2018年12月15日土曜日

韓国の歴史教科書の話

https://jp.wsj.com/articles/SB10171014995452453472504581168050556874660
先日、たまたま「大世界史」(池上彰・佐藤優/文春文庫)を日本人会の古書コーナーで見つけた。ちょっと再読してみようと思って、例によってRM1で購入し、拾い読みしていたら、韓国の歴史教科書のことが出てきた。佐藤優の言。

中国や北朝鮮は、社会主義国なので、唯物史観に添って書かれてある。(日本の歴史教科書も、下部構造の変化が上部構造を変化させるというスタンスである。)だが、反共国家の韓国はそういう歴史観がない。「テロリスト史観」で貫かれ、「我が国の先達はここまで追い詰められ、テロをせざるを得なかった」と延々綴られている。だが、伊藤博文を暗殺した安重根の扱いは意外に小さく、1923年に天皇の暗殺を企てた朴烈、台湾で日本の皇族を刀で襲った「義挙」を行った趙明河、1932年天皇の馬車に爆弾を投げた李奉昌の方が扱いが大きい。伊藤博文は首相であるが、天皇や皇族など、より大きな玉を狙った者がたとえ失敗しても偉大だとされている。(高等学校 韓国史/志学社)
文明国において、テロによって現状を打破する試みを褒め称えることは通常考えられない。しかし韓国は「恨」の文化といわれるように、教科書も怒りに突き動かされてつくられている。

今日、島根県の中学校に、41通の竹島教育を批判する葉書が届いたというニュースが流れた。教育関係者の端くれとしては、なんともやりきれない話だが、こういう事実に即した歴史教育を受けていない教師とそれを再生産されている児童生徒は哀れである、としか言えない。https://snjpn.net/archives/84488

先日も書いたが、韓国は、儒家のカインコンプレックス(同じ東アジア・儒教圏の中で韓国は兄、日本は弟であるのに、弟の方が何かにつけ優位で、一時は併合された歴史がある故に、長幼の「礼」に反しているという感情を意味する。11月27日付ブログ参照)がある上に、「日本の植民地となって苦しんだ。」という『物語』を作って、その物語の中に生きているように思う。

まだまだ勉強不足だが、調べてみると、韓国併合は、欧米のえげつない植民地支配とは、かなり違う。私は、インフラや社会基盤の整備・近代化と共に、特に教育面で大きな貢献をしていると思う。識字率を大いに向上させていることは、欧米とは全く違う。(植民地支配では、被支配者は無学の方が都合が良いからだ。)ところが、韓国の場合、民族語の朝鮮語を必須としており、朝鮮半島の開発を進めるための教育だったことが明らかだ。あるいは、教育の整備を国民皆兵を狙ってかと思ったが、意外にも彼らが兵士として参加したのは戦争がかなり進んでからのことで、しかも(日本人に比べ)圧倒的に少数であるし、士官学校に学んだ人々もいたようだ。イギリスがインド兵やケニア兵を戦争で大動員したのとは全く違う。優遇とまではいかないが、様々な権利面でも比較的よくやっているように思われる。(あくまで欧米と比較しての話。日本も当時は人権などはかなり酷かったわけで…。)さらに、日本の国民として国会の議席を選挙で有した者もいるようだ。

おそらく、韓国の人々は、そういう併合時の事実を知らない(教えて貰っていない)だろうし、国交回復後の日本のODAなども知るまい。自分たちの作った「恨」の『物語』の中で生きているわけだ。島根県の中学に送られてきた葉書の件はこういう背景があると理解した上でも、この件は国際的に見てかなり『異様』だと、言わざるを得ないと私は思う。

何度も主張するが、在日韓国人の人々は、こういう『物語』の中で生きているわけではない。日本の教育の中で、事実をちゃんと認識している。半島の人々とは、はっきり区別して欲しい。韓国の異様さを批判することは、もうこの時点では当然かもしれない。しかし、在日韓国人の人々を同列に扱うことはおかしい。私は重ねて主張したい。私は、今回の韓国問題に関係のない、多くの在日の教え子や知人を護りたいと願っている。

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