2019年3月4日月曜日

ベネズエラの超インフレ考

http://blog.livedoor.jp/pacco
303/tag/%23polandball?p=9
「ベネズエラの超インフレはなぜ起きたか」という田中秀臣氏の記事を読んだ。ベネズエラは今、内戦の危機にあるほどのハイパーインフレである。興味深く読ませて貰った。
https://ironna.jp/article/12010?p=1

現在、250万%のインフレで、IMFの予想では1000万%まで上昇するという。ベネズエラは、石油埋蔵量では世界第一位の産油国である。中南米でも富裕国であった。50年前は、米国の世界勝水準の80%に迫っていた。他方で経済格差が深刻化し、「反米左派:貧困層は米国流の新自由主義の犠牲者」と言うチャペス前政権を誕生させた。現マドゥロ政権は、米国の経済制裁が原因としているが、田中秀臣氏の見方は違う。

彼は国際金融における「マンデルの三角形」理論で見る。一国に於いて、為替レートのコントロール、資本移動の自由、金融政策の自律化の3政策のうち、同時に2つしか出来ないという理論である。

F40Aの学生向けに概略すると、次のようになる。チャペス前政権では、石油輸出を有利にするため、自国通の固定為替レートを採用した。常に自国通貨を高めにしたわけだ。この為替レートの高めの操作は、中央銀行が担当するので、金融政策はこれに集中せざるを得ない。と、なると、残る政府の財政政策で、経済の舵取り(景気対策など)を行う必要が出てくる。チェペス前政権は、この財政政策で、低所得者向けの社会保障を手厚くすることを主眼に置いた。石油収入で、財政が豊かであればそれでもよかったが、国際価格の下落で、この社会保障費が捻出できなくなった。この時点で、金融政策を転換(金融政策の自律化)していればよかったのかもしれない。それどころか、社会保障費の拠出を中央銀行の通貨供給増でまかなおうとする愚策に出てしまった。マネーストックが増えると、当然ながら通貨インフレとなる。で、現在のハイパーインフレとなったわけだ。

…おそらくF40Aの学生諸君なら、この経済理論は納得できるはずだ。総合科目で学んだ経済学の基礎(通貨供給量や金融政策と財政政策)さえおさえてあれば、十分わかる理屈である。
…左派政権というのは、かくも経済学の基礎をおさえていないものなのだろうか。イデオロギー(反日と半島統一)重視の隣国の左派政権を見ていて同様の感想を抱く。

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