2019年7月1日月曜日

PBTの話(40) エゴグラム

定期試験の結果を返却し、経済分野でやり残した分野(労働問題)を講じた後、国費生2クラスとも、エゴグラムをやってみた。今までも試験を返した後、よくやってきたプログラムである。今回の大きな意味は、進路選択において、心理学とはこんな学問だという紹介でもある。

私は、あまりマレーシアの学生に日本で心理学を学ぶことを勧めない。(日本でもそうだった。日本での理由は、入りにくく、出口においても院まで進まないとあまり社会で認められないし、精神科の医師の下に見られるので、心理学をせっかく修めてもつらい思いをすることが多いことである。)マレーシアの学生には、特にカウンセリングなどでの日本語能力が極めてムツカシイということもある。だが、敬愛するK先生は、そろそろマレーシアにもカウンセラーの必要性があるのではないかとお考えで、私も最近同意している次第。

今回のエゴグラムが異質だったのは、1つひとつの日本語の質問が、現在の国費生には難しいので、全50問を私が読み、解説しながら解答させたことだ。確かに、中高生向けとはいえ、なかなかディープな表現も多いことに改めて気づいたのである。

そういうわけで、時間が残り少なくなったので、両クラスとも1人ずつ、CP・NP・A・FC、ACの数値だけ聞いて、黒板にグラフ化し私が心理学的に解説してみた。これが、毎回ながら受けるのである。FCが8。「カラオケに行ったら、みんな歌ったので私も歌わなければくらいのノリじゃないかあ?」と言うと、周りが「そうそう!」などと盛り上がるのである。特に重要なのはCPとACの関係性である。CPが7。「宿題多いなあ、こんなに出さなくてもいいじゃない。」と思ってないかあ?「いつも言ってる!」で、ACが14。「仕方ない、やってしまおう。」となるだろ。なぜなら、Aが17もある。ロジックで考えるから、「これも日本留学のため、我慢我慢。」本人は、「よくあたってます。全くその通りです。」

これまで、何十人と心理分析してきた。だいたい当たる自信がある。だからこそ、このエゴグラムの授業は意味が深まる。心理学に興味を持っている学生の多くは、目を輝かせて聞いていたのだった。だが、ちょっと”罪作り”かなという思いもあるのだった。

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