2018年11月14日水曜日

横尾流現代美術を読む(1)

「ラッセンが好き」と歌い踊る日本の芸人がいたように記憶するが、私の場合は「横尾忠則が好き」である。高校時代、デザインを志していた頃、横尾忠則はグラフィック界のスーパースターだった。今や、画家と呼ぶにふさわしいが、その変貌について書かれたのが、「横尾流現代美術ー私の謎を解き明かす」(横尾忠則著/平凡社新書・2002年)である。もちろん、日本人会の無人古本コーナーで手に入れた一冊である。

多少なりとも美術史には造詣があるので、懐かしい名前がたくさん出てくる。特にポップアートのアンディー・ウォーホール。横尾氏は彼とかなり繋がりがあるらしく、彼のアトリエの話や人柄などが実に面白かった。日本人では、赤瀬川源平やあいおう(漢字の手書き入力が不調なのでひらがな書きで記す)、池田満寿夫や宇野亜喜良なんて名前も出てくる。実に懐かしい。

https://www.musey.net/5327
ジョルジョ・デ・キリコの話も出てくる。実は私は彼の形而上絵画も大好き。たしか高校時代に京都で開かれたキリコ展に行った記憶がある。デザイン科だったが、油彩もやっていたので、私自身はかなり影響を受けた。美術の世界で、独自の画法を画家は得ようとするが、当然ながら先人の影響を受けざるを得ない。
キリコは謎の画家だと言われている。横尾氏はキリコの『完全に生理的・肉体的・さらに理性的に芸術と人生の虚実を見ながら』同時に多様な発信(様々なテーマの作品を発表)をしたところに惹かれると言う。横尾氏もまた、画家として同様の進化をとげているといえる、画風も又しかりである。

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