2020年1月9日木曜日

インドの市民権法改正問題

http://blog.livedoor.jp/nappi11/archives/5140102.html
イラン危機は、やはり小競り合いで終わらせようとする両国の思惑が一致したようだ。イランの攻撃もできるだけ人的被害を与えないように米軍基地の格納庫等を狙ったものだったようだし、アメリカへの理性的対応を望むという書簡さえ渡したようだ。大統領閣下の演説も過激さが失せた。これで、とりあえずは、小康状態に戻ったわけで、イランの株がちょっと上がったような気がする。

さて、今日はインドの問題である。「イスラム排除を見せるインド市民権法改正」という記事が気になっている。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/18278

昨年12月にインド市民権法の改正が、上下両院で可決された。その内容を整理すると、不法入国者(隣国のパキスタン、バングラディシュ、アフガニスタン)とその子供には市民権は付与されなかったが、2014年までに不法入国した難民数百万人に付与する。ただし、ヒンドゥー教徒、シーク教徒、仏教徒、ジャイナ教徒、ゾロアスター教徒が対象で、イスラム教徒は除くというものだ。
この改正には、インドのヒンドゥー化を推進する政府の思惑がある。アッサム州でバングラディッシュからの難民排除のための市民登録制度で、難民の2/3がバングラディシュのヒンドゥー教徒であったため、彼らに不利益を与えたという反省と、パキスタン等3国は、いずれもイスラム教国であり、イスラム教徒が迫害を受けることはないはずだという理屈が背景にあるようだ。

インドの憲法にも、法の下の平等(第14条)があるし、難民は、宗教的な迫害だけが理由で生まれたわけではないので、この市民権法は国際的にも国内的にも大きな批判にさらされている。

…インドの発展は今、世界的な注目を浴びている。そのインドでことさらにイスラム教徒を排除するというのは時代の逆行と言わざるを得ないと私も思う。
イスラム教徒の難民の多くは、おそらくは、経済難民だと思われる。マレーシアでも不法入国や就労ビザの切れた外国人労働者の問題は、痛しかゆしの問題である。マレーシアでは、所得が上がってきて、外国人労働者の就業が、マレー系やインド系の人々の就労を直接脅かすことはあまりないが、インドでは、発展してきたとはいえ、ジャーティ(カースト制度と誤って呼ばれている職業別の階級構造)の関係で、ジャーティーによっては多少脅かす状況なのかもしれない。
日本にいるとこういう感覚がなかなか実感できないが、非常に重要かつ微妙な問題なのである。記事の最後にあるような欧米の価値観の押し付けには私ちょっと違和感がある。インド政府のポリシーをある程度理解したとしても、これからのインドの発展を考えると決して得策であるとは思えないのだ。まして、イスラム教徒であるマレーシアのF42国費生の諸君は、この問題どう考えるだろうか?

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