2024年12月23日月曜日

エルサレムにある難民キャンプ

https://www.buzzfeed.com/jp/miriamberger/this-is-what-could-await-palestinians-1
「イスラエルー人類史上最もやっかいな問題ー」(ダニエル・ソカッチ著/NHK出版)の書評、ちょっとコラム的に挟んでおきたい話(本書でもそうなっている。)として、エルサレムにある難民キャンプ”シュアファト”について是非エントリーしておきたい。

第一次中東戦争の後、ヨルダンがエルサレム旧市街から数キロの地点に難民キャンプをつくった。これが”シュアファト”である。当時はまだ東エルサレムとヨルダン川西岸地区はヨルダン領であったからである。しかし、1967年の第三次中東戦争後、イスラエルはこれらを併合した。よって、今はイスラエル国内の東エルサレムのど真ん中にこの難民キャンプがある。パレスチナ自治政府の警察はそこで活動を禁じられており、住民サービスは、他の難民キャンプ同様、UNWRA(国連パレスチナ難民救済事業機関)が行っている。イスラエル政府は、東エルサレムに入植地(ユダヤ人地区)を建設し、この”シュアファト”に三方を囲まれた丘陵地に広がっている。

https://www.yomiuri.co.jp/
world/20240316-OYT1T50010/
”シュアファト”の窮状は、非パレスチナ人の目には、ほとんど映らない。ここに足を踏み入れた者は、警察官、軍兵士、人権活動家以外にはいない。観光客や巡礼者は、こんなところに難民キャンプがあるなどと誰も知らないだろう、と著者は記している。

…ところが、私は息子の住処が東エルサレムにあった関係で、この難民キャンプを取り巻く、ベツレヘムと同様の「壁」を(丘の上から)見た記憶が鮮明にある。(イスラエルに残った)アラブ人街も近くにあり、それらとはまた異質な長い壁。本書を読んで、その地が”シュアファト”であったことを確信したのであった。

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