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第56条は<上院の正副議長>について。第57条は<下院の正副議長>についてである。両院の違いは、上院の副議長が1名なのに対し、下院は2名であること。下院では、議員でない者が議長になりうるし、その職を保つことで1議員になれること、などが挙げられる。
第58条は<両院正副議長の報酬>について。第59条は<議員の誓言>について。第60条は<最高元首の演説>について。これらは割愛する。
第61条は<内閣および法務長官に関する特別規定>である。趣意は、閣僚(副大臣・政務次官を含む)は他方の院の議事に参加する権利があること。ただし他方の院での投票権はない。両院とも法務長官あるいは閣僚の1人を当該の院の議院でなくとも委員会の委員に任命することができることなどが書かれている。
第62条は<国会議事手続き>である。これによると、出席議員の2/3(ムルデカデー以前のマレー人保留地の扱い、選挙区割りの変更の扱い)、総議員の2/3(憲法改正の手続き)などの場合を除き単純多数で議決することが記されている。
第63条は<国会の特権>で、これは日本国憲法第51条に極めて近い内容である。
第64条は<議員の報酬>第65条は<上院および下院の書記>で割愛。
第5章は立法手続きである。第66条<立法権の行使>には、立法権は両院が議決し(1)、最高元首が同意し国璽を押して(4)行使されることが書いてある。法案は、上下両院のいずれも法案を提出が可能(2)で、他院に送られる。(3)ただし、法案が最高元首に提示されても30日たっても国璽が押されない場合でも法律となる。(4A)とある。
第67条<法案上程の制限および課税・支出を含む改正法案の提出>には、課税に関する法案は、大臣のみによる上程・動議提出となること(1)、その制限(2)が示されている。
第68条<下院議会のみが議決した法案に対する元首の同意>ここには下院の優位が記されている。ここで、「金銭法案」という語彙が登場するが、基本的に税金や統合基金、連邦の債務にかかわるような法案(6)であるようだ。日本の予算案同様に、下院の議決が優先される(1)。その他の法案も上院の合意がないあるいは修正案が可決された場合、その会期内だけではなく、最高元首に提出されれる(2)(3)(4)。ただし、憲法改正は適用外である(5)。
第6章は<財産、契約および訴訟に関する連邦の権限>で、第69条「(1)連邦はいかなる種類の財産に関してもこれを取得、保持および処分し、かつ契約を結ぶ権限を有する。(2)連邦は訴訟を起こし、かつ起こされることができる。(原文)」とある。したがって、連邦政府が前首相の財産を差し押さえたのは、合法であるといえるわけだ。
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