2019年4月7日日曜日

マレーシア連邦憲法を読む 17

マレー語のスクールバス
第12部は<一般則および雑則>であるが、極めて重要である。第152条と第153条があるからである。これは原文のまま記しておこうと思う。

第152条<国語>「(1)国語はマレー語とし、その綴り字は国会で定める。ただし(a)何人も、その他の言語の(公用目的以外の)使用、教授、学習を禁止されない。また(b)本項は連邦内のマレーシア人以外の種族の言語の使用・研究を維持しようとする連邦政府あるいは州政府の権利を妨げるものではない。(2)本条(1)の諸規定にもかかわらず、ムルデカデー以降の10年間、およびその後国会がこれについて規定するまでの間は、国会の上下両院、およびすべての州議会等において、またその他すべての公用目的に英語を使用することができる。(3)本条(1)の諸規定にもかかわらず、ムルデカデー以降の10年間およびその後の国会がこれについて他に規定するするまでの間ー(a)上下両院に上程されるすべての法案および修正法案また(b)全ての国会法および連邦府の発布する補助的諸立法等は英語にするものとする。(4)本条(1)の諸規定にもかかわらず、ムルデカデー以降の10年間およびその後も国会がこれについて他に規定するまでの間、連邦裁判所の全ての手続きは英語によるものとする。ただし、法廷および双方の弁護士が同意すれば、証人の供述証言が英語に翻訳されかつ記録される必要はない。(5)本条(1)の諸規定にもかかわらず、国会が、これについて他に規定するまでの間、下級裁判所の全ての手続きは証言取り調べを除き、英語によるものとする。(6)本条において「公的目的」とは連邦あるいは州いずれの政府の目的をも意味し、また公共当局の目的をも含むものである。」

要するに、連邦憲法では、マレー語を国語としつつも、英語が使用されることを各公共機関で許しているわけだ。このことは、わがPBTの学生たちにも大きな影響を与えているし、外資がマレーシアに進出する際の大きなメリットにもなっていることは論を待たない。ちなみに、画像にあるように、マレー語の表記は英語から拝借しているものでも、BUSがBASになっていたりして、少し違うので面白い。

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