2025年1月4日土曜日

穏健派ヨルダン国王のこと

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ヨルダン国王は、ムハンマドのクライッシュ族・ハーシム家の血筋で、世が世ならカリフになるべき王家である。

第3次・第4次中東戦争時、ヨルダンは前国王のフセイン1世の治世。両戦争にヨルダンも参加したが、ラビン・イスラエル首相と平和条約を結び、エジプトに次いで国交を結んだ平和主義者である。

国内の上下水道と電気のインフラを整備(治世の終わりには、10%から99%に拡大)、識字率も33%から85%に向上させた名君といえる国王であった。その長男である現国王のアブドゥーラ2世も、先代の国王の穏健路線を粘り強く引き継いでいる。

この父子は空軍パイロットでもあり、人の上に立つ者はそれに見合う責任があるという「ノブレス・オブリージュ」が、世界的な常識であるからだが、アブドゥーラ2世は、政府専用機を操縦することもあるらしい。変装して一般市民の生活を実際に見聞きする国王としても有名。

さて、現在のヨルダンには、UNHCRとUNRWAの統計で232万人のパレスチナ難民がいる。他にもシリア難民が66.8万人、イラク難民が3.6万人、その他スーダンやイエメン、ソマリアの難民も受け入れている。

そんなに資源もなく(リン鉱石と天然ガスが少し)、果実・野菜などの農業国で、アラブ諸国の中でも豊かではないヨルダンは、この難民受け入れを、アメリカなどの支援とサウジなどの支援で賄っている。イスラエルのマイナス面を、国際社会にあっては、こういうカタチで受け入れているありがたい国であるといえるのだが、それも二代の国王の人徳によるところが大だといえるのではないか。

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