2019年7月17日水曜日

PBTの話(46) シーア派

国際関係の授業の中で、シーア派の話が出てくる。マレーシアのムスリム学生たちは、当然ながらスンニー派である。ちょっとシーア派への思いを聞いてみた。すると、予想以上にシーア派への印象が悪いようだ。これは、おそらくマスジットでの話や学校教育の中で得た知識によるものだと思う。当然ながら、マレーシアにはシーア派は極めて少ない。

さて、一応定説では、スンニー派が多数派で、9:1の割合とされている。だいぶ前に日本人会の古本コーナーで、「シーア派とスンニー派」(池内恵著/新潮選書・2018年5月発行)を手に入れた。ここには、こんなことが書かれていた。この9:1と言う比率は、全ムスリムで見た場合であり、シーア派のほとんどいないマレーシアやインドネシア、インドなども含んでいるが、中東地域に限定すると、実は比率はもっと接近する。イランやイラク、バーレーンでは多数派であるし、ペルシャ湾岸一帯(クウェートも20~30%)やサウジの東部州やレバノンでは、拮抗してるようだ。シーア派がほとんどいない中東地域は、エジプトやマグレブ地方だけらしい。

こうして見てみると、人口比率9:1については、簡単に結論付けるのは危険であるわけだ。改めて、シーア派についても調べてみようと思った次第。

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