2024年12月10日火曜日

アラブの春の最終章への危惧2

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シリアの情勢について、昨日エントリーしたが、イスラエルのことを書き忘れていた。イスラエルは、基本的にダマスカスはおろか、バグダットくらいまで領土拡大の野心を持っているはずだ。ネタニヤフは、シリア政府軍のイラクへの撤退、ロシアとイランの弱体化を絶好の機会と捉えて、ゴラン高原から北上し、できる限りの領土を拡大する可能性が高い。反政府の武装組織の戦力は到底イスラエル軍の敵ではないからだ。ただ補給線が伸びすぎるとリスクが増すので、それもトランプが大統領に就任するまでの短期的な戦略だと私は思う。

トランプが正式に大統領になれば、その和平仲介を受けて、その拡大した領土を縮小すると見る。少なくともゴラン高原+αを得ることが出来るだろう。ダマスカスの軍事拠点を空爆したのもその前哨戦にすぎない。イスラエルにとって、国際法は、所詮人定法。アブラハム以来の選民としての神から与えられた地という神定法が優先される。

アメリカは、ISの拠点を爆撃した。ISの思想は、イスラム復古主義のカリフ制につながる反欧米・反キリスト教であるから、HTSがアルカイーダと手を切ったとしても、ISの思想的影響は十二分に残されているわけで、危険だと見たのだろう。これは、残る任期が少ないバイデン政権中の、軍産複合体のあがき(少しでも兵器の消費と需要の拡大戦略)にも見える。おそらくトランプ政権になれば、世界的に和平の動きが加速するはずである。イスラエルの戦争をトランプは止めることはできるだろうと思うし、ウクライナ紛争もその可能性に期待したい。(ただ、対中国では、強気で追い込みをかけるだろう。)

…ところで、小事かもしれないが、アラウィー派の宗教指導者たちは、反政府軍に恭順するとの書面をだしたらしい。HTSの署名は現在のところされてないそうだが…。また前政権の首相は亡命せず、権力移譲の手続きを取っているらしい。

…今日の授業、ポスターセッションの各班での検討に入った際、シリアのことを聞いてきた生徒がいた。雑談的に講じたのだが、こういう国際情勢に高校生が興味を持ってくれていることは実に重要だと思う。

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