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李登輝氏は、日本的な精神で「公」を貫いた哲人政治家であるが、その手法は蒋介石の息子・蒋経国に学んだものであるという。学術的的に考えればAという結論になると会議に臨むと、政治的な条件を加味してBという結論になっていく。
(閉話休題 ここまで書いて突然我が部屋が凄い音と共に停電した。妻と大騒ぎになったが、セキュリティーさんが来てくれて、簡単に解決した。)
この中国人の発想を理解できたからこそ、台湾の近代化を推進できたわけだ。そのひとつは、「国民大会」(中華民国が大陸で成立した時点で各省の代表が数名ずつ選出されており、台湾に逃れた後も国共内戦中で非常事態となり、大権を有しつつ改選もされなかった、いわば特権階級集団)の始末である。法治国家(民主化)を進めるためには、未だ内戦中というレトリックを覆すためには、これを議決した国民大会によって廃棄しなければならない。この議決を取り付けた後、国民大会代表の1人ひとりを訪ね、破格の退職金と年金待遇をもって辞めて貰うことに成功した。国のトップに訪問されては断りにくい。改めて国民議会は改選が可能になった。
さらに、軍を私物化していた参謀総長を国防大臣、行政院長(首相に相当)とあえて出世させ、その権力も奪ってみせた。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15283
…国民大会のくだりは、日本の明治維新に於ける廃藩置県で大名を貴族化して実権を奪ったのと酷似している。これを実行したのは、西郷だが、彼は人格的にも高邁な人物、ヒーローとされているが、それは一面に過ぎない。ここぞと言うときの非情さが彼の革命家としての本質だと私は思う。政治は学問・理論の延長ではない。J君は政策学を中心に学ぶが、洋の東西を問わずに政治の歴史を十分学んで欲しいと思う。
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