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…さて、マルクスの逸話が実に興味深い。マルクスには3つの収入源があったのだが、まずは印税と原稿料だが、ほとんど無いに等しかった。二番目は貴族だった妻の持参金。これは比較的早いうちに使い果たしてしまった。ちなみに、マルクスは貧乏だったというのが、左翼系や共産党系のものには書かれているのだが、その理由については書かれていない。と、いうのも浪費癖がひどく、ボルドーのワインが好きで、娘に家庭教師を付けて過剰なお稽古ごとをさせており、休みはコートダジュールといった具合。収入の三番目は、エンゲルスへの無心。エンゲルスへの手紙には「私にプロレタリアートのような生活をしろというのか。」と平気で書いている。エンゲルスはマンチェスターの工場の跡取りだったが、ヒューマニストで、自分が資本家で搾取している側であることに苦しんでいた。ブルジョワジーもプロレタリアートもいなくなるような世の中をつくるため、マルクスを支援していた。よって、マルクスは資本家の側にいた(=搾取した金で生活していた)わけで、しかも、マルクスは工場へは「ああいうところへ行くと目が曇るから」と行かない。そんなヒトであったわけだ。バルトもバルトだが、マルクスもマルクスである。
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