大きな脅威となっている。トルコの動きは、世界中が注視するところだ。

…国際情勢は、常に現在進行形で変化している。この二つの動きはこれからどう化学変化を起こしていくのだろうか。

2018年7月9日月曜日

PBTの話(45) 無敵のマレーシア

今朝は、なぜか停滞が激しかったようで、8:15くらいまでどなたも職員室に登校されていないという珍しい日だった。私の後ろの席のY先生の机上に、「無敵のマレーシア」という面白そうな本があった。(後でわかったことだが、Y先生にも出自不明の本らしい。どこから登場したのか不可解である。)で、少し覗かせてもらったのだが、要するにマレーシアの紹介のマンガであった。これがなかなか面白そうだ。

自宅に帰ってアマゾンで調べたら、中古本なら安く手に入りそうだ。注文しておこうかと思った次第。たまにはこういう本もいいよね。

ところで、我がAクラスでは、国際関係の分野で、ユーゴスラビアの民族問題を説き、難民問題に突入している。この難民問題、単にヒューマニズムだけで結論をつけれない問題なことを認識させた。明日は、いろいろとやりとりしながら授業をしようかなと思う。

2018年7月7日土曜日

PBTの話(44) 今日は七夕だが…

今回の大雨で、犠牲になられた方に心からご冥福をお祈りします。また被災された方々に、一刻も早く復興されんことを心から願っております。

今日は七夕だが、とても夜空を見上げるような雰囲気ではない。日本の大雨は記録的で、最初近畿地方が注目を浴びていたが、その後全国各地に拡大して、被害が予想外に拡大した。心が痛むが、もし、日本にいたら自分もまた避難を指示されていたはずである。(実際ところ、長男夫婦は現状では避難していないらしい。)

ところで、今年もPBTでは、七夕の飾り付けがされていて、学生の様々な願いが短冊に書かれている。「志望の大学にいけますように」といった受験生らしいものもあれば、「愛する人と結ばれたい。彼女が欲しい。」というちょっと浮ついたものもあるし、今年もまたまた「円安」という短冊もあった。これは間違いなく文系の私の教え子の書いたモノである。一方、これは我がクラスの誰が書いたかすぐわかるものもある。クラスとしてはかなり仲が良い。とはいえ、担任になってからもいろんなこともあった。今年は私はかなり遠心力を使っている(すなわち個人的な関わりを極力抑えている)ので、短冊を見て心が痛んだり、あるいは嬉しく思ったり…。もちろん、この私の気持ちは卒業まで抑えておこうと思っている。自立した学生を育成したいからだ。

2018年7月6日金曜日

大雨警報 非難指示

昨夜、私の大阪の実家で、先日の地震で地盤がゆるんでいたところに大雨警報が出て、避難勧告・避難指示が出たようだ。長い人生だが、このような災害を身近に感じるような出来事はなかった。と、いっても実家にいるのは息子夫婦であり、私は遠くマレーシアにいるわけだが…。大雨の被害は、近畿地方だけでなく、日本中に拡がっているようだ。昨夜は妻は、息子夫婦が避難するような事態に備えてスマホをベットのすぐそばに置いていた。

京都・嵐山の桂川にかかる渡月橋もまたまた氾濫の危機にあるようだ。自宅も当然心配だが、学生時代、近くのレストランでアルバイトをしていた私としても心配はつきない。前任校のHPを見ると、休校になっていたようで、期末考査がぶっとんだようだ。前任校も前々任校も川に比較的近いし、氾濫の被害がないか心配である。

一方、オウム真理教の7名の死刑が執行されたようだ。この大雨は想定外だろうが、W杯の決着が付き、ちょっと落ち着いたところで執行したわけだ。来年の陛下の御退位や東京オリンピックの接近を考えると早めに執行したかったのだろうという報道に納得はする。結局自分をグルなどと呼んでいた男は、狂気の芝居を演じながら、その真実を語らないまま延命したわけで、すこし遅きの感を私は持っている。当然私はブディストであるから、死刑を絶対的に容認しているわけではないが、長きにわたって血税であの男を延命させてきた事には少し納得がいかないところもある。

この事件は、前々任校の工業高校の頃だ。はるか昔である。なにか一つの時代が終わったような感覚もある。

2018年7月5日木曜日

PBTの話(43) 国際関係分野 IN

バスボイコット事件のバスとローザ=ハークス女史
定期テストも終わり、F40Aは国際関係の分野に入っている。昨日今日と、人種問題、民族問題をパワーポイントを使って論じている。人種問題は、公民権運動とアパルトヘイトが主題になる。

公民権という概念は、日本で教えるのがかなり難しいけれど、マレーシアでは選挙で投票するのに手続きが必要なので理解しやすいと思う。十分時間をさいて公民権運動tとアパルトヘイトを論じた。その歴史は当然であるが、やはり私自身がアメリカや南アで体験した「百聞は一見にしかず」の話に皆感心を寄せてくれた。彼らにも是非、実際に感じて欲しいと思う。

アメリカの経験。NYの86丁目で$1をもらって立ち去った黒人ホームレス。コロンビア大学近くの¢50のホットドッグの店で会った「グッバイ、ブラザー」と言ってくれた松葉杖の黒人。ミュージアムマイルで見た、おそらく傷がい児の黒人の子どもと幸せそうに歩いていた白人老夫婦。NCで聞いた「テーブルの下にはまだ人種差別は生きている」という言葉…。
南アでの経験。銀行で白人に押しのけられたマレーシアへ旅行する黒人青年の話。通りすがりの青年にサーと呼ばれた体験。プレトリア大学での人種的な乖離が見られるランチタイム。反対にそういう乖離が見られなかった女子高校のバス停。ソウェト蜂起の現場に立った体験…。
ソウェト蜂起の時の有名な写真
私は、差別はなくならないだろうと思っている。いじめがなくならないようにである。問題は常に差別への誘惑から人間の精神を守ることだと思う。仏教的に言えば、煩悩に負けないこと。クリスチャンに対しは、人間が原罪を背負う不完全な存在であることの再認識、ムスリムに対しては、人間は平等であるという神のポリシーを守り抜く勇気、そんなことが必要な気がする。人間は、差別する存在なのだ。いじめはない、と言い切ってしまうと、その事実を誤認し、問題が大きくなるのと同様だ。

2018年7月4日水曜日

ナジブ元首相の逮捕

http://www.payer.de/thailandchronik/
chronik2009b.htm
昨日、ついにナジブ元首相が逮捕された。公金横領、贈収賄、職権乱用等で起訴される模様だ。ナジブ氏は、マレーシアの第二代首相の息子であり、マレーシアを代表するエスタブリッシュメントである。まあ、ボンボンであり、妻の影響力も大きく取りだたされている。次は妻、さらに中華系の財閥へと、司法当局の手が伸びるだろうと言われている。

アメリカでの民事訴訟で衆目の一致するところになり、巷では、この夫婦、極めて評判が悪い。で、先の総選挙で敗北したわけだ。莫大な蓄財の押収もあり、高級時計のコレクションなど、あきれてモノも言えない感じである。

開発独裁のマイナス面が一気に吹き出した感じである。学生とこういうマレーシアの状況について語り合うこともある。先進国入りはいつのことになるのか?彼らも国の将来を真剣に考えている。
社会科教師としては、日本の大学に行く上で、そういう問題意識を持たせること、情報収集能力と正鵠を得た論理で自分の考えを組み立て結論を出すこと、しかも他者の意見をも尊重できる能力をも育てたいところだ。今回の政変は実に大きな教材となっていると思う。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53479

2018年7月3日火曜日

あっぱれ。W杯日本代表。

http://blog.livedoor.jp/footcalcio/archives/52185178.html
今回のW杯は、全くLIVEで見れなかった。もし日本にいたら、絶対見ていたと思う。ベスト16に進んだものの、2点差を追いつかれ、ベルギーに惜敗したわけだが、日本のサッカーの新しい歴史をつくったと思う。いろいろな評価はあるだろうし、専門家でない私(サッカー部の顧問歴はそこそこあるけれど…。)は、ただただ「あっぱれ。」としか言えない。

WEBでは、敗戦にも関わらずちゃんとゴミ掃除をする日本人サポーターや、選手の控え室まで綺麗に掃除され、ロシア語で「ありがとう」と期してあったことが流れている。この日本的行為は、世界で絶賛されているようだが、本当に凄いと思うのは、私たち日本人は、こういう行為を別に特別な行為と見なさないことではないかと私は思う。
https://www.huffingtonpost.jp/2018/07/02/japan-clean-up-the-stadium_a_23473279/
https://www.huffingtonpost.jp/2018/07/02/daiyo-dressingroom_a_23473275/

マレーシアに2年以上もも住んでいると、日本を比較的冷静に観察することが出来るようになってきた。…日本の良さも悪さもである。

ともあれ、日本のW杯は終わった。選手や関係者の皆さんに、今一度「あっぱれ。」

2018年7月2日月曜日

まれにみる涼しい一日

昨夜から風が強く、朝は雨も降っていて気温が低かった。と、いっても20℃台であった。ちなみに私のPCには、大阪の気温がすぐわかるようになっていて、なんと大阪より低かった。こうのような涼しい日は、マレーシアに来てから初めてかもしれない。

月曜日は、90分授業が1回ずつ。比較的ゆるやかな時間割である。1限目のBクラスは、ゆっくり授業を進めているので、EUからだが、ヨーロッパの国々をガンガン語っても、地理でやったことを忘れている可能性が高い。そこで、昨年作った復習用のヨーロッパ地誌のパワーポイントを使って、各国の画像を見せた。北欧、南欧、東欧と風景や建築物はだいぶ違う。フランスとドイツでも大きく違う。そんな各国の差異を改めて認識してもらおうという魂胆だった。EUのアメリカに対抗する合衆国の夢と理想は、かなり難しそうだ。同じキリスト教でも、カトリック、ルター派、カルヴァン派、そしてオーソドックス(正教)とはかなり違う。まして、言語も…。こういう前提を知ったうえで、EUについて学ぶべきだと思う。最近の記事で、EUは左派であるという面白い記事があった。
https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20180609-00086231/
この記事、なるほどと思うし、難民問題を契機としたナショナリズムとの止揚はかなり難しそうだ。Bクラスで、そこまで語れないかもしれないが…。
一方わがAクラスは、4限目。こちらもパワーポイントを使うことにした。南北問題をやっているのだが、私のアフリカ画像総集編を見せた。どうしてもアフリカ開発経済学を主軸に南北問題を専門的に語ってしまう。(笑)論理より、実際の経験的な話の方が面白い。みんな食い入るように見てくれたのだった。(上記画像は、その結論部分)南北問題の後、マレーシアの中進国の罠についてもやろうかな、と思う。そういう意欲がわいたのも、気温が低かったからかもしれない。

2018年7月1日日曜日

書評 その日暮らしの人類学

小川さやか氏の「その日暮らしの人類学-もうひとつの資本主義経済」(光文社新書)を読んだ。小川さやか氏といえば、昔々道祖神というアフリカ主体の旅行社主催の講演会でお会いしたこともあるし、一方ブルキナファソでお世話名になった文化人類学者の荒熊さんの友人でもあり、京都大学のアフリカ地域研究資料センターの出身でもある女性文化人類学者である。ずっと前、アマゾンでこの新書の存在を知り注文、大阪の実家に届けられていたモノである。

この本の内容は小説宝石に連載されていたらしい。連載ものとしては異質な感じがする。内容は実にアカデミックであるし、「タンザニアの零細商人マチンガの民族史」の続編的なものとして私は読んでいた。

前半は、かなり哲学的である。”Living for Today”を怠け者というキーワードで片付けるのではなく、資本主義経済のもう一つの局面としてとらようという様々な論を上げている。

中盤は、小川さやか氏のフィールド、タンザニアの地方都市の変化を見ていく。彼らの生業の変化が、多分に冒険的であり、機を見るに敏、しかも手を引くのも早い様をレポートしていく。さらに路上商人が商店主となる様子とシステムが描かれる。やはり、アフリカウォッチャーとしては、このあたりが非常に興味深い。

後半は、中国に飛ぶ。深玔にある山塞企業を調査している。山塞とは、模造品・コピー商品・偽物を意味している。「山の中の砦」の意味するところは政府の統制が及ばないということらしい。このレポートが実に面白い。さらに広東省広州市には、サブサハラ・アフリカの交易人が集まり、「チョコレート城」や「リトルアフリカ」「広州ハーレム」などと呼ばれる地域がある。彼らの商業活動は、非常に興味深い。ここから、アフリカに山塞商品が運ばれるのである。

…インフォーマル経済の持つ意味を深く思索した本書は、文化人類学のみならず開発経済学にとっても極めて重要な視点だと思う。16年7月発行なので、あまり内容を明らかにするのは憚れる。…書評としてはここまで。