2019年3月22日金曜日

サムライ・イチローの引退

https://mainichi.jp/graphs/20190322/hpj/00m/050/001000g/1
昨日、イチローが引退した。私の一番好きな野球選手であり、現代で最もサムライ精神を体現している人物だ。(極めて昭和的な表現になるが…)ここ2年ほどスーパー銭湯に行っていないが、私が選ぶ下駄箱は51番以外ありえない。その51番・イチローが引退した。

昨日は、YouTubeで、交代を告げられ、マリナーズの選手とハグしているシーンを見た。今日は、引退会見の全文を読み、試合後、東京ドームを一周する姿を見た。胸が熱くなった。彼の功績を挙げる必要などあるまい。昨年、イチローはシーズン途中で、チームに胎動しながらも現役であるという非常に希な立場になった。この開幕戦出場を見込んでの話だったとは思う。しかしオープン戦は不振で、来日後の対巨人戦、そして本番も、結局無安打だった。もちろん、往年の美しいヒットを見たかったが、ある意味、イチローらしいと私は思うのだ。

これまで誰も成し得なかった壮大な引退試合「群」だったと言っていい。それだけの価値のある選手だったといえるし、ある意味、無安打故に美しく吹っ切れただろうと思う。私は、素晴らしい活躍を見せたイチローも大好きだが、ニューヨーク・ヤンキース在籍時代の消化試合でのエピソードが好き。もうシーズン終盤の消化試合。正選手を引き上げさせて、若手を試すぐらいしかないような試合のさらに9回。イチローは、代打での出場を想定して、バットを振り続けていたというのである。他のベテランはすでにスパイクを脱いでいたというのに、である。イチローにとって野球は、「道」なのだ。プロフェッショナルとして最善を尽くすところに、彼のサムライの美学がある。

イチロー、ありがとう。国民栄誉賞も、野球殿堂入りも、そんなサムライ精神を体現したイチローにふさわしい。これからもイチローらしい美学をつらぬいて欲しいと思う。

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