2018年8月17日金曜日

続 ちょっと書評 Thanks,OBAMA

オバマ大統領の言葉の好みは、称賛するのに”Good”"Great"といった言葉をさけ、同じような意味でも、少し具体的な語彙だったようだ。
Fantastic(きわめて優秀)
Outstanding(傑出した)
tremendous(壮大)などの語彙である。(P150)

…現大統領とは、まさに雲泥の差だ。「あの犬」などという語彙は決して普段でも使わないだろう。

筆者は、ユダヤ人であるが故に、ユダヤ担当という位置を獲得する。半年ごとにユダヤ教改革派連合の会議でのスピーチを担当したという。(改革派は、ユダヤの律法に対し柔軟に対応する派である。)1週間の時間を掛けて、ラビに聞いた聖書の一節を挿入し、イスラエルに関する外交政策を専門家に補足して貰い、アブラハムやヨシュア、ヘッシェルの言葉、アメリカでのユダヤ移民のサクセスストーリー、イスラエルとの固い同盟関係などを織り込んだ。翌日のイスラエルのハアレツ紙は「オバマはイディッシュ語を話すが、共和党は話さない」という見出しで、このスピーチを絶賛したという。(P156)
*イディッシュ語とは、ドイツなどに住んでいたユダヤ人(アシュケナジ)の言語である。(ちょっと自慢になるが、うちの息子はイディッシュ語が話せる数少ない日本人研究者である。)

…大統領がスピーチするほどの改革派の会議が半年ごとに開催されているということ自体に、在米のユダヤ・ロビーの力の大きさを感じるし、それを専門に担当するスピーチライターが存在すること自体が凄いなと思う。イスラエルの新聞の見出しも、極めて芸術的だと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿