2025年1月9日木曜日

鉄道唱歌 JR学研都市線編

https://www.youtube.com/watch?v=J2thAMF5DKc
たまたま見たYouTubeで、片町線(現・学研都市線:私がいつも乗っているJRである。)の歴史という、かなりレアでマニアックなものがあった。ここで、鉄道唱歌の話が出てくる。例の「♪汽笛一声 新橋を…」であるが、全国各地編があるとのこと。その頃すでに今の学研都市線は存在しており、当時は始発駅の名をとって「網島線」という名前だったらしい。

この鉄道唱歌、正式には、鉄道唱歌/関西・参宮・南海編。現・学研都市線に関連する歌詞のみ紹介したい。旧漢字や表現を現代風にして読みやすくした。また駅名は「」で示した。

♪汽車をたよりに思い立つ 伊勢や大和の国めぐり 「網島」いでて関西の線路を旅の始めにて

♪造幣局の朝桜 桜の宮の夕すずみ なごりを後に見返れば城の天守も霞みゆく

♪咲くや菜種(なたね)の「放出」も過ぎて「徳庵」「住道」 窓より近き生駒山 手に取る如く聳(そび)えたり

♪「四條畷」に仰ぎ見る小楠公のみやどころ 流れも清き菊水の旗風いまも香らせて

♪心の花も桜井の父の遺訓を身に占めて 引き返さぬ武士(もののふ)の戦死の跡はこの土地よ

♪飯盛山をあとにして「星田」すぐれば「津田」の里 倉治の桃の色ふかく源氏の滝の音高し

…大阪以外の方には、わかりにくいと思うので少し解説。最初に出てくる造兵局(財務省管轄の硬貨や勲章を製造する所)は大阪市内の桜の名所。天守は当然大阪城。生駒山は奈良との境をなす地塁山地。倉治は現交野市の地名。源氏の滝は、自宅から徒歩圏内なのだが、実際には大きな滝ではない。駅名も難読なものもあるので、放出=はなてん、徳庵=とくあん、住道=すみのどう、となる。

…1900年(明治33年)の作であるから、日清戦争と日露戦争の間である。小楠公というのは、南北朝時代の武将(建武の新政で活躍し湊川で戦死した楠木正成の嫡男)で楠木正行のこと。南朝の河内守で、四條畷の戦いで北朝に敗れた。「太平記」の伝説に基づき、明治9年に尊王思想の模範とされ従三位を贈られている。菊水の旗とは、楠木正成の家紋である。飯盛山山頂には、吉野の方向を向いた正行の銅像(昭和13年)が建っている。当時の時代背景をすこぶる強く感じるわけで、社会科教師なのに苦手な日本史の再確認も少ししてみた次第。

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