2018年8月16日木曜日

PBTの話(56) 雨ニモマケズ

http://www.comicbox.co.jp/gallery/hatanaka/work/poem1.html
スピーチライターは「韻を踏む」という話を昨日書いた。私の英語力では、英文における韻は当然わからない。昔、漢詩は中国語で読むと「韻」を踏んでいて美しく聞こえると、前々任校のK老師が言っていた。もちろん、中国語もわかならない。日本語で「韻」を踏んでいるのは何か?ちょっと考えていた。

浮かんだのは、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」である。雨(アメ)はA・E、風(カゼ)もA・E。見事に「韻」を踏んでいる。政治の復習中に、大きな政府の解説をしていて、今ちょうど読んでいるスピーチライターの話から、ふと「韻」の話になった。
で、「雨ニモマケズ」を紹介して、「韻」の説明をしたわけだ。
次に、李白や杜甫と、黒板に書くと、中華系の学生達は中国語読みで”おおっ”と反応した。”彼らの詩は韻を踏んでるか?”と聞くと、みんなそうだという。さすが中国人のDNA。マレーの学生も、マレーの文学にも同様の「韻」を踏むという。名文というのは、世界共通らしい。

http://awa.rgr.jp/wiki.cgi?page
=No349%2F%A3%D7%A3%E
5%A3%E2%C8%C7%2F11
昼休みの後、連続の我がクラスの授業に行ったら、日本文学をやりたいというW君が、さっそく「雨ニモマケズ」をWEBで調べていた。玄米って何ですか?という質問を受けた。(笑)さらに、最後に漢字が並んでいるのは何ですか?と聞かれた。「?」…見てみると、法華経に関係する仏菩薩の名が並んでいる。この宮沢賢治の詩は、法華経に説かれる不軽菩薩への憧れを記しているという説がある。この仏菩薩の名の部分は、遺稿の手帳の見開きに書かれていたモノらしい。で、ちょっとだけ説明した。(説明しだすと長くなる。笑)

W君はもしかしたら、昨年こんな話をしたら絶対同様にリサーチしたであろうI君の後輩になるかもしれぬ。2人を合わせたら、太宰や中原中也の話できっと盛り上がるだろうなあ、そんなことを考えていたのだった。

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