2018年7月20日金曜日

イスラエル基本法 考

イスラエルの国会と国章 https://4travel.jp/travelogue/11070701
イスラエルが、ヘブライ語のみを公用語(以前はアラビア語も公用語)とし、イエルサレムを首都と明記した基本法(日本の憲法にあたる)が国会で議決された。つまるところ、人口の20%を占めるアラブ人は、完全に2級市民化してしまったということになる。これまでは、イスラエルは、ことさらユダヤ人国家であるとは言葉にせず、民主主義国家であることを謳っていた。あえて、言葉にしないことでアラブ人との衝突を避けてきたわけだが、シオニズムにとっては歴史的な変化だと言える。
(オリーブ山便り)http://mtolive.blog.fc2.com/

…既に国内外から批判が出ている。アパルトヘイトの再現だという声もあるようだ。このようなイスラエルの姿勢は、エジプトやサウジといったスンニー派の中東諸国からの反発が、以前のような強いものではなく、ガザのハマスの背後にシーア派のイランが暗躍している故に、最小限のものになるだろうという地政学が働いているように見える。今やサウジの敵はイスラエルではなく、イランなのである。かなり複雑な情勢だが、中東問題の大きな分水嶺になるような気がする。

…だが、やはり私はパレスチナのアラブ人のことを心配している。彼らが、この件で暴力の被害を受けることを避けて欲しいと思う。日本にいると、ピントこなかっただろうが、マレーシアにいると、アラビア語が公用語で無くなったという事実は大きいことが肌で感じられるのだ。マレーシアでは、マレーシア語、英語、中国語、タミル語が使われているが、公用語として法律で決められているのはマレーシア語である。ただ、中華系・インド系は英語を解するので、公的機関などでは英語も事実上の公用語扱いされている。もし、中国語が公用語に法律で定められていて、それがあえて外されり、英語も事実上の公用語から外されたりしたら、中華系の人々はかなり怒るだろうと思う。

…この言語問題はかなり民族的な機微に関わるのだ。このイスラエルの基本法問題については、さらに情報を得て再考してみたいと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿