2019年4月4日木曜日

マレーシア連邦憲法を読む 11

マレーシアの国会議事堂
第4章は連邦立法府である。
第44条は<国会の構成>「連邦の立法権は国会に付与される。国会は最高元首および上院議会、下院議会として知られる2つの院により構成される。(原文)」
第45条<上院議会の構成>2003年の改正での趣意は以下の通り。定員70名、任期は3年。このうち44議席については最高元首が任命し、残りの26議席を13州の州議会がそれぞれ2名ずつ選出。再任は1回のみ可能。
第46条<下院議会の構成>これも2003年と2006年の改正後での趣意。定員222名。任期は5年。

第47条<国会議員の資格>「連邦に居住する市民は何人も(a)30歳以下でなければ、上院議員の資格を有する。(b)21歳以下でなければ下院議員の資格を有する。」おもしろい表現である。で、第48条は<国会議員の欠落事項>によって資格を失っている場合はダメである。この第48条は、かなり詳細である。意外なのは(1)(c)有給の職を保持している場合という規定がある。第49条は<両院議員兼職に対する禁止規定>第50条は<欠落による欠員、同意のない指名、任命の禁止>第51条は<議員の辞任>第52条は<議員の欠席>ここで面白いのは、両院とも6か月間院の許可なく全ての会期に欠席する場合、同院はその議席を欠員とすることができるとのこと。第53条は選挙管理議員資格剥奪の決定>第54条は<上院の欠員および臨時欠員>上院では、上院議長が欠員と定めた日から60日以内に充足することになっている。(訳者の補足で)下院の場合は、解散まで2年以内である時、与党が影響があると通知すれば充足され、選挙委員会が通知を受領した日から60日以内に充足される。…かなり与党有利な話である。

第55条は<国会の召集、停会および解散>これはなかなか興味深い。「(1)最高元首は時々国会を召集し、一会期の最終日と次の会期の初日に定められた日との間に6か月を経過させないものとする。(原文)(2)最高元首は国会を停会あるいは解散させることができる。(3)国会は期前解散しないかぎり最初の間開会日より5年継続し、その後に解散する。(4)国会が解散する場合は、解散の日から60日以内に総選挙を行う。また国会は、その日から120日を超えない日に召集されるものとする。(5)国会で未決の法案は、国会の停会を理由にしては廃案としない。(後略)(原文)」
…何より日本と違うのは、(5)で、この文面からは『審議未了廃案』がないということである。これも与党にとってありがたい話である。

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