2018年1月23日火曜日

韓国のイスラム教徒差別の記事

韓国日報より ムスリムの観光客は増えているのに…。http://www.hankookilbo.com/v/eb318713e53b49388d832f089d70f652
妻がまた、興味深いWEB記事の話を2つ紹介してくれた。韓国でのイスラム教徒への無理解と差別が横行している話である。韓国日報の記事を日本語に訳した記事だった。地下鉄で高齢者が、観光客のムスリムの女性のヒジャブを無理矢理はぎ取ったり、レストランで豚肉を食べれないと言ったにも関わらず、店員は豚肉入りの調味料を使ったと暴露して面白がったり…。極めて異文化に対する理解が幼稚であるとしか言えない、実に不愉快な記事だった。現時点では、ムスリムの教え子には、あまり韓国に近寄らない方が良いとしか言えない。
http://news.livedoor.com/article/detail/14088756/

とはいえ、日本でもムスリムの墓地が不足しているそうだ。土葬を禁止している都道府県もあるらしい。日本でも、ムスリムの土葬に対する理解は進んでいない。
http://www.asahi.com/special/playback/TKY201010170288.html

同じ単一民族国家である韓国と日本、程度の差はあれ、グローバル化の中で異文化理解を進める必要性に迫られていると私は思う。これは、人権問題や環境問題のように、長い時間、世代の交代が行われるような10年20年と長いスパンをかけて行うべき、教育の責任だと私は思う。ESD(持続可能な開発のための教育)を実践する先生方が増えないとどうしようもない話だ。

2018年1月22日月曜日

PBTの話(8)F40向PP 改編

F38国費生が、JPAのキャンプに行って3日間授業は休講である。したがって今日から3日間は授業がない。こういう時こそ、普段出来ない教材研究に励むことになる。昨年F38では、私は最初に世界の多文化について、パワーポイントで授業を進めた。意外に好評だった。まだ日本語能力が政治経済の用語に追いついていない時期故に、画像でカバーするのだ。今年は、特進クラスが出来た関係で、私がF40の私費文系2クラスの地理以外を担当することになっている。この際、歴史のパワーポイントも作ってしまおうかと思っているのだった。高校時代にデザイン科だった私は、パワーポイントについては、どうも凝ってしまうので、時間が必要なのだ。
まずは、文化のパワーポイントを見直した。F40の学生の中にはマレー系の学生も意外に多くいるそうなので、一神教についてはもう少し詳しくやろうかと思っている。世界史も、政治も経済もかなり一神教理解がベースになってくるからである。

ユダヤ教が、神定法の宗教でありながら、これを吟味することが盛んであること(今日の一番上の画像参照)が、後のユダヤ民族の優秀さに繋がっていくし、クルアーンの第1章に、ユダヤ教・キリスト教批判が最後にあることなどなどを述べるのは、実は私の趣味以外の何者でもないか、と思うが…。(笑)

2018年1月21日日曜日

マレーシアのリンギ高政策

最近のマレーシア・リンギと日本円の推移
http://myr.jp.fxexchangerate.com/jpy-2017_10_13-exchange-rates-history.html
先日、国費生の文系の授業でマレーシア経済の現況について講じているというエントリーをした。この中で、「マレーシアの金融当局は、インフレよりもリンギ安を強く警戒していること。2016年12月に輸出産業の代金については75%をリンギ支払いとするなどの措置をとってリンギ安を警戒していること。外国企業は為替リスクのヘッジがしにくくなったとの声があること。」について、もう少し詳しくエントリーしたい。

この輸出産業の75%の(マレーシアの通貨である)リンギ支払いというのは、なかなか凄いというか凄みのある政策である。輸出する企業はリンギを買う必要に迫られる。すなわち、リンギの価値が高くなり、リンギ高を招く。これは道理であろう。金融当局は、なによりリンギ安を警戒しているわけだ。これは、アジア通貨危機でかなり痛い目にあったトラウマのような気がする。当時のマハティール首相は、IMFの融資を断り、マレーシアの独力でこの危機を脱した。欧米のファンドなどに、血と汗で築いたマレーシア経済をおもちゃにされてたまるかという強い意志がそこにある。以来、リンギは、紆余曲折するけれど、バスケット制を取り入れて安定した通貨となっているようだ。

国費生で経済学部に進むF君が授業の後質問に来た。「この政策は正しいのですか?」私は、「それは歴史が判断するんじゃないかな。」と答えたのだった。文学部出身の私にそのような高度な判断は出来ないし、経済学は社会科学であるから、絶対的・普遍的な「正解」と呼べる経済政策はないと私は思っている。何事にもメリット・デメリットがある。エコノミストでも、自分の見解は出せても、絶対的・普遍的に「正解」だとは言えないだろう。
また、私のクラスの私費生で、S大学の経済学部合格が決まっているK君は「マレーシアは社会主義国ですよねえ。」と感想を述べた。(彼はビザの関係で投稿していたので、せっかくだからプリントを渡し解説していたのだった。)私は、大笑いしたのだが、確かにそういう側面も否定できない。未だ開発独裁的な部分を残していることは確かだ。
さて、現場の日本企業(東証一部上場企業である)で重要な立場にいる友人にこの75%の件を聞いてみた。彼の見解は、大変好意的なモノだった。いわく「良い政策だと思いますよ。」おおお。簡単に言ってのけたのにはビックリした。詳しく理由を聞いたわけではないのだが、マレーシアのリンギが安定していることはそれだけ重要なことであることだけは確かだということが解った。うーん、経済学は奥が深い。まだまだ勉強が全然足りない…。

2018年1月20日土曜日

恩人 夏木陽介氏 死す。

https://blogs.yahoo.co.jp/f
usacyuu3536/12519300.html
日本語を学びに来るPBTの学生に、何故日本語をやろうとしたのか?と聞くと、アニメや漫画、ドラマなどの影響である場合が圧倒的に多い。これは、前々任校の姉妹校・アメリカの日本語コースの生徒達とも共通している。私は、これは十分な動機だと思うし、何を隠そう私が教師になろうとしたのも、子どもの頃に見たドラマの影響なのである。

「これが青春だ」というTVドラマ、「これが青春だ!」という東宝の映画。この青春シリーズの影響が最も大きい。前者の方は竜雷太主演であり、後者は夏木陽介主演である。破天荒な主人公が劣等生を部活動を通して、自信を持たせていくところなどは、実に良く似ている。前者はサッカー部であり、後者はラグビー部である。実は私は運動の方はかなり苦手で、結局運動部には所属しなかった。もし、私に運動能力があれば、ラグビーを選んでいたと思う。それは簡単な理由で、竜雷太もいいが、私は夏木陽介になりたかったからである。結局、指導できるほどではなかったけれど、サッカー部やラグビー部の顧問をしていたのはそういう理由なのである。ドラマでは英語の教師であるが、私は社会の教師であり、だいぶイメージは異なる。だが、夕日が沈む海辺で、生徒を引き連れて夕日に向かって走っていくような「教師の感覚」は、マレーシアに来てからも持ち続けていた。(かなりエアーギター的ではあるけれど…。)

そう、私がなりたかった夏木陽介が死んだ。81歳だという。彼は自分の演じたドラマのお陰で教師になった人間がいると思っていたかどうかはわからない。だが、一言、「あなたがいなければ今の私はありません。ありがとうございました。」と恩人に言っておきたい。心から、ご冥福をお祈りいたします。

2018年1月19日金曜日

PBTの話(7)M君の「志」

サラワクと言えば世界最大の花・ラフレシアかな
file:///C:/Users/K/Desktop/239308_dc9d9ed2a251441f98ff7599985e53a6%20(1).webp
昨日、国費生のムハマド君(男子学生はほとんどムハンマド君なので匿名性をもって、そう呼ぶことにする。)とゆっくり話す機会があった。国費生は、志望理由を3つ書き、大学の志望も書くが文部科学省の指示に互い留学先が決まる。第一の志望理由に書かれていたのが、文化人類学なのだ。

彼はボルネオ島のサラワク州の先住民の村(川を三時間もさかのぼったというからかなりの奥地だ。)を訪れたことがあって、その生活に驚いたのだという。ちなみに彼はKLの出身で、都会人である。かなりの差異を見いだし、純粋に彼らの生活改善をしなければと考えたのだという。

ここには、大きな落とし穴がある。開発の側からの「上から目線」で見ることの恐ろしさがある。彼らにとって幸福とは何かを共に考えるというパートナーシップを忘れると、独善に陥りやすい。それは彼も十分承知していた。彼は、志望理由の中で、沖縄は独自の文化を維持しながらも、近代的な生活を営んでいる、沖縄人のそういう知恵を学び、サラワクの先住民に活かせないかと今考えている。

なかなか面白い発想である。アイヌの人々はどうだったのか?沖縄とどう違うのか?といった質問を受けた。開発と先住民の文化を守るということは二律背反している。それをどう止揚するかであるが、これまで私に開発経済学や歴史、哲学を含め、様々な講義を受けてきている彼は、十分に納得してくれたのだが、彼の「志」は大したものだと思う。将来は研究者となって、大学やサラワクの開発政策に関わっていきたいと考えている。面白い。実に面白いと思う。マレーシアの国費留学生として、真剣に国の行く末を、サラワク開発というフィールドで考えているわけだ。是非とも「志」を全うして貰いたいと思っている。

2018年1月18日木曜日

PBTの話(6)手塚治虫考

http://artgallery.co.jp/shop/tezuka_hanga.html
国費生の研究発表が、今週はずっと5限目に行われていた。私も出来るだけ参加するようにしたのだが、今日は手塚治虫の研究発表の最終局面に間に合ったというのが実際のトコロである。(今年は我がクラスの進学の関係で抜けられないことが多かったのである。)

今年は昨年と違った日本の人物が研究発表のテーマになっていた。その中でも手塚治虫というのは、なかなか面白いと思う。彼らが研究発表時に挙げた代表的作品は、鉄腕アトム、ブラックジャック、リボンの騎士であった。うーん。手塚作品は莫大なので、どれを選ぶかとなると悩むが、私はリボンの騎士を外して「火の鳥」を入れるべきだと思う。

手塚作品は重要なテーマがそれぞれあって、その内実に迫るモノが多い。私は手塚ファンであるとは言えないが、「火の鳥」の大テーマである「生命」はかなり重く、各編もシチエ-ションがそれぞれ豊富で名作中の名作だと思う。

鉄腕アトムに関しては、「少年」という価格の高い月刊誌に連載していた関係で、実はあまりなじみがない。有名な割にアニメも案外見ていなかったりする。当時の労働者階級の息子には高嶺の花のような漫画だった。

不思議なテーマだと思うのは「ジャングル大帝」である。あえて、生態系の頂点に立つ肉食獣のライオンが草食に移行するという、かなり無理なテーマである。トップに立つということの苦悩を手塚治虫は描こうとしたのかな、などと邪推する。

意外に研究発表するのには難しい人物のような気がするのだ。

2018年1月17日水曜日

日本の女子高生の社会学

妻は面白いWEB記事を探し出す達人である。今日も「ダイヤモンドの記事読んだぁ?」ときた。「日本の女子高生は、儒教の影響から脱して、男子高校生より幸福度が高いねんて。」と、その記事の核心を教えてくれる。なるほど、面白そうな記事だ。

今日は、我が文系私費生の面接指導の最終日だった。昨日のブログの「島の規則」を面接指導で使った。(M君はすでに今日の昼に日本に渡った。)昨日はH君が社会学のレポートの件で相談に来た。就学ビザ申請のために来たK君やJ君といった経済学部志望者には一昨日のブログの内容・マレーシアの経済の現況について、国費生へのプリントを元に少し講義した。と、いうわけで我がブログは、このところ受験する私費生の小論文や面接、課題などのヒント集と化している。(笑)

今日のエントリーは、社会学をやりたいH君を始め、経済に関わる学生の分析手法と大いに関係があると思う。WEB記事の順には従わず、先に成人の「幸せはお金で買えるか」というグラフを提示しよう。日本はGDPのわりに幸福度が低い。マレーシアの方がGDPが低いのに幸福度が高い。これは多分に6割を占めるマレー系のイスラム教が関係していると思われる。(これは記事にはない。私感である。)この分析が面白いのは、東アジアの儒教文化圏が固まっていることだ。儒教が、幸福度に少なからず影響を与えていると見ることができるという記事の分析には説得力がある。

さて、記事のタイトルは「日本の女子高校生がやたらと楽しそうな理由」である。このグラフは少し複雑で、横軸は満足度(最高は10)を示している。(グラフは6~9/10に設定されている。)縦軸は満足度の男女の差である。ここでも、文化的な地域区分が読み取れるわけだ。日本は、儒教圏のグループにあって、男女差が最もあるところに特徴がある。ほとんどの国が男子の方が満足度が高いのに、日本だけは女子の方が満足度が高いという特徴が見られるわけだ。その理由の核心は妻の言が核心となっているが、他の文化圏との比較などは、かなり長くなる。興味のある方は、是非ともWEB記事を参考にしてほしい。
http://diamond.jp/articles/-/156079

こうして分析をする仕事というのは、ホント面白いだろうなあと思う。社会科学ここにあり、という感じだ。ただ、様々な視点で見ないと真実のところを見落としてしまう。さてさて、教え子の学生諸君にはちょっとでも参考になっただろうか。今日も面白い記事を見つけてくれた妻に感謝である。