2024年12月1日日曜日

死海文書の旧約聖書写本

今読んでいる「死海文書の封印を解く」(ベン・ソロモン著/河出夢新書)は、前に読んだ「死海文書入門」より聖書学的内容が濃い。クムランから出土した旧約聖書の写本223点で、エステル書を除き24巻全てが揃っているとのこと。これが死海文書全体の3分の1を占める。残りは自分たちを「ヤハド」と呼ぶ共同体のの教義や預言が3分の1、残りはユダヤ教関連の文書や出所不明の文書である。これらは、ヘブライ語(約80%)、アラム語(約20%)で書かれており、ギリシア語もわずかながらある。

興味深いのは、ほぼ中世の旧約聖書写本と変わらないことであるのだが、創世記については外典で、アブラハムがなぜイサクを生贄にしようとしたかという初出の資料が出ている。これによると、ヨブ記同様、神が悪魔から挑まれ、アブラハムの信仰の強さを試すという展開になっているという記述に驚いた。…つづく。

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