2026年5月17日日曜日

儒教国家 台湾の危機

https://population-pyramid.net/ja/pp/%E5%8F%B0%E6%B9%BE
台湾は、TSMCを筆頭とした半導体やAI部品で莫大な貿易黒字を挙げている。しかし、共同体の存立が物理的に崩れ落ちている。2025年の台湾の合計特殊出生率は、0.695人。戦争や飢饉のない平時において0.7の壁が破られたのは、人口統計が生まれて以後世界史上で初めてである。これは、国が滅びるほどの数値である。

https://www.youtube.com/watch?v=zU1RKxa5Z_0

台湾の若者にとって住宅価格の上昇が大きな足かせになっている。台北では、所得の66%を住居費として支払っている。貯金どころではない。このような状況では子供を生むというのは贅沢にすぎる状況になる。親の元へ逃げるしかない。25歳から40歳のうち50%が親と同居せざるをえない。カンガルー族と呼ばれている若者の結婚へのハードルは高い。しかも労働時間は世界トップクラスで、サービス残業は当然視されている。若者のアンケートでは、出産を諦める理由の第一位は子供を育てる物理的な時間の不足である。

この巨大な構造的暴力が、若者たちを沈黙の抵抗へと追い込んでいる。国が豊かになるほど庶民の生活は貧しくなるという矛盾。この裏側には、19世紀さながらの家父長的な儒教文化が根強く残っているのが原因である。

女性は特に、夫より3時間多く働き金を稼ぎ、家では儒教的な重圧にさらされながら、家事や育児という2つ目の職場に出勤している。台湾の未婚女性の57%が絶対に子供を産まないと宣言した。これは単なる拒絶ではなく、自分を削除するシステムに対する凄絶な生存闘争である。経済的な不平等と古い慣習が結びつき、致命的な結果で、国家は、この不合理に目を背けている。女性は、妊娠を歓迎されないし、健康診断で職場を離れた際も代行してくれた人に賃金を支払う(=母親への罰金)と言った残酷さも指摘されている。妊娠したら約45000円賃金カットされ、退職圧力がかかる。育児休暇は無給、家族介護休暇も7日のみ、保育インフラも悲惨で、幼稚園や学校は昼まで、公的な保育サービスも午後4時まで。これでは、子供を産めない。

この影響は国防にも及んでおり、徴兵年齢の18歳人口は10万人を割った。志願兵の充足率は79.2%。いくらアメリカから先端兵器を購入してもそれを運用する若い力がない。

2028年、生産年齢人口が全体の2/3を下回る「人口の崖」が現実のものとなる。現在2340万人の対話案の人口は2070年に1500万人に減少し、1.2人の若者が1人の高齢者を支えることになる。これは、現在の合計特殊出生率1.20の日本にとって他人事ではない。

…1学期後半の地理総合の授業では、また世界価値観調査のグラフをもとに授業を進める予定だが、多くの国のカテゴリーの中に、Confucian(=儒教圏)というのがあって、日本・中国・韓国・台湾が含まれる。日本については、このブログでも何度か書いているが、朱子学的な「義」が強調される。(仁は、日本古来から存在し、あえて儒教的である、とはいえない。)中国や韓国は、仁も義も薄れ「礼」しか残っていないように感じる。台湾は、最も儒教の「仁」「義」「礼」が揃っている国かもしれない。しかしながら、日本が、西洋思想の波の中で、縮小させた部分(人権>礼)が、台湾には強く生き残っていて、この女性蔑視・人口問題に直結しているように感じたのだが…。

2026年5月15日金曜日

ジャイアンツ4連戦はイーブン

https://home.kingsoft.jp/news/sports/nikkansports/202605140000366.html?from=homepage_day_rank
ドジャーズの対ジャイアンツ4連戦は、第1・第2戦(ササミローキ投手と山本由伸投手の先発試合)は敗北。あかんなあと思っていたら、昨日の第3戦は大谷選手が投手専任で7回を105球で投げきり、無得点に抑え、打線もベッツ選手の復活のHR(画像参照)などで勝利。今日の第4戦も、スミス選手(大谷選手の休養日でDHで1番を任された)のHRや、テオヘル選手の2塁打の3連発(守備ではランニングHRを演出したが…)などで勝利した。西地区の首位にも返り咲いたのだった。バンザイである。

大谷選手は、投手として防御率0.82と、メジャートップの成績になっている。カーショー氏やランディ・ジョンソン氏といったサイ・ヤング賞を何度も撮ったレジェンドが、大谷投手の今季、そして第3戦の登板を振り返って、現実離れした成績に大賛辞を送っていた。サイ・ヤング賞は、これまで投げた回数などの「量」がまず重視されていたが、「質」を重視するかも知れないと2人は言っっている。私などは素人なのでよくわからないが、大谷選手はさらに進化しているらしい。また、大谷選手本人はインタヴューで、「スミス捕手や野手のおかげ」と決して自分を誇らず、さらに「(打撃成績については)実力不足です。」というコメントを残し、話題になった。大谷選手がそう言うと、MLB全選手は身も蓋もない。(笑)

今日は完全休養日となったが、また明日から古巣・エンゼルスとの戦いになる。やはり期待してしまう。ベッツ選手も今日は休養日だった。2人、いやフリーマン選手もいれてMVPトリオでHRを打って欲しいな。

2026年5月14日木曜日

同志社国際高校の事件考9

https://www.youtube.com/watch?v=ajbfOiLDqCg
同志社国際高校の事件続報である。被害生徒の手紙からわかった信じられない情報である。https://www.youtube.com/watch?v=ajbfOiLDqCg

生々しい事実が書かれている。安全確認もクソもないし、生徒に船を一時操縦させていた事実、スピードが以上に出された様子、波が来た様子、付き添い教員のI・M両名の怠慢・無策。

そして、事故後港での待機中に、『平和丸の船員(こいつは、事故直後にダンプの前に寝転ぶ抗議活動をしている。)が、「船長の特製コーヒーいる?(笑)」「世界で一つだけのコーヒー、飲んだらきっと元気出るよ。」と話しかけてきている。生徒の感想では、飲酒していたか薬物を服用していたかなどはわかりませんが、間違いなく様子がおかしかったです。平和丸の船長も同様で、生徒用のテントに近づき「(不屈の)船長死んじゃった(笑)」と笑いながら話しかけてきました。』とある。

これは、業務上過失致死どころの話ではない。ちなみに、同じチャンネルで明かされているが、沖縄県の弁護士会の会長はこいつらの顧問弁護士らしい。沖縄は、知事も法曹会も狂っている。

是非、このYouTubeチャンネルを御覧いただきたいと思う。

2026年5月13日水曜日

大谷選手の久々のHR

https://full-count.jp/2026/05/13/post1958132/
大谷選手が、久々のHR。第7号ソロを打ってくれた。試合は、山本由伸投手が先発しながらジャイアンツに結局敗けたのだけれど、大谷選手のHRが出たことがただただ嬉しい。ここから巻き返しである。明日は、大谷選手が先発である。

吉村昭 『海の祭礼』

ドジャーズは、ササミ・ローキが先発してそれなりに頑張っていたのだが、ジャイアンツに救援陣が打たれて大敗した。大谷選手もまだ復活できていないようだ。期末試験前の授業の関係で、帰宅時に結果を確認したくらい忙しかったので、見れなかったことが反対に幸いしたように思う。あーあ。今日は山本由伸投手先発である。ベッツも復活したし、みんな頑張ってほしいと思う。

さて、今日のエントリーは、学院の図書館で初めて借りた文庫本の話。吉村昭の『海の祭礼』(文春文庫)である。吉村昭の歴史小説は、念密な調査のうえで書かれているし、実に読みやすい。たくさん並んでいた吉村昭の文庫本から選んだ理由は、後ろ表紙の内容に、ペリー来航の5年前に日本に憧れ、利尻島に上陸したアメリカ人の話とあったからである。彼の英語が、日本人通詞に伝えられ、その後の開国に大きく影響するという話のようだった。やはり幕末維新期の話は面白い。

最初は、利尻島の当時の話から始まる。アイヌの人々が、松前藩の和人の監督下で「海鼠」を取る様子が描かれる。「海鼠」などと漢字表記すると何かと思うが、ナマコのことである。江戸末期のアイヌの人々への支配的な状況は、読んでいて面白いものではない。この感性が物語の進展=主人公の生い立ちとともに重要だということに気づかされていく。さすが吉村昭である。

2026年5月12日火曜日

National Geographic 再び

マレーシアから本帰国する直前に、『Superdry(極度乾燥しなさい)』というイギリスのメーカーのリュックを、3年半のPBTでの自分への褒美として購入した。かなり高価だったが、四国のM高校、兵庫のS学園、そしてOS学院と6年以上使ってきた。

さすがに長く使ってきたのでずいぶんとクタビレてきた。妻が(見窄らしいから)買い替えたらと言ってくれた。妻の指示は重い。(笑)愛着はひとしおなのだが、買い替えることにした。いくつか店を覗いたりしたのだが、高校生と同じような、有名なロゴ入りのデカいリュックを買うのもはばかれた。結局、昔なじみの『National Geographic』系統でいいのがあったのでネットで注文したら今日無事に届いたのだった。M高校後期からH高校時代のカバンは、このブランドで押し通してきたのである。

このリュック、おそらくは中国製である。よってかなり安価である。…もう68歳である。『Superdry(極度乾燥しなさい)』ほど長く使うこともあるまいと思っている。少し寂しい気持ちにもなった。

2026年5月11日月曜日

EUの内実 若者の移住問題

https://x.com/OECDTokyo/status/1739798280962224411
ドジャーズは、ブレーブスに全くいいところなしで連敗してしまった。あーあ。エントリーは中止。今日は、YouTubeで見た興味深い内容についてのエントリーにしたい。

EUの国の中で、若者の移住が進み、国家の危機を迎えている国が多いようだ。地理総合の教材研究として、その内容を残しておきたい。(上記グラフはOECDの受け入れ先のグラフ/EU内の移民の多い国の資料は見つからなかった。)https://www.youtube.com/watch?v=FCXr4b4YZXo

ルーマニアは、EU最大の人口流出国と言われている。首都や東欧のシリコンバレーと呼ばれるクルージュなどは活気に満ちているが、内陸の地方では、見捨てられた村が多い。イタリア・ドイツ・スペインなどへ、若者がより多くの賃金を求めて祖国を捨てているからである。国内とこれらの国の賃金格差は絶望的であるとのこと。

リトアニアもこの40年で人口の1/4を失った。イギリスやドイツ、ノルウェー、アイルランドなどに流出した。

クロアチアは観光が盛んな沿岸部はともかく、内陸部は人口減少が進んでいる。ドイツ、オーストリア、アイルランドに向かっている。

ギリシャは、2008年の経済危機以来、若者の人口流出が起こり、島々では極端な高齢化・少子化が進んでいる。親がドイツやオランダに行き、祖父母が孫の面倒を見るというルーマニア同様の現実がある。

ラトビアもまた移民と過疎の波が、EU加盟後に移動の自由を得た後に起こった。イギリス、ドイツ、アイルランドへ消えた。人口の約1/4がロシア系住民であるというのも社会的分断を呼んでおり若者の背中を押している。

エストニアは、IT先進国として有名であるが、インフレの中、給料が上がらず、フィンランドやスウェーデン、ドイツに向かっている。地方は過疎化が深刻である。ラトビア同様にロシア人との問題もある。

ポルトガルも、賃金の低さから移住が進んでいる。リスボンなどでは海外投資のせいで住宅価格が上がり、ローカル(現地の人々)は追い出されてしまった。イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、ルクセンブルグなどに知的エリートが移り住んでいる。

ポーランドも過去数十年にわたって経済成長をした国だが、イギリス、ドイツ、オランダなどに若者が移っている。物価上昇とそれにおいつかない給料、官僚主義的な政治など閉塞感に満ちている。

ブルカリアは、最も人口が減少している国の1つである。経済成長はしているものの、給与はEU平均を大きく下回っている。ドイツ、オーストリア、あるいはイギリスへの移住が多い。官僚主義と汚職も大きな問題である。

若者が世代ごと移住するということは、大変なことである。労働力が減り、イノベーションが生まれず、活力が失われていく。少子化も進む。地方は疲弊し、急速な高齢化、学校も病院も閉鎖されていく。

…EUの「移動の自由」は、グローバリゼーションの中で、このような結果を生んでいるわけだが、必然的なような気もする。EUに後から参加した東欧諸国は、安価な労働力のサプライチェーンとして投資も進んだのだろうが、若者にはそれが足かせ(安価な労働力に我慢できない)となり、移住が進んだように見える。上記の各国の移民先が気になるところ。GDPからドイツが多いのは当然だが、ルーマニア→イタリア、エストニア→フィンランドなど、それぞれの特徴も出ているように思う。また地方の過疎の農業地帯には、これから先進国の農業ビジネス会社が侵略していくような気がする。それはさておき、これらの国々の存続自体が危ぶまれる。民族や言語の違いを払拭して、統合から合併・併合へと進むのだろうか。

2026年5月10日日曜日

フロイト漫画講座と訳者論文

https://www.amazon.co.jp/%E9%AB%98%E6%A0%A1%E7%94%9F%E3%
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BA%A7-%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%8C-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/4900963615
『高校生からのフロイト漫画講座』(コリンヌ・マイエール著・アンヌ・シモン画・岸田秀訳)の最後に訳者の論文「フロイト理論とは何か」があって、なかなか興味深い内容であった。

フロイトの生きた19世紀末のヨーロッパについては、ヴィクトリア時代の最盛期、キリスト教が唯一の普遍宗教でヨーロッパの文明こそが人類唯一の最高の文明であり、それ以外の邪教を信じる民族は下等で不潔で穢れている故に野蛮人であった。この野蛮人に対しキリスト教化し、文明化するのが崇高な使命と責務を負っているつもりであった。

神は死んだ(ニーチェ)、とかでキリスト教の信仰が衰えてからは、神が理性に取って代わられた。ヨーロッパ人だけが理性をもった賢明な人(ホモ・サピエンス)であり、他は無知蒙昧な存在とされ、植民地化が進み、多大な被害を与えたが、加害者のヨーロッパ人自身も被害を免れることはできなかった。

子供はまだ理性を獲得するに至っていないので公教育制度が成立した。(この話は実に興味深い。)大人の社会で精神病とされた人は終身刑のように精神病院に送られた。言うまでもなく、このような「理性人」は現実には存在しない妄想であった。一方、理性に基づいて正しい道徳を制定し、正しい理想の社会を構想し建設できるという妄想を実践しようとした。フランス革命もロシア革命も失敗したのも当然である。

URL同じ
フロイトはユダヤ人である以上、一般のヨーロッパ人とは異なる何らかの思考形式や感性があったに違いない。被差別者には差別者の無意識がよく見える。差別者は往々にしておのれの醜い面を否認し、被差別者に投影するので、差別者の醜い面は被差別者には丸見えになる。特にヨーロッパ人は理性中心主義に反する性欲は強く抑圧されてきた。ユダヤ教ではキリスト教ほど性的禁止はなく、神々しい行為と見られていた面があり、リピドーが理論化されていく。

ここからの内容が俊逸である。明治初期で外人教師が地動説を説いた時、(聖書を知らない)学生たちが別に驚かず平気な顔で聞いていたので驚いたという話があるが、フロイト理論も専門用語をさておいて具体的にどういうことを言っているかと考えれば、日本人にとって別に突飛なことは言っていない。

精神分析は性格の形成における幼年期の重要性を強調するが、日本には「三つ子の魂百まで」という諺がある。フロイトの言う用語を日本語の諺で言うとわかりやすい。「抑圧」は「頭隠して尻隠さず」のこと。「投影」は「下衆の勘ぐり」。「愛憎一如」は「可愛さ余って憎さ百倍」。またフロイトは、宗教は幻想であると説くが「鰯の頭も信心から」。「転移」は「江戸の敵を長崎で討つ」あるいは「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。」「ナルシズム」は、自分の欠点は自分には見えないが他人にはよく見えるので「岡目八目」。「摂取」は他者の特徴を身につけることだが、好ましくない特徴の場合「朱に交われば赤くなる」などになる。フロイトは民衆の知恵を網羅している。体系化し理論化しただけだというのが、訳者の論旨である。

…なるほど、である。まとめると、フロイトは被差別者のユダヤ人(ユダヤ教徒ではない)として、キリスト教の神や理性に翻弄されることがなく、人間の深層に迫ることが出来た。日本人にも同様に、キリスト教の神や理性の呪縛がないので彼の精神分析学を容易に理解することが可能である、ということになる。…ちなみに、本文(上下の画像参照)の最後の最後に、フロイトの名の意味は「喜び」という意味であることが書かれている。この「喜び」とは、神や理性に翻弄されない、呪縛がない(=アンチ・ヨーロッパ)という意味に受け取ってもいいのではないか。

2026年5月9日土曜日

ブレーブスとの初戦 快勝

https://www.youtube.com/watch?v=wnaf2OdH628
現在勝率8割という、今MLBで最も強いアトランタ・ブレーブスとの初戦。ドジャーズは快勝した。相手投手はMLBを代表する名投手であったのだが、まずはテオヘルとタッカーで1点。大谷選手が決勝打となるタイムリー・ヒットで1点。フリーマンがさらにソロHRで1点。これを投手陣と守備陣が頑張って守り抜いたのだった。

ドキドキするピンチの展開もあったが、やはりドジャーズの強さが証明されたいい試合だった。明日は、ササミローキ投手ではなく、山本由伸大好きのスネル投手が復活登板で先発するらしい。大谷選手の打撃不振も底をうったとハムショー氏も言っていたが、私も同感。この三連戦、相手が強いだけによけいに頑張ってほしい。

フロイト漫画講座とダリ

『高校生からのフロイト漫画講座』(コリンヌ・マイエール著・アンヌ・シモン画・岸田秀訳)を、通勤で気楽に読めそうなので昨日学院の図書館で借りてきた。

本編もなかなか面白い。アンナ・Oの症例、エディプス・コンプレックス、ねずみ男の事例、ハンス少年の症例を挟みながら、フロイトの人生を概観している。1938年、ナチの台頭で、ロンドンに移住してから、サルバドール・ダリがフロイトに会いに来た話も出てくる。ダリは、「フロイトの頭をカタツムリみたいですね。」「私と気違いとの違いは、私は気違いではないということです。」と言ったようで、フロイトは「気違いになりたい人は気違いじゃないよ、ハッハッハッ。」と言っている。(差別用語バリバリだが、本書のママに記した。)
https://www.artpedia.asia/dali-snail-and-the-angel/#google_vignette
このダリとの対話に関しては、ダリのシュールリアリズムの作品群を念頭に置くと実に面白い。特に、この出会いの際に、自転車の上に乗っていたカタツムリにインスピレーションを得て「カタツムリと天使」という彫像を後年作っている。…つづく

2026年5月8日金曜日

GWは貨物列車の動画三昧

https://www.youtube.com/@cargojournal
GWが終わって、一昨日から授業が再開した。GW中は、例年どおり中間試験を作っていたのだが、休憩時に最も心が休まったのは、貨物列車のYouTubeを見ている時だった。

私にとって貨物列車を見る機会があるのは、鴫野駅と放出駅の両駅である。おおさか東線は旧城東貨物線で、百済貨物ターミナルと東海道本線を結んでいるからで、両駅に立っていて偶然見れることがある。ものすごく得をした気分になる。(笑)私は鉄道ファンではないが、貨物列車が大好きなのである。

このGW中、何本のYouTubeチャンネルを見ただろうか。大阪には、大阪(吹田)貨物ターミナルと安治川口、それに百済の3つの貨物ターミナルがある。全国にJR貨物の駅があるわけで、丁寧に〇〇発〇〇行き〇〇列車とかの紹介を見る度に、心が踊る。東海道本線を走るものもあれば、日本海側を走るものもあり、四日市から長野方面にガソリンを運ぶタンク列車もあったりして、だいぶ知識が広がった。牽引する機関車にも地方差があって面白い。青函トンネル専用の機関車やディーゼルのものもあったりする。

https://www.youtube.com/@cargojournal
コンテナにも特徴があって、面白かったのは、4匹のくまが描かれたブルボン製菓専用のコンテナや、西濃運輸に2台しか無いというキティちゃんの描かれたコンテナがあったりする。なかなか貨物列車ウォッチングも深いのである。(笑)

2026年5月7日木曜日

アストロズ3連戦

ヒューストン・アストロズとの3連戦。第1試合は山本由伸投手が先発。3点を取られたが、打線が繋がって勝利した。これはいける、と思った第2試合は、大谷投手が先発。さすが投手部門での月間MVP。(打者部門と投手部門の月間MVPはMLB史上初の快挙)この日も凄い投球内容だったが、ソロHRを2発打たれてしまった。それでもまだ防御率は0点台をキープした。この日は打線の繋がりはあってもあと1本が出ず敗戦投手になってしまった。

第3試合は、5時起きで後半戦を見たが、すでに試合を決めていた。大谷選手は久々の2ベースヒット、シングルヒットを放っていて安心した。第1試合も無安打、第2試合は投手専念だったので、明後日以後、持ち直してくれるだろうと期待。

それにしてもMLBのタイトさは半端ない。連戦に次ぐ連戦。各チームとも怪我人が続出している。高い報酬をもらっているとはいえ、これでは…と思う。

余談だが、ライブ配信をしてくれているハムショー氏も、連日の中継(ドジャーズと日本ハム、それに井上尚弥のボクシングまで)やら日本ハムでの始球式やらで、疲れがたまり、しかも風邪でボロボロだった。うーん、彼もタイトすぎる。

2026年5月6日水曜日

チェックメイト:日本語学校

https://school.sugawara4976.com/japanese-languageschool-before/
以前からあった日本語教育機関認定法が、現内閣で厳格化されるようだ。文部科学大臣は、この法律を施行し、現在国内にある日本語学校の認可を(裁判によらず行政命令として)取り消すことができる。これによって近い将来、国内の日本語学校は激減する可能性が高い。

現在日本には、留学ビザで入国し、不法労働を行うのが主目的の幽霊日本語学校もあり、のべつ幕無しの不法移民の増加を防ぐ意味合いがあるようである。特にこれからの日本語学校には、生徒の管理(留学ビザ制限内の労働時間を守らせること)も業務面で必要不可欠とされている。またN1・N2(日本語検定試験1級・2級)修得といった教務面、日本の社会に適応できるようにといった面も含まれていく。

先日後輩のM君が、退職後日本語教師の資格を取り、近隣の日本語学校に勤めているという報告があった。第二の人生のスタートである。実に良い知らせで喜んでいたのだが、彼の務める日本語学校は大丈夫なのだろうか、と不安になった。

マレーシアのPBTで日本語教育を横目でみていた私としては、たしかに今回の厳格化は正当なものだと思う。ただ、留学生といっても、地域・学力・経済力の差が大きい。文部科学省の認定を受けることができるのは、おそらく日本のそこそこの大学に合格するくらいの日本語能力と経済力が必要不可欠な留学生のみを対象としているように思う。学力面においては、もう少し余裕をもたせてもいいのではないかと思う。

2026年5月5日火曜日

チェックメイト :イラン

https://www.cnn.co.jp/usa/35246923.html
久しぶりにイランの話をエントリーしたい。イランとアメリカ・イスラエルの停戦合意下、ホルムズ海峡でイランからの攻撃があったようだ。様々な情報が入り乱れて正確なことはわからないのだが、イランでは政権が大混乱していることは確かで、革命防衛隊の戦意はまだあるようだ。

イランの石油積出港は全てアメリカ海軍が封鎖している。この事実は単に輸出ができないというだけでなく、石油タンクが満杯になり、油井を止めなければならないという自体を引き起こしている。これはイランにとって非常に厳しい。油井の操業が長くストップすれば、いずれその油井は使えなくなる(地層の圧力バランスが崩れ、地下水が入り込み永久的な損傷を受ける。)からである。

しかもこれ以上の戦闘を続けるならば、生活インフラの発電所や水利施設を空爆で破壊される恐れがある。そうなれば、電気も水もストップして、市民生活も大打撃を受ける。これ以上民衆は黙っていないだろう。

完全にチェックメイトである。アメリカはリスクが高い地上軍の侵攻なしで、イランを追い詰めている。イランのシーア派の中でも十二イマーム派は、古来より信仰への情熱も高いが、同時に理性的な判断も重視する。まだまだ予測はつかないが、発電所や水利施設まで空爆されることがないように祈るのみである。アメリカ軍は躊躇するだろうが、イスラエルには躊躇はないと思われる。

2026年5月4日月曜日

ドジャーズ4連敗で止める

https://www.youtube.com/watch?v=rIN-u5Itj14
カージナルスとの3連戦、2試合落として、第3戦はロブレスキ投手が頑張って勝てた。投手陣は悪くないのだが、打線が湿っていて、第2戦などは併殺打の嵐。大谷選手もまだ快音が聞けない。ナ・リーグの西地区では、2位のパドレスも4連敗につきあってくれているが…。

スポーツ医学などは全く疎いのだが、大谷選手は、現在投手としては絶好調なので、二刀流のバランスが崩れているような気がする。世界でたった1人の存在なのでどうなっているのかはわからないけれど…。

このGW、中間考査を作る予定だった。ドジャーズが勝って、気分よく、と思っていたのだが今日やっと作れる。(笑)

2026年5月3日日曜日

憲法記念日に 武器輸出解禁の件

憲法記念日である。4月21日に閣議決定と国家安全保障会議にて、防衛装備移転三原則の運用指針の改定が行われた。要するに武器輸出の解禁である。以下のYouTubeでその内容が上手く解説されている。https://www.youtube.com/watch?v=rMLFd_jfd5k

そもそも、日本は戦後、朝鮮戦争時から武器輸出を行ってきたし、その後も東南アジア諸国にも武器輸出を行ってきた。1967年に佐藤内閣が武器輸出三原則を表明した。この時も完全に輸出禁止としたわけではなく、共産圏や紛争当事国などへの輸出はNGということだった。1976年に三木内閣が、共産圏や紛争当事国以外にも輸出を「慎む」との政府見解を表明した。ただしアメリカとの技術協力は例外であった。これでわかるように、武器輸出に関しては、閣議決定による政府方針であって、立法化された法律ではないわけである。

よって、国会軽視という批判はあたらない。2度民主党が政権をとった時代にも法制化による制限はされていない。(武器輸出を完全禁止する法律を作るチャンスがあった。)と、いうわけで、憲法違反だとか左翼が叫んでも、無知を晒すだけのことになる。

ところで、何故今なのか。防衛産業の基盤教化と安全保障環境の悪化を上記YouTubeの主・オオカミ少佐(元海自幹部:画像参照)が述べている。

以前読んだ本の知識だが、防衛産業は、需要が防衛省(それも予算の範囲内)のみであり、供給コストは必然的に高くなる。単価は高いものの、決して儲からない。輸出可能になり、需要が増えれば供給コストも抑えられる。防衛装備を100%輸入に頼るのは、安全保障上の問題がある。だいぶ以前に、某電子メーカーの研究員をやっている人物と話していて、「超長波」の研究をしていることがわかった。「アクティブソナーとか魚雷の技術だね。」というと返答に困っていた。こういう技術者を囲い込んでおかないと、日本の安全保障は守られない。防衛産業は、市場の原理で潰してはならないのである。

安全保障の基本は勢力均衡にある。今世界は、ロシアのウクライナ侵攻、中国の軍拡、アメリカの国際法無視など、かつてない緊張が走っている。(軍事的)中小国の勢力均衡を図る必要性がある。同じ価値観を有する国々に、日本が武器輸出を行うのはこのためである。たしかに憲法第9条には戦争放棄が謳われているが、前文では世界平和を希求することも謳われている。実際、アメリカを始め、イギリス・イタリア(次期戦闘機共同開発国)、オーストラリア・フィリピン・インド(対中抑止のため)、フランス、ドイツ(アメリカの暴走を止める同じ価値観をもつ国として)などが支持を表明している。

…憲法記念日である。この武器輸出解禁の話は、憲法に坑がう話ではないことを確認しておきたい。戦争反対、9条を守れと声高に叫んでも日本の安全保障は守れない。社会科教師としては、あくまで中立。平和教育は、このような事実の積み重ねから導かれるものである。時節柄非常に重要なスタンスであると私は思う。

2026年5月2日土曜日

同志社国際高校の事件考8

https://www.youtube.com/watch?v=-_GnmTW7AG4
かの事件を起こした組織が、今更(5月1日)に謝罪文を出したらしい。https://www.youtube.com/watch?v=-_GnmTW7AG4

沖縄知事選の不利を見据えての、姑息な動きである。自分たちの後ろ盾を失うことからの防御、もしくは、平和学習と言う名の小遣い稼ぎが出来なくなくなるという多分に利己的なものだとしか見えない。

URL同じ
沖縄のまともな人々は、現知事のスタンスにかなりの違和感を抱いているらしい。当然である。しかしながら、沖縄新報の読者の声欄に、左翼が書いたであろう文章が出た。(左の画像参照)亡くなった女子高校生がサンゴ礁を見たいという思いで参加したことは、保護者のNOTEで明らかである。このような自分勝手な捏造を書く左翼も、それを載せる左翼マスゴミの神経も信じられない。

…以前書いたが、全ては国の責任である、自分たちは正義であるという信念が、彼らを反省させたり謝罪させたりすることを拒んでいるのだろう。上記のYouTubeも同様の感想をもっていた。

…全くどこまで自己中心なのだろう。ついでに批判しておくと、共産党の幹部らは、この事件の責任追求に逃げ回っている。実は、これはおかしい。共産党の組織は党中央に絶対服従で、下部組織は「細胞」と呼ばれているはずだ。そのスターリニズムの組織体制はいつ変わったのか?変わってないなら謝罪し責任を取るべきである。違うかな?

ヨハネ福音書のイエスⅤ

『ヨハネ福音書のイエス』(小林稔著/岩波書店)の書評第5回目。ヨハネ福音書は聖書学では、四福音書の成立において最も遅いとされている。本日は、このことについて著者の見解を示したい。

初期のキリスト教会では、割礼を始めとしたユダヤ律法との折り合いが問題化していた。パウロは割礼を否定しており、ユダヤ人キリスト教徒との軋轢があった。多くのユダヤ人キリスト教徒は、自分たちをユダヤ教の一分派と考えていた中で、ヨハネ福音書を記した教団では、ユダヤ教から迫害・排斥(ローマに神殿を破壊され、異端と見なされたキリスト者共同体を正式に破門し、シナゴーグでは彼らへの呪いの言葉を唱えるようになった。)され、ユダヤ教からの分離過程が進んでいたという背景がある。

よって、ヨハネ福音書では、イエスを認めないユダヤ人に対し、極めて批判的である。(何度も”ユダヤ人”という語が出てくる。)イエスをキリストとして、律法の無力化を主張しているわけである。ヨハネの福音書の特徴にはこういった背景があるのである。

さて、正教会がヨハネ福音書を重視する理由について、当然ながらカトリックの著者は記していない。とりあえずAIで検索してみた。(神戸学院大学のリボジトリを参考にしているようであるが、現在メンテナンス中であった。後日確認するつもりである。)AIによると、キリストの「神性」と人間の「神化」を最も深く描いているから、というのが端的な回答であった。福音書の記者であるヨハネを正教会では「神学者」と呼び最高の敬意を払っているとのこと。

キリストの「神性」については、冒頭でキリストこそ「神の言葉(ロゴス)である。」と明確に宣言している。また人間の「神化」については、人間が神の生命にあづかり神のようになるという正教会の究極の目標にとって、この福音書が抽象的かつ詩的な表現で、理性的理解を超えた「神との合一」という霊的な記述が見られることが挙げられる。

…やはり、「神性」と「神化」が最大のポイントであった。納得である。正教会では、イースターの礼拝でヨハネ福音書の冒頭が必ず読まれる理由でもある。

2026年5月1日金曜日

ヨハネ福音書のイエスⅣ

『ヨハネ福音書のイエス』(小林稔著/岩波書店)の書評第4回目。おそらく、本書の最も重要な部分について。著者は、ヨハネ福音書の序文を次のように分析している。(上記画像参照:本書をPDFで保存し画像化したもの。第Ⅰ部・第Ⅱ部が歪んでいるのはお許しいただきたい。)

第Ⅰ部(1~5節)、第Ⅱ部(6~14節)、第Ⅲ部(15~18節)の3つの部分からなり、同じ1つの事、イエスの生涯の出来事を3つの観点から叙述している。このそれぞれは、その語彙と内容の対応から、A(はじめに登場したヨハネと「はじめ」という語)・B(人々・光)・C(「受ける」とその合成語)・D(父・ひとり子・恵み・真理)に小区分することができ、並行構造になっている。

この3つの部分(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)の相互関係を時間的前後関係として理解しようとすると無理が生ずるので、観点の違いを示しているとして理解を試みると、第Ⅰ部は、光と闇という黙示文学的な象徴によって全体を意味づける、序の機能、第Ⅱ部は救いの歴史の中でのイエスの出来事、第Ⅲ部は、信仰共同体の中で実現されている事柄が述べられている。

そうすると、第Ⅰ部は、創始以来の先住のロゴスについて述べているのではなく、第Ⅱ部・第Ⅲ部で述べられる内容を視点と表現を変えて、さらにその深い意味を告げているものと理解できる。すなわち、宇宙の創造に先立つロゴスの先住ではなく、具体的なナザレのイエスとの最初の出会いのことを語っていると理解しうると著者は記している。

序文の転回点を見ることで、福音書序文と本文の密接な対応関係を見出すことができる。第1~12章で、イエスの啓示に対して人々が2つに分離して、多くの人はイエスを拒み、第13~17章で受け入れた少数の人々に啓示がなされる、という構図である。

…著者は、岩波書店版新約聖書では、冒頭を「はじめに言葉(ロゴス)が”あった”。」(新共同訳)ではなく「はじめに言葉(ロゴス)が”いた”。」と訳している。これは、ロゴスが非人格的存在ではなく、人格的存在(=イエス)として捉えるのが正しい故、(日本語の)常識的な表現にしたとのこと。…なるほど、である。

2026年4月30日木曜日

マーリンズは手強かった

https://www.youtube.com/channel/UC_MbGNpd7ldQAHdBTQ2Ke1w
ドジャーズは13連戦の疲れも大きく、マーリンズに負け越した。第1戦こそ逆転勝ちしたが、第2戦は大谷選手の先発試合で、投球内容はまずまずだったが、打線が湿りがち。やはり大谷選手が打たないとアカンという感想が多かった。第3戦も同様。常に試合の主導権をマーリンズに奪われていたと思う。なかなか流れを引き寄せられないままの2試合だった。全試合1点差ゲーム。長いペナントレース故に、こういう時もある。ベッツ、キケ、エドマンの早い復帰を願うのだった。

2026年4月29日水曜日

昭和の日に ロボット三等兵

昭和の日である。私は昭和33年生まれなので、高度経済成長期に育った。今はもう完全に無くなったモノも多い。家の近くに貸本屋があって、よく漫画を借りに行った。1冊10円くらいだったと思う。(コロッケも1個10円ぐらいの時の話である。)

貸本屋で借りた漫画で最も記憶に残っているのは、『ロボット三等兵』。内容はほとんど記憶に残っていないのだが、『のらくろ』同様に首に階級章をぶら下げている。のらくろは階級がどんどん上がっていく(最終的には大尉)が、ロボット三等兵は、人間の兵隊の最も下の二等兵のさらに下なので、★がついていないことは覚えている。

ウィキで調べてみると、実際の戦争のシチュエーション(ノモンハンやミッドウェーなど)で描かれているらしい。(当時の私には完全に理解不能。)ドタバタのギャグ漫画なのだが、戦争の不条理を描いた反戦漫画であったらしい。

このころは、今では当然のスクリーン・トーンなどもないし、素朴なペン画で表現で書かれていた。漫画家になりたいと、『漫画の描き方』などを熟読して、憧れていたのもこの頃だった。(笑)

ヨハネ福音書のイエスⅢ

https://ameblo.jp/mitosya/entry-12536035811.html
『ヨハネ福音書のイエス』(小林稔著/岩波書店)の書評を続けたい。昨日のエントリーで、ヨハネ福音書(画像参照)が、共観福音書のマタイ・マルコ・ルカの福音書と大きく異なる点を挙げた。それは、イエスの成長の歴史、伝記的なところがないということである。なぜなら、ヨハネ福音書は、イエスが「キリストであり、復活した神の子であるという前提」が共観福音書に比べ、極めて明確だからである。

さて、ヨハネ福音書では、何と言っても「最初に言葉(ロゴス)ありき」という冒頭が有名である。この箇所は様々な論議の的になってきた。エイレナイオスら2世紀の教父たちは、受肉以前のロゴスが天地創造に参与し、旧約の歴史の中に働いたことを述べているとし、後の教会の伝統はこれを継承している。当時すでに流布していた『ロゴス讃歌』やユダヤ教の『知恵文学』を原資料としているといわれている。

ロゴス讃歌は、キリスト教の影響を受ける前のグノーシス主義(物質を悪とし、魂の救済を重視する神秘的思想。後に異端とされた。)に由来するとされ、この可能性は否定できないが確定も出来ないというのが聖書学の定説らしい。それに対し、知恵文学は、女性的神格(ホクマー:知恵・ソフィア)を律法と同一視し、律法は世界創造以前から存在し、宇宙は律法に従って秩序付けられたという一種の精神原理として捉えたのだが、キリスト者たちは、イエスをロゴスとして対置させたと推定するのが聖書学の立場らしい。

多くのヨハネ福音書の注解では、序文の解釈が原資料のロゴス讃歌の説明で終わっていることに、著者は不満を述べている。福音書の著者は、この讃歌をただ引用しただけではなく、それに自ら数行を書き加えて序文としているからで、前述のイエス=ロゴスの対置をより強く結びつけているといえる。著者は、この序文の部分の構造をさらに詳細に分析する。…続く。

2026年4月28日火曜日

ヨハネ福音書のイエスⅡ

ドジャーズが見事な9回裏・大逆転勝利をして、山本由伸投手の敗けを消したのだが、マーリンズとの3連戦のことは後日まとめてエントリーしようと思う。本日のエントリーは、温めに温めてきた「ヨハネの福音書」の話である。このところ『ヨハネ福音書のイエス』(小林稔著/岩波書店)を通勤時に何度も読み返してきた。

他の3福音書(マタイ・マルコ・ルカ=共観福音書)とヨハネの福音書の相違は明らかである。著者は、ヨハネの福音書には、イエスの成長の歴史のようなものは、ほとんどない、としている。たしかに、他の福音書にある逸話は、ほとんど省かれている。参考資料として、『図説聖書物語新約編』(山形孝夫/河出書房新社:画像参照)で比較してみた。

山上の説教(マタイ・ルカ)清めの論争(マルコ・マタイ)、取税人や罪人との食事(マルコ・マタイ・ルカ)、癒しの論争(マルコ・マタイ・ルカ)カナンの女(マルコ・マタイ)イエス、エルサレムに向かう(マルコ・マタイ・ルカ)神殿から商人を追い払う(マルコ・マタイ・ルカ)律法学者らと議論(マルコ・マタイ・ルカ)最後の晩餐(マルコ・マタイ・ルカ)ゲッセマネの園(マルコ・マタイ・ルカ)これら有名な話は、ヨハネの福音書には書かれてない。

唯一共通しているのは、ナルドの香油(マルコ・マタイ・ヨハネ)くらいである。このナルドの香油という話は、最後の晩餐の前に、イエスが蘇らせたラザロと兄弟関係にあったベタニア村のマリアが、高価なナルドの香油をイエスに注いだ話。葬りの準備をしてくれたと喜ぶ。

一方、カナの婚宴、サマリアの女、ベテスダの池の不思議の逸話に関しては、反対にヨハネの福音書のみに書かれている。カナの婚宴とは、水をぶどう酒に変える話。サマリアの女とは、ユダヤ人と対立していたサマリア人の女に水を所望する話で、イエスこそが生命の水そのものだということを示す。べテスダの池の不思議とは、エルサレムの羊門の家畜を洗う池には時々天使が降りてくる。その時水が動き、真っ先に水に入ると病が治る。38年間もその時を待っている(=真っ先に入れない)病人に、イエスは起きて歩きなさいという言葉だけで治癒する。(それ以前は触れたり、手を当てたりして奇跡を起こしていた。)イエス自信が動く水であることを示している。

ヨハネの福音書は、四福音書で最も後で記されているというのが聖書学の常識。しかもヨハネの福音書を記した教団のおかれた状況も非常に重要だと著者は語る。…続く。

2026年4月27日月曜日

大谷選手久々に6号HR

https://www.blogger.com/blog/post/edit/910575509843965239/7252985289087629914
ドジャーズは、好調カブスに勝ち越した。今永先生が先発だったが、初回3点を取って、以後得点を重ね、7回には待望の大谷選手の久々のHR。4打席全出塁。昨日に続いてライトを守る同級生の鈴木選手にいろいろちょっかいを出して、少年野球のようにMLBを楽しんでいた。投手陣も完封してくれて、気持ちよく今日一日を送れそうだ。明日は山本由伸が先発。こんどこそ援護してあげて欲しい。

2026年4月26日日曜日

佐々木投手今季1勝目

https://www.youtube.com/watch?v=DJ-Lgu0N5H0
ササミローキ投手、自らのボブルヘッドデーに今季1勝目。カブスの鈴木誠也選手にHR打たれたり、結局4失点したのだけれど、今日は6回途中まで投げて、勝利投手の権利を掴んだ。久しぶりにドジャーズ打線が爆発して4回に一挙6点、6回も裏にも4点も入れて楽になったのだった。今日は、ブルペン陣もよくやってくれて、1勝目を手にできたのだった。

3回の、風邪を引いて途中で代わったマンシーの同点HRもあって、久しぶりに嬉しいゲームだった。明日は、カブスの先発が絶好調の今永先生らしい。

同志社国際高校の事件考7

https://www.chunichi.co.jp/article_photo/list?article_id=1242356&pid=7071476
全く不愉快な話題なので、いい加減にして欲しいのだが、同志社国際高校の事件で、次々と新たな事実がで出て来ている。

生徒たちが撮った写真や映像を削除するように学校側が指示していたことがわかった。これは完全に証拠隠滅罪ではないか。誰が指示したのか。こういう指示を出すような学校は消えてしまったほうが良い。生徒のことより自分たちの保身が大事なのだ。教育関係者としては、全く許しがたい。

海上保安庁の職員のヘルメットにはビデオが付属されており、それが記録されているという報道がある。とはいえ、もっと直近の映像は刑事事件(=業務上過失致死)の証拠として重要である。幸い、この画像はすでにSNSで拡散されているらしい。

京都府の行政を信用できない故の文部科学省の同志社への調査が行われ、マスコミも報道せざるを得なくなったようだが、総務省もこの「マスゴミ問題」を重視すべきだ。また沖縄県警が動かないのならば、警察庁の出番があるやもしれない。調べてみたら可能なようだ。左翼政党以外の国会議員があれ以後、国会で追求しだした。ここは、文部科学省や総務省、警察庁を動かして欲しいところ。沖縄県も京都府も様々な利権構造にまみれていて、国が動き出すのは当然だろう。兵庫県の例もあるし、奈良県もおかしい。今の内閣故、追求出来るだろうという声も多い。私は、この動きを支持したい。徹底的にやるべきだ。

2026年4月25日土曜日

Choco Coated Slice Banana

1か月に一度くらい業務スーパーに妻の買い物に同行する。近くにいくつかあるのだが、京都府の八幡市に位置する業務スーパーに行くことが一番多い。

ここで必ず購入するのが、タイ現産の「Choco Coated Slice Banana」である。名前のとおりバナナをスライスしたものにチョコがコーティングされた冷凍食品である。血糖値の関係で普段アイスクリームを食べたくても食べれない私としては、1日1個だけこれを食する時間が楽しみで、実に至福の一時となる。

今日は、ドジャーズがカブスに逆転負けをしてしまい、詳細を記する気にもなれない。前からエントリーしたかった軽い話題でお茶を濁させてもらった。

2026年4月24日金曜日

ドジャーズ 初の負け越し

サンフランシスコでのジャイアンツとの3連戦は、ドジャーズが負け越した。長いシーズンだから当然あり得ることだが、第1戦の山本由伸投手も、第2戦の大谷投手も好投していただけに敗戦は実に残念。

しかも第2戦で大谷選手はリアル二刀流で、ついに連続出塁が途切れてしまった。第3戦も出塁なし。さすがに連戦の疲れが出て、修正が効かなかったようだ。今日は、マンシーが走りに走って勝ったし、さらにこれからに期待したい。

2026年4月23日木曜日

同志社国際高校の事件考6

https://news.yahoo.co.jp/articles/12a6b894ddf5d84905100d9416e27ab789fc3d26/images/000
同志社国際高校の事件考の第6回目である。第5回目は、4月18日付けの『新島襄の自責の杖を知らぬのか』になる。

辺野古の抗議団体オール沖縄には、ジブリの宮崎駿氏らから、活動資金として8億円も集めていたらしい。(この宮崎駿氏の関わりからオールドメディアの忖度=報道しない自由が指摘されている。)事件後、その決算書はHPから削除され、被害者への保障はできないとしているという。違法な活動をしながら、また資金がありながら保証できないというのはどういうことなのだろうか。彼らの活動が利権と繋がっているという疑惑は拭えない。これは犯罪ではないか。

抗議船は不法な場所(防波堤)から乗船していたこともわかってきた。ちゃんとした漁港からフツーに乗船していたとばかり思っていた。安全に何の配慮もない。修学(研修)旅行において、このような危険な場所からの乗船など考えられない。学校側(付き添い教員)・旅行社側(添乗員)は、なぜこれを許したのか。教育の現場では、全くありえない話である。文部省はこの点を厳しく調べて欲しい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/12a6b894ddf5d84905100d9416e27ab789fc3d26/images/000

さらに、海上保安庁が警告をしているのに無視して事故を起こしており、近隣漁民が危険だとする海域へ侵入している。危機管理もクソもない。しかもSOS通報は、船長ではなく参加生徒から送られたという。これも信じられない話である。

学校も問題を起こした組織も現場での献花はされていない。選挙を控えた知事が今になって選挙パフォーマンスで献花したという。遺族からしたらふざけるなと言う話である。どうやら、船に乗っていた組織の人間が船長以外に1人おり、その人間は現在も座り込みに参加しているという。組織内でも抗議行動に対して、自粛派と継続派に分かれているらしいが、たとえ喪章をつけても、人間として事故に深く関わった人間が、遺族に謝罪もせぬまま活動を継続するのは、ゆるされるものではないだろう、と私は思う。

県は、文部省や海上保安庁などが動いており、出来ることと出来ないことがあるなどと言っているようだ。沖縄の警察は知事の指揮下にあり左派に甘く、マスコミ(沖縄タイムス・琉球新報)も左派勢力であり、この事件についても報道は抑えられているという。沖縄県政は、まさに暗黒の状況である。

たしかに、沖縄に米軍基地が集中し、それに反対する気持ちもわからぬではない。だが、反対組織を支持しようと思っても、その人間性の欠如は、あまりに酷すぎる。今回の犯罪的な事件で、多くの人々はそう考えるのではないか。支持の集まらない政治運動は自己満足でしか無い。

2026年4月21日火曜日

ロッキーズに2勝2敗だったが

https://www.youtube.com/watch?v=368NKMlRzgw
デンバーでのロッキーズとの4連戦は結局2勝2敗となった。初戦は、雪のグランドを整備して始まるような記録的に寒い試合となったのだが大勝。第2戦・第3戦は、トライネンとかディアスといったブルペン陣が不調、相手投手も良かったりして敗戦。第4戦もドジャーズらしく大勝した。ほんと、山本投手が言うように、野球は退屈ではない。何が起こるかわからない。

ベッツやフリーマンの代役で若手も頑張っている。マンシー選手やロハス選手といったベテランも大活躍していた。さてさて、この4連戦には、もう一つの見どころがあった。大谷選手の連続出塁記録である。今日現在で52試合連続である。ベーブ・ルースの記録を抜き去った。とはいえ、まだまだ上がいる。おそらくご本人は記録のために野球をやっていないと思う。ただただ、チームの勝利のためである。それがたまたま、この記録になったといったほうが良い。でもファンとしてはさらなる記録更新を期待してしまうところ。ロハスの1000安打達成も嬉しい。今季で引退する必要はないぞ。

2026年4月20日月曜日

沢木『天空の旅人』断片10

沢木耕太郎の『天空の旅人』の断片、いよいよ最終回である。西川はネパールに入った。ある集落のそばで、米を炊き上げたところでで驟雨になった。貧しそうなネパール人が家に招き入れてくれた。「狭い家だが今夜はここで休みなさい。」と言ってくれ、冷たくなった飯を食べようとすると、羊の臓物を丼にして持って来てくれた。「少ないけれど。」カマドには妻と3人の子供が臓物が煮るのをじっと待っていた。それをまず西川に持ってきてくれたのだ。西川の目から涙が流れてきた。ああ、仏だ。初めて本当の仏の姿を見た。翌朝、わずかな金を置こうとしたが主人は受け取らなかった。

カトマンズでは、顔見知りの先輩ラマ僧の面倒を見ていたが、かなり回復してきたのでチベットに近いインドのカリンボンまで連れて行くことになった。1年ぶりに火葬場の老修行僧と再会した。 ビルマ潜入を考えたが、ビザが必要ということがわかった。ところがグルカ兵には移民の門が開かれており、彼らはカルカッタとアッサムを結ぶ鉄道工事の人夫をしながら入国許可を待っているらしい。ところで西川は、英蔵辞典は持っていたが、蔵英辞典を欲していた。チベット語をさらに深めるためだった。結局、ダージリンに70ルピーで5冊残っていることがわかった。工事現場では、1日2.5ルピーになるという。この費用を稼げてしかもビルマに行けそうで絵ある。…採用された西川はなんと恵まれているのだろうと思った。

(蒙古からの)駝夫の日々、物乞いたちとの日々、デブン寺の初年坊主の日々、新聞社での見習い職工の日々、そして工事現場での人夫と、全て人から見れば最下層の生活であったかも知れないが、自由に自分で選んだ生活である。やめたければいつでもやめることが出来たし、この低い生活を受け入れれば、失うことを恐れたり、階段を踏み外したり、坂を転げ落ちることを心配することもない。

…しかも西川は、ラマ僧として、巡礼の旅は托鉢や御詠歌で食を得てきた。西川にとっては幸せな日々だったと私は思う。自らの体力で数々の困難を乗り越え、それに喜びを感じる日々だったに違いない。

しかし、この旅が急に終わる時が来る。工事の休日に、現場監督とインド人警察官が来て、「君はニシカワだね。」と尋問されたのだった。この背景は、木村がラサから中国人ともども国外追放になり、カルカッタで密航しようとして拒否され、日本人がいることがバレると危ないと自ら自首し、西川のことも白状していたのである。

プレジデンシーという刑務所に二人は収監される。運動場から監房に戻る共産党の青年たちは隊列を作り「インターナショナル」を歌っていた。チャンドラ・ボースの甥やネルー狙撃犯もいた。西川を喜ばせたのは、蔵英辞典が送られてきたことである。取り調べの時になんとかしてあげようと言われ、代金を渡してあったが、約束をきちんと果たしてくれたのだった。西川と木村は、カルカッタから日本へ向かう英国船籍の貨客船で帰国する。ラングーン、ペナン島、シンガポール、香港を経由して…。大隅半島が見えた時、目が潤んだのは当然であろう。ただ、同時に8年に及ぶ長い旅が本当に終わってしまう物悲しさがあった。

…すでに、山本の帰国後のことは記しておいた。(4月15日付ブログ参照)西川とは全く違う。たしかに山本は大学教授にまで出世したのだが、私は西川の「美学」にこそ惹かれる。おそらく著者の沢木耕太郎もそうだろうと思う。西川は、この旅の記録を残そうと原稿を書き続けたが、その後は、365日地道に働き続けた。二人ともすでに鬼籍に入っている。沢木が西川の本棚整理を家族に頼まれて。山本の書いた『チベット潜行十年』を発見したのが、西川が読んだ形跡はなかった。またインタヴューで「(最後の帰国のきかっけとなった自首に際して)あなたが木村さんの立場ならどうされていたか?」「木村くんの意思を確かめてます。」と述べている。西川の『秘境西域八年の潜行』には「(木村に)密告された。」とある。かなり強い表現である。よほど悔しかったのだろう。

…西川にとっては、まだまだ旅を続けたかったのである。またその自信があったに違いない。西川の「美学」、これは、今の日本で忘れさられた「心象」のような気がしてならない。だからこそ、本書が胸をうつのではないだろうか。

沢木『天空の旅人』断片9

https://www.reddit.com/r/delhi/comments/qtm8f7/birla_mandir_in_delhi/?tl=ja
沢木耕太郎の『天空の旅人』の断片、9回目。いよいよ終盤に近づいてきた。

西川が1人で向かったのは、祇園精舎であった。途中の集落で御詠歌を歌い托鉢すると、大量の食料を喜捨され、村中の人々が御詠歌を次々にリクエストする。御詠歌が尽き、チベットや蒙古、中国、朝鮮の歌から日本の唱歌まで歌った。皆嬉しそうに聞いてくれ、さすがに疲れ果てたので、インドの歌をリクエストすると喜んで歌ってくれた。夜にはさらに若者もやってきて御詠歌を歌った。(あまりの好評さに)夜明け前に集落を離れた。まるで夜逃げだと可笑しくなった。

祇園精舎も樹木が生い茂り廃墟となっていた。中国寺の漢人僧は粥と酢の物と漬物をふるまってくれた。さらに炎天下を巡礼する西川の姿に心を動かされたというネパール人の若者の誘いで、バルランブルのマハラジャの王宮に喜捨を求めに行くことになった。マハラジャは20ルピーもの大金を喜捨してくれ寝台付きの個室と毎日の食事を提供してくれた。

さらにチベット国境に近いネパールからの出稼ぎ人から、自宅で読経して欲しいと頼まれた。ヒンドゥー教徒だがラマ教にも強い親近感があるらしい。多くの人が集まり歓待された。同じようなことが続く。何故このような事が起こるのか?今の自分には綺麗に欲がなくなっている。それが人の好意を誘うのかも知れないと西川は思う。

駅であった大学教授は、果物や菓子塁を喜捨してくれた。食べきれないので近くにいたチベット人と蒙古人巡礼者たちにも食べてもらっていると、教授が同じように座り込み、西川を通訳としてチベットや蒙古のことを訊ねてきた。周りにいたインド人も加わって、1時間の座談会となった。心温まる時間だった。

また、チャンドラ・ボースの軍隊の将校たちとも出会う。かれらには西川の容貌や細やかな動作に日本人らしさを見つけ、日本語で話しかけてきて、西川を驚かせたが、一緒にアグラに向かうことになった。タージ・マハルを見学した。その後、デリーに向かい、マハトマ・ガンジーが荼毘に付されたラージ・ガートで墓参りをした。

インド人実業家が寄進したビルラ寺(画像参照)では、守衛長に声をかけられ、蒙古から来たことを告げると遠来の客だからと宮殿のようなところに案内された。ヒンドゥー教の寺院だが、庭園には日本の建築技師による仏教寺院もあり、ここでビルラ氏と遭遇する。ラマ教について問われ、御詠歌も披露した。出発の日、守衛長に挨拶にいくと再びビルラ氏に合わせてくれた。100ルピーもの喜捨をしてくれたのだった。

…西川の単独インド行は、まさに仏の世界であった。ひとえに欲を持たず、修行で得た御詠歌のおかげでもあった。

デリーから、シーク教の大本山グルナーク寺に着く。アフガニスタンにまで行きたかったが戦乱の関係でここから先は移動できそうになかった。しかも次に訪れた街で、パキスタンのスパイの疑いをかけられた。留置場で3日間過ごし、香港に滞在経験があり、中国語を喋るシーク教徒の署長の登場で救われた。西川は、ネパールを目指すことにした。

…余談だが、シーク教徒はイギリス旧植民地に多い。私はカナダのトロント、ケニアのナイロビ、そしてマレーシアのKLでシークの人々と出会った経験がある。

2026年4月19日日曜日

沢木『天空の旅人』断片8

http://sal.bigaku.biz/bo_tree.htm
沢木耕太郎の『天空の旅人』の断片、8回目。無賃乗車と1人半ルピーで乗せてくれたトラックで、彼らはカルカッタに着く。しかし駅で警察に捕まった。彼らはラマ教の叩頭をし、「パポー、ブダガヤ!」(旦那さん、ブダガヤに行くのです)と叫び、ロブサンが大事に持っていた仏画を出し隊長風の男に、うやうやしく差し出し手を合わせた。彼らの思いが伝わったらしいのを見て、全員で御詠歌を歌った。隊長風の男は、目を閉じて聞き入っていたが、一節が終わると、「裏口から出してやれ。」と言ってもらえた。

http://yosukenaito.blog40.fc2
.com/blog-entry-4286.html
カルカッタのある安食堂では、西川がチャンドラ・ボース(WWⅡで日本軍の支援を受けインド独立を目指した英雄:画像参照)の肖像画に敬意を示したので食事面での大サービスと、荷物を預かってくれた。

ブッダガヤは、恐ろしく荒れ果てていた。菩提樹(釈迦が悟りを開いたので、菩提=悟りの樹:画像参照)の大木は、チベット寺のラマ僧によれば、一度は火事にあって焼失し、さらにイスラム教徒によって切り倒されたが、その度にまた芽を出し、大きく育ってきたのだという。菩提樹の密生している林で、西川以外の3人は実を拾い集めた。ラマ教徒にとってブッダガヤの菩提樹の実で作った数珠は、何者にも替えがたい貴重なものだったからだ。だが、いつ帰れるかも知れない故郷への記念品など必要がなかった。ネーランジャラー河のほとりで月光を浴びながら御詠歌を歌い続けた夜の喜び以上のものはなかった。

ラジキール(王舎城)はかつての仏教国・マガダ国の首都である。ここも荒れ果てていた。日本寺を西川が一人で訪ねるが、日本人僧侶は戦争が始まると引き上げてしまっていた。だが、仏間には香炉、蓮の花の造花、木魚、陶製の花瓶などあり、それを見られただけで満足しようと思った。

さらにサルナート(鹿野苑)に着く。中国寺には仏陀の一生を描いた日本人が描いた壁画があり、英語とヒンディー語と日本語で経緯が記されていた。5年ぶりに西川は日本語の文章を眼にした。

クシナガラでは、沙羅双樹の森があり涅槃像が横たわっていた。この周囲を真言を唱えながら回った。ルンビニは、ネパール側の国境地帯にある。ここも寂れていた。摩耶がイチジクの木の葉を握って釈迦を生んだとされる。記念品を求めない西川もこの木の川をお守りとして持ち帰ることにした。

ここから西川は、一人インド放浪の旅に出る。兄弟を失うような寂しさの中で…。

2026年4月18日土曜日

新島襄の自責の杖を知らぬのか

https://www.nishinippon.co.jp/image/929808/
同志社の創立者・新島襄の「自責の杖」事件は広く知られている。学校側のクラス編成に不満を持った学生たちが、新島の不在中にストライキを起こしたのだが、新島はこの事態を深く受け止め、学生を叱責するのではなく、「責任は私にある」として、朝の礼拝時に持参した杖(画像参照)で自分の手を激しく殴打し、学生に所在と責任の所在を示した事件である。

これが同志社の教育の理念ではないのか。同志社国際高校の校長や教員は、このエピソードすら知らないのであろう。あるいは知っていても、知らないふりをしているとしか思えない。

新島襄は逃げなかった。今の校長は国会での参考人として呼ばれても、忙しいと逃げている。呆れ果てている次第。

沢木『天空の旅人』断片7

https://www.expedia.co.jp/Kalimpong.dx6130351
沢木耕太郎の『天空の旅人』の断片再開。7回目のエントリー。西川は木村とラサに着いた。イシ師匠のもとに戻り、デブン寺で修行を続けることも可能だったが、巡礼と嘘をついての別れだっただけに、それに耐えれなかった。

結局、木村とともにヒマラヤを越え、インドのカリンボン(画像参照)の探索の依頼主だった新聞社に向かう。そこで、木村は東チベット行の報告書、西川は1mほどの大きな地図を作成した。しかし、インドとパキスタンが分離独立し、イギリスがインド大陸から手をひくことになった。木村は報酬を受け取ると石油の担ぎ屋になったが、西川はチベット全図の地図を描き、そのまま新聞社の仕事をすることになった。それはラダック人のタルチン氏の人柄による。西川の、好意を寄せてくれた人に深く感謝し全力で応じ、身を粉にして働くという心性であった。カリンボンを訪れた巡礼者により、西川の所在がイシ師に伝わり、帰ってきなさいという手紙が届くようになった。胸を熱くしたが、西川は自由にインド放浪に出ることにした。タルチン氏からも強い引き止めを受けたが、餞別に英蔵辞書をくれた。

カリンボンの郊外にある火葬場の近くにあるラマ寺院に、仙人のような修行僧がいた。火葬される死者の霊を弔い、御詠歌がうまく、西川は彼から御詠歌を習うことにしたのである。インドでの托鉢で、ただ恵んでもらうのではなくお返し(御詠歌)がしたかったのである。ここには以前から顔なじみの西川と同じ名(ロブサン)という修行僧がいて、彼は仏師と呼べるほど見事な仏像を土をこねて作っていた。

入門にあたって用意したのは、ダンバルと呼ばれるでんでん太鼓、ホンコという鈴、人の大腿骨で造られたガンドンという笛、毛皮の敷物、人の頭蓋骨で造られた骨椀などである。修行の第一の課題は白骨の散らばる洞窟での坐禅であった。無念無想にはなかなかなれるものではない。ロブサンにヒントを貰った西川は、石ころを使い、置く距離を伸ばしていく。やがて、空の任意の一点を見つめることで無心に近づくことができるようになる。

次いで、老修行僧はシーチェパ派(シャーマニズムの要素を含んだシチュー派?)の聖典について説いてくれた。この派の聖典をいくつも暗記していく。ここで、ようやく御詠歌の修行に入る。右手で、でんでん太鼓、左手で鈴をならし、口で御詠歌を歌う。ガンドンの笛を吹くとその不気味な音に天地の悪霊が引き寄せられる。御詠歌を歌うと彼らは恐れをなして退散し、仏と菩薩の光に照らされるという構図である。西川は、三か月の苦行で、自在に御詠歌を歌えるようになった。

修業を終えた西川は、ブッダガヤ(釈迦が悟りを開いた地)、クシナガラ(釈迦入滅の地)、ルンビニ(釈迦生誕の地)の三大聖地を巡礼することに決めた。仏師ロブサンと後2名が西川に同行することになった。

2026年4月17日金曜日

同志社国際高校の事件考4

https://www.youtube.com/watch?v=lxD-0z7T3bY
このところ、京都南丹市の男子児童の件にメディアの注目が集められた。SNSでは、同志社国際高校の事件への眼をそらすための報道ではないかと言われており、私もそう思う。

昨日、参議院の文教科学委員会での伊藤たかえ議員の質問のYouTubeを見た。改めて、同志社国際高校、旅行業者などへの怒りが込み上げてきた。是非ご覧いただきたい。

https://www.youtube.com/watch?v=lxD-0z7T3bY

まずは、西田校長の始業式(礼拝での講話)での「事故が起こった直接的な原因は私にはないんですけれど…」「私たちの学校がしている平和教育というものは、思想的・政治的に偏ったものを提供するものではない。そんこことだけは信じてください。」「今回のこと、学校はある意味リスタート。平和の再構築のために、これから進んでいきます。」という発言…。

はっきり申し上げて馬鹿ではないのかと思う。反省のかけらも感じれない。しかも被害者への黙祷も行われていない。国語の教師であったらしいが、その国語力の低さに驚く。あれだけの事件を起こし、責任を回避し、教育基本法を破りながら思想的・政治的に偏ったものを提供するものではないとし、リスタートの意味さえわかっていない。彼に教育者などという称号はあてはまらない、いや人間として許せない。

また被害者の保護者のNOTEによると、被害者の遺品は、旅行社にボロボロの段ボールに入れられていたとのこと。まったくありえない話である。学校の配慮もクソもないし、旅行社もそのままにしていることが全く理解できない。人間の所作ではなく、鬼畜である。

これらのNOTEにかかれている内容を伊藤議員がするどく追求している。文科大臣も答弁書でありきたりの回答していて苦しそうであったが、大臣も被害者の保護者のNOTEを熟読しており、最後の答弁書抜きでの答弁では、議員と同感であることがわかる。

左翼の人間は、特に責任転嫁しながら体制側を批判することが常である。その一例として挙げておきたい話がある。日本共産党は、以前(45年前)石油備蓄について戦争準備だと大反対していたのだが、今回の石油供給危機にあたって、なぜもっと備蓄量を増やしておかなかったのかと批判している。彼らの党ポスターには「国民のためにブレずに働く」というコピーが書かれている。大嘘つきである。ブレまくっている。恥ずかしくないのだろうか?https://www.jcp.or.jp/web_download/16436/

結局校長は、アメリカ軍や国が悪い、と思っているのだろう。それは違う。被害者が出たのは、校長・学校の責任である。もし、教員が同乗していれば、(教育関係者の端くれとして断言するが)絶対人数確認を行う。ならば助かったかもしれない尊い生命なのである。