2019年6月13日木曜日

PBTの話(30) 金融政策

経済分野は、「金融政策」が最も大きな山ではないかと私は思っている。今日、EJU直前にして、その金融政策に突入した。まずは、マネーストックの話。通貨量のなかで意外に現金通貨の占める割合は小さい。インフレやデフレは、人間の身体で言うと、血が多すぎる(インフレ)と血がよく回っていない(デフレ)である。インフレの時は血を抜く必要があるし、デフレの時は、輸血しなかればならない。マネーストックの量を変化させる事が必要で、この中心となるのが、政策金利である。マネーストックの預金通貨を金利の上下で調整するわけだが、この説明には、なかなか熟練の技がいる。(笑)特に、今年の国費生はムスリムなので、金利という概念に本来的には否定的だし…。

公開市場操作(売りオペ・買いオペ)も、日銀が主語で、売り、買いであることを明確にしてあげる必要がある。日銀が売り、市中銀行から通貨が吸い上げられる。これはインフレの時。買いオペは、日銀が買い、市中銀行に通貨が注入=輸血されるわけだ。

こっちの方が人間の血=貨幣というたとえでは、わかりやすいのだが、売り・買いだけで覚えると混乱する。主語は日銀、これがスキルである。(笑)これまでの3年間のPBTの卒業生には悪いな、と思うくらいの満足できる授業だった。

ところで、意外に受けたのが、日本のお札(ちょっと古い伊藤博文とか、夏目漱石とか。伊藤博文は、大日本て国憲法の制定や初代総理として総合科目でもよく登場するメジャーな人物で、おおおと声が上がったし、夏目漱石では、「明暗」という掛け声もかかった。日本語初級の教科書で学んだマイナーな作品名である「明暗」が出てくるのだった。)や日銀を上から見たら「円」になっている画像である。そのユーモアにみんな感激していた。経済分野のパワーポイントを新たにつくってよかったと思う。(笑)あらためて、これまでの卒業生に、ごめんねと伝えたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿