2019年3月16日土曜日

メタ的に見る東アジア情勢

メタ的な視点について、昨日ちょっとエントリーした。これを少し、東アジア情勢にあてはめてみようと思う。日本と韓国の関係だけではなく、先日のハノイの米朝会談の結果も踏まえて、日本列島から幽体離脱して、鳥瞰的に考えてみようとしているわけだ。

まず北朝鮮の状況はかなり追い込まれている。金王朝の権威はかなり失墜したようであり、制裁解除どころか、さらに経済は苦しくなりそうだ。クーデターや暴動の恐れさえ噂されている。ただし、金王朝の社会主義は、事実上闇経済的資本主義で成立しているとの情報もある。トランプを信じて核廃絶をするか、現状を維持するか、ミサイルと核開発を再開するか、いずれにせよ第3回の米朝会談を望んでいる可能性は高い。

これに対するトランプのアメリカ政府もかなり危ない。ロシア疑惑や国境の壁建設のための国家非常事態宣言はアメリカの民主主義への挑戦であり、共和党からも造反が出ている。(当然拒否権を出すだろうが…。)実はトランプの足下も脆弱なのだ。アメリカで、最も嫌われている国は、北朝鮮とイランらしい。最近はサウジアラビアもその上位を狙っているようだが。アメリカの歴史は戦争の歴史である。大義さえ整えば、アメリカは厭わない。そして政権への指示は一気に上昇する。9.11以後、かのブッシュ(息子)政権でさえ、一気に90%にまで上昇した。星条旗が溢れ、愛国心が刺激される。再選に向けて厳しい状況に置かれているトランプ閣下が、その決断を行うことも十分ありうるし、議会の方が北朝鮮制裁に熱心であるようだ。

今回の米朝会談の失敗を受けて、韓国では、文政権の外交姿勢がかなり野党から批判されている。マスコミの論調も徐々に変わっているようだ。なにより、韓国も経済的に追い詰められている。IMFからの指摘もあって、このままいくと財政破綻してしまうだろう。来年度の在韓米軍の存在すら危うい。

日本は、例の徴用工と呼ばれる裁判で、実害が出たら可能な経済制裁を行うことを公言した。ヨーロッパでの資産差し押さえにまで動くという弁護団の言もあって、実現する可能性も高まっている。しかしながら、韓国の日本企業の黒字率は85%と最も高いらしい。つまり、日本の高度な部品(約50%をしめるらしい)を韓国が輸入して組み立て、サムソンなどは輸出しているという構造である。関税を上げたり、戦略物資の輸出をストップしたら、韓国経済は息の根が止まるだろう。しかし、日本の経済界も大きな打撃を受けるわけだ。また「支払い信用状」の停止は、その中心であるみずほ銀行の巨額損失の話も出てきて、さてさてという状況もある。とはいえ、日本の国民感情はすでに韓国の反日物語をはっきりと認識してしまった。制裁や断交を求める声は大きいが、このまま、韓国の政治的あるいは経済的自滅を待つのがベストかもしれない。

中国も、経済的にはいろいろ問題を抱えているようだが、米朝会議の直後、北朝鮮の自由朝鮮という臨時政府が生まれたが、このバックにアメリカとともに中国がいるのではないかという推測が流れている。

…およそ、これらの情報をメタ的に鳥瞰してみると、米・日・中をはじめとして、国際的に、朝鮮半島両国の孤立は際立ってきている。韓国の経済的崩壊、北朝鮮の政治的崩壊が、起こる可能性、さらに米軍の軍事介入を促す可能性は以前より高まっているような気がする。中国と貿易戦争中の米国だが、大統領閣下は常人ではないし、北朝鮮。韓国のリーダーもまた常人ではない。いずれにせよ、現在の東アジアにはどう動くのが最も権力者にとって「利益」になるのかという絶対主義的な状態にあるようにみえる。(まだ軍事面での争いに拡大していないのが幸いだが…。)

地球市民としては、韓国の理性的な民主主義(反日物語の払拭)に期待したいところだ。また北朝鮮には、金王朝の平和的な崩壊を期待したい。米国にも中国にも軍事的介入の自制を期待したい。なによりも「平和」が第一義だと考えるのは、日本人のDNAかな。

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