2020年6月2日火曜日

国際政治のターニングポイント

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2020年という年は、おそらく後の世界史年表でも試験に出る頻度の高い重要な年になるだろうと思われる。コロナ禍は、もちろんだが、これに端を発し、臨界点に近づいてきた米中の関係が破綻し…。

大統領閣下の支持率が大きく下がっているようだ。最大の原因は、急激なコロナ禍による経済の悪化である。低所得層を直撃している。失業率は、1929年の大恐慌なみであるらしい。みんなイライラしているところに、ミネソタ州ミネアポリスで、白人警官による武器を持っていない黒人住民を窒息死させるという事件が起こった。(これは誰がどう見ても殺人であり、実際起訴されている。)この時の画像が拡散し、ミネアポリスはもちろん、全米に暴動が飛び火している。全米数十の都市で外出禁止令、ミネソタ州はじめ23の州とD.C.で州軍が出動している。うーん、ロス暴動を彷彿とさせる。

1929年の時は、1932年大統領選で民主党のF・ルーズヴェルトが共和党のフーヴァーの再選を阻み、地滑り的勝利を収めた。アメリカの選挙は極めて、経済状態に影響される。リベラル・デモクラシーと言われる所以である。大統領閣下は、かなり追い込まれていると見るべきだろう。再選するためには、逆転満塁ホームランくらい打たなければならない状況である。

さて、一方中国が香港に国家安全法を押し付けようとしているのは、国内の不満分子対策との推測が流れている。どうやら、中国各地で香港に続けとばかりの暴動が頻発しているとの情報もある。ここで香港を抑え込まえなければという焦りもあるようだ。国家主席も権力闘争の真っただ中にある。

さらに、今回のコロナ禍・WHO問題で、台湾の評価が上がり、中国は完全にヒールとなっている。台湾もいずれ香港のように統一するのが中国共産党の大目標であり、台湾周辺で尖閣も含めた軍事行動を活発化させている。(アメリカも日本を含めた同盟国と演習を繰り返しているようだ。)

中国の外交政策は、非常に分かりづらい。コロナ禍でマスクを送り、感謝して欲しいと強要しながら、東・南シナ海やインド国境で軍事行動…。実に矛盾した行動をとることが多い。これについて、(本土の)中国の文化というか思い当たるフシもある。

昔々、上海から南京まで旅をした時、現地の日本語ガイドの方から、「中国は常に矛盾を含んでいます。でもそれでいいのです。唯物弁証法(マルクスの哲学/弁証法的に矛盾を含みながら全ては止揚されていくの意味)ですから。」と言われたことがある。これは、このガイドさんが最後の紅衛兵でありながら、日本語を学び、日本人を相手にガイドをしている走資派(資本主義に走る者:文革期には破壊的な罵倒)であることを、どう考えているか、という私の強烈&不躾な質問に答えたものだ。社会主義国として、マルクスを借りて矛盾を肯定する…。まさに二の文化(中国は、陰陽、天地など二元論的な文化であること。)である。

香港は、近々アメリカから与えられている金融・経済の特別な地位を失うだろう。米中香ともに経済的な勝利者はいない。香港から英・豪・加・台湾への移民は進むだろう。
そして次は台湾…。世界史的に見て、国内問題で追い詰められた権力者は、外に向かう。私は、それを非常に危惧しているのである。

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