2019年7月30日火曜日

広瀬隆氏への「遺憾」

広瀬隆氏の「赤い盾」は、文章が読みにくいが、内容は名著だと思うhttps://www.letao.com.tw/yahoojp/auctions/item.php?aID=x632339905
韓国・中央日報が、日本政府の徴用工と言われている問題を批判していると報道した日本の有名作家は広瀬隆氏だった。私は、昔から広瀬隆氏の「幾万長者がハリウッドを殺す」や「赤い盾」を読んで、その念密な資料調査の手法をかっていた。(ただ、おそらく私の読んだ数多くの書籍の中で、1,2を争うほど文章力はひどいと思うが…。)

しかし、今回の問題をナチのアウシュビッツと同等というのは、あまりにもひどい表現であると私は思う。広瀬隆氏といえば、反原発の代表格で、リベラルと言うか、左派というか、そういう立場であることは間違いないが、あまりに思い込みが激しく、現実離れしていると思うのだ。評価していただけに、残念としか言いようがない。私の世代は、最後の朝日ジャーナルの愛読者世代だと思う。それなりに、左派知識人への親近感はある。しかし、最近の左派は、あまりに現状を誤認識しているような気がする。日帝(日本帝国主義)時代の過ちから、韓国への様々な優遇は当然だという認識は、すでにメッキが剥げてしまったのではないか?日帝は、意外に韓国の近代化えの配慮をしていた事実もある。教育関係者として、学校を多く設立し、識字率を上げたという植民地支配は、ありえないと思う。開発経済学を学んできて、これは欧米帝国主義には、全くありえないことなのだ。ナチのSSヒムラーは、ポーランド人など東欧のスラブ人は、「自分の名前が書け、少し計算が出来ればいい(趣意)」と言っている。ナチと日帝は全く同じだとは言えない。

私は日帝を無批判に肯定する気はないが、蛇蝎のごとく否定するのも違うと思うのだ。左派知識人は、その辺を誤解していないか?自己のこれまでのアイデンティティを守るために、今回の問題をことさらに曲解していないか?今回の広瀬隆氏の発言について、そんなことを考えていたのである。

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