2018年11月10日土曜日

現時点で韓国の問題を考えるⅡ

ここにきて、造船工業の件でのWTO提訴やフッ化水素の輸出を韓国にしないなどという話が出てきた。徴用工(実際は徴用されたのではないという証拠がでてきたみたいだが…)問題は、日韓関係に大きな亀裂をうみ、いつもはすぐ忘れる、水に流す日本人も、日本政府も今回はさすがに本気で立ち向かうようだ。
ネット上では左右両派の意見が流れているが、私がここ数日眺めていて、最も印象に残ったのは、田中秀臣氏の記事だ。https://ironna.jp/article/11097

基本的な論旨は、韓国経済は脆弱である。ポピュリズム政権である文政権が日本にその脆弱性のツケを回してきた、ということである。

この論文には、マクロ経済の話が出てくる。文学部出身の私には目新しい。まずは、「ヒックスの楽観主義」既得権益者は、効率化の中で一時的に既得権を奪われ不利益を被るが、社会全体の福祉が向上しそこで利益を受けるというもの。さらに「マンデルの三角形」。為替レートの安定、資本移動の自由、金融政策の自立性の3つのうち、基本的に2つしか採用することができない、という法則である。韓国は、アジア通貨危機以来、ウォン安を重視してきた。しかも資本自由化が行われているので、自国の景気や雇用政策のために、金融政策ならびに財政政策の効果が薄いことを示しているという。

さて、この論文では、文政権はこういうマクロ経済の教科書的な法則からかけ離れているのだという。文政権のポピュリズムの味方は大企業の労働組合のようだ。ポピュリズムは必ず、敵と味方をつくる。既得権益を持たない若年失業層が敵の位置にあるが、おそらく政権はそう考えていない(というよりわかっていない)。財政政策でなんとかしようとしているが、マンデルの三角形のために、経済自体が拡大できない故にどうにもならないのである。(実際、今日の画像代のように支持率は低下の一途をたどっている。)
今回の日韓問題も、ポピュリズム・バリバリできた。味方は自国民、敵は日本国民(今回の標的は民間企業である。)であるが、脆弱な経済力・政治力では、強く出れないだろう。その弱さを繕うために日本を利用されてはかなわない、というのが結論だ。

…なかなか面白い記事だった。ところで、その韓国で日本企業が就職博覧会を行い、本来の文政権の敵・若者が、660人採用のところに2500人が殺到したという。(事前書類申し込みは6200人)これを批判的に見る目もあるだろうことは当然かと思う。採用され日本で働き、帰国して私は親日派になったといえない「恨」が韓国には根付いている。しかし、親日派を増やす以外に日韓関係の改善へ方法があるだろうか?また徴用された、などと言うだろうと断言するのは、感情的すぎると私は思う。

…一方、K・POPなどへの排斥・批判も強くなってきた。(原爆Tシャツ問題は彼らの軽率さそのものである。これは批判されてしかるべし。)しかし、日本の言論の自由・表現の自由は憲法に保障されている。韓国への賛否が自由に発信できることは重要だと私は思う。ことさらに韓国の擁護的な意見を排斥すべきではないと思う。

…一部のネトウヨの意見の中に、やはりというか在日の人々への中傷もあった。私の危惧が表に出てきた。極めて危険である。冷静に、理性的に判断すべき問題だ。日本に暮らす者には不可解な「恨」などはない。

追記(マレーシア時間21:39):K・POPのあるグループの反日姿勢、原爆や3.11の震災の件、さらにホロコーストに関わる問題までネット上に出てきたようだ。こら、たしかに世界的にアウトですな。批判されてしかるべきと私も思う。

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