2025年1月30日木曜日

アブラハムの遺訓とM氏の臨終

「聖書物語 男と女その後どうなった」(小坂井澄著/講談社+α新書)に、「アブラハムの遺訓」という外典の内容が記載されている。「遺訓」というタイトルは全くそぐわない内容で、神からアブラハムの臨終を知らせるべく大天使ミカエルがやってくるが、何度も死の告知を拒むのである。神は仕方なく、「死」をつかさどる天使?を送り、最後は騙して魂を抜き取り、やっと天に召されるという話である。生への執着がプンプンの老人文学で、随分とアブラハムのイメージが狂う内容である。

さて、経済アナリストのM氏が昨日逝去した。あくまで私の私見なのだが、TVで見ていた頃のM氏のイメージはあまり良くない。ウィキで調べてみても、かなり癖のある人物である。ただ、私がM氏に感銘を受けたのは、余命を知らされても、最後の最後まで権力と戦っていた姿である。(今現在たくさんYouTubeがあがっているが、早めに削除されていくだろうと思われる。以下はその内の1つ。)

https://www.youtube.com/watch?v=Dlgm5LQdXaA

「ザイム真理教」という著作は、増税が教義化しているカルト宗教のようなZ省を徹底して批判したものらしい。増税した者が天下りで得をするという世界である。まるで、中国共産党幹部が私腹を肥やすのと五十歩百歩である。エリートとして、最も肝心な経世済民を忘れてもらっては困る。

たしかに、政治経済で教えるマクロ経済の金融・財政政策と日本の現状はそぐわない。増税ばかりしていて、デフレ脱却はありえない。政治家が触れたがらない財政法第4条との関連もあるようだ。

ただ、Z省の仕事、特に主計局などの仕事量の過酷さを私は知っているので、多少の天下りもゆるさない、とは思っていない。省の事務次官になれるのは同期の中で1人。後の多くは天下りや大学教授、政治家などに転身するのが常である。

小選挙区制になってから、官僚の権力の強さが政治家を凌駕してしまっているようである。小物ばかりで官僚に太刀打ちできないようだ。マスメディアや司法・検察に対してもかなりの圧力をかけているらしい。こんな構造的欠陥を持つ日本は一体どうなっていくのだろう。

癖の強いM氏は、最後の最後まで戦って臨終を迎えた。M氏もアブラハム同様、かなりイメージが狂ったのだった。(これは同学年のM氏への褒め言葉である)…謹んで哀悼の意を評したい。

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