2020年8月31日月曜日

安倍首相退陣に想う

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一昨日の安倍首相退陣についてすこしエントリーしておこうと思う。何度も書いているように、私は右でも左でもない。安倍内閣に対しても同様に是々非々のスタンスである。安倍政権は佐藤政権を抜いて、最も長期政権化した。ここから始めたい。

長期政権化した最大の理由は、小選挙区制にある。党が小選挙区の推薦候補を握っている故に、よほど選挙に強い議員以外はモノを言えなくなる。実は私は小選挙区制には批判的だ。中選挙区でいい。金権選挙云々の批判があったが、中選挙区で揉まれ、族議員が生まれ、派閥で総裁選挙を争う。それが政治に活力を与えていたと思う。政治家が党幹部の顔色をうかがうような小物ばかりになるよりは、はるかに良いと思っている。

長期政権化したことのメリットは、外交力であろう。G7等で安倍首相は古参になり発言力を増したからだ。あの問題児の大統領閣下をして最大の友と言わしめたことは賞賛に値すると私は思う。タカ派であり憲法改正を念頭に置いていたことで、ネトウヨさんには評判が良いが、これだけネットで中韓の実情が露わになったことで、私も存在感があったと認めざるを得ない。ずぶずぶの親中派、親韓派議員には私も批判的だ。嫌中・嫌韓世論はすでに構築されているように思う。

安倍政権の経済政策についても、様々な意見がある。金融緩和策でリフレ政策を強行した割に結果はたいしたこととはなかった。ただ失業率は下がり、名目GDPはアップした。アベノミクスは成功とはいかないが、それなりの成果もあったというべきか。

安倍内閣最大の失敗は、各省庁の人事を内閣が握ったことだ。「忖度」という語が普通に使われるようになったのは、この一点に集約される。様々なスキャンダルが起こったが、各省庁が首相に忖度するような風土を作り上げた功罪は大きい。優秀な日本の官僚のやる気を削いだことは最大のデメリットだ。

政治家の評価は難しい。私など評価するのはおこがましいのだが、本人が言うように、いずれ歴史が裁くことになるだろう。とはいえ、体調不良による判断ミスで国益を損なわないため、というのは武士道に繋がる。散り方は実に見事である。

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