2017年11月28日火曜日

IBTの話(143) 偶像崇拝

マスジット・ジャメ http://kuala-lumpur.seesaa.net/article/287197626.html
哲学講義は、A・B両クラスともアリストテレスまで終了した。次はヘブライズムなのだが、4月にすでに教えている。しかもマレー系ムスリムのB組では、釈迦に説法というか、そんな感じである。モーセの十戒のところで、ちょっと私から「偶像崇拝」について質問してみた。(シナイ山を下りてきたモーゼが偶像崇拝するユダヤ人に激怒する話からだ。)

たとえば、「キティちゃんのぬいぐるみは、偶像崇拝になるのか否か」?大多数の学生の回答は、「子どものおもちゃとしてならば問題はない。」…なるほど。ならば、「キティちゃんが大きく書かれたTシャツなどはどうか?」これも大多数の学生の意見は、「普段着としては問題ない。(ただし、彼らはそういう柄の服装はほとんどしない。)」ではと、私が質問した。「マスジット(=モスク)・ジャメ(KLで最古のモスク)の入り口に、人の顔や動物などが書かれた衣服での入場禁止と書かれていたが、偶像崇拝ではないのか?」これに対し、数人の学生の意見。「モスクにおいては礼拝の集中を妨げるが故に禁止されている。」…なるほど。では、「(礼拝中に最も視界に入る)背中にそのような柄があったり、おしりに書かれていたり、靴下の裏なども、そのような柄は禁止か?」「当然である。(笑)」

まるでシャフィーイ派法学のフィクフを聞いているような感覚である。この時ばかりは私と学生の立場が完全に逆転である。(笑)ソクラテスの無知の知を語った後だし、イスラム理解は、疑問点を学生に聞くのが最も早いのだった。

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