「物流は世界史をどう変えたのか」(玉木俊明著・PHP新書/2018年1月)を読んだ。オーストラリア行きの機内で読むために、読むのをずっとセーブしていたのだが、往路で早くも読み切ってしまった。
タイトルにあるとおり、「物流」から世界史を見た内容である。なかなか新鮮な内容の世界史の本である。普通、世界史を鳥瞰する場合、下部構造から見ることも多いのだが、この本の内容は、下部構造の中心的な概念である生産力ではなく、あくまでその動きというか、貿易による利益、または輸送力(特にに艦船)さらにはその輸送力を支える資源といった点からも説いている。今日のトコロは、その目次だけでも紹介しておこうかと思う。
1.フェニキア人はなぜ地中海貿易で繁栄したのか
2.なぜ東アジアはヨーロッパに先駆けて経済発展したのか
3.イスラーム王朝はいかにして国力を蓄積したのか
4.ヴァイキングはなぜハンザ同盟に敗れたか
5.なぜ中国は朝貢貿易により衰退したのか
6.地中海はなぜ衰退し、バルト海・北海沿岸諸国が台頭したのか
7.喜望峰ルートは、アジアと欧州の関係をどう変えたか
8.東インド会社は何をおこなったのか
9.オランダはなぜ世界で最初のヘゲモニー国家になれたのか
10. パクス・ブリタニカはなぜ実現したのか
11. 国家なき民は世界史をどう変えたのか1-アルメニア人
12. 国家なき民は世界史をどう変えたのか2-セファルディム
13. イギリスの「茶の文化」はいかにしてつくられたのか
14. なぜイギリスで世界最初の工業化(産業革命)が生じたのか
15. アメリカの「海上フロンティア」とは
16. 19世紀、なぜ西欧とアジアの経済力に大差がついたのか
17. 社会主義はなぜ衰退したのか
…いづれ、この中から、いくつかに絞って、エントリーしていくつもりである。
2018年11月29日木曜日
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