2020年2月12日水曜日

桜咲く/私を待つ人がいる

PBTを私が去る事になった時、F42の学生諸君に、「日本に帰国し、四国の最西端の高校に行くことになったが、きっと私を待っている生徒がいると思う。」と述べた記憶がある。私はブディストであるから、縁起を基本に物事を考えるのだが、そういう結論になるからである。今夕、三崎高校のT君が、超難関の国立大学に合格した。センター試験の成績が第一次書類審査、面接が第二次試験という推薦入試である。

彼とは10月に赴任して以来、2年次に学習した政治経済の大まかな復習と、3年次に履修しているがまだ学んでいないという倫理の西洋哲学史分野を講義した。超難関校故にセンターの公民分野は「倫理政経」である。もちろん高得点を獲得してくれた。

それだけではなく、一次に合格後、進路部長のJ先生に言われて塾の私の元にやってきた。面接指導と言う名目だが、彼が目指している国際公共政策学科について再確認するのが眼目だ。この学科は、国際関係学にかなり近い。事前にカリキュラムを調べて、いろいろな話をした。アドミッションポリシーには、教養ある国際派で良きガバナンスを実践できる人材育成とある。彼のこれまでのせんたん部部長としての経験、世界ユースサミット参加で知った途上国の現状などから、ここを選んだのだという。かなり深い話をした。
彼は「途上国を豊かにするためには何になるのがいいのでしょうか?」と質問してきた。私は「外交官では無理である。一番いいのは企業だ。」と様々なアフリカの日本企業の事例を挙げた。「あるいは、やはりJICAかな。」と、JICAの現地での役割を説明した。彼は強い興味を示してくれた。さらにジェトロの紹介もした。最後に、私のオリジナル教材である「高校生のためのアフリカ開発経済学テキスト」を印刷して手渡したのだった。

JICAの職員になるのはかなり難関だ。昔、JICA大阪で、新卒のJICA採用者が高校生セミナーを視察に来たことがある。この時、出身大学を聞いたら、北大、東外大、慶応、ICU…。それを聞いていた前々任校の生徒たちは身が引き締まる思いだったに違いない。だが、今回彼が合格した大学も、同じく十分身が引き締まる大学だ。実際、この学科の進路を見てもJICA職員の文字がある。もし、彼がJICA職員になってくれれば、私のほとんど諦めていた夢の1つが叶う。

実に、実に嬉しい。今日の画像は、国道197号線沿いに咲く早咲きの桜で、今日のために撮っておいたもの。三崎高校に、ちょっと早咲きの巨大なサクラ・サク。
T君、おめでとう。彼のこれからが実に楽しみだ。久しぶりに”高石ともやとナターシャ・セブン”の「私を待つ人がいる」を聞いてみようと思ったのだった。

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