2020年6月4日木曜日

日本はアジアか否か?(1)

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先日、F40の中華系の教え子たちが、香港問題について、中国を支持していたのに驚いたことを書いた。今日は、この件についてエントリーしたいと思う。

まず確認しておきたい事が3点ある。第1に、中華系の教え子たちはマレーシア国民であり、祖国を愛していることは間違いない事。第2に、中華系マレーシア人であると言うことは、政治的・経済的、また宗教的にも、日本やアメリカの様な、法的に完全な自由を謳歌している存在ではない事。第3に、マレーシアの現代史において、日本が占領した際、マレー系は反イギリス植民地的な立場からこれを歓迎したのに対し、中華系は、日本の大陸進出を快く思わず、日本軍に反発した事である。どちらも、反帝国主義であることは共通しているが、マレー系は、日本をアジアの一員として見たのに対し、中華系はイギリス同様の帝国主義と見たという違いがある。

第1・第2の確認点からの考察。マレーシアにあった3年間、様々な角度から学んできて私はこう考える。中華系の教え子たちは、黙して語らないが、様々な点で自由を制限されていることは間違いない。民主主義・自由主義ではあるが、開発独裁のマレーシアでは、それが普通のことなのだ。よって、香港の完全なる自由主義とは異質の存在なのである。彼らは第1の視点で述べた愛国者であるから、自然とマレーシアの現状を受け入れている。香港の自由への共感度は、日本や欧米諸国とは少し異なると思う。

第3の視点からの考察。彼らには、アジアの一員であるという意識が強い。意外だが、中華系の学校ではなく普通の国立の学校で学んだ中華系の教え子たちの多くは、殷から始まる中国の王朝名も知らない。だが、アジアの植民地支配、そこからの独立したという歴史観は十分に学んでいる。香港の存在は、まさにイギリスの帝国主義の仇花であるとの認識が先立つように思える。
もとより、教え子たちは社会主義者ではないし、中国本土のウォッチャーであるともいいがたい。香港を帝国主義の仇花と見るのは、アジア人としての鋭い感性のような気がするのである。このアジア人としての感性、果たして日本にあるのだろうか?

日本はアジアか否か?…つづく。

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