2020年1月11日土曜日

スターリンの亡霊

http://sauvage27.blogspot.com/2008/05/sei-apparizioni-di-lenin-su-un.html
Daliの作品で「レーニンの亡霊」という作品がある。私は左翼でも右翼でもないのだが、最近つとに左翼運動には、自己の信ずるところのドグマのためには、極めて悪意のある陰謀や策略が許されるという信念のようなものを感ずる。これは、私が教師を始めた頃からのいくつかの経験からも感じることなので、最近のコトではない。私はスターリンから始まると思っている。プロレタリア独裁のもと、反革命はすべて悪だという二元論的な志向で、容赦がない。
http://tchal.net/article/187013532.html
急にこんなことを書きだしたのは、東京オリンピックに対する隣国のポスターにかなりの嫌悪感を感じているからだ。これまで私は、「儒家のカインコンプレックス」や「反日」と言う(デリダの理念である)ゼロ記号などの視点から隣国の反日姿勢を分析してきた。(再確認しておきたいが、私には在日の教え子や友人も多い。危惧してきた半島の政権と在日の人々を同一視する論調が最近多くなってきたので、非常に心を痛めている。)今日は、これらの視点に、今の文・左派政権における「スターリンの亡霊」を加味したいと思う。したがって、この視点は、保守派の人々ではなく、文・左派政権とそれを応援している人々に対してのモノである。

私が学生当時「反帝・反スタ」という(トロツキストの)新左翼のスローガンがあった。この”スタ”はスターリン主義をさしている。陰険な策謀の代名詞と言っていい。まあ、ヒトラーはとんでもない奴だが、スターリンもそれに輪をかけて冷酷で、反対派を虐殺している。その陰険さは世界史上でも抜きんでている。毛沢東しかり、ポルポトしかり、チャウシェスクしかり、今の金王朝もしかり…。どうもこのスターリンのDNAが左派にはぬぐい切れないような感覚を私はもっている。

さて、東京オリンピック開催について、私はあまり興味がない。こうして日本に帰国してきたが、自分の中では全く盛り上がっていない。だが、隣国の東京の放射能の数値の高さを揶揄したポスターは噴飯ものである。在ソウル日本大使館はソウルの放射能検査値を毎日公表しているようだが、東京と変わりがない。様々な非科学的(論証を全く無視している)な「いいがかり」(というかウソ)で、東京オリンピックを妨害しようとする姿勢は、まさに陰険な策謀そのものである。科学的に論証すべきだと正しても、彼らのドグマがそれを平気で押しつぶす。正義は我にありという二元論で受け付けない。

東北大震災の事故で傷ついた福島の皆さんをはじめ、人の気持ちなど彼らの辞書にはない。まともな人々は相手にしないだろうし、私も相手にしたくないのだが、IOCはどう対処するのだろうか。自国選手を放射能汚染された日本食材から守るため選手村に入らないという陳腐な手段も、スターリン的な悪意しか感じない。オリンピック憲章は政治の介入を排しているはずだ。と、いってもスターリンの亡霊に取りつかれている現在の左派政権には通じないだろうが…。小さな声だが、いちおう、声をあげておく。

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