2024年12月14日土曜日

14世紀の危機・17世紀の危機

コア東京Web
「世界史と地理は同時に学べ」(山崎圭一著/SBクリエティブ)の備忘録・その2。14世紀から19世紀半ばにかけて、ヨーロッパを中心に小氷期が訪れる。いまや地球温暖化が懸念されているが、歴史的にはこの地球寒冷化の方が大きな危機をもたらした。この主原因は、太陽の活動の極小化だと言われている。

まずは、「14世紀の危機」。この時期には百年戦争やモンゴル帝国の解体などの大きな戦乱や国家の衰退が多発した。中国では、頻発する飢餓の影響で紅巾の乱が起こり、朱元璋の明ができる。が、なにより「14世紀の危機」といえば、ペストである。好冷性ペスト菌は、1331年の中国・雲南地方の感染拡大からモンゴル帝国のネットワークで、1347年にクリミアで、1348年にイタリア半島、フランス、翌年イギリスへ、更に翌年神聖ローマ帝国へと拡大。ヨーロッパの人口の1/3を死亡させるパンデミックであった。この人口減が農奴解放(あるいは待遇の改善)、宗教改革にも大きな影響を与えたわけだ。

「17世紀の危機」は、テムズ川が凍結するほどの寒冷化で、農業生産に大きな影響を与えた。同時に再度のペストの流行が起こり、社会不安が増す中、三十年戦争(ドイツ人口の1/3が死亡)、カタルーニャの反乱、ピューリタン革命などが頻発する。これに加えて、新大陸からの銀の流入が大きく減少し、経済的にも通貨量が不足したため、農村の疲弊は激しかった。こんな中で、発展した国は商工業を中心にしていたオランダであった。

…ペストもコロナと同じく中国発症であるところは、歴史は繰り返す、であるわけだ。

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