2019年7月23日火曜日

PBTの話(50) 盲導犬

https://www.excite.co.jp/news/article/Getnavi_320937/
総合科目には、不平等の是正などという内容も含まれている。障がい者への配慮について話をしていると、学生から「マレーシアには盲導犬がいません。」という発言があった。なるほど、3年以上マレーシアに住んでいて、盲導犬を見たことがない。もしかしたら中華系やインド系の人々は盲導犬を利用しているのかもしれないが、ムスリムのマレー系は、犬を忌み嫌っているので、日本のように公共の場に連れていくことは憚れるのかもしれない。そうであれば、盲導犬の価値はないに等しい。

彼らによれば、「犬の唾液が不潔なのだ。」と言う。「ハディース(ムハンマドの言行録)に載っているのか?」と私。「そうです。ハディースです。」「もし、犬に触れてしまった場合は、特別の清浄化が必要です。」

「まず、土と水を混ぜて、触れた部分に付けます。その後、水で6回洗います。」…なるほど、そういうフィクフがあるのか。「もし、犬に顔をぺろぺろされたら、顔に泥を塗るの?」「ハイ。」「10回洗うとか。」「いえいえ、あと6回、計7回でいいのです。」あくまで、泥+6回=7回の清浄が必要らしい。

盲導犬の話から、ムスリムが犬に触れた場合のフィクフの話になってしまったのだった。確かにマレーシアで、(特に野良の)犬は悲しげな眼をしている。嫌われていることがわかっているかのようだ。

「盲導猫ってないよねえ。信号は赤だニャンとか言ったりして。」「あるわけないでしょう。」と笑いをとったのだった。

ちなみに、調べてみると、イギリスの法学者の間では、ムスリムも盲導犬を使ってもいいというファトワが出たらしい。モスクにも連れて行っていいらしい。マレーシアの法学者も、もし要請があれば審議する用意はあるらしい。
http://www.malaysia-navi.jp/news/?mode=d&i=1492

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