2020年6月30日火曜日

香港国家安全法可決の日に。

https://www.picuki.com/tag/HongKongball
先日、F40の教え子たちがZOOMでミーティングをしていたらしい。らしいと書いたのは、私をそれをメールで知ったのがかなり遅かったからだ。返信したのだけれど、その後すぐ就寝した。翌朝、まだやってますと連絡があって、参加すればよかったと思ったが、後の祭りであった。彼らがどんな会話を交わしていたのか興味がある。(笑)前回のF40の教え子たちとZOOMした時、香港問題について聞いた。意外にも中国側についていたので驚き、「日本はアジアか否か?」というテーマで何回かエントリーして自分なりに考察してみた。

今日、ついに全人代の常務委員会で「香港国家安全法」を可決したようだ。すぐに公布されるようである。少し前、つまり第一回のZOOMミーティングの後、社会学の徒・未だ在マレーシアのD大のL君が、大学の課題「帝国意識」に関する小論を送ってくれた。社会学の徒であるL君は、「天使」的な立場で、社会情勢を見つめることを旨としている。

彼の論文は、一部のマレーシアの中華系の人々が本国である中国の「帝国意識」を共有していることを論じている。シンガポールの華人とも、香港の華人とも、アメリカの華人とも違う立場であることを「天使」は冷静に見抜いている。自己の優越性を示す道具として中国の台頭を利用しているのではないかというわけだ。また、中国のマスコミのプロパガンダは、世界中の華人に統一感を植え付ける装置であると。もちろん「天使」であるからその善悪は論じない。

…「香港国家安全法」と、この影響についてはまだ論じる時期ではないと思う。今日は、L君の論文を紹介し、中国の周縁に住する華人の意識を紹介するに留めたい。

2020年6月29日月曜日

マレーシアとロヒンギャ問題

https://www.sankei.com/photo/daily/news/200417/dly2004170021-n1.html
マレーシアのムヒディン首相が、これ以上のロヒンギャ難民の受け入れは不可能だと表明したようだ。ロヒンギャは、仏教国ミャンマーのマイノリティでムスリムである。マレーシアとインドネシアは同じイスラム教国であり、彼らにとっては好ましい避難国であったわけだ。
https://jp.reuters.com/article/myanmar-rohingya-malaysia-idJPKBN24009E

F42のマレー系国費生に、難民問題を教えている時、このロヒンギャ問題についてどう思うか聞いたことがある。PBL的な授業であったのだが、多くの学生が同じムスリムとして、救いの手を差し出すべきだと答えた。困っている者を助けるのは、ムスリムの教えであるからだ。ただ、社会科学として、難民問題を考えるとき、正義だけでは問題は解決しないことを伝えた。

政策として、難民の受け入れを考えるとき、何人受け入れるのか?衣食住を保証するのにどれくらいの資金が必要か?難民の受け入れ場所はどこにすべきか?住居はと必要最低限の生活用品は?これらを学生諸君に投げかけた。みんな「うーん。」と唸った。

ロヒンギャの人々は、おそらくマレー語はもちろん、英語もできないだろう。彼らを受け入れるということは、将来マレーシアで生きる術としての言語能力が必要だが、それらを教授する体制がマレーシアにあるだろうか?とも聞いた。さらにみんな「うーん。」と唸るしかない。

日本が難民申請に極めて厳しい態度をとっているが、その最大の原因は日本語の修得である。日本語を学ぶ学生たちにとって、その困難さは極めて身近な話である。難民に対し、ただ単に生活の保障をするだけでは、難民政策は完成しないわけで、実に多くの問題解決が必要であることを伝えた。特に、将来マレーシアのテクノクラートと育ってほしい人材であるからこそのPBLだったのだが、結局、「ロヒンギャ難民を受け入れる事は大変である」という以上の結論は出なかった。

今回の首相の発言を、このような背景を元に捉えるべきだろう。コロナ禍で経済が悪化しているマレーシアで、これ以上の受け入れは不可能と言わしめるほどの財政状況なのであろう。それを誰が責めることができるだろうか?実際に政権を担う責任があるということは、正義やイデオロギーだけではままならない。持てる資金で、最も効果的な政策を打つことが求められる。今回のマレーシア政府の表明は、ムスリムとして断腸の思いであったと私は思う。

2020年6月28日日曜日

私益と国益/米中比較

https://www.economist.com/united-states/2020/06/27/is-donald-trump-tough-on-china
先日、少し書いたのだが、習近平を始めとする中国共産党のトップ指導者7名が、公の席に姿を見せず、どうやらコロナ禍に揺れる北京を離れているというのは事実らしい。民主主義国家では全く考えられないし、儒家の本家本元とは思えない。(もっとも中国共産党は儒家を否定しているが…。)南部の洪水被害にもなんら手を打っていないようであるし、プロパガンダで乗り切ろうとしているようだ。インドとの国境紛争も完全に情報隠蔽しているようだ。彼らの頭の中には、国益より私益しかないのだろうとしか思えない。凄いな、と反対に感心する。

一方、米国大統領閣下も、ボルトンの暴露本で、如何に自分の再選のために動いているかがわかる。北朝鮮とのベトナム・ハノイでは、ロシア疑惑の公聴会の成り行きのほうが重要で、ブリーフィングもキャンセル、その成り行きを見ていたらしい。休憩後もすぐさま報道を確認していたという。大統領閣下の思考回路には私益しかないようだ。
かのイランのソレイマニ司令官爆殺も、支持を失いそうになった福音派へのつなぎ止めだったという。これまた、凄いな。

今、世界が米国と中国の対立に右往左往しているが、両トップが私益でしか動いていないとすると、まさにとんでもない迷惑な話だ。人類は古代から少しも進歩していないのだろうか?

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20041
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/18409

2020年6月27日土曜日

日清食品の「ゴリラ一丁」

WEBで、日清食品が出前一丁の新製品で「ゴリラ一丁」というのを発売しているということを、だいぶ前に知った。毎週のように、八幡浜や大洲に買い出しに行くのだが、こちらにはこちらのインスタントラーメン嗜好があって、たとえば、私が最も好きな「エースコックのワンタンメン」などは陳列されていないことが多い。ところが、最近K医院の先生に教えていただいた(業務スーパー並みに安い)スーパーには、「エースコックのワンタンメン」が置いてあって大いに喜んだのだった。で、今日は、前述の「ゴリラ一丁」をついに発見したのだった。妻と、ヤッターと喜んでカゴに入れたのだった。

ところで、最近は、血糖値の問題もあって、コンニャク麺を食することが多い。十年以上前に食べて、「なんじゃこりゃ」と思ったのだが、最近の冷麺風やうどん風など、なかなかいけるのである。妻がスパゲッティに仕上げたりしてくれたが、麺の長さ以外には見た目も味も十分だった。食品もおおいに進化しているのであった。

というような事情もあって、食するのはいつになるか分からないのだけれど、長い間探しも求めていたものなので、嬉しい。その日が来ることを楽しみにしている。

2020年6月26日金曜日

マウントラッシュモアの7月

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20042
サウスダコタ州ブラックヒルズにあるマウントラッシュモア。ワシントン、ジェファーソン、リンカーン、そしてセオドアルーズベルトの4人の大統領の顔が彫られた岩山だ。私は、以前行ったことがある。サウスダコタ州は、アメリカの田舎らしい田舎と言っていい。そもそもなにか観光名所になるものはないかと喧々諤々の議論が行われ、大統領の顔を彫ることになったと現地で手に入れた日本語のパンフレットに書かれてあった。3人の大統領はすぐ決まったのだが、残りを誰にするかで揉め、眼鏡をかけているセオドア・ルーズベルトが絵面がいいということになったと書かれてあった。後に、民主主義の神殿という謳い文句で、大観光地化され、岩山の麓にはアメリカ50州の旗がはためいている。

このマウントラッシュモアを、7月4日の独立記念日前後に、大統領閣下が訪れるそうだ。花火も打ち上げるらしい。ところが、地元のネイティブ・アメリカンの人々が反対している。このマウントラッシュモアは、そもそも彼らの土地であり、白人の大統領の顔が勝手に彫られたもので、差別の象徴であるというわけだ。たしかに、ワシントンは自分の農場で奴隷を使っていたことは明らかだし、バージニア王朝の一人、ジェファーソンも同様。リンカーンも奴隷解放令で有名だが、西部開発のための大陸横断鉄道計画を推し進めた。これはネイティブ・アメリカンにとっては侵略行為に等しい。セオドア・ルーズベルトは、棍棒外交で有名なわかりやすい帝国主義者である。(日本にとっては日露戦争の調停者だが…。)ネイティブ・アメリカンには、この4人の中で最も明らかな差別的政策をとっている。

まさに本田勝一の「殺される側の論理」と「殺す側の論理」のぶつかり合いの様な話である。マウントラッシュモアを作ったサウスダコタ人々の意図は、観光名所をつくって儲けようという単純なものだったと思うが、「殺される側の論理」から見れば白人による土地の搾取、居留地への強制移住という、南アのアパルトヘイトも真っ青、中国のチベット・ウィグル問題とも五十歩百歩の話である。

今、アメリカでは、BML(Black Lives Matter)の反黒人差別運動が続いている。この余波が全米、そして世界へと拡散している。このマウントラッシュモアの大統領閣下訪問反対運動も、その波動の延長線上にあると思われる。非常に難しい問題である。
私は、アメリカは平等な多民族国家だとは思っていない。あきらかなヒエラルヒーが存在すると思っている。WASPをトップに、プロテスタント系白人の中でもヒエラルヒーがある。昔読んだアメリカのキリスト教の本では、英国国教会徒が最もステイタスが高いらしい。その次にメソジストがあり、バブティストは低めだと言う。世代を積み重ねながら、バブティストからメソジスト、そして英国国教会に改宗し自らのステイタスを挙げていく人々もいるという。一方、白人の中でも、カトリックは下に見られることが多いらしい。民族的には、アイルランド人やイタリア人などである。ユダヤ人も微妙な存在である。
白人の下に、黄色人種、さらにヒスパニック、黒人、最後にネイティブ・アメリカンとなるようだ。ネイティブ・アメリカンは、居留地に押し込められている。ウラン鉱山が発見されたので、居留地変更などという措置も取られたらしい。この点で、他の民族より、さらに差部的な措置を受けている、最底辺だと私は感じている。

サウスダコタのネイティブ・アメリカンにとっては、彼らの主張を全米に知らしむる絶好の機会なのだろう。私は、アメリカという国は好きだが、善悪、正邪と様々な問題がカオス的に存在していることも事実である。さて、サウスダコタの独立記念日、どういう展開を見せるのだろうか?
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20042

2020年6月25日木曜日

久保健英選手はスゴイ。

https://web.gekisaka.jp/news/detail/?303671-303671-fl
久保健英というサッカー選手を、昔から注目していた。いずれ日本代表を引っ張っていくだろうと思っていた。子供の時からバルセロナのジュニアチームに入っていたので話題になっていたからだ。その彼が、今は、スペインリーグのマヨルカに所属していて、レアル=マドリード(元フランス代表のジダンが監督である。)との試合で、ドリブルで3人を抜き、シュートしている映像が流れた。シュートはゴールバーに嫌われ得点こそならなかったが、映像を見てホント凄いなと思った。地元紙もべた褒めである。

今の日本代表はヨーロッパを中心に各地で活躍しているけれど、時代は本当に変わったなあと思う。Jリーグができた頃を思い出す。ブラジル帰りのカズが輝いていたころの話だ。その頃、私は工業高校でサッカー部の副顧問をしていた。私自身はサッカーはまともにできないけれど、フォーメーションの良し悪しは判る。それだけでも十分サッカーを見る上で、大いに楽しめる。

結局、運動は苦手で、卓球くらいしかまともには出来ないけれど、いろんな部活の顧問をしたり、試合に応援に行ったりしたおかげで、見ることを楽しめるようになった。人生に無駄はないとつくづく思うのである。

久保健英選手には、心技体にますます磨きをかけて欲しいな。実に楽しみだ。

2020年6月24日水曜日

出前塾構想始動

https://ikata-j.esnet.ed.jp/
3月に、我が未咲輝塾が5人講師体制となることがわかった時点で、伊方町内の3つの中学校に講師を派遣しようという「出前塾構想」が生まれた。町教育委員会といろいろ折衝をしていくと、1・2年生は全員部活をしているので、3年生で部活を引退した時点からなら、そういう時間が取れることが分かった。放課後も高校よりは短い。スクールバスの時間の関係もあって、16:00から17:00の1時間程度になる。高校の方は生徒諸君がどどっと来るのは18:00以降なので、中学校までの移動時間を考えてもなんとか可能であることもわかった。

中学校と塾を結ぶ申請書を作り、教育委員会の決済ももらい、今日まずI中学校を講師陣と共に訪問した。校長先生には、思いのほか丁寧に対応して頂いた。お人柄もあるだろうが、教育長はじめ、町教育委員会が応援して頂けているのが大きい。

実際のところ、毎日30人前後の生徒が塾に来てくれている。それだけでも大変なのだが、嬉しい誤算。仕事が増える講師陣も「出前塾構想」にも積極的である。ありがたいことである。明後日はS中学、来週はM中学にも行かせていただくことになっている。地域おこし協力隊としてもいい仕事になるようマネジメントしていきたいと考えている。

2020年6月23日火曜日

「哲学と宗教全史」備忘録3

https://ja.wahooart.com/
@@/A2A68D-Jacob-Ferdin
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「哲学と宗教全史」の書評を続けたい。
まずルネサンスとペストの関係性。ヨーロッパ全域の人口の三分の一が死滅したこの時期、「メメント・モリ(死を想え)」と「カルベ・ディエム(一日の花を摘め)」という両極端な死生観が生まれた。神にすがるか、神の手を離れるか、ギリシア・ローマの古典の復活と共にルネサンスの引き金ともなった。ボッカチオなどは当然後者であって、こういう視点は実に重要だと思う。

ベーコンとガリレオは同時代の人。ベーコンの死後生まれたロックとニュートンも同時代。そして、ロックの死後生まれたヒュームはアダム=スミスの友人(当然同時代。)とイギリス経験主義は、近代自然科学の発達と共に三代にわたって発展しているという視点も面白い。

デカルトは、スウェーデンのクリスティーナ女王(今日の画像参照)に、わざわざ軍艦で迎えられ、講義をしにいったのだが、厳寒期で早起きの女王への講義は彼の体に負担を与え、風邪をこじらせ肺炎で亡くなる。近代哲学の祖も、北欧の魅力的な女王には弱かったという冗談が残されているとか。

ヘーゲルがベルリンへ向かう馬上のナポレオンを見て「世界精神が馬上ゆたかにイエーナの町を出ていく」という感想を述べたという。ヘーゲルは、最初フランス革命を賛美していたが、ルイ16世の処刑、ロペス=ピエールの恐怖政治に幻滅したらしい。しかしナポレオンが登場し、自由・平等・友愛を旗印に、ナポレオン法典で市民の権利を明文化し。自ら皇帝になったことに自分の理想、すなわち自由を求める絶対精神による歴史観と重ね合わせていたようである。
このヘーゲルが最も敬愛していた哲学者がフィヒテで、ヘーゲルは彼の後を継いでベルリン大学教授になっている。「ドイツ国民に告ぐ」というナポレオンの影響で、プロイセンの崩壊の危機に演説をしたフィヒテと対照的ではある。

「ミネルヴァの梟(ふくろう)は迫りくる黄昏に飛び立つ」というヘーゲルの名文句もいい。フランス革命という黄昏を、彼の進歩史観=知恵の女神ミネルヴァの連れている梟=知恵の象徴が照らすという意味らしい。…つづく。

2020年6月22日月曜日

「哲学と宗教全史」備忘録2

https://www.toplogo.info/?p=442190
久しぶりに「哲学と宗教全史」について書こうかと思う。塾でランチを取りながら少しづつ詠み進めている。

アレクサンドロスの死後、シリアからイラン、さらにインド西北地方(現パキスタン)へとギリシア人の王朝は続いていく。インド・グリーク朝の第8代の王がミリンダである。このミリンダ王が仏教僧ナーガゼーナと対話している。(ミリンダ王の問い)著者は、コイネー語(口語ギリシア語)で対話したのか興味があるところだと書いているが、おそらくギリシア哲学の素養があったミリンダ王は、これらの対話を通じて仏教徒になったという。西洋の主導性ばかりが強調されているが、東西の高度な文化・文明が融合したグローバリゼーションの好例ではないかという主張には、私も同感である。

イスラム教の箇所で、印象に残ったのは、ムハンマドは商人であり、イエスのような殉教や、ブッダのような出家者(世捨て人)ではいという視点である。多くの人が受け入れがたい極端な思想や攻撃的な行動を協議とすることはなかった。し、六信五行もそれほどの無理はなく、それなりに合理的である。東南アジアで布教が進んだのも、商人の宗教であったからではないかという推論はかなり整合性があると私は思う。

シーア派の話の中で、アリーはムハンマドの娘ファーティマと結婚し、その次男フサインの妻の1人はササン朝ペルシャの王女で、その子供たちはイスラム創始者の地とササン朝ペルシャの桜桃を継ぐ存在で、カルバラーの戦い(アシューラーが行われる元になった戦い)で、フサインは殉死したが、幼かった子供たちは残った。彼らがペルシャのイスラム教徒にとって、誇りとすべき子供達で、彼らが十二イマーム派のイマームとなっていく。

イブン・スィーナーはイスラム神学のそのような人で、プラトンやアリストテレスを読破し、無から有は生じない、だが、アッラーからすべてが流れ出たと考えた。神学と哲学を融合させたイスラム神学は精緻な論理となった。また、イブン・スィーナーは空中浮遊人間説という思想を提示した。空気も存在せず、光もない真っ暗な世界に人間が一人浮かんでいたと仮定し、彼は何も感じることはなく、意識することもない。ただ、ここに浮遊している自分が存在しているということだけは意識する。そう、近代哲学のデカルトの「我思う、ゆえに我あり」という第一証明の萌芽がすでにここにある。これは、ちょっと感動的ですらある。

まだまだあるのだが、今日はここまでにしたいと思う。

2020年6月21日日曜日

易姓革命?その2 三峡ダム

https://twitter.com/hashtag/%E4%B8%89%E5%B3%A1%E3%83%80%E3%83%A0
三峡ダムが崩壊するかもしれないという情報がネット上にかなり流れている。このダムが決壊したら、長江の下流は上海まで及ぶ大災害となるようで、被害者は億単位になると言われている。すでに上流の重慶では大洪水になっている。

そもそも建設当時から不評だったダムだが、構造上もいろいろあるようだ。私は完全文系なのでよくわからないが、すでに上から見て直線だったのが曲がっているとか、いろいろ言われている。現在、4600人の人民解放軍が動員されているとか。この派遣の意味は不明である。江沢民が兵にクイを打てと指示したらしいが、多くの死傷者が出ただけだとも言われている。中国政府の視点には、人口圧下、人民の死者数など大して念頭にないのかもしれない。

中国共産党の指導の在り方は、何か問題があるればその責任者を処罰する方式である。上が責任を取らず、下に押し付けるので、情報の隠蔽や虚偽の報告が後を絶たない。これまたスターリンの亡霊が生きているわけで、自己保身に汲々とする中央政府・地方政府に締め付けられる人民こそ、いい迷惑である。日本にも「上級市民」がいたりするが、全くレベルが違うようだ。

この三峡ダム、億単位の被害者が出ても、政府は誰かに責任を負わせるだけなのだろう。早く手を打たないとまさに、天が黙っていないだろうと私は危惧する。

2020年6月20日土曜日

国道197 16式移動戦闘車

https://trafficnews.jp/post/81352/2
土曜日・4週連続で、K医院に行ってきた。今日もNHKのチコちゃんを見ていたのだが、診察の時、ストレス発散の話になって、今日の予定を先生に聞かれたので、「大洲に買い出しに行くつもりです。」と答えたら、先生の口から業務スーパーの名前が出てきた。「最近行かなくなったなあ、八幡浜の方が近いから。」と、同じくらい安いスーパーを教えてもらったのだ。(笑)というわけで、薬をもらった後、妻とまず先生が教えてくれたスーパーに行ってみた。妻の見立てでは、同じくらい安く、品数はこっちのほうがいい、とのことで、今日は八幡浜往復で帰ってきた。K先生に感謝である。

ところで、帰路、前を自衛隊の車輛が走っていた。車輪走行の戦闘車両である。どうやら三崎からフェリーで移動するようだ。これまでトラックやジープは見たけれど、戦車っぽいのは初めてである。調べてみると、どうやら16式移動戦闘車(16MCV)らしい。香川県の善通寺駐屯基地にあって、高速道路等を自走で移動する訓練を重ねているとのこと。私は航空ファンだが、自衛隊のこういう装備も興味があるので、ちょっと嬉しかった次第。当然ながら、ブレーキランプが点灯していた。実際の戦闘時には点灯しないだろうけど…。授業で教えたウィンカーは、国道197では三崎港に行くなら、フェリー乗り場まで使わない。ほとんど高速道路なのだ。(笑)

2020年6月19日金曜日

易姓革命?

https://blog.goo.ne.jp/mkitajima6071/e
/3d0c92469fb0f3e705309db1f37fd794
北京でコロナ禍が発生し、中南海(中国共産党のノーメンクラツーラが居住する地域)は空っぽになったらしいという報道が流れている。北京からの指示が止まり、各地方政府が困っているらしい。東北部の黒竜江省などでは、ついに砂漠トビバッタが飛来・大発生しており、インド国境では、両軍に死者が出てかなりヤバくなっている。南部の桂林では大水害に見舞われており、ヒョウなどの異常気象も報道されている。

中国人のDNAには、こういう連続的な災いは易姓革命の証という意識が刷り込まれている。王朝の転換の時である。

これまでの中国史を顧みると、そもそも中国を国と見るより、中国世界と見たほうがわかりやすいと私は思っている。統一王朝は幾度も存在したが、内乱期というか群雄割拠というか、分裂している時期が通常であると。中国共産党は、1949年以来政権の座にあるが、この政権が、労働者階級の幸福を実現しようとするマルキシズムの政党であるというのは、現在では信じがたいし、ついに天が見放したような…。

昨日、SDGsを講じている時、「だれひとり取り残さない」という崇高な理念を生徒諸君に伝えたが、今の中国では「自分だけ取り残されない」というような低俗な理念がはびこっているといえまいか。日本で、内閣が東京から逃げ出したら、義の国・日本では、二度と政権に戻れないだろう。

2020年6月18日木曜日

未咲輝学初日のSDGs講義

7限目、三崎高校学校設定科目・未咲輝学の初日、体育館での全校生徒相手のSDGs講義の大役を無事終えることができた。大阪と違って、愛媛の生徒は実に真面目である。なんとか笑わせようとするのだが、内容が内容だし、なかなか笑わせることができない。ニコッと微笑む程度なのだ。彼らは授業では笑ってはいけないと思っているかのようだ。(笑)
とはいえ、総合的には75点くらいの出来だったかと思う。2・3年生の塾生に質問したりしながら進めた。最後には、今回の新型肺炎をSDGsと関連付けてみるような試みもやってみた。次回からは、学年ごとにわかれてやっていく。私は1年生を主に担当することになりそうだ。

2020年6月17日水曜日

未咲輝学のPP教材

三崎高校の学校設定科目・未咲輝学がいよいよ明日から始まる。その先陣を私がきることになった。全校生徒にSDGsの講義をすることになったのである。思えば、2003年にJICAの教師等派遣事業でケニアに行かせてもらって以来、アフリカ開発経済学を中心に国際理解教育をやってきた。持続可能な開発と言う言葉を知ったのはその頃で、まだまだ認知度は低かった。立命館大学の入試にこの言葉が出たのは、その数年後であった。今やかなり認知度が進み、特にSDGsが発表された2016年以降、一部上場企業を中心に理解が進んでいると言える。

明日は、ほぼタブラ=ラサ(白紙状態)の生徒たちに、SDGsを語ることになる。「最西端から最先端へ」が、三崎高校のキャッチフレーズなのだが、地方創生事業を進めておられるT先生の慧眼である。SDGsを根本に据えた地方創生の学び…。

とにかく最初なので、少しばかりSDGsと地方創生についてはふれるけれど、SDGsの大枠を理解してもらうようなパワーポイントにこの2日間改良に改良を重ねた。

明日が楽しみである。ところで、塾の方は連日30人くらいの生徒が来てくれている。講師陣も精一杯対応してくれている。1年生も私をだいぶ認知してくれており、昨年度の様な、”どこのおっさんやねん”状態ではない。(笑)ありがたいことである。

2020年6月16日火曜日

英葡永久同盟とリカード

https://gentosha-go.com/articles/-/10314
1年生のYさんという塾生が、大の世界史好きで、このところ様々な質問をしてくる。たいがいは目をつぶっても回答できるのだが、「英葡永久同盟」というのは知らなかった。

中世の1373年。イギリスが百年戦争でフランスと闘い、ポルトガルがイベリア半島の北部で、後ウマイヤ朝とレコンキスタを戦っている最中に結ばれた同盟で今なお続いている世界最長の同盟だそうだ。まあ、航路も開かれていて、同盟にはそれなりの効果もあったようだが、軍事的な結びつきでは、細々としたことばかりであるようだ。確かにイギリスは、スペインとは大いに敵対することになるが、ポルトガルのアジア進出を覆したのはオランダだし、そのオランダを駆逐したのがイギリスで、以前読んだ「マラッカ物語」では、マレー半島では、ポルトガル商人にはかなり寛容であった。たしかに、この同盟はそれなりに意味があったのだろう。

面白いなと思ったのは、この同盟を元に1703年に結ばれたメシュエン条約である。これは、ワインと毛織物に関する通商条約である。うん?ポルトガルとイギリス、ワインと毛織物…。経済分野で出てくるリカードの比較生産費説の計算例(上記画像参照)そのままである。自由貿易の優位性を示す、試験によく出るあの表は、この条約によっていたのだった。意外な発見であった。こういう学びは実にいい。

…ところで、イギリスの日英同盟までの「光栄ある孤立」はウソだったことになるのだが…。

2020年6月13日土曜日

NHKのチコちゃん

https://www.jalan.net/news/article/329691/
このところ4週間ほど連続で、毎週土曜日朝にK医院に行っている。すると、NHKのTVを見ることになる。最初は本を持っていっていたのだが、結局TVを見るようになった。チコちゃんというキャラが出てくるのだが、なかなかかわいい。「ボッーと生きてんじゃないよ。」というのが決め台詞の5歳児である。だいたい相手はMCのナイナイの岡村であるが、なかなかいいコンビだ。

その後いくつか番組が移り変わるのだが、診察を受けて出てくると、苗字の番組だったり、ニュースだったりする。我が家にはTVがないので新鮮なのだ。だが、ニュースは、絶対ネットの方が早いし、情報操作されていないように思う。カリフォルニアのサンディエゴ軍港から空母打撃軍が出港したなどと言うニュースは、日本のマスコミには流れない。

2020年6月12日金曜日

塾専用バスの関係者に感謝

三崎高校には、同窓会に寄贈していただいたマイクロバスがある。早朝、八幡浜駅を出発して国道197号線沿いで生徒を拾いながら、始業前に学校に来る。下校時も同様で、今なら部活が終わる頃に出発し、八幡浜駅まで往復する。

今週から我が未咲輝塾専用のバスも運行されることになった。20:30に学校を出発し、八幡浜駅を目指す。運転はプロの運転手さんのAさん。(登下校時は別のプロの運転手さんである。)昨夜などは、霧がひどかったそうだ。大変である。もちろん、ボランティアではない。伊方町が、助成していただいている。ありがたいことである。このバスが運用されているおかげで、来塾生徒が増えたことは間違いない。

昨年、このバスの話を聞いたときには、何人が塾のバスに乗るのか不安だった。案ずるより産むが易しで、最低4・5人が朝に予約してくれている。時には10人になることもある。これは、登下校は保護者の車で来ているけれど、塾に来て勉強した後、近くまでこのバスで乗っていこうというわけで、多くの場合保護者の方が最寄りの場所まで迎えに来ておられるとのこと。(初日に同乗して頂いた本校事務長の言)

今週は、毎回見送りと言うか、確認というか20:00を過ぎた時点で私は動き出す。昨日などは霧の影響で学校到着が20:20頃にずれ込んだ。このバスに乗れない生徒がいたら一大事であるし、この時間から八幡浜まで往復していただく運転手さんにも毎回御礼やら挨拶やらをしておきたいという気持ちが強い。昨日、エントリーしたが、こういう積み重ねが善意で動く学校では重要なことなのだ。
本校の事務長先生は凄い方で、毎日の見送りに参加して頂いている。(事務長のお体は大丈夫かと心配である。)人情の機微を忘れたら学校と塾の連携などありえない。先日の塾内のミーティングで、もし私がいないときは誰か講師が見送りに行くように決めた。チームで動くと言うことはそういうことだと思う。幸い新講師陣もよく理解してくれている。

このように、多くの方に支えられている未咲輝塾のバス。毎夜、出発時に様々な思いを込めて手を振っている。

アベノマスクがやっと来た。


先ほど、郵便受けにアベノマスクが届いた。うちは妻と2人なのだが、1人分2枚だけ。(笑)酷評されるアベノマスク。たしかにかのマスク不足の時ならまだしも、今更という感じである。でも、日本全国に配布するのにどれくらい時間がかかるのか首相補佐官は計算できなかったのだろうか。そんなに感染者が出なかった愛媛県の、さらに西の端・佐田岬半島、伊方町。コロナ禍は「意識」の問題であって、「現実」には今のところない。だから後回しにされたのだろうと思う。東京や大阪ならとっくに到着していたのだろう。
…幸か不幸かと言う話である。(笑)

2020年6月11日木曜日

未咲輝塾 連日 満員御礼

ありがたいことに、未咲輝塾は月火水木と4日間連続で30人以上の生徒が来塾してくれている。三崎高校生は1年生は全員、2・3年生もほぼ全員が部活をしている。それが終わるのが、18:00くらい。この頃からボチボチ生徒が集まってくる。今日は野球部が早いなとか、卓球部が早く終わったなとかが分かってきた。遅く来ると、今は3密をさけるため、椅子を減らしているので席がなくってしまう。(笑)
もうひとつ教室を塾はあてがってもらっているのだが、英検のリスニングやらも重なるとさらに他の教室も使わせてもらっている。学校側は実に好意的でどんどん使っていいですよと言われている。実にありがたいことである。

学校と連携するためには、こちらも気を使う必要がある。今日も生徒総会があったのだが、講師全員で参加させてもらった。学校の先生方は、人間を見るプロである。見ていないように見えて必ず見ている。様々な局面でこちらの連携のための姿勢ををアピールする必要がある。学校は、企業の様な利潤追求の場ではない。生徒の幸福のために努力する善意こそが学校のエネルギーである。この善意の輪に入るためには、善意で答えるしかないのである。

2020年6月10日水曜日

夏の選抜大会交流試合

https://travel.rakuten.co.jp/mytrip/howto/koshien/
公営塾を束ねているプリマペンギーノの研修が今日行われた。残念ながら私は別件があって参加できなかったのだが、推薦・AO入試の取り組みについてがテーマだった。特に、今年はコロナ禍でインターハイをはじめ多くの行事が中止になっており、推薦・AO入試にとっても大きな影響が出ている。

さて、報道によると高野連の春の選抜大会の出場決定校・32校が8月甲子園で1試合ずつ交流試合を行うことが決まったらしい。夏の甲子園に向けて頑張っていた球児もかわいそうだが、選抜出場が決まりながら中止となった球児はさらにかわいそうである。(そんなこと言えば他の競技も同様なのだが…。)とにかくも、一度大喜びさせながら中止となった選抜出場決定校だけでも、甲子園という話である。

H高校の野球部もどうしているかなあ。大阪もようやく学校が再開したはずだが、体育科・武道科、そして普通科で部活を頑張ってきた3年生も目標を失って苦しい日々を送っているだろうなあと思う。H祭(体育祭・文化祭)に燃えて欲しい。

コロナ禍は終息したわけではないが、ちょっと明るいニュースであると思う。たった1試合だが、甲子園の土を存分に楽しんでもらいたいものだ。

2020年6月9日火曜日

中・韓政府の勘違い 考

香港とくれば、私にとっては「スターフェリー」
https://www.discoverhongkong.com/jp/see-do/highlight-attractions/harbour-view/star-ferry.jsp
中国が、香港を国家安全法公布によって飲み込むことは、自国経済を窮地に陥れるリスクが非常に高い。以前、このブログで「仇花」という表現を使ったが、これは政治的な視点であって、経済的な視点で見ると、仇花どころか資本獲得面でも、貿易面でも死活的な窓口である。すでに、香港では香港ドルをUSドルに換える動きが加速し、USドルが枯渇気味だという。中国国内では、中国元とUSドルの交換はできてもUSドルの持ち出しはできない。香港は持ち出せる。すでにシンガポールに多くのUSドルは逃げて行っているようだ。貿易面では、中国が社会主義国である以上、輸入不可の産品もあるが、香港経由なら中国は輸入できた。もちろん関税なし(一部の酒類以外)フリーポートであることも大きい。中国はこれらを全て失うことになる。その経済損失は甚大であろう。
どうやら、国家主席閣下は、海南島を香港に変わるフリーポートとするつもりらしい。人民元をデジタル化して、USドルに変わる国際通貨とする計画だとか…。これは笑止。資本主義において、法の下に安定した商制度が何より重要である。香港にはそれがあった。だから資本が集まったのである。世界は中国政府の真実の姿を知ってしまった今、誰も海南島に公平な法の支配ができるとは思わない。中国に流れる資本は一気に減少するだろう。国家主席閣下は実に大きな勘違いをしているようだ。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73150

一方、韓国もまたそぞろ、彼らの言う強制徴用工問題を蒸し返している。国際的な条約と国内法はあきらかに国際条約の方が上位にある。国内の最高裁判決でそれがひっくり返るという道理は誰も認めないし、認めてはいけないものだ。8月に現金化をしたら、日本政府はただちに制裁に入るだろう。どれだけ日本を怒らせているか、彼らは分かっていない。日本には何を言ってもよい、「反日無罪」というゼロ記号でまとまっている限り、彼らに進歩はない。反日教育で洗脳された「傷ついたコギト」は、自らの責任で追い込まれていくだろう。ここにも実に大きな勘違いがある。

…やれやれである。当分私の危惧は続きそうだ。

2020年6月8日月曜日

未咲輝塾 本格再開 千客万来

18:00過ぎの様子
 いよいよ今日から、本来の放課後から21:00までの開塾時間になった。18:00頃から部活が終わって、1年生を中心に続々と来塾生徒が来て、実に嬉しかった。それがやがて、3密状態になり、もう一つの使用教室にも生徒を送りこまねばならなくなった。最終的に30人もの生徒が来てくれたのだった。私を入れて5名の講師陣は走り回って指導にあたっていたのだった。嬉しい悲鳴である。20:30の塾専用の八幡浜行きバスも5名が乗車。運転手さんにも喜んでいただけたと思う。
19:00頃の様子
ところで、学校長も塾の様子を見に来ていただき、千客万来を共に喜んでいただけた。事務長も最初の塾専用バスなので同乗していただけた。ありがたいことである。県立三崎高校、万歳。

2020年6月7日日曜日

米中両政権の迷走 考

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28286380Y8A310C1000000/
アメリカの大統領閣下は、コロナ対策でも楽観的な対応で失敗し、さらにミネソタ州の白人警官による黒人への殺人事件に対してのデモ、さらに暴動に対し、軍を派遣するなどの強硬策をちらつかせたことで窮地に立っている。どうやら大統領閣下は国民感情を読み違えたようだ。現時点で、白人の多くの人々はこのデモに好意的(78%)、また特に大統領閣下の支持基盤であるキリスト教福音派も批判、不支持が増えているようだ。中でも、解任したマティス国防長官の批判もかなりのダメージを与えているようだ。このままでは、11月の再選が極めてアブナイ情勢である。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/19848

中国でも、習近平が目標としてきた貧困撲滅はうまくいっているとの全人代での姿勢に対して、首相である李克強首相が真っ向から批判するような記者会見を行った。「中国の平均年収は3万元だが、月収1000元の人も6億人いる。」結局、始末書を書かされたという報道があるが、本来なら失脚モノらしい。共産党内におけるNo1の習とNo2の李の権力闘争は、若干習が勝っているに過ぎない状況だというわけだ。習近平体制も窮地に立っている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2f24d7aaf8f64784a0fef763bbd4492486c71eab

…私が危惧するのは、第一に、大統領閣下は再選のために何をするかわからないということである。すでに、アメリカはオーストラリアとインドを反中国連合に引き込んでいるようだ。おそらく、イギリスは当然入っているし、暗黙の了解で日本もその中に入れられているだろう。
第二に、中国の分裂である。習近平の勢力は、趙紫陽の勢力がアメリカや香港に多くの資産を持っており、それをつぶそうとしているという情報もある。いつしかエントリーしたが、人民解放軍は党の軍隊であって、鄧小平以来、その軍事費は自分たちで稼いでいる。大戦前の軍閥のような状況である。党の人脈と繋がった人民解放軍も分裂する可能性がある。そうなると、何が起こるかわからない。現在の尖閣諸島近辺の動きは、その前兆なのかもしれない。

2020年6月6日土曜日

東アジアの儒家の相違 考

林羅山 http://oneecho.blog.
fc2.com/blog-entry-735.html
F40の中華系の教え子で、大卒の教え子がいた。彼女は大学で儒家を中心に学んできたという。大学の先生から「本当に儒家を学ぶのであれば日本に行くべきだ。日本にしか儒家は生きていない。」と言われたそうだ。

儒家は当然ながら中国が本家本元である。中華人民共和国になってから、かなり儒家は批判されたが、21世紀になってから、今話題の孔子学院を海外各地に作っている。だが、今の中国をウォッチしていて、儒家の思想が生きているようには私はあまり思えない。昔、M高校で中国通のK老師が「儒家は、必要だから生まれたのです。儒家の道徳を押し付けないと中国は無茶苦茶になるから。」と言っておられたのを思い出す。

儒家の「仁」「義」といった徳目は、中国共産党の外交政策や国内政策、さらに経済政策からほとんど見られない。同様に韓国政府の政策にも見られない。この二国に共通するのは、「礼」が生きているくらいだと思う。どちらかというと「面子」を重んじるという姿勢であって、国際社会に通じるものではない。(政治を抜きにして考えると、普通の人々の間では、年功序列を重視することが残っている。)また『韓国の儒教の影響』として、貧しい者は富めるものから得るという意識が強いと、ウィキにあった。8月に、彼らが言う徴用工問題で現金化が行われるという報道を思わず想起してしまう。これも儒家の影響だとは…。

こうしてみると、日本にのみ儒家が生きているというマレーシアの大学の先生の言は正しいのかもしれない。但し、教え子にも伝えたのだが、日本の儒家は、古来からある日本の思想や仏教、さらには西洋思想と共に日本人が咀嚼し、オリジナルなものに変化している。日本の儒家の特徴は、江戸期の朱子学・陽明学の影響が強く、「義」を重視することであると思う。約束を守る事、自分の役割を果たす事への強いこだわりが、日本の勤勉性を支えている。この義の裏付けは日本では「恥」である。「仁」は、仏教の「慈悲」に取って代わられている気がする。「仁」は、中国の血族間の愛情を他者にも拡大すべきと捉えるもので、極めて中国的であるからだ。「礼」は今もあるが、中国や韓国の様な形式的なものではない。集団の中でのコミュニケーションでのツールに近く、絶対視されるものではない。面子にこだわることも重視されていない。

最近特に、中韓は日本と共に儒教文化圏とされるが、本当なのか?と思うことが多い。礼は重視するが、何より「義」がない。当然ながら「仁」もない。暗澹たる思いにかられるのである。

2020年6月5日金曜日

日本はアジアか否か?(3)

http://honkawa2.sakura.ne.jp/8012.html
日本はアジアか否か?ひどく愚問のように聞こえるが、私には重要な命題と思える。昨日の雑文的なエントリーのさらに続きに挑戦したい。

帝国主義の時代、アジアで結局欧米列強の植民地にならなかったのは、仏領インドシナと英領インド(現ミャンマーを含む)に挟まれた緩衝国として生き延びたタイと、日本だけである。日本は極東にあって、列強の進出が最も遅かったこともあるが、幕末から維新にかけて、自力で何とか植民地化を避けることができた。このことが、他のアジア諸国との大きな相違だといえる。

この違いは大きい。日本も第二次世界大戦後アメリカの占領を受けたが、植民地化されたわけではない。植民地支配というのは、さらに過酷な収奪であると私は思う。日本は意外にアメリカを受容した。アメリカは過酷な収奪を行ったというよりは、民主主義というテーゼをアメとムチで日本に強要した。それもかなりうまくやったように思う。日本人の好きな外国というNHK放送文化研究所の意識調査では、アメリカがほぼ一位であるといってよい。アメリカによる日本のアメリカ化は成功していると思われる。(本日の画像参照)

ただ、日本は古来から外来文化を吸収し、オリジナルを作ってきた。戦後は、アメリカの文化を吸収し、オリジナル化していると思う。アメリカの本質(明白な天命など)を日本人が理解していると私は思えない。

日本は地理的にはアジアそのものであるが、歴史的には自力で植民地化を阻んだせいで、他のアジア諸国のような恨みや痛みを持たない。この空間(地理とは空間把握である)と時間(歴史とは時間軸の把握である)のずれが日本はアジアか否かという愚問を生起させるのではないだろうか?

植民地支配を経験したマレーシアの国民であるF40の教え子たちが、アジア人としての鋭い視点を持って香港問題を捉えていることと、植民地支配を経験していない日本人の私が香港問題を欧米的な人権問題として捉えていることの差異を感じる次第。もちろんこの差異には、善悪も是非もないと思う。

2020年6月4日木曜日

日本はアジアか否か?(2)

http://themainstream.jugem.jp/?eid=2053
昔々、ニューヨークに旅した時、アシアナ航空を利用した。ソウル空港で、さあ、搭乗となった時、列になるどころか、搭乗口に押し寄せた韓国の人々を見て、唖然としたことがある。そして、気が付いた。同様の視線を送っている人間があと2人いたのだ。それは、アフリカ系米国人と白人の米国人で、三人は目があった。この時、三人ともが思わず「どうしたもんかねえ。」というボディランゲージをしたのを鮮明に覚えている。(断っておくが、この便はいくら格安とはいえ、自由席ではなく指定席である。)…この時、私は間違いなく、アジア人ではなく、欧米側に立っていたと思う。(マレーシアでは、同様の経験をしたことはない。)

アジア的なるものを定義するのは難しい。人口圧?アメリカに行くと、人と人の距離感の様なものを感じる。”エクスキューズミー”を常に口にして、距離感をとる必要性にかられた。関空から、京橋駅で降りた瞬間、肩が触れ合ったりする日本の距離感の近さに辟易としたこともある。要するに、個人主義が確立した世界と集団で生きる世界の差異なのかもしれない。契約がある意味重視されるキリスト教的な世界と、情で動く多神教世界の違いかもしれない。

日本は、脱亜入欧などという概念が明治の中頃から浸透していた。それがアジアの盟主として、アジアの植民地解放思想に発展していく。このあたりの福沢の脱亜論と脱亜入欧論の関連は少しばかりややこしいが、歴史的な事実として八紘一宇などに発展したわけだ。だが、これに大失敗した日本は、戦後、身も心も脱亜入欧したように思われる。もう、少なくとも政治的・軍事的にアジアにはかかわりたくない、というコンプレックスのような感覚があったのではないかと思う。

とはいえ、風土はアジアである。米を食べ、小学校から集団教育を受けている。止揚したといえば格好いいが、アジア人でありながら欧米的嗜好、私など、幼年期からアメリカのTV番組を見て育った。ディズニー、奥様は魔女、トムとジェリー、ポパイ…。まさに、日本人とは不思議な存在である。

ひどく雑文的になったが、日本はアジアか否か?この答えを正確に述べることはできない。混沌とした思考が巡り巡るだけだ。基盤はアジアだが、欧米嗜好、とくにアメリカナイズに最も苛まれているともいえなくもない。うーん、さらに混乱してきたのだった。また機会があれば、この命題に再挑戦してみたいと思う。

日本はアジアか否か?(1)

https://buhitter.com/searc
h?q=polandball&offset=500
先日、F40の中華系の教え子たちが、香港問題について、中国を支持していたのに驚いたことを書いた。今日は、この件についてエントリーしたいと思う。

まず確認しておきたい事が3点ある。第1に、中華系の教え子たちはマレーシア国民であり、祖国を愛していることは間違いない事。第2に、中華系マレーシア人であると言うことは、政治的・経済的、また宗教的にも、日本やアメリカの様な、法的に完全な自由を謳歌している存在ではない事。第3に、マレーシアの現代史において、日本が占領した際、マレー系は反イギリス植民地的な立場からこれを歓迎したのに対し、中華系は、日本の大陸進出を快く思わず、日本軍に反発した事である。どちらも、反帝国主義であることは共通しているが、マレー系は、日本をアジアの一員として見たのに対し、中華系はイギリス同様の帝国主義と見たという違いがある。

第1・第2の確認点からの考察。マレーシアにあった3年間、様々な角度から学んできて私はこう考える。中華系の教え子たちは、黙して語らないが、様々な点で自由を制限されていることは間違いない。民主主義・自由主義ではあるが、開発独裁のマレーシアでは、それが普通のことなのだ。よって、香港の完全なる自由主義とは異質の存在なのである。彼らは第1の視点で述べた愛国者であるから、自然とマレーシアの現状を受け入れている。香港の自由への共感度は、日本や欧米諸国とは少し異なると思う。

第3の視点からの考察。彼らには、アジアの一員であるという意識が強い。意外だが、中華系の学校ではなく普通の国立の学校で学んだ中華系の教え子たちの多くは、殷から始まる中国の王朝名も知らない。だが、アジアの植民地支配、そこからの独立したという歴史観は十分に学んでいる。香港の存在は、まさにイギリスの帝国主義の仇花であるとの認識が先立つように思える。
もとより、教え子たちは社会主義者ではないし、中国本土のウォッチャーであるともいいがたい。香港を帝国主義の仇花と見るのは、アジア人としての鋭い感性のような気がするのである。このアジア人としての感性、果たして日本にあるのだろうか?

日本はアジアか否か?…つづく。

2020年6月2日火曜日

中島みゆき「糸」in ベトナム

中島みゆきの「糸」という歌があるらしい。ベトナムで日本語教師として頑張っているT氏から、そのビデオが先日LINEで送られてきた。授業を始めようとすると、いきなり「先生、日本語の歌を歌いますから聞いてください。」と学生に言われ、みんなで歌ってくれたそうだ。なかなかいい話だ。

YouTubeで学生が見つけたらしく、メロディーが美しく、ローテンポなので歌えそうだと考えたらしい。ローマ字で歌詞を書いていたが、日本語の意味は全く分からないとのことで、その授業は、歌詞の説明に終始したそうだ。(うーん、凄い。さすが元ベテラン国語教師である。)しかも、その後、ベトナム人教師の研修資料として使ったそうで、その教材の写真も送られてきた。(うーん、さらに凄い。私は日本語教育を横で見ていただけなので、よくわからないが…。)

なぜめぐり逢うのかを 私たちは何も知らない
いつめぐり逢うのかを 私たちはいつも知らない
どこにいたの 生きてきたの 遠い空の下 ふたつの物語

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布はいつも誰かを 温めうるかもしれない

なぜ生きていくのかを 迷った日の後のささくれ
夢追いかけ走って ころんだ日の跡のささくれ
こんな糸がなんになるの 心許なくてふるえてた風の中…。

かなり難しい歌詞だと私は思う。T先生に合掌。

国際政治のターニングポイント

https://www.cartoonmovement.com/cartoon_if/48316
2020年という年は、おそらく後の世界史年表でも試験に出る頻度の高い重要な年になるだろうと思われる。コロナ禍は、もちろんだが、これに端を発し、臨界点に近づいてきた米中の関係が破綻し…。

大統領閣下の支持率が大きく下がっているようだ。最大の原因は、急激なコロナ禍による経済の悪化である。低所得層を直撃している。失業率は、1929年の大恐慌なみであるらしい。みんなイライラしているところに、ミネソタ州ミネアポリスで、白人警官による武器を持っていない黒人住民を窒息死させるという事件が起こった。(これは誰がどう見ても殺人であり、実際起訴されている。)この時の画像が拡散し、ミネアポリスはもちろん、全米に暴動が飛び火している。全米数十の都市で外出禁止令、ミネソタ州はじめ23の州とD.C.で州軍が出動している。うーん、ロス暴動を彷彿とさせる。

1929年の時は、1932年大統領選で民主党のF・ルーズヴェルトが共和党のフーヴァーの再選を阻み、地滑り的勝利を収めた。アメリカの選挙は極めて、経済状態に影響される。リベラル・デモクラシーと言われる所以である。大統領閣下は、かなり追い込まれていると見るべきだろう。再選するためには、逆転満塁ホームランくらい打たなければならない状況である。

さて、一方中国が香港に国家安全法を押し付けようとしているのは、国内の不満分子対策との推測が流れている。どうやら、中国各地で香港に続けとばかりの暴動が頻発しているとの情報もある。ここで香港を抑え込まえなければという焦りもあるようだ。国家主席も権力闘争の真っただ中にある。

さらに、今回のコロナ禍・WHO問題で、台湾の評価が上がり、中国は完全にヒールとなっている。台湾もいずれ香港のように統一するのが中国共産党の大目標であり、台湾周辺で尖閣も含めた軍事行動を活発化させている。(アメリカも日本を含めた同盟国と演習を繰り返しているようだ。)

中国の外交政策は、非常に分かりづらい。コロナ禍でマスクを送り、感謝して欲しいと強要しながら、東・南シナ海やインド国境で軍事行動…。実に矛盾した行動をとることが多い。これについて、(本土の)中国の文化というか思い当たるフシもある。

昔々、上海から南京まで旅をした時、現地の日本語ガイドの方から、「中国は常に矛盾を含んでいます。でもそれでいいのです。唯物弁証法(マルクスの哲学/弁証法的に矛盾を含みながら全ては止揚されていくの意味)ですから。」と言われたことがある。これは、このガイドさんが最後の紅衛兵でありながら、日本語を学び、日本人を相手にガイドをしている走資派(資本主義に走る者:文革期には破壊的な罵倒)であることを、どう考えているか、という私の強烈&不躾な質問に答えたものだ。社会主義国として、マルクスを借りて矛盾を肯定する…。まさに二の文化(中国は、陰陽、天地など二元論的な文化であること。)である。

香港は、近々アメリカから与えられている金融・経済の特別な地位を失うだろう。米中香ともに経済的な勝利者はいない。香港から英・豪・加・台湾への移民は進むだろう。
そして次は台湾…。世界史的に見て、国内問題で追い詰められた権力者は、外に向かう。私は、それを非常に危惧しているのである。

2020年6月1日月曜日

追悼 ジョージ秋山氏

銭ゲバ
https://twitter.com/
erizomu/status/125152
2531560796161?lang=bg
ジョージ秋山氏が他界されたそうだ。奇才?鬼才?私が少年から青年期にかけて活躍した漫画家である。と、言っても決して好きな漫画家ではなかった。

「銭ゲバ」「アシュラ」も知ってはいたが、少年サンデーや少年マガジンといった少年漫画誌ではかなり異質な漫画で、どちらかというと、『ガロ』が乗り込んできた感じだった。この二作は、改めてWikipediaで確認してみたが、やはり異質である。

「浮世雲」の方は、私が高校から大学の時期で、ビッグコミックやビッグコミックオリジナルを毎月購入して読んでいた時期に当たる。特段、好きではないが、ビッグコミックオリジナルでは異質感はなかった。青年漫画誌だったからだと思う。今から思えば、「浮世雲」の世界は、脱構築された幕末の世界で、道家か、あるいは悟りを開いたような感じのする主人公が飄々と生きる姿を描いている。スーパースターだが、息子が大病で後遺症が残るかもしれないと医者に言われた時は大いに取り乱す。その辺りも結局、長期連載となった理由かもしれない。ともあれ、数多い漫画家の中で、ひときわ異彩を放っている方だった。
ジョージ秋山氏のご冥福をお祈りします。合掌。