2016年6月2日木曜日

IBTの話(1) 明暗

IBTのHPより
そろそろ、IBTの話をエントリーしようかと思う。私の勤める日本語学校の話である。IBTの生徒の多くは、20ヶ月在籍するコースである。つまり、4月に入学して、その年(9ヶ月間)は、日本語の学習に明け暮れる。年が明けて、1月から、教科(文系は総合科目=社会科と文系の数学、理系は理科=物理・化学・理系の数学)も学びながら、11月のEJU(大学留学生試験)を目指すというコースである。この20ヶ月コースは、文系と理系に分かれると共に、国費生と私費生にも分類できる。

マレーシアという国は、ブミプトラ政策を行っている。要するにマレー人優先政策である。マレー人の生徒で、成績優秀故に日本への留学生候補として選抜されたら、国費でIBTと日本の国立大学の学費等を賄ってあげるという優遇策である。彼らは、2人1組で、我が住処の近くのコンドに住んでいる。IBTにもスクールバスで通っている。なかなかの待遇なのである。全員、ムスリムで、性格も穏やかで礼儀正しい。だが、あまりガツガツ勉強するというタイプは、少ないように感じる。

私費生(私費留学を目指している生徒)は華人(中国系)が多い。漢字文化圏なので日本語学習においては、有利だ。なかなか優秀な生徒が多い。ちなみに彼らも礼儀正しくて、好感がもてる生徒ばかりである。

したがって、IBTの生徒は、文系の国費生・私費生、理系の国費生・私費生という分類が中心になる。ここに1年コースの生徒もいる。彼は日本語専修の生徒が多く、在馬日系企業への就職や日本の専門学校への留学を希望している生徒が多いらしい。(直接教える機会がないのであまりよく分かっていないのだった。)

私は、文系の国費生・私費生の総合科目担当。生徒諸君は、もう1年以上ガンガンに日本語を叩き込まれているので、私の関西弁混じりの講義もなんとかついてきてくれている。時々「?」という顔をするので、慌てて標準語で教え直すこともしばしばである。(笑)

先日、日本の小説の話が出て、「日本の小説家を誰か知ってるかあ?」と聞いたら、「夏目漱石」という声があちこちからした。「おお。すごいなあ。で、どんな小説を書いたか知ってる?」と聞いたら、「明暗」ときた。私は、思わずコケそうになった。夏目漱石ときて、普通、「草枕」とか「三四郎」とか、「こころ」、「坊ちゃん」なんかではないか。それが「明暗」とは…。あまりに渋すぎるではないか…。私は、ちょっと感動したのだった。

後で若手の日本語の先生に聞いたら、この「明暗」、日本語の初級の授業で出てくるらしい。なぜ「明暗」かというと、その内容云々ではなく、漢字の練習というか、字の並び具合というか、学習に都合がいいかららしい。「なーんや。そうやったんか。」と私は思わず関西弁で言ったのだった。(笑)

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