2020年2月29日土曜日

イタリアの誤算

https://twitter.com/Kani9zu_2nd/status/1233616529331064832
ヨーロッパでもっとも新型肺炎の感染者数の多いのがイタリアである。イタリアは中国の一帯一路政策にのって中国との連携を深めた。特に北部で感染者が多いのは、イタリア北部の衣料産業が、そもそも中国企業に下請けを任せたことから始まる。これはグローバリゼーションの中で低賃金雇用が極めて利益率向上に有効だったからだ。やがて、一帯一路政策でイタリア本土に中国企業が進出してくる。ここでも自国の低賃金労働者を引き連れての進出。当然ながら、インフラ整備など中国の投資がお土産だが、まさにアフリカと同様である。アフリカとの相違もある。それはイタリア伝統の衣料産業の地盤沈下である。北部では、衣料関係の中小企業(有名ブランドの下請け生産をしていた工場)の倒産が相次いだという。これだけでも大きな誤算なのだが、今回、これらの中国人労働者が旧正月で帰国、危険なお土産をイタリアに運んできたというわけだ。

中国の人口圧はやはり相当なものだ。海外進出それ自体は悪い事ではない。ただ、中国の場合、Win Winではない。自国経済の発展のみしか眼中にない。持続可能な開発とは真逆の方法論である。インフラ等の享受で表面上Win Winに見えても、時間が立てば、多くの国が一帯一路の真の狙いに気付く。しかも今回の新型肺炎の件で、中国の情報隠蔽体質が露わになった。イタリア政府においては、この一帯一路への参画が大誤算どころか大失態となった格好である。

だから何だと言われると、特に返答することはない。国際情勢の単なる分析である。もう少し加えると、中国経済の失速は確実で、その影響は計り知れない。現に世界的な株価下落に現れている。台湾では、中国企業のデフォルトの嵐を予想している。金融界においてもまさに乱世である。

PBTのOB・OG諸君へ。この乱世にあって、冷静に情報を集め、分析せよ。いつも言うように、社会科学には法則性はあるが、答えはいくつかある。その中で自分が最も重要だと考える答えを持論とせよ。状況が変われば持論が変化してもいい。社会は生き物である。常に変化していくからだ。学びは常である。

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