2025年1月26日日曜日

ノアの方舟物語・再構築

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「天国と地獄 キリスト教から読む世界の終焉」の書評第2回目。1524年終末論は起こらなかったが、ドイツ農民戦争とローマ略奪による戦火が起こった。洪水(fkood)ではなかったが、血(blood)が洪水となったわけだ。旧約では、神は二度と洪水による終末を起こさないとしている。多くの聖書を知らない人々は、洪水による終末を予感していた。この世界の「洗礼」と重なっていたからである。

旧約のノアの箱舟の物語をキリストの典型と捉える論も生まれた。方舟から出てくる姿をキリストの墓からの復活をイメージさせ、方舟のドアは十字架刑での脇腹の傷を象徴し、方舟は教会であるとされ、ノアの放った鳩はキリストの暗示、鳩が持ち帰ったオリーブは平和のシンボルとなった。

さて、本書にある細かな逸話をいくつか記しておきたい。天国と地獄を象徴する家畜は、天国が羊で、地獄はヤギである。ヤギは淫獣とされ、悪魔の変身の原型とされた。最後の審判の際の復活は、みな30歳の姿になるとされている。それ以前に死んだ幼児や子供も30歳だそうで、全てキリストが十字架にかかった年齢(=死に対して勝利した年齢)に合わせて復活し、裸体のまま審判を受ける。選ばれた者(天国に行ける者)は衣服を取り戻すらしい。

…本書は、神学書ではなく、図象学の立場から書かれている。あくまでキリスト教美術から導かれたことである。多かれ少なかれ聖書の内容をもとに制作されたものなので、教養として身につけておいてもいいだろうと思う。

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